本川達雄のレビュー一覧
-
-
-
Posted by ブクログ
息子へ)
お父さん理系の大学を出ている。理系大学に入って研究というものもしたことがあるが、その面白さ醍醐味がこの本には書いてある。
○寿命は動物によって異なるが心拍数は一定。
○動物は、その大きさによって時間の流れ方が変わる。
時間は、大きさの1/4乗に比例する。
○なぜ、車輪を持つ動物がいないのか?
○サイズによって決まる行動範囲について。
そんな不思議な内容を、理論的に実験的に証明していく。さらに筆者の思想もユーモラスに加えられているからとてもおもしろい。
研究する立場にいて、このようなことを、自分なりに論じられるときこそ、本当に喜びを感じることができる。理系研究者が理想とする楽しみ方 -
Posted by ブクログ
興味深かったこと
・太平洋と大西洋のサンゴの種数の差
最後の氷河期で大西洋は全体が冷えて多くのサンゴが死滅した一方で、太平洋は大西洋よりも広く、アリューシャン列島やベーリング海峡のおかげで北極から直接冷たい海水が入りにくく、氷河期でも生き残った場所があったことによる。また西太平洋には島が多く浅瀬が多い。
・サンゴの種数…世界で1300、琉球列島で400(当時)
・褐虫藻は一種類じゃない
8つのクレードに分かれていて、サンゴに入っているのは主に4クレード。クレードの中でもさらにタイプが分かれる。
・サンゴの種によってそれぞれの褐虫藻との相性があったり、同じ群体日があたる部分と当たらない -
Posted by ブクログ
多様な生き物のからだの仕組みやその進化を辿ることができる面白い本だった。
動物は一つの場所に留まり流れてくる食べ物を待つものと、自分で動いて食べ物を捉えにいくものに大別されるが、棘皮動物はその間のちょっと動く生物というのが面白かった。
あたり一面食べ物だらけの中で過ごし、サポニンという毒や、柔らかくも硬くもなる表皮?で身を守り、卓越した再生能力を持つナマコやヒトデたちは、のんびり暮らしているようで最強の生き物なのかもしれない。
シカクナマコが2つに分裂して増えることができる種だというのも驚きだった。場所や時期によってたくさんいるのはその生殖方法のせいもあるのかな。
サンゴとナマコの関係も気にな -
Posted by ブクログ
読んだ時、衝撃を受けた一冊。
まさか、ゾウとネズミの生きる時間がほぼ同じだったとは。私達は時計の針で時間を見がちですが、心臓の鼓動の数から見れば二匹とも大体同じ15億回。つまり一生の長さは変わらない。時間の捉え方に新たな視点を貰えた本。
元々、新書で出てた内容を書き下したものなので、科学的な説明が多く、かなり内容が難しいのですが、ガリバーの話から入り、図、絵を多用していて、子どもでも分かるよう配慮されています。
読んだ時、同じく生まれでてきたのに、一年で枯れてしまう命と百年以上生きる命があるのは不公平だ!ってやたら憤ってた時期だったので、この本、自分にすごく刺さった覚えがあります。 -
Posted by ブクログ
「なんだかバラバラのトピックなのにギリギリの線でうまく繋がって読ませるなぁ」と思いながらいたんですが、巻末にその種明かしが。
新書依頼→いやいやそんなの無理と思ってたけど講演録5本を文字起こしすれば一冊分になるじゃんと思いつく→出版社好感触。なんだ楽して本出せるわと思った矢先「一貫したストーリーとして読めるように書き改めてください」→大幅手直し。
なるほど。だから星座のように(無理矢理)繋がってひとつの形になってるのね。
勿論ご本人の長年の研究(ナマコ)と頭のいい人の60数年の人生観を自分の言葉で語ったものですから自ずと繋がりはするでしょうけど、結構な振り幅のトピックをうまーくまとめて心地よく -
Posted by ブクログ
ネタバレ「長生き」が地球を滅ぼす
現代人の時間とエネルギー
「ゾウの時間ネズミの時間」で有名な著者がその発想を現代人の時間への考察に発展させたのが本書。
ほ乳類は15億回くらい心臓が脈打つと死ぬ。ぞうはゆっくりと心臓が脈打ち、ねずみは早く心臓が動く。一回心臓が脈打つ際に消費する仕事量は2ジュール程度なので、大体30億ジュール分の仕事を心臓が行うとほ乳類は死ぬ。故に、ぞうの時間とネズミの時間は異なるのではないか?という発想を基本として、現代人の時間を考察しています。体重と寿命は相関関係があり、人間が60KGとするとその寿命は約30年。今の日本人の平均寿命は80歳を超えているのは、大量のエネルギーをつ -
-
Posted by ブクログ
”走る・泳ぐ・飛ぶ” といった動物の移動の動作が、いかに効率的で、物理の原理に沿った動きであるのか、一つ一つ解き明かしていく1冊です。書名からは生物学的なイメージを受けますが、かなり物理に踏み込んだ内容です。
生物の骨格はカルシウムなどから構成されるので、強度には上限があります。筋肉の収縮の速度も上限があります。それらの制約の中で、”いかに速く、効率よく”走るには、”ストライドを延ばす”か”ピッチを上げる”しかないのですが、それを実現するために実に巧妙に動物は対応していることをテコの原理、モーメント、エネルギー保存などを用いて説明されています。
水中を”泳ぐ”場合、体重を支える必要がありません -
Posted by ブクログ
1992年初版発行でかなり古いんだけど、新鮮に面白かった。
たぶん有名な本すぎて、どこかで紹介を聞いたことがあるんだとおもう。「サイズが違うと生体時間が違う」という話は私も知っていた。でもそれが実際にどういうことなのかは本書を読んで初めてわかった。
体重と代謝が比例すること、体重と生体サイクルが一定の比例をみせること、そこから各々の生体時間の比較ができること。サイズの比較の話だけじゃなくて哺乳類の骨の強度の話、昆虫の外骨格の話、14章の棘皮動物のデザインの話まで新しく知ることばかりで面白かった。具体的な数字は失礼ながら結構読み飛ばしたけど、それでも生物学の入門書としていいとおもう。
同じ視点の -
Posted by ブクログ
著者は生物学者だが、タイトル通り哲学的な話題を物理学なども幅広く交えて「現代人の生き方」を問いかける内容。
本書を書いた時点で68歳という年齢が大きく影響しているであろう。「エネルギーを大量に使って時間を買っている」現代の時間の流れを批判的に捉えている。著者の専門分野であるナマコの他、様々な動物の生態や今より機械に囲まれていなかった時代の日本人の生活などと比較し、システムを作る技術者(やそれを商売にする人達)によって生物としての人間本来のリズムが妨げられていると述べている。
やや極論に走っているところも感じられるが、資本の論理に世の中全体が巻き込まれているという批判は賛同できる。