本川達雄のレビュー一覧
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「デザインの生物学」と銘打ち、様々な動物、特に無脊椎動物の体のつくりの違いを中心に、多彩な動物たちの世界を紹介。代表的な5つの門(刺胞動物門(サンゴなど)、節足動物門(昆虫など)、軟体動物門(貝、タコ、イカなど)、棘皮動物門(ヒトデ、ウニ、ナマコなど)、脊索動物門(ホヤなど)、脊椎動物亜門(魚、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類)を取り上げている。
進化の先にいる哺乳類がもっとも優れているというわけではなく、どの動物たちも他とは異なる工夫された体のつくりをもち、他とは異なる生き方をしながらそれぞれに繁栄しているということがよく理解できた。まさに、みんな違ってみんないい、という感じだ。「造礁サンゴは体内に藻を住まわせ共生している」「昆虫の体を覆うクチクラは軽量かつ丈夫できわめて高性能」「ヒトデなどの棘皮動物には脳も心臓もない」など、個々の動物たちのエピソードもとても興味深かった。非常に知的に面白い1冊だった。 -
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序盤から中盤までは生物多様性の底力というのか、どのようにして多様になっていったのかを解説していて、特に熱帯地方の陸と珊瑚礁の海を具体的に述べていて、それはそれで興味深いものがありましたけど、僕が知りたかったのはそこではなくて、『なぜ多様性を守らなければならないのか?』という疑問に対して、生物学者である著者がどんな回答をするのかが気になって本書を読み始めたので、まぁ終盤ではそれがちゃんと書いてあったので良かったです。
著者曰く、『今ある生物種は全部必要かと言われれば疑問が残る。しかし、生物多様性は現代科学ではまだまだ解明できていない部分も多いし、不要な種もあるかもだけれど、それらを排除したらどんな影響が出るのかの見通しが立たない』とのことで、とりあえずは多様性を守りましょう、ということでした。
更に、『自分には関係ない生物を守ろうと言われてもピンと来ない。けど、人間も様々な形でたくさんの生物と関わり合って生きていることを実感し、生物を守ることは自分を守ることと同じであると気付けば、その大切さが分かるのではないか』と締め括っています。僕も基本的には著者の意見に賛成ですが、たくさんの生物を眺めてきた著者だからこそ言える境地というか、言葉の重みや説得力が全然違いますね。
僕の評価はA-にします。 -
Posted by ブクログ
昨年あたりからのストレス解消は、およそ仕事にも生活にも関係ない、どうでもいい知識を仕入れて悦に入ること。誰かに話すこともせず、「なるほど、すごいな」と思うだけで満足しています。
という意味では、この本は最高の時間を与えてくれました。著者は歌う動物生理学者の本川達雄さん。「ゾウの時間 ネズミの時間」の中で「ゾウさんもネコもネズミも心臓はドッキンドッキンドッキンと20億回打って止まる」と忘れられない歌を作詞作曲しています。
現在、知られている動物の種の数はおよそ130万、その95%が背骨を持たない無脊椎動物。本書はサンゴ礁、昆虫、貝、ヒトデ、ナマコ、ホヤなどを取り上げ、なぜ今のようなデザイン、機能を得るようになったのかを説明します。
面白いと思ったのは、昆虫は筋肉とクチクラという素材をバネに、羽という錘をつけてバネ振り子を構成。最初にちょっとだけ筋肉を収縮させてやれば、あとは自動的に羽の上下振動を繰り返すという話。貝殻の対数ラセンの話。体中に不味く感じさせる物資を持ったウミウシの話。ヒトデが星型(五放射相称)となった誰もが納得できる理由などなど。
圧巻は、ナマコの話。
ナマコの皮はキャッチ結合という組織により少ないエネルギーで長時間硬くすることが出来ます。「毒を備えており、捕食者の心配はほとんどない」。「動くといっても、砂を食べる場所を少々移動するくらい。そのための筋肉はごくわずかでかまわない。おかげで筋肉が少なくなり、体の大部分は身を守る皮ばかり。そんなもの、食べても栄養にならないから」「ますますナマコは安全になる」。そして著者は、そのような環境を「ナマコ天国」と名付けます。
