【感想・ネタバレ】狂気の偽装―精神科医の臨床報告―のレビュー

あらすじ

現代日本で急増する「心の病」──。マスコミは、新たな社会現象に合わせて乱造された「病名」を喧伝し、悲惨な事件が起これば被害者を「PTSD」だと安易に決めつけ、「心のケア」を気軽に叫ぶ。だが、それは正しい診断なのか? その患者は本当に精神疾患なのか? 精神医療の現場を混乱させる「心の病」ブームの実態を、治療の最前線に身を置く現役の臨床医師が撃つ。渾身の告発リポート。

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Posted by ブクログ

社会で問題になる精神面の諸々の問題を分かりやすくかつ正確に、そして生々しく解説している。

それっぽい用語を使ってかっこいいことを書こうという人は恥ずかしいことになる前にこれに目を通しておいた方がいい。

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2011年12月15日

Posted by ブクログ

精神科医による臨床報告書。

読みやすく、かつ学術的。的を得てる。

引用も多く、他の本も読んでみよう思える興味の広がる本。



第5章on the border はあたしにも当てはまりそう。

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2011年02月19日

Posted by ブクログ

実に考えさせられる本。精神医学は曖昧性そのものであり、答えどころか"問題"そのものが曖昧だ。
精神病理説について考えたくなった。
人間は精神病と言う枠組みの中に嵌り込んで、自らを陥れているのではないだろうか。精神病そのものが人類を退廃させる―。

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2010年08月07日

Posted by ブクログ

10年以上前の著作だが、本質的な問題は変わっていないように思う。病院は仕事や恋愛の悩みなど個人的な問題を解決する場ではない。その問題を「創作」「捏造」された病名によって患者にされる人、患者になることを望む人の利害一致の構図がある。治療が必要な精神科疾患とは? 様々な事例から読み解く壮絶な一冊。
解説はステレオタイプさながらで読むに値しない。

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2020年09月23日

Posted by ブクログ

精神科医の岩波明による、実際の現場の臨床報告。

心理学の言葉が比較的カジュアルに使われるようになった昨今に一石を投じるような内容で、非常に勉強になった。

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2019年05月15日

Posted by ブクログ

読みやすい。要は、マスコミが騒ぎ立てることで心の病を意識するようになってしまった現代人へのアンチテーゼ。

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2013年03月16日

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精神科医たちのヤバイ話がいろいろ。おもしろい。



患者に手をつけて問題起こした医者が「現在は思春期病棟に勤務している」とかわざわざ書いているのが悪意あっていい。

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2020年06月15日

Posted by ブクログ

以前に読んだ『強姦の歴史』のように、精神的な傷ばかりか肉体的な傷まで無視された時代があったことを思えば「心の病」も無視してはいけない問題ではありますが、なんでもかんでも「心の病」としてしまう昨今、心のケアが叫ばれ精神科へかかるハードルが下がったことは本当に苦しむ人にとっては良かったと思う反面、マスコミに煽られた「心の病」の氾濫には疑問を感じていたところピッタリくる本がありました。
「心の病」の実態を臨床医の立場から真摯に書いています。

ブームにするだけではなく精神医学と関わる司法の整備は早急に必要だと思いました。

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2010年10月23日

Posted by ブクログ

心の闇が関わっていそうなことについて論理を展開するとき、精神の症状名や病名などを記述し、それが根本の原因であるかのように説明する書籍が多くあります。

流行りの病名などを用いて説明されると、説得力が生じてしまい、それを鵜呑みにしてしまって本当のことを理解しようとする思考が止まってしまいます。

思考停止によって本当の解決が妨げられないように、この本を読んでおくと良いと思います。

特に1章〜4章が思考停止に陥らないようにするためのヒントになると思います。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

面白かったです。

学校で習ったこととか思い出しながら読みました。

精神医学って、知っているようで、知らない領域なんだよなぁ…

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

過去のトラウマが現在の精神病の原因になるわけないじゃんみたいな
精神分析への異議申し立てがなかなか面白い。
やっぱり精神医学ってのは医学っていうだけあってハッキリしないことは言わないね。
ふつうの医学の、風邪の予防にはマスクを的な、精神病の予防みたいなのって何かないのかな。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

岩波先生、心的外傷という言葉が軽く用いられていることに違和感を抱いているようで、それには同意するけど、PTSDと診断された患者のフラッシュバックはなんて呼ぶべきなんだろ。「それをトラウマと呼ぶべきではない」との岩波先生の主張は分かるけど。(他に呼称があるのでしょう)
診断名や症状の呼称は専門家には重要だろうし、それが誤用されているのに警鐘を鳴らしたいのも分かるけど、患者にとっては診断名も症状の呼称よりも、今の自分の症状を緩和してくれる薬の特定のほうが重要なんだけど。

