【感想・ネタバレ】前世への冒険~ルネサンスの天才彫刻家を追って~のレビュー

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Posted by ブクログ

30年来の付き合いのある方を亡くして友人に勧められた本です。
とても夢があり、一緒に旅しているようでまた初めから読み返しています。
美しいルネサンスの彫刻や絵画を思い描き
豊かな気持ちになりました。
これからも大切な人との別れがやってきますが、
生まれ変わりを信じて自分自身も懸命に
豊かな人生になるよう、毎日を過ごしたいと思います。

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2020年12月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

面白い切り口だなと思って読みはじめたら、あっという間に読み終えてしまった。ノンフィクションだけど、傑作長編ミステリーを読んでいるかのようだった。
点と点が繋がっていくワクワク感、清水さんの言葉が現実だったとわかったときのゾクゾク感…面白くて少し不気味な、貴重な読書体験ができた。

また、ルネサンス期のヨーロッパの雰囲気や、社会の様子が、ありありと伝わってきて、世界史好きにとっては普通に興味深かった。当時のヨーロッパはペストをはじめとして、結核や性病など、様々な流行病に悩まされていて、現在のコロナ禍に通ずるところも感じた。そのような状況下だからこそ、「復活」や生を重んじるような変革が起きたのかもしれない。

解説にもあったが、清水さんの言葉や前世や信じるか否かは問題ではなく、ここまで著者である森下さんを行動に駆り立て、そして本を通して私たち読者をワクワクさせてくれたのだから、とても「役に立った」経験なのだと思う。そういうある意味都合よく解釈することって前向きに生きていくためには大事だなと思う。

以下、覚え書き。

・著者といえば日日是好日のイメージだけど、こんのにもアグレッシブな方なんだ!
・ひとつのことに熱中し、情報を集めているときの人間の感度ってすごいんだな〜
・疑わしいとはいえ、時に肉を断ってまで3度も前世を見てくれた清水さんの扱いよ…笑
・歴史上重要な人物の生家や墓の上に普通に住んじゃうイタリアの(石造文化の)歴史観。
・人生一度切りと思って、思い切ってイタリア行きへ舵を切った著者。後から振り返ったときにどんな経験と思えているのかな。気になる。

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2020年11月21日

Posted by ブクログ

女優・杏さんの『杏のふむふむ』で紹介されていたので、興味を持ち、購入し、読む。

大変不思議なノンフィクションである。

筆者がある女性から「あなたはデジデリオという男の生まれ変わりだ」と告げられることで、この物語は始まる。

筆者は懐疑的になりつつも、「知りたい」という欲求を抑えきれず、長い迷いの果てに「デジデリオ探索の旅」に出るのである。

前世を透視(?)した女性の言葉と、数々重なるできごと。
そして、「前世をめぐる旅」の道中で起こる不思議な偶然。

作者自身は前世、つまり輪廻転生や、前世が見えるという女性の言葉に対して完全に信じているわけではない。

それでも信じざるを得ないような出来事が次々と起こり、当惑したり、驚愕したり、また喜んだり、そして報われたりもする。

少し結末を明かすことになるが、最後の最後まで、この輪廻転生の正当性が証明されるわけでもない。

したがってこの「前世が見えるという女性」の正当性も証明されるわけではない。

その点に関する著者の視点、記述がよい。

このノンフィクション(あるいはルポルタージュ)は、読んでいてスリリングであり、ミステリアスであり、感動的である。

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2017年01月04日

Posted by ブクログ

地理、歴史、ちょっとミステリー、スピリチュアル、色んな要素がからまってるわりに、ご本人が基本「前世とか信じない」という態度を貫いているのでどっぷりな感じではなく読みやすかった。
わたしも前世を見てもらったことがあるので、自分の前世が個人を特定できるレベルまでわかったら…と思い読みながらドキドキ。
ーロッパに行きたくなりました。

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2011年09月29日

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前世を言い当てられるという女性に「あなたはイタリア、ルネサンス期に活躍し夭折した美貌の彫刻家デジデリオの生まれ変わりだ」と伝えられたルポ作家が、その真偽を確認しようと徹底的に調べ上げ、ついには、イタリア、ポルトガルまで飛んで その謎に迫るという内容の本だ。日本人が自分の前世についてこれほど徹底的に追求したノンフィクションがあったのとは迂闊にも知らなかった。読み出すと結局最後まで止まらなくなる。わくわくするような謎解きの面白さだ。私も、他の仕事そ っちのけで一気に読んだ。