最近、ジャカルタの都心に水族館が出来ました。タッチコーナーなるものがあり、サメの赤ちゃん、ウミウシ、ヒトデ、小型の熱帯魚に触れることができます。ナマコがいたので手で包んでみました。なるほど、幸せそうでした(笑)。
本書は再読に値する本と思います。著者の作詞作曲した楽譜も十分楽しめます。動物生理の学術書ですが、読書が娯楽であることを認識させてくれる新書らしい新書です。お勧めの★★★★。 -
Posted by ブクログ
今の会社への転職をした時期に出された、「長生きが地球を滅ぼす」という衝撃的なタイトルで本を出された、本川氏による最近かかれた新書本です。
人類本来の寿命はせいぜい40歳程度ですが、エネルギーを多く利用することで寿命を伸ばしているという主張です。歴史的に振り返ってみると、江戸時代の頃の寿命は乳児も含めればその程度だと思われますし、現在でもある地域での寿命は50歳以下と聞いたことがありますので、日本の現在の寿命がいかに長いかというのがわかります。
子供は親と完全に似ていない(クローン)でなく、少し変えているのは、急激な環境変化に耐えられる(絶滅しない)という考え方は興味深かったです。組織でも、同じ人ばかりだと確かに効率は良いかもしれませんが、環境変化が起きた時に脆いということでしょう。色々と考えさせてくれる本でした。
特に、年を取ればエネルギー消費量が下がり、同じ時計の時間内になす仕事量が減る。あまり仕事をしていていないのに、すぐに時間が経ってしまった、時間が速く過ぎたと感じる。時間とは、その流れの中にいるときと、あとから振り返って思い出すときとでは、感じる速さが逆になる。(p232)、この部分は今の自分を表現しています。
以下は気になったポイントです。
・動物の時間も人間の時間も、時間の進む速度はエネルギー消費量に比例すると考えられる。つまり、あまりエネルギーを使わない「ナマコ」の1日は、現代人の1分にしか相当しない(p49、50)
・額に汗して働き、脳みそを絞って考えて初めて、自分のやったことが身につく(p51)
・生態系サービスは、人間にとって重要であり、生物多様性が高いと、生態系サービスは良くなっているので、生物多様性は大切(p76)
・食べられる植物は8万種ほど知られているが、全地球で必要とされる栄養の95%は、たった30種類の作物から得られている(p77)
・生物は続くためには、克服すべき壁が2つ存在している。1)熱力学第二法則(エントロピー増大の法則)の壁、2)環境が変化する壁。この2つに対処するやり方を生物は身につけ、40億年近く絶滅せずに続いた(p85)
・機能がきっちりと続いていくような建物の建て方が、伊勢神宮である。20年毎に隣の敷地にそっくりのものを建て替える。子供を作ることが式年遷宮に対応する。子供というコピーをつくることで体を更新しながら生物は続き、熱力学第二法則の壁を解決する(p87、88)
・今の自分とはちょっとだけ違う様々な子を作っておこう、そうすれば新しい環境中でも生きていけるだろう、というのが生物のとった戦略で、これが有性生殖。多細胞生物は、この方式である(p91)
・有性生殖の場合、個体は父親由来と母親由来のものとの2セットの遺伝子があり、その組の間で遺伝子組み換えが起こる。無性生殖を続けると、有害遺伝子を持った場合は時間と共に有害遺伝子がたまる一方で、最終的には絶滅する運命にある。有性生殖の場合は、それを取り除く機構を持っていることになる(p92)
・相手の好きな面だけを見て付き合うとは、相手を自分の好きを満足させる消耗品として見ている、搾取の対象で一方的な関係しか結べない。相手を独自の価値をもつ存在として認める付き合いをすべき(p113)
・ヒトは心臓一拍の時間は約1秒だが、ハツカネズミは0.1秒、つまり、時を数えるカウンターが違う。ハツカネズミと、ヒト、ゾウでは、時間は違う(p151)
・心臓の時間が体重の0.25乗に比例している、時間の増え方は、体重の増え方ほど大きくない。0.25乗とは、体重が10倍になると、時間が約2倍なるという関係である(p153)
・動物の時間は種によって大いに異なるが、心臓を時間のカウンターにすると、時間に共通性が出てくる。つまり、心臓が15億回打つとみな死を迎える(p154)
