本川達雄のレビュー一覧
-
-
Posted by ブクログ
ガリバーが小人国に流れついた
背丈が12倍だから食事は王様の12倍だろうか
体重が1728倍だから食事も1278倍だろうか
面積が144倍だから食事も144倍だろうか
実は全部違う
答は185倍だった。
何故だろう?
たくさんの不思議シリーズ傑作集の一冊
このシリーズ傑作が多いけど
本川達雄さんの中公新書のベストセラーを
本川達雄さんの文で絵本化しただけあって
とっても学びの多い絵本になっていました
「ブクブク本袋」で司書さんが選んだ本。
大きいと、いいことがある。
小さいと、いいことがある。
大きい動物も小さい動物も、
みんな生きている。
ネズミの一生は短い
ゾウの一生は?長い
ネズミ -
Posted by ブクログ
ネタバレ例え話などをうまく使って、生物の性質をコミカルに説明する一方、時間や命など大きな観念を捉え直そうとする大胆さもあり、面白かった。
印象的だったのは、時間とエネルギーに関する記述。現代は、石油を燃やしてエネルギーを使い、恒常的な環境(温度も明るさも一定の環境)を作り出して生産性を高めている。しかし実はこの恒環境をひとつの環境問題と捉えるべきではないか(著者はこれを「時間を速める」と表現する)。私たちは、時間を速めることもゆっくりすることもできる。時間を意図的にデザインできる。私たちは時間というベルトコンベアに乗って運ばれているだけの存在ではなく、自らのエネルギーを使ってベルトコンベアを回す主体な -
Posted by ブクログ
本川達雄(1948年~)氏は、東大理学部生物学科卒、東大助手、琉球大学助教授、デューク大学客員助教授、東工大教授を経て、東工大名誉教授。専攻は動物生理学で、棘皮動物、特にナマコを主な研究対象にしている。「アロメトリー」(動物の各部分の大きさや機能を示す数値の間に成立する「べき乗」の関係)という、日本でなじみの少ない学問分野を平易に解説した『ゾウの時間、ネズミの時間』(1992年)はベストセラーとなった。
本書は、著者が大学の一般教養科目で行ってきた生物学の講義をベースに、NHKラジオで連続講演を行った内容をまとめ、2011年に出版されたもの。著者の専門分野の研究内容を取り上げつつも、エッセイ風 -
Posted by ブクログ
生物の時間(寿命や成長にかかる時間など)は、ゾウであれ、ネズミであれ体重の1/4乗に比例する。この値は生物のサイズに由来する。例えば、大きい生物の場合、小さい生物に比べて体積当たりの表面積が小さくなる。すると、代謝量が減少するので心拍が遅くなる。小さい生物ではこの逆の現象が起こる。
本書は、この仮説を皮切りに生物のサイズや形が生きるためにどのような役割を果たしているのかを考察していくものである。
肺や心臓の必要性や微生物の構造の違いにも述べられており、分子による力学的エネルギーは生物のデザインに多大な影響をもたらしていることが大変興味深いと感じた。
一見何気ないものでも必ず理由が -
Posted by ブクログ
ネタバレ動物の体は効率よく生きるために設計されている、ということがよくわかる本。
例が巧みで面白く、楽しく読めた。
植物や棘皮動物(ウニやヒトデなど)についても述べられており、興味深かった。
【memo】
・時間は体重の1/4乗に比例する。
・1呼吸4回心臓は打つ。
・哺乳類ではどの動物も一生の間に心臓は20億回打つ。
・体調1mm以下の動物は水の粘性力に影響されて生きている。熱運動も無視できない世界。
・体調1mm以上になってくると、粘性力よりも慣性力に影響されて生きている。
・多数の繊毛を貼り合わせたクシ板で動いているタイプのクラゲがいる。(テマリクラゲ)
・酸素を細胞内の拡散だけに頼って -
Posted by ブクログ
サンゴ礁
全海洋面積の0.2%に海水魚類の1/3、全海洋生物の1/4がいる 生物生産性100倍
熱帯、浅い、岩場 =安定した環境
石灰岩のサンゴの中で褐虫藻が光合成し、CO2や排泄物の窒素、リン酸を受取る
粘液が体を覆う バクテリアが食べ、食物連鎖
温暖化により褐虫藻の活性酸素が増え、藻が減り、サンゴが白化=死滅
昆虫
動物の7割、生物の5割、個体数も一番多い
クチクラ(=キューティクル)
表皮細胞から生成された三層構造の薄くて硬い死んだ膜
べニヤ板構造+キノン硬貨(キノンによる架橋)=タンニング 黒いほど硬い
関節部はキノン硬化が少なくなっていて曲がりやすいが一体
羽
-
Posted by ブクログ
生き残るために、新たな機能が必要となる
その機能を発揮する機関をいれるスペースが必要となり、
大きくなる。
そうすると、物理法則に逆らうべく、小さい時とは異なる仕組みが必要となる。
小さい時は、表面積が相対的に大きく、距離も小さいので
繊毛でうごき、拡散でエネルギー伝達する
大きくなると体積が相対的に大きくなり、距離も大きくなるために、筋肉や循環器系が必要になる
また、時間も体調に比例する
これも、きっと、小さいほど、食われやすいから
早く次にバトンタッチが必要。
ほんとうは、大きいものがあとからきたろうから、
逆で、大きいほど、成長に時間がかかるから、
ゆっくり生きる、となるのだろうか。