京都在住の霊能者である主婦が語った著者・森下氏の前世、つまりデジデリオの人生は、その生まれ、同性愛者としての数奇な人生、残された作品の秘密にいたる まで細部にわたり、専門的な知識も欧米語の知識もない主婦が文献で調べあげられるような内容ではない。日本語の文献で必死になって調べても、分かるのはせいぜ い、百科事典的な生涯の記述などごく限られた情報でしかない。欧米の文献でも事情はそれほど変らないらしい。

しかし、イタリアに飛んだ森下氏が、徹底的に調べれば調べるほど、京都の女性 が見たデジデリオの人生のビジョンの正確さが裏付けられていく。そのスリリング な調査のプロセスにこの作品の面白さがある。一例を挙げると、通説では、デジデ リオの友人ロッセリーノの作とされる彫刻があった。実はその顔の部分がデジデリオの作であった決定的な証拠が、偶然に見つけたポルトガル語の文献から確かめられる。京都の女性が語っていたことが正しかったのだ。こうしたいくつかの例から、 京都の女性が見たビジョンはかなり信憑性があると、誰もが思う。

一方で読後に若干の物足りなさを感じる。確かに京都の女性が見たビジョンは、 現地でかなり確かめられていく。しかし、それが森下氏の前世だと主張しうる根拠 は何もない。森下氏が愛用するベネチアグラスの小さなガラス瓶を手に持ちながら 京都の女性が見たのは、たまたま浮かんできたデジデリオの生涯であり、森下氏の人生とは何も関係ないかも知れない。それは、ただ京都の女性の透視力が確認されたに過ぎないのではないか。そういわれても反論できない。森下氏とデジデリオに 説得力のある共通点があるわけでもなく、デジデリオゆかりの場所で、彼女が何か強烈なインパクトを受けるわけでもないのだ。

それにしても、これまで精神世界とは無縁の仕事をしてきたルポルタージュ作家が、懐疑を捨てきれぬままに霊能者の見たビジョンにしたがって徹底的に調べ上げ、 ついに通説を超えたデジデリオの真実に迫ったという事実は、高く評価されていい。

この作品は、ぜひともその続編が書かれるべきだと思った。霊能者の女性によれ ば、デジデリオと変らぬ愛を誓いあった同性愛の相手が、今日本に生まれ変わって、 彼女と同じライターの仕事をしているという。その人物については、もちろん何も 手がかりがないのだが、もしその人物との出会いが語られるならば、この作品は見事に完結するだろう。デジデリオを調査する過程で起こった数々のシンクロニシテ ィを思えば、そういう結末があっても不思議ではない。 

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2009年10月04日

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エッセイなので読みやすい。
スピリチュアルが好きなら好きだと思う。
私は好きだった。
「前世を視てもらい、どこまでが事実なのか実際に検証していく」という、ありそうで無いストーリー。
「私の前世ってこんななんだー!へー!」で終わらないところがお気に入りポイント。
エッセイでこれ系の話をここまで具体的に書いてくれている本はないんじゃないかなぁ。

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2022年05月26日

Posted by ブクログ

最後までワクワクして読みました。ノンフィクションでありつつファンタジーの要素もある不思議な本。
最後の部分を読んで、作者の方がこれだけデジデリオに夢中になって、2年の歳月をかけて調査に没頭した理由が分かりました。
作者の方とともに驚き、疑い、高揚し、旅した気分になれる素敵な本です。

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2021年07月25日

Posted by ブクログ

まさに前前前世!
こんな話本当にあり得るのか?
それを著者本人が疑ってくれたからこそ生まれた作品なのではないかと。
輪廻転生とか生まれ変わりの概念そのものが人間がつくりあげたものであるし、誰も証明できない。自分の前世…知りたいような知りたくないような。とにかくデジデリオという名前は忘れられないだろうなぁ。

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2020年06月22日

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杏のエッセイ『杏のふむふむ』を貸してくれた友人が、『ふむふむ』の中に出てくる本だからと、一緒に貸してくれました。私は占いも前世も信じません。だから、「あなたの前世はルネサンス期に活躍したイタリア人彫刻家ですと言われたフリーライターが、前世の自分を検証する旅に出る」という話を胡散臭すぎると思いつつ読みはじめました。そうしたら、おもろいやんか。フリーライターである著者自身が私と同じスタンスで、取材で会った「前世が見える人」のことを疑いの目でしか見ていない。なのに信じざるを得ず……という状況に。ノンフィクションなのにファンタジー。信じても信じなくてもええやんか、こんな素敵な旅ができたんだから。そう思えます。

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2017年04月26日

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自分の前世を探して旅に出る経験をした人なんて滅多にいないと思う。とても興味深い内容だった。前世を追い求めた結果、最後の言葉も印象的だった。
「人間はどこから来て、やがてどこへ帰るのかわからない。けれど、どこから来て、どこへ帰るにしても、人生は心からしたいと望むことをするためにある」「人生に、遠回りしている時間はない」「心から望むものに向かって、真っ直ぐに来い」
果たして、私が望むものとは何なのか…

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2015年12月30日

Posted by ブクログ

以前読んだ「デジデリオ」の、これは改題されたものですが、以前より写真が多くなって、ちょっと加筆もされていて、保存しておくならこっちの方がいいかな。

写真は、「なんだー、この文で説明されている絵(や彫刻)が見たいのに……」と思っていたことを叶えてくれてありがたかったです。

何度読んでも、不思議な気持ちになる本。
森下さんの前世は、本当にデジデリオなのか?

