森下典子のレビュー一覧
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前作の「日日是好日」よりは、ゆっくり読み進めてます。
茶道には二十四節気が息ずき、典ちゃん(作中で呼ばれている作者さん)と一年を巡りしています
ので、一年をかけて読み楽しもうと、しています。
今日は2026.7.19 大暑の頃 連日の猛暑に疲れて来る頃、皆様ご自愛くださいね
「まえがき」を読み、学生の頃に通ってた書道の習い事を思い出して、思えば、週1の稽古が楽しみだった日、嫌々と通った日、毎週同じ季節では無くて、暑い日に寒い日、空が高い日に金木犀の香りがした日、雪が積もって歩きにくい日、寒さで手が動かず字がガタガタ歪んだ日があった事。
寒さが和らぎ梅や蓮華が咲いた日、梅雨の生温さにシトシト降る雨にアブラゼミの声からのヒグラシへと…
私にも二十四節気が息ずいていた事を思い出し四季を二十四に分け、変わり行く日本で過ごす事の愛おしさを思う本です。 -
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『日日是好日』の続編。
読んでいてとても心地が良くて、美しい日本の四季がぎゅっと詰まった一冊でした。
ページをめくるたび、季節ごとの空気の匂い、風の音、雨音、茶花や和菓子が目の前に浮かびます。
作中のイギリスの庭の話も印象的でした。梅雨・夏・秋の花が同時に咲き、桜が1ヶ月も続くイギリス。そんな異国との対比があるからこそ、次々へと移り変わる日本の四季の、その瞬間でしか見られない儚い美しさを改めて実感させられます…!私たちは季節の中でかけがえのない時間を生きているんだな、としみじみ。立ち止まって目の前の「今」をじっくり味わいたくなりました。
中でも「柳緑花紅」のエピソードが一番心に響きました。他人が輝いて見えて、自分が自分でないものになろうとする時、「花は赤く咲けばいい、柳は緑に茂ればいい」という作中のまっちゃんの言葉が心に染み渡り、私の大好きなお守りの言葉になりました。
本の中でまるっと1年、豊かな四季をひと巡りしたような、心地よい余韻に浸っています。 -
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「日日是好日」の映画を見て、どう見てもお茶の師匠にしか思えない樹木希林さんに驚いたが、この本を見かけてまたあの時の気持ちを反芻したくなった。
お茶なんてただしゃかしゃか混ぜて飲むだけ、という認識しかなかったが、なんという奥深さ。
お茶をやっていた友人を、いきなり尊敬したくなった。
お茶だけでなく、生けられる花、掛け軸、季節で変わるお道具、お釜の位置、本当にそこは小宇宙。
でも最近は、そんな道具などがメルカリに出品されているという話も聞く。
継承する人が減ってしまい、価値がわかる人もいなくなっているからなのだろうか・・・
さびしいことではあるが、私はこの日本の素晴らしい文化の存在を知ることができただけでも、ありがたいと思っている。 -
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「日日是好日」の続編。
お茶のお稽古の細々した日常を綴っている。季節の移り変わりを丁寧に拾っていく。お茶のお花の話、お香の話、お薄に濃茶。
「しーーーーーーー」
と茶釜に湯が沸く音。桜の後の花爛漫な季節。夏の着物は単にかわる。「炉」にかわって「風炉」小ぶりな火鉢のようなものが熱源にかわる。食籠は木地の漆から陶器にかわる。
そして季節が巡ると炉開き。
時々、フリーランスの仕事をしている心細さが挿入される。
私はお茶をやらないので、描写されている風景がわからないこともあるのだけど、素敵だなぁと思う。こんなふうに心穏やかに日々が送れたらいいなぁ。お道具とかお菓子の挿し絵が美しい。 -
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ネタバレ【あらすじ】
母手作りの、バターがとろける甘いホットケーキ。父が大好きだった、少し焦げ目がついたビーフン。遅い青春時代に食べた、夜明けのぺヤング・・・・・・。味の記憶をたどると、眠っていた思い出の扉が開き、胸いっぱいになった事はありませんか? 優しい支店でユーモアたっぷり、胸にホロリとくる22品の美味しいカラーイラストエッセイ集。
【個人的な感想】
・潮干狩りでアースする
→祖父と2人で行ったアナジャコ釣りを思い出した。私はすぐに飽きて近くの浅瀬でぷかぷか海に浮かんでいたあの夏の日。
・父と焼きビーフン
『トラウマという言葉などない時代だった。戦争で心に傷を負っても、それを傷だと認識することもなく、生きるために必死で働かざるをえなかった。日本の繁栄の土台を作ったのは、そういう目に見えない傷を持った人たちだったのかもしれない。』
・カレーライス、混ぜる派?混ぜない派?