・エネルギー消費量は、体重の0.75乗に比例している。つまり、体重が10倍になると、エネルギー消費量は5.6倍になる。エネルギー消費量の増え方は、体重の増え方ほど大きくない(p158)
・体重1キロ当たりのエネルギー消費量は、体重のマイナス0.25乗に比例している、体重の大きな動物ほど、体の割にはエネルギーを使わない、大きな組織の中の構成員はサボっているとも言い換えられる(p160)
・小さいものでは、体積当たりの表面積が大きくなる。茶碗のお湯と風呂のお湯は、茶碗の方がすぐに冷める。こうなるのは、茶碗の方が堆積辺りの表面積が大きいため、熱が表面からどんどん逃げる(p164)
・ゾウの細胞がネズミの細胞ほど盛んに働くと、熱が体内にこもって体温がどんどん上昇する。自分の出す熱でステーキになってしまう、ゾウの細胞はたとえ働きたくてもネズミの細胞ほどには働けない。サボっているのではなく、働くことを自粛している(p165)
・ネズミもゾウも、一生という時間で使うエネルギーは、30億ジュールで同じ。ただし、ゾウは70年かけて仕事をするが、ネズミは2-3年で終える。ネズミは短いが、ものすごくエネルギーを使いながら、駆け抜けるような人生を送っている。時間の密度が濃い(p169)
・時計の時間だけを使って生物のことを考えるから、時間の密度を考慮する必要が出る、もともと生物により時間の速さが違うのだと考える方がすっきりする。どんどん仕事をやっているとは、生きているペースが速いわけで、これを時間が速いと言っていい(p170)
・昆虫は、成長段階で異なる時間を使い分けている。飛んでいるときは、飛ばない時の170倍ものエネルギーを使っているが、幼虫の時間はゆっくりで、成虫の時間は速いと思われる(p172)
・体を新品につくりかえるたびに(伊勢神宮方式)、時間がくるっと元に戻る。これが、時間の速度がエネルギー消費量に比例するかを考えられる(p175)
・社会生活の時間の速度もエネルギー消費量に正比例すると仮定すると、現代人の生活時間は、縄文時代の30倍速くなっている(p181)
・人間の体重当たりのエネルギー消費量は、20歳までは減少する(赤ちゃんと比べて3分の1)が、それ以降は徐々に下がる(p232)
・年を取ればエネルギー消費量が下がり、同じ時計の時間内になす仕事量が減る。あまり仕事をしていていないのに、すぐに時間が経ってしまった、時間が速く過ぎたと感じる。時間とは、その流れの中にいるときと、あとから振り返って思い出すときとでは、感じる速さが逆になる。(p232)
・老人の時間はエネルギーをあまり使わずゆっくりであり、その期間にやったことが少ないからこそ、振り返るとあっという間に経ってしまう(p233)
・時間が違うとは、生きている世界が違うと言ってもいいこと。その時間・その世界の中で一番いい生き方をすべき。年代による時間までもが異なるので、その年代年代の価値観をもって生きるべき(p234)
・ヒトの場合は、15億回心臓が打つと、41.5歳。縄文時代の31歳から、江戸時代:45歳、明治:43歳、昭和22:52歳、現在:80歳と寿命が長くなっているのは、医療の進歩のおかが(p235)
・現代人は、エネルギーを使って時間を買い取っている、その買い取り方には、1)便利な機械をエネルギーを使って動かして仕事を早く済ませて、自由に使える時間を手に入れる、2)長い寿命がある(p237)
2016年4月9日作成 -
絵とき ゾウの時間とネズミの時間
- カート
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試し読み
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絵とき ゾウの時間とネズミの時間
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試し読み
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実に興味深い本。色々な視点から書いてあるのだが、やはり動物の時間の部分が印象的だ。