正直、まだその辺は信じられない。
一人の人が、デジデリオとか、もしくは鑑真に縁のある人物だったとか、歴史に出てくる人とつながっている前世が2つもあるなんて、本当だろうか?

でも、じゃあ清水さんが見たものはなんだったのか。
どんな書物をひもといても出てこないことを言ったり。
とんでもない歴史通のぺてん師か、はたまた……。

こんな不思議な体験をした森下さんがうらやましい。
「デジデリオ」の感想にも書きましたが、前世とか来世とか占いとかに全く興味のない私だけど、私も自分の前世、と言われる人を教えてもらって、歴史の旅に出たい。
……なんの文献も残ってない一庶民でしょうね、きっと。

鑑真と縁のある人もデジデリオも森下さんも、絵を描くのが好きだったとのこと。
じゃあ私の今の趣味も、前世とつながりが?
えーと、編み物とゲームと、あと読書?
この中でありそうだとしたら、子供の頃から好きな読書かなあ。

デジデリオの恋人で、その人も生まれ変わって今日本人だという人は、果たして誰なんでしょう?

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2015年09月29日

Posted by ブクログ

前世と言われた人物の謎を追いかける物語。
実話とのことだったが、ミステリー性もあり面白かった。
ルネッサンス時代の文化も、興味深かった。

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2014年08月06日

Posted by ブクログ

著者はフリーのルポライター。女性だが、占いのような非科学的なものは全く信じない性格。ところが、あるとき行きがかりで占い師の取材をすることになり、そこで「あなたの前世は中世ルネサンスの彫刻家デジデリオ」と告げられる。聞いたこともない名前だったが、その話があまりにも微細に渡っていたので調べてみると、確かに史実と一致した。しかし、日本語の文献だけでは載っていない部分もあり、にわか仕込みにしては手が込みすぎている…気になり出して調査を続けるうち、ついに著者は仕事を投げ出してイタリアまで足を運んでしまう。
「前世」というスピリチュアルな内容だが、いわゆる「スピ本」ではなく、普通の視点で書かれている。それだけに神秘性がいっそう際立ち、ミステリアスな印象を与える。「そんなことがあるものだろうか」と思っているうちに、ぐいぐい引き込まれてしまう。なまじ前世というものを信じている人より、著者同様信じていない人の方が楽しめるかもしれない。

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2014年02月23日

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デジデリオって誰?
雑誌の取材で、眉唾物の企画と思いながらも人の前世が見える人のインタビューを行い、自分の前世がイタリアルネサンス期に生きた夭折の彫刻家デジデリオであるといわれてしまった著者。

最初はペテンと決めつけていた前世の話も、調べていけばのめりこみ、はてはイタリアはフィレンツェに行っての大捜査。疑い100%で始めていてそこまでやるかという徹底ぶり。そうして得られたものはなんだったのか。

著者は最初から最後まで、基本「前世?そんなうさん臭そうなものはちょっと……」というスタンスを貫くが、それでも眼前に現れる奇妙な符合に心が揺れる。そんなところが実にプレーンで、そしてリアルだった。

いやもう、面白くって一気読み。
でもこの本のジャンルってなんでしょうね。

歴史?
ミステリ-?

僕はあえてノンフィクションに分類してみました。

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2012年01月05日

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BSのドラマで「フィレンツェ・ラビリンス」というのをやっていまして。イタリアの町並みと建造物の美しさ、ストーリーの完成度に思わず「原作が読みたい!」と衝動買い。
ドラマのほうが確かにまとまりはありますが、描かれなかった部分にも面白いお話が沢山あってとても面白かったです。
ただ、一部同性愛表現があるのでいやな人はご注意です。

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2011年10月23日

Posted by ブクログ

BSジャパンでやっていた「フィレンツェラビリンス」の原作。当たり前だがドラマより情報も多く、丁寧に描かれている。何より、デジデリオという日本ではメジャーでないアーティストを知ることができ、満足。でも、真実は分からない。

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2011年10月16日

Posted by ブクログ

人の前世が見えるという清水さんという女性から「あなたの前世はルネサンス期に生きた、デジデリオというイタリアの彫刻家だ」と言われた著者。まさか!と思いつつも、そのあまりに細部に渡る話に、確かめずにはいられずフィレンツェへ旅立つという、とてもわくわくするお話です。調べてみれば見るほど、清水さんのお話は信憑性があり、微妙にずれたりしているところもまた妙に信憑性がある感じがして興味津々。私もぜひ清水さんに前世をみてもらいたいと思うのです。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

エッセイのような物語のような
とても読みやすかった

スピ系好きな人は絶対におすすめです。
私も前世への旅に出たい!

