【感想・ネタバレ】前世への冒険~ルネサンスの天才彫刻家を追って~のレビュー

あらすじ

「あなたの前世はルネサンス期に活躍したデジデリオという美貌の青年彫刻家です」。前世が見えるという女性に取材で出会ったことがきっかけで、イタリアに旅立つことを決意した。相次ぐ偶然の発見に驚きと懐疑心を抱きながらも、時空を超えて前世の「自分」を検証するスリリングで不思議な旅のルポルタージュ。(『デジデリオ』改題)

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

面白い切り口だなと思って読みはじめたら、あっという間に読み終えてしまった。ノンフィクションだけど、傑作長編ミステリーを読んでいるかのようだった。
点と点が繋がっていくワクワク感、清水さんの言葉が現実だったとわかったときのゾクゾク感…面白くて少し不気味な、貴重な読書体験ができた。

また、ルネサンス期のヨーロッパの雰囲気や、社会の様子が、ありありと伝わってきて、世界史好きにとっては普通に興味深かった。当時のヨーロッパはペストをはじめとして、結核や性病など、様々な流行病に悩まされていて、現在のコロナ禍に通ずるところも感じた。そのような状況下だからこそ、「復活」や生を重んじるような変革が起きたのかもしれない。

解説にもあったが、清水さんの言葉や前世や信じるか否かは問題ではなく、ここまで著者である森下さんを行動に駆り立て、そして本を通して私たち読者をワクワクさせてくれたのだから、とても「役に立った」経験なのだと思う。そういうある意味都合よく解釈することって前向きに生きていくためには大事だなと思う。

以下、覚え書き。

・著者といえば日日是好日のイメージだけど、こんのにもアグレッシブな方なんだ!
・ひとつのことに熱中し、情報を集めているときの人間の感度ってすごいんだな〜
・疑わしいとはいえ、時に肉を断ってまで3度も前世を見てくれた清水さんの扱いよ…笑
・歴史上重要な人物の生家や墓の上に普通に住んじゃうイタリアの(石造文化の)歴史観。
・人生一度切りと思って、思い切ってイタリア行きへ舵を切った著者。後から振り返ったときにどんな経験と思えているのかな。気になる。

1
2020年11月21日

「ノンフィクション」ランキング