本川達雄のレビュー一覧
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生物(どちらかというとマイナーな種類)の仕組みの巧妙さを解き明かした本。
昆虫は軽くて硬いクチクラの発生が肝で、これで飛べるようになったし、水分を保持できるようになった。また変態は幼生時はふんだんにある葉を長期間にわたり食すことであまり動かず大きくなり、より効率的な蜜や花粉は、その短いピークに合わせて成虫となって翅を持って飛び回り摂取し、交尾を行い次の世代を生む。翅もその起源は不明だが、トンボのような筋肉を使って飛ぶものと蜂のようなクチクラの外骨格を振動させて細かく翅を動かすものがあり、後者は筋肉は振動に比べはるかに動かす回数が少ない省エネである。また虫は小さいので揚力が少なくその分羽ばたかな -
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本川達雄著「生物学的文明論」新潮新書(2011)
*今の世は、マネーが万事のお金の世。この貨幣経済の背景にあるのも、数学・物理学的発想です。つまり数学・物理学的発想が、この便利で豊かな社会を創り、同時に環境問題などの大問題を生み出しているというのが生物学で世の中を見る著者のスタンスです。
*珊瑚礁にはさまざまな生物がすんでいます。生物多様性が非常に高い場所です。面積では世界の海の「0.1%しか占めていませんが、海水魚の三分の一は珊瑚礁の種です。漁業でも、世界の漁獲高の10%を珊瑚礁が占めています。それだけ生物多様性が高い珊瑚礁なのですが今は世界でも四分の一だけが健全なもので、のこり四分の三は危 -
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推薦理由:
1992年に出版されて大きな話題となり、今や必読書と言われている『ゾウの時間ネズミの時間』の著者が、生物学者の立場から述べた文明論であり、環境破壊や資源枯渇などの問題の解決策として、多様性を大切にする生物学的価値判断を提案している。
我々人間も生物のひとつであり、「私」を引き継いでいく子も孫も、自分の周りの環境もみな「私」の一部だと理解すれば、利己的な開発で地球環境を破壊する事はないはずだという言葉には納得させられる。
内容の紹介、感想など:
物質的に豊かな社会を築くために科学や技術を発展させてきた人類は、現在、環境破壊による生物多様性の損失や資源枯渇などの深刻な問題に直面 -
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この20年ばかり本を読み終わって、その内容を忘れない様に「レビュー」と称して、本の中の気になったポイントを書き出す作業をしています。自分の言葉に置き換えないと意味がないという方もいらっしゃいますが、本の内容を着実に描くことで、後から見返して、それに対して自分の意見を持つことができるので、私はこの方法を続けていこうと思っています。
さて、この本は12年ほど前にレビューを書いたことになっていますが、初めて読んだのは、2005年位だったと記憶しています。本を読んで自分の「人生観」が変わったと思える記憶に残る本です。
以下は気になったポイントです。
・今日の日本が直面している大問題は、すべて時間の -
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ネタバレ[ 内容 ]
多くの生物がそこに住み、互いに助け合って生きるサンゴの森。
エビ、ウニ、ナマコなど、さまざまな種類の生物が密接な協力関係のもとに暮らしている。
しかし多様性と共生がキー・ワードであったサンゴ礁が、危機に瀕している。
地球温暖化によって海水温が上昇し、共生を保てなくなったサンゴが死滅しつつあるのだ。
本書は、生物たちの絶妙な関係を紹介し、海を守るサンゴ礁のこれからを考える「自然の教室」である。
[ 目次 ]
1 教えて!サンゴ礁(サンゴに関するQ&A サンゴ礁に関するQ&A)
2 もっと!サンゴ礁(褐虫藻との共生 褐虫藻をもつさまざまな生物 サンゴの進化 サンゴを棲家とする動物た -
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