動物の寿命は、ハツカネズミで2-3年、ゾウで70年。ところがどちらも心臓は15億回ほど打つのだという。ゾウはゆっくりと心臓が動き、ハツカネズミの心臓はゾウの18倍速く打つということ。要はハツカネズミの心臓時計はもともと速く、ゾウのは遅い。我々は常に絶対時間を基準に考えて、ネズミは早死だなどと思っているが、もともとネズミの時間は我々の時間とは違って速く、ネズミにして見れば何も早死にしているわけではない。犬や猫しかりということなのだ。
これが人間となると40歳と少しで心臓の打つのが15億回に達する。かつては人生40年とか50年とかいわれていたのは生物学的には正しいわけで、良くも悪くも医療技術によって人間が動物的寿命を越えて長生きすることになったということ。本来は50歳を越えたら姨捨山行きのところなのに、膨大なエネルギーを消費しながら高齢者は何のために生きるのかという命題を突きつけられたとも云える。団塊世代としては辛いところだが。
大げさに云えば、キリスト誕生からカウントするニュートン以来の西欧式数学・物理学に依拠した絶対的時間の概念に新たな見方を提示したものとも云えるのではなかろうか。時計が刻む絶対的時間とは本質的に異なる本来の時間の捉え方、個々の人間に適用される時間の概念が哲学の考え方の中にもあるが、底辺では何か共通するものがあるようにも思える。たかが動物の話とはいえ、「生」というものの根源にも関わりそうで、これまた色々と考えさせられると云えそうだ。 -
絵とき ゾウの時間とネズミの時間
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試し読み
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Posted by ブクログ
「ゾウとネズミではお互いの時間の感覚が異なっている」という本川氏の本を読んで目からウロコが落ちたのが10数年前のことです。人間は生物学的寿命をはるかに超える年月を、エネルギーをより多く消費することで生きていることを知り、人間も少しは謙虚に生きる必要があると思いました。
人間の本来の寿命は40歳程度のようです、織田信長が「人生50年」と言ったのも頷けます。
医療技術の発達や「飢えの心配のない世界」で長く生きることのできる現代に感謝し、自然や他の生き物と共生する方法を考える時期に来ているのではないかと思いました。
また、この本を通して、私たちに身近に存在する「水」の持つ特異性(分子量が低いのに室温で液体、氷が水よりも軽い)を再確認しました。本当は高校時代に学習したはずでしたが。
子供の頃と今と比較して、時間の経過する感覚が違うことに関して、この本にヒントがありました、”時間の質が違う中での経験できることに違いがあり、生きている質そのものにも時間によって違いが生じてくる(p197)、体重当りのエネルギー消費量は20歳まで急速に減ってそれ以降はゆるやかに減る、20歳を1(時間の進む速度)とすると、10歳は0.6、40歳で1.1、70歳で1.2(p209)”
以下は気になったポイントです。
・海水が透明ということは、水中に食用となる有機物の粒子もあまり含まれていないことを意味する、サンゴ礁やそれを取り巻いている外洋の海水中には、栄養となるものが乏しい(p15)
・肥料の三大要素が、窒素・リン・カリウム、海水中にカリウムがたくさん含まれているので、残りのリンと窒素は、サンゴは動物性プランクトンを食べることで補う(p25)
・サンゴ礁が危機に瀕していることは、藻類が繁殖すること、生活排水等に養分(リンや窒素)が含まれているため、大型の藻類が育ってサンゴを覆い隠して光を奪ってしまう(p51)
・サンゴの白化は、夏に海水温が高くなると、サンゴの体から共生している褐虫藻が抜け出るから(p53)
・南北問題の一つとして、生物多様性条約(目的:遺伝資源の利用から生じる利益を公正に分配する)がある。生物の提供国である貧しい南の国にも、新薬からあがった利益を提供しようとするものだが、アメリカは承認していない(p67)
・科学が質を問わないのは、構成要素を単純化するから、ところが生態系は質の異なる非常に多くの生物たちが相互に複雑な関係を結んでいて科学が苦手とする相手である(p71)
・木は何十メートルもの高さに生長するが、体の高い部分まで水を運び上げるのにも水が必要。植物は水を押し上げるポンプの原動力として水の蒸散を使っている、蒸散する際に、下の水を上へと引っ張り上げる(p76)
