森下典子のレビュー一覧

  • 好日日記―季節のように生きる―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    森下典子『好日日記 季節のように生きる』新潮文庫。

    『日日是好日』の続編。

    その昔、森下典子さんは『週刊朝日』のコラム『デキゴトロジー』の執筆者の1人として活躍し、後に『典奴どすえ』というタイトルで京都での舞妓さん潜入取材記録を執筆した方である。『デキゴトロジー』は新潮文庫からシリーズで刊行され、全て読んでいる。勿論『典奴どすえ』も読んでいるが、テレビドラマにもなり、それも観た記憶がある。もう30年以上も昔の話だ。

    あれから幾年月が過ぎ、森下典子さんが『日日是好日』という素晴らしいエッセイを書いていたことには心底驚いた。『デキゴトロジー』の頃は素人同然の文筆家が、これ程の成長を遂げるとは

    0
    2025年12月05日
  • 日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    出会えたことに感謝したい、素晴らしい本。
    五感を刺激する美しい文章、丁寧な描写に癒されて幸せな読書時間を過ごせた。 
    お茶を極めた特別な人の本ではなく、わからないながらも同じことを続けたからこそ見えた境地や、筆者が体験した点と点がつながり自分の血と肉になる瞬間の感動が語られる。
    季節のおもてなし、その日のテーマと調和を考えた細かな演出など、お茶の世界の心尽くしに感心した。
    近くに置いて何度も読み返したい本。



    「それだけだった。なのに胸を突かれた。シンプルな動きに、あらゆるものが含まれていた。形そのものが心だった。いや、心が形になっていた。」

    「人間はどんな日だって楽しむことができる。そ

    0
    2025年12月05日
  • 日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    「だから、だいじな人に会えたら、共に食べ、共に生き、だんらんをかみしめる。
    一期一会とは、そういうことなんだ・・・・・・。」

    「一期一会」を初めて聞いたのは、この小説の映画でした。通っていたアメリカの大学で、日本学部は日本の映画を紹介する「ムービーナイト」があって、みんなの周りに「泣かないで、泣かないで」と思いながら見た思い出があります。そして、そこで、初めて「一期一会」と出会ったんです。日本語の勉強だけではなく、人生の全体を振り返ったら、人と出会いの特別さの感じをずっと持っていましたが、どうやって言葉で言えるのは分からなかったのです。今でも、英語でなかなかふさわしいフレーズがないです。でも

    0
    2025年11月03日
  • いとしいたべもの

    Posted by ブクログ

    思いがけず…と言ったら失礼になるのかもしれないけれど、期待していた以上にすてきな食べ物エッセイだった!色付きの挿絵があるなんて知らなかったから、わあーって声出た。親しみのある食べ物たちの思い出が散らばった、メニュー表みたいな本。おいしいことの描写がとても豊富で、作者の表現力にちょっと感動した。開くだけでときめく。

    0
    2025年11月01日
  • 日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    まるでそこに自分も存在するかのような
    感覚の中、ゆったりとした心地よい気分で
    読むことができた。

    私は茶道経験者だが、こんなにも季節と
    強い繋がりがあったとは…目から鱗。

    私たちは、慌ただしい日々を過ごしているが、
    そんな中、著者のように、週一回、
    茶道を通して心を「無」にし、
    季節を自然から直接、
    掛け軸や茶道の道具から間接的に
    感じられることに、なんて贅沢な
    時間なのだろうと思った。

    読後、目次の第1章から第15章までの
    タイトルを見返すと、どれもしっくりくる。
    このタイトルだけでも今後の行動・考え方の
    指針となりそうだ☻


    *きっかけがあれば、いつか私も茶道をやりたい。
    とりあえ

    0
    2025年10月31日
  • 日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    本当の自由や今この瞬間を味わうことの大切さ、言葉では表現できない奥深さがあることを教えてくれる本。
    自分勝手にやることが自由や創造性ではなく、がんじがらめの作法の先に本当の自分やオリジナリティがある。また、今この瞬間に意識を向けることでより奥深く今を感じることができる。

    0
    2025年10月30日
  • 日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    お茶の、細かい作業のように見えて実は無駄を削ぎ落とした潔さ、掛け軸やお花、お菓子、お茶碗など、ひとつひとつの物や動作に込められた意味、以前少しばかり習った時を懐かしく思い出しました。
    季節や天気、様々な物事に五感を研ぎ澄ませることが出来る日本文化の良さを再度感じる素敵な作品だと思います。日常の中にあっても、今より少し丁寧に生きていきたいと思えたこの本は、私の大切な一冊に仲間入りです!