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2023年05月29日

Posted by ブクログ

2021.4.17

初めて読むタイプのエッセイ?ドキュメンタリー?だった!不思議な巡り合わせのノンフィクション。森下さんの本はどれを読んでも本当にハズレがない。

ただ、カタカナの外国人の名前などを覚えるのが苦手なので、フィレンツェの旅の間は長いカタカナばっかりで、これ誰の名前だっけ?とかどの聖堂で誰の作品なんだっけ?とこんがらがってしまった。

こういうのって不思議だけれど本当にただただ『ご縁』だなと思うので、ここまで夢中になれる対象と出会えて、更に深く調べることもできて、更に更に本まで出せるなんて清水さんともデジデリオともなんて運命的な巡り合わせだったんだろうと思う。
まるで森下さんと一緒に自分の前世を調べているような感覚になり、散らばっていた点と点が線になっていく過程を楽しめました。
こんな出会いがあって羨ましい!

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2021年04月18日

Posted by ブクログ

前世が見えるという京都在住の清水さんに、前世はルネッサンス初期の彫刻家であるといわれた森下さん(日日是好日の著者)。半信半疑のままイタリア・ポルトガルへ飛び、古書や教会を訪ね、清水さんの「お告げ」との奇妙な一致に驚いたり感動したり。ためになる話や感動のエンディングというタイプの本ではないが、この旅のように、ワクワク・ドキドキが最高に高まる機会って、なかなかない。自ら作らないと、ずーっとこのままなので、近いうちにこういうことやってみたいと思うきっかけになった。

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2019年04月06日

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森下さんが霊視してもらいその結果をうけて、前世の自分かどうか、事実の確認する為にイタリアへ行く。目に見えない不確かなことに、そこまでの探求心と行動力に圧倒された。

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2023年09月27日

Posted by ブクログ

世界史に疎いので500年前の時代を理解するのが難しかった。枢機卿って何?っていうのと色んな人物が聞き慣れない固有名詞で途中理解を諦めてしまった。
でもこのような体験は面白そうだし、実行力も凄い。途中、私はここまで注力できないし誰かに任せちゃうわーと感じた。私も清水さんに前世を見てほしい!けど前世を信じる信じないはいとうせいこうさんと感覚が似てるなと思った。

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2021年09月11日

Posted by ブクログ

京都市北区の喫茶店 鑑真和上の弟子 ポルトガル枢機卿すうききょう 欲情に塗れて享楽的な人生を送ったから 早世そうせい 夭逝ようせい 護摩火の前で ポルト銘酒ポートワインの本場 さいゆう彩釉テラコッタ 男色文化 カストラート去勢歌手 バチカン礼拝堂合唱団に実在した デジデリオ(欲望) 教会のせんとう尖塔や鐘楼しょうろう 古典の造詣ぞうけい深く きゃしゃ華奢な男がダイナミックな作品を作ったり 博識奔放 長身頑健の美男子 冷たい鑿のみ打ちの音が響いていた しょうふく妾腹の子という生まれに対する劣等感の裏返しであった そうした善悪の彼岸ある愛を せいちゃく正嫡 梅毒に罹った者は デスマスクを元に 情感や陰影を表現できる天才だった 再生(ルネサンス)の讃歌 弟の瞼を指でそっと閉じさせ 滂沱の涙を流しながら 弔いの鐘が鳴った いとうせいこう 人類の持つ知能それ自体の快楽原則がそこにはある 現実を侵す力があるからこそ存在価値がある 二重性を二重性のままに甘受させる力を持っていなければならないのだ

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2019年09月19日

Posted by ブクログ

前に読んでたのに登録してなかった。
過去世が見える人に教えられた前世の人物を追うノンフィクション。ほんとかどうかもわからない、でも探すうちに少しずつわかってくる感じが楽しかった。

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2017年04月08日

Posted by ブクログ

ただの物語として読んだとしても、ノンフィクションとして読んだとしても
面白い・・・というか、混同してしまう。
前世をたどる旅してみたい。

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2012年07月08日

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