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2025年06月26日

Posted by ブクログ

「心の病」を正しく解説しようとした労作です。前書きでは同業者で売れっ子の福島章の杜撰な学説開陳や森昭雄教授の無知などを批判しています。
本書は現場での自身の体験をふんだんに取り入れながらも、断定を避け、あくまでも症例の1つとして扱っているところに誠実さがある。
人は追い込まれると、自分以外の何かのせいにすることで安心感を得る。その1つが、「心の病」という漠然とした病名です。彼らは、病気だと診断されることを求め、精神科医はもっともらしい病名をつけることで金を稼ぐ。一見すると、誰にも迷惑をかけていないようだが、本当に治療すべき病気(もどき)を医者と患者で隠蔽する可能性や本来治療の必要がない人を薬漬けにしてしまう危険性、長い目で見れば精神医療の現場を混乱させる元凶だと問題提起している。本書は、そうした医者と患者の馴れ合いの関係に警鐘を鳴らしながら、マスコミ受けを狙った本来あり得ない病名の乱造に危機感を抱く精神科医の臨床報告書です。

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2021年06月30日

Posted by ブクログ

心の病が「ブーム」になってしまっていないか?
心の病の実態についてわかりやすく書かれている・・・のだけど、正直内容忘れちゃったな。またいつか読んでみよう。

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2019年01月02日

Posted by ブクログ

心の病は目に見えるものではない。
だから診断も治療方法も担当する医師の裁量に任され、それが正しいのか間違っているのかは他からはわかりづらい。
一見治療のように見えるカウンセリングが、逆に人格を破壊しありもしない過去を作り上げてしまうこともある。
カウンセリング治療による逆効果によって、アメリカでは多くの被害者が出たこともわかっている。
「偽りの記憶」を誘発したカウンセラー、病院は賠償請求を受けているのも事実だ。
犯罪加害者、特に大量殺人や猟奇殺人を犯すものの一部には脳に萎縮が見られるらしい。
MRIによって脳の側頭部を検査した結果、萎縮所見が出されたのだ。
ウゥルス性脳炎の後遺症ではないかと言われ、情動行動や性行動の変化が見られるということだ。
数多くの症例を具体的にあげ、それぞれの解説をとてもわかりやすくしていた。
医学的にはまだまだ謎の多い分野である。
どの状態になったら本当に寛解と言えるのか。
寛解状態になったとして再発の可能性はどれくらいあるのか。
たったひとりの医師の判断ですべてを決定してしまっていもいいのか。
研究の余地が大きな分野なのだとわかった。

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2017年04月25日

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心療内科、クリニックが大流行りである。精神科の入院費の削減を狙った厚生省の施策の誤りで境界患者の増加を招いたのだという。確かに複雑で住みづらい世の中になってきた。年功序列でなく能力主義と標榜しつつ、一方で歪んだ個人主義を助長、他人のことは無関心。現実からの逃避とも見えるネット上の集まり、病院に行って病気を作る、等々。季節がら高校球児が口にする、人への感謝の気持ちが、大事な時代になってくる気がする。2014.8.6

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2014年08月06日

Posted by ブクログ

 だいたいの内容は裏表紙の解説を読めば理解できる。それよりも、なによりも面白いのは、おわりの数ページに記載がある『ジャルゴン』と『ネオロギスム』という病気についてだ。どちらも総合失調症の症状なのだ。言語中枢障害であるとか、言語処理の障害であるとか。彼らの発する言葉はとても不可解なのである。周囲がそれと気がつくことで病院に連れていくのが正解。ただ、時として、その言葉を聖なる言葉と思い神が降りたのだと言ったりする。それもこれも、行き過ぎてはいけないが、ほどほどならば誰も傷つけない。不思議な病気なのである。

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2012年07月29日

Posted by ブクログ

精神病といわれている中で
本当にその病気、病気ですか?
と、問いかける本です。
本当の精神病とはなんぞや。
いろいろな症候群があれど
本当に病気なのか?
うつといわれているひとが
すべて病気ではない。ということ。
精神的な病は、医者によってもだいぶ見会が違うのではないかと思う
見える病気じゃないからね。。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

症状に病名をつけるのが医者
状況から人々の飛びつくブームを作るのがマスコミ自分の周りにある環境の悪さのせいにしながら、
誰かが用意した環境によって逃げ道を得た
自分は、もしかしたらそうかもしれないと
飛びついた人に、チョッと待て。
本物はこんなだよ、と。
風邪薬と農薬の自殺については背筋が凍る。

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2014年10月05日

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