『父の優しさが、反抗期の娘の目には「弱さ」に見えた。父に、もっと男らしく、強くあってほしかった。』
『本当は私、強くて男らしい人より、優しい人が好きでした。』
・横川駅の峠の釜めし
→私も今は廃線になった電車に乗ってこの釜めしを食べてみたかった、、、!販売員の方たちの深々としたおじぎを見てみたかった!
・中学受験、合格発表の日
『勝つ人がいれば、負けるものもいる。苦い涙を知った春だった。』
→自分の大学受験を思い出して泣きそうになった。悔しさ、やるせなさ、色々な感情がごちゃ混ぜになって涙が溢れるあの感じをありありと思い出した。 -
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⬛︎ 食べ物には、思い出という薬味がついている
以前、子鉄の息子の希望で「駒込方面にある、山手線内で唯一の踏切」を見に行ったことがありました。
その帰りに、電車が見えるカフェとして有名な「カフェ ノースライト」へ立ち寄り、店内に置かれていた絵本や文庫本の中から、ケーキを食べながら手に取ったのが本書でした。
下宿で一時期食事を共にしていた男性が夜逃げし数年後に再会した際、母が、当時よく食べていたラーメンをふるまうと、その男性が思わず泣いてしまう――
「食べ物には、思い出という薬味がついている」という冒頭のエピソードに心をつかまれ、途中まで読んだ時点で続きが気になり、後日あらためて購入しました。
昭和〜平成の食事にまつわる小話は、平成生まれの私にとってどこか懐かしく、でも自分が経験してきた食の価値観とは少し違う。
うまく言えないけれど、レトロな距離感があり、それがまた面白い。
合間に挟まれるイラストも優しく、テンポよくサクサク読めました。
(あとがきで「イラストを描くのは初めて」と書かれていて驚き!)
中でも一番印象に残ったのが「七歳の得意料理」という話。
幼い頃、母と一緒に作ったポテトサラダを「大成功だね」と褒められ、後日訪ねてきたおばさんにポテトサラダのサンドイッチをふるまい、「おいしい!」と感謝される。
その経験から自信をつけた森下さんは、料理を手伝おうと何度も母に声をかけるようになるけれど、忙しいときほど「あっち行って」と言われてしまう。
助けてあげたかったのに。
もう一人前として力を貸せると思っていたのに、違うんだ――
そこで初めて、大人と子どもの差を実感する。
受験期には「そんなことするなら勉強して」と言われ、その流れもあって、大学生以降は料理経験が乏しいまま今日に至る、という内容でした。
親の立場になった今、とても刺さる話だと感じました。
5歳になった息子は料理に興味を持ち始め、時々一緒にごはんを作ります。
先日は「コロッケを作ってみたい」と言われ、火入れ以外はすべて一緒に作りました。
料理のあと、息子は必ず
「おれが作った料理おいしい? 助かった?」
と聞いてきます。
「もちろん。本当に助かったし、とってもおいしいよ。ありがとう」
そう答えたときの息子の笑顔といったら。
この一連のやりとりの中で育つ自己肯定感を、
日々の余裕のなさや、親のエゴで潰してしまわないようにしたい。
忙しい日ほど、この本のことを思い出したいです。 -
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「日日是好日 」の続編。まえがきからとてもいい!
毎夜、寝る前に静かな環境でゆったり読書を楽しむ至福のひととき……♪
まるで私も茶室にいて、ともに季節の移り変わりを感じているかのよう。厳かで静かな気持ちになる。
さらに心地いい緊張感さえ感じます。
掛け軸、茶花、茶器や菓子……ひとつひとつに季節やそこにある物語に思いを巡らせ、感じ入る。とても穏やかで心地いい時間。
本作も名言だらけで、心に染み渡るようでした。
素敵な言葉に触れて背筋が伸びる。読みながら五感が研ぎ澄まされていくような感覚でした。
前巻と共にずっと手元に置いて、この先何度も読み返したい特別な作品です!
今回、作中の茶道具や掛け軸の言葉を検索しながら読むのも楽しみのひとつでした。興味が広がると深く読み込むことになるので、読書がより興味深く楽しくなり、好循環が生まれています。
茶道に興味がある人も、そうでない人にも読んでみて欲しい1冊。不思議と気持ちが落ち着きます。
森下さんの作品は全部読みたいです。 -
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前作『日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ』では素晴らしい読書体験ができた。
本書はその続編で、前作よりは劣るだろうと期待していなかったら、こっちも大好きだった。
お茶の世界は知らないことだらけでおもしろかったけど、映画撮影の話も興味深くて退屈するポイントが全くなく楽しめた。
別にユーモアが散りばめられているわけでも、劇的な展開がある訳でもないのに、森下典子さんの文章は心地よくておもしろい。
初めての体験や見聞きしたことを瑞々しく描いているのだと思う。
お茶の世界は、毎年毎年同じことの繰り返し。
だけどコロナ禍になり、「こうして同じことができるってことがほんと幸せなんだなー」というお茶の先生役の樹木希林さんのセリフがしみた。