天才と発達障害

天才と発達障害

896円 (税込)

4pt

アインシュタイン、モーツァルト、ヴィトゲンシュタイン、南方熊楠、芥川龍之介……「異脳の人」を殺さないための処方箋を明かす!

本書は、「創造」「才能」がいったいどのようにして生まれてくるのかを、誰もが知る天才たちを具体的に挙げながら、精神医学的見地から解き明かす作品である。

歴史上の天才たちには、精神疾患の傾向がみられることが多い。これは数々の医学的データから明らかになっている。たとえば音楽の天才モーツァルトは、明らかに発達障害の特徴があった。落ち着きない動作、「空気」を読まない所作などで周囲から嫌がられた。一方、創作に入ると「過剰な集中力」を示し、素晴らしい作品を瞬く間に書き上げた。

物理学の歴史を変えたアインシュタインは、ASD(自閉症スペクトラム)の症状を示していた。他者とのコミュニケーションに障害を抱え、言葉の発達も遅れていた。しかし、飛び抜けた数理的洞察力によって、古典的物理学の常識を覆す理論を打ち立てた。

著者は、発達障害には「マインド・ワンダリング」(いわゆる「心ここにあらず」の状態)、そして「過剰な集中」という2つの特性があることを指摘。そして、相反するこの2つの特性が、天才の特異な能力と密接に結びついているという仮説を提示する。

そして、「才能をもつ子供や若者をいかに殺さずに育てるか?」というテーマについて、日本社会が取り組むべき解決策を提案する。発達障害に悩む親や本人にとっても福音となる作品だ。

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天才と発達障害 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2020年05月24日

    ■マインド・ワンダリングとは現在行っている課題や活動から注意がそれて無関係な事柄についての思考が生起する現象のこと。人間は目が覚めている時間のうち約30~50%を「心ここにあらず」の状態で過ごしているという指摘もある。
    ■マインド・ワンダリングは意識的なものと無意識的なものに大別される。その内容や広...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年07月09日

    NHKの朝ドラ『らんまん』で牧野富太郎に関心を持ち(小学校の教科書に載っていた人物とのことだが、まったく記憶にない)、朝井まかての『ボタニカ』を読んだ。「類稀なる天才だけど、人間としてどーなのよ!」と思い、本書を手にした。

    本書で、天才の能力が何らかの発達障害と結びついていることを知り、牧野富太郎...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年03月26日

    天才と馬鹿は紙一重と言われる。後世に偉大なる人物として名を残す政治家、文学者、芸術家、科学者たちが、社会から異端とされながらも大きな実績・成果を残してきた事実、その背景について精神面の研究と照らし合わせていく内容。
    大半の人が自分にもそう言う面があると考えるうつ病や、幼い頃を振り返ると何処か当てはま...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年04月10日

    多くの事例から、いわゆる天才とされる方々に内包される精神的な症例に対して目を向ける書。タイトルからある種の重さを予感していましたが、思ったよりも(?)軽く読み進めることができました。最後にあるインクルージョン(包摂)が印象的でした。

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    Posted by ブクログ 2019年11月13日

    天才と呼ばれる多くの人たちは大抵発達障害を持っていた。逆に発達障害は傑出した才能開花の可能性を秘めているとも言える。
    世の価値観を変革するトリックスターは常人では担えない なり得ない。既存の価値観を無視・破壊し新たな価値を創造する発達障害者が時代を塗り替えていった。


    文学や芸術には発達障害が原因...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2019年06月12日

    異能なる有名人たちが
    「天才」として数多く取り上げられる
    どの人物たちも
    身近な(?)存在であるがゆえに
    ふむふむ
    なるほど
    そういう分析をすると
    そうなるわけだ
    が 満載である

    易しい言葉で綴られているので
    最期まで興味深く読ませてもらった

    第六章の「誰が才能を殺すのか?」
    を 一番面白く思っ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2019年05月11日

    なんでもかんでも発達障害と関連して
    述べているような感じもしましたが。
    発達障害をベースに独自性をもった人たちにやさしい
    寛容性のある世間になってほしいと改めて、読んで思いました。また自分もそうでありたいと思います。

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    Posted by ブクログ 2021年11月04日

    勉強も兼ねて読んでみました。

    ずば抜けた才能があるだけでなく、それを存分に発揮できてしまう特徴も持ち合わせているのかと考えました。

    ただ、一回読んだだけでは、内容を飲み込めた感じが足りないので、また読んでみようと思います。

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    Posted by ブクログ 2020年05月15日

    創造性、独創性が高い天才たちの多くには発達障害と思わられる性質があった。
    ADHDや自閉症。鬱病や統合失調症らしき人もいた。
    しかし世間では、特に日本では常人から逸脱した人は排除されがち。
    この世界は才能ある人たちにとって生きずら過ぎるかも。

    天才たちのエピソードが単純に面白いので楽しく読める。
    ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2019年06月08日

    野口英世、南方熊楠、モーツアルト、マーク・トウェイン、ヴィトゲンシュタイン、山下清、大村益次郎、ダーウィン、アインシュタイン、ドイル、サティ、ヘミングウェイ、チャーチル、ルーズベルト、夏目漱石、芥川龍之介、サリンジャー、中原中也、エリック・クラプトン、フレディ・マーキュリー。。。

    本書で、ADHD...続きを読む

    0

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