・水の沸点が高いのも特徴、水の分子は18なので、通常はマイナス80度程度のはず。室温では気体になっているのが普通だが、水は分子同士が引きあっているから気体になりにくく、室温でも液体のまま(p82)
・氷が水より軽いということも水素結合が関係している、水が液体の状態でも水素結合により分子同士が結びついて構造をつくっており、この構造が氷の構造よりも密に分子が詰まっているから(p85)
・生まれたばかりの赤ん坊は体の80%が「水」だが、成人では60%になる、細胞内部が40%、外部が20%、水分含有量は20歳を過ぎても減少し続けるが、細胞外の水は30代以降はほぼ一定で、内部にある水が減る(p87)
・動物の進化として、球から変形して、強さを保ちながらも表面積を確保するために、丸い断面のまま細長くなる円柱形になった、中心に一本、太い神経やラインを通せば、円周上の各点は中心から等距離で輸送が楽(p108)
・体重は体の長さの3乗に比例し、面積は2乗に比例する、なのでゾウは足の裏の面積を大きくして体重を分散させる(p140)
・エネルギーの元は、炭水化物・脂肪・タンパク質であり種類によって得られるエネルギー量が異なるが、どの栄養分を燃やしても、同量の酸素を使えば、ほぼ同量のエネルギーが得られる。なので酸素消費量を知ると、エネルギー使用量が算出できる(p144)
・基礎代謝率(安静状態のエネルギー消費量)と体重の関係は、基礎代謝率は体重の4分の3乗に比例する、つまり、体重が10倍になると、基礎代謝率が5.6倍(p147)
・4分の3乗とは、システムのサイズが大きくなると、そのシステムを構成している1匹のエネルギー消費量が減るということ、あまり働かなくなる、大きい組織の中の構成員はサボっている(p153)
・恒温動物は変温動物の30倍ものエネルギーを使っている、一方で一日平均のエネルギー消費量は、約15倍、違いが半減したのは、安静時のエネルギーの使い方が異なる、恒温動物は変温動物よりも15倍たくさん食べる(p157)
・サイズの大きい動物ほど心臓一拍の時間が長くなる、心臓の時間は体重の4分の1乗に比例する、つまり、体重が10倍になると、時間は1.8倍ゆっくりになる(p167)
・30グラムのハツカネズミと3トンの象は体重が10万倍異なるので、時間は18倍違う(=18倍ゆっくり進んでいる)、18倍のスローモーションの映像を見ると、画面は殆ど止まって見える、逆に18倍速くすると、何が起きているのかわからない程度に速く動く(p168)
・時間は体重の4分の1乗に比例、体重あたりのエネルギー消費量が体重の4分の1に反比例、両者をかけあわせると一定値がでてくる、すると一生の間に使うエネルギーは30億ジュール(心臓は15億回鼓動する)となる寿命が計算できる、ヒトの場合は、41歳となる(p171、205)
・個々の生物の時間とは、心臓が繰り返し打っている1回分の時間のこと(p173)
・生物は伊勢神宮方式、ガタがきたら元通りにならないので捨てて新しくそっくりのものを作ってしまう、それが子供を作るということ(p177)
・時間は動物によって変わる、つまり、エネルギー消費量に比例して時間が速くなる、例として、車やコンピュータを使うと時間が速くなる(p183)
・人間は、体が使うエネルギーの、40倍ものエネルギーを使っている(p191)
・速い時間と「ゆっくり」の時間とでは、時間の質が違う、そしてその時間の中での経験できることに違いがあり、生きている質そのものにも時間によって違いが生じてくる(p197)
・寿命が延びた原因として、1)子供や青年が死ななくなった(60年代までの延び)、2)老人が死ななくなった(70年代以降の延び)であり、医療の進歩のおかげであり、体そのものが丈夫になったわけではない(p207)
・時間の進む速度が年齢によって遅くなる(時間がゆっくりになる割合が大きくなる)、これは子供の時間は速く、老人の時間はゆっくりだということを意味する(p209)
・老人と子供は同じ期間でも、その間に子供は2.5倍もエネルギーを使う(時間が2.5倍速い)ので、あとから振り返ると、できごとがぎっしり詰まっていて夏休みは長く感じる。時間は、その中に入っている時と、あとから振り返るときでは、感覚が逆になる(p210)
2012年10月17日作成