    0
    2025年10月09日
  • 日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     日本は日本の文化をもっと誇っていいと思うんですよね。そういう、日本の良さを味わえる一冊だと思います。
     日々を「良い」「悪い」とカテゴライズするよりも、日々を純粋に味わって行く歓びを思い出しました。悪い日なんてなくて、一日一日をもっと深く丹念に味わう術を、私たちは持っていたんだと思います。私はそういう感性の中に、日本人という民族性が見つかるんだと思います。
     やるべきことに忙殺される日々の中で、そういう気付きを得られる瞬間を、私は持っていたい。
     「日々是好日」この言葉をそっと胸に。また読みたい本でした。

    0
    2025年10月03日
  • 日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    前々から読みたかった一冊。お茶の世界に関心があり、お茶の世界に触れたくて読みました。
    深いなぁ、深すぎる。
    お茶の世界に関心がある人は、ぜひ一読をお勧めしたいです。

    0
    2025年09月30日
  • 日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    映画を観て原作も読みたくなった
    茶道の世界をのぞかせてもらえる贅沢な本
    茶道が題材だけど、茶道だけでなくいろんなことが同様に重ねあわせられるのが茶道本ではない良いところ
    茶道はもちろん日本の文化にも興味をもったし、この思想を手に入れたいとも思った

    0
    2025年09月27日
  • 日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    お茶の教室に通っていて、
    心構えがまた改まった
    静かに進んでいく1日一日、
    とても季節感といい、とても良かった

    0
    2025年09月25日
  • 日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    季節を味わう生活をしたくなった。まずはお花のサブスク始めようかなぁなんて…
    自分の生活に、どう取り入れるかを考える楽しみができた。

    0
    2025年09月20日
  • 日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    鈴木大拙の著書に「禅は悟りの修行である。悟りは解放を意味する。解放は自由に等しい」という一節があるが、それを茶道を通じて経験した内容が平易なエッセイで記されていて素晴らしい。オリデン・ヘイゲル「弓と禅」の茶道版ともいえる。悟りのドアが開けた瞬間のような一節は胸熱。

    0
    2025年11月03日
  • 日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    晴れでも雨でも、毎日がいい日。雨の日は雨を聴く。会いたい人がいたらちゃんと会いに行って、大事に思ってることを伝えよう。「今ここにいること」に気持ちを集中させれば、どんなことも乗り越えられる。
    色んな大事な言葉があって、すごく励まされた。教えることで自分が成長できるというのはまさに、今の私自身にも通ずる。読んでよかったし、また何度でも読み返したい。

    0
    2025年08月30日
  • いとしいたべもの

    Posted by ブクログ

    この表紙、素敵すぎると思いませんか!!
    もぅ〜おいしそうなメロンパン!!
    イラストは誰が?と思っていたら、作者さま!!
    天は二物を与えるとは、まさにこのこと

    文章も素敵で
    文字デザインも小説で、使用されているものよりも、たおやかで

    「オムライスはごはんの王様」って文があって、わたしもおなじ価値観なので
    一気に作者さまのファンになりました

    食べ物系の書籍が好きな方にはおすすめ!!

    0
    2025年08月11日
  • 前世への冒険~ルネサンスの天才彫刻家を追って~

    Posted by ブクログ

    タイトルを見て怪しい本…と思ったが、著者を見ると森下典子氏。やはり怪しくはなかった。むしろ終始「こんなこと調べて怪しい人と思われたくない」という思いが綴られているのがおもしろい。
    ※ちなみに、本書は単行本では「デジデリオラビリンス」、文庫版も以前は「デジデリオ」というタイトルだったそうだ。

    ある女性に「あなたの前世はルネサンスの彫刻家」と言われた著者は、事実を確認するためイタリアに向かう。仕事で依頼されたわけでもなく、あくまで「個人的に気になるから調べるわ」というぐらいのスタンスなのだが、紹介状を偽造してまで歴史的美術品や機密文書を見せてもらうなど、わりとガチなルポであった。

    0
    2025年07月13日
  • 猫といっしょにいるだけで(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    森下先生やお母さんのミミや太郎への愛情が伝わってきて、心が温まりました。
    私は猫を飼ったことがないので、猫と一緒に過ごす世界をお分けしてもらえて幸せです。
    「しあわせはいただくものではなく、そこにあることに気づくこと」が大切なんだと実感できました

    0
    2025年04月13日
  • いとしいたべもの

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    たべものにくっついている思い出。
    たべものにまつわる思い出が、匂いが、人の心を癒すことがある。高級食材ではなく、市井にありふれた、親しみのある食べ物が、大切な思い出へと変わる。

    個人的な思い出として、
    父の得意料理だったアサリの酒蒸し、母の作ったかぼちゃとミートソースのグラタン。唐揚げ。
    子供時代を思い出すと、お料理と、家族団欒がそこにはあった。ほうれん草のおひたし。ふかし芋。

    その食べ物を食べると、幸せだった頃を思い出して泣けてくる。

    よいエッセイだった。

    0
    2025年04月10日
  • こいしいたべもの

    Posted by ブクログ

    優しい文章と優しい絵で森下さんの記憶を辿るように綴られた食エッセイ
    どのエピソードも懐かしくて、こいしくて。まさにこいしいたべもの。
    世代は違うのにペヤングの青春分かるなぁとか、岩手の祖父母のお話は映画のワンシーンのような蛍の景色に自然と涙が

    0
    2025年03月27日
  • こいしいたべもの

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    いろいろと煮詰まって本から遠のきそうになり、本屋さんでリフレッシュしていたときに手に取った本。ホットケーキの表紙が可愛らしく、文字も大きくて読みやすそうだと思い購入した。
    森下さんの温かくて静かな文章に、心の落ち着きを取り戻すことができました。
    新年度、ざわめく心を鎮めてくれたのも、やはり本でした。

    0
    2025年03月23日