森下典子のレビュー一覧
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「日日是好日」の続編。
お茶のお稽古の細々した日常を綴っている。季節の移り変わりを丁寧に拾っていく。お茶のお花の話、お香の話、お薄に濃茶。
「しーーーーーーー」
と茶釜に湯が沸く音。桜の後の花爛漫な季節。夏の着物は単にかわる。「炉」にかわって「風炉」小ぶりな火鉢のようなものが熱源にかわる。食籠は木地の漆から陶器にかわる。
そして季節が巡ると炉開き。
時々、フリーランスの仕事をしている心細さが挿入される。
私はお茶をやらないので、描写されている風景がわからないこともあるのだけど、素敵だなぁと思う。こんなふうに心穏やかに日々が送れたらいいなぁ。お道具とかお菓子の挿し絵が美しい。 -
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今、この瞬間を味わう。心がほどける一冊。
茶道を通して「今」を五感で楽しむヒントが詰まった本。お湯の「とろとろ」した音や季節の和菓子の描写が本当に美しくて、読んでいるだけで心が洗われます。
特に響いたのは「心にも季節がある」という考え方。いい時も悪い時も、どちらが良い・悪いではなく、その両方があるから人生に「奥行き」が出る。そう思えたら、雨の日も冬のような停滞期も、ふっと愛おしく感じられました。
「雨の日は、雨を聴く」
つい過去を後悔したり未来を不安に思ったりしちゃうけど、大事なのは「今」この瞬間に没頭すること。
季節の和菓子や茶花にワクワクし、上品な世界観に癒やされる……。毎日を「日日是好日 -
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2021.6.13
★5.0
主人公(著者)は、大学生の頃、母のすすめで軽い気持ちから茶道教室に通い始める。茶道の世界は想像以上に奥深く、作法が多く同じことの繰り返しに戸惑いの連続だった。人生の中で、恋愛の悩み、 仕事の不安、大切な人との別れに直面した時、お茶が教えてくれたことがいきる。
お茶を通して、人生の大切な考え方を学んでいく物語(エッセイ)
現代は、時の流れが早くて「すぐわかる」「すぐ結果が出る」ことが求められていていつも生き急いでる。そんな時こそ、読みたいと思える本。
分からないまま続けること、同じことを繰り返すことに意味がある。焦らず、いまを大切にしようと思える、読後に静かで深 -
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日本人であるからにはいと度は体験したい!
……と憧れてやまない茶道。
その茶道を通して、著者が感じ取ったことが書かれている本書。
情景がイメージできる描写で、クセがなく、スルスルと頭に入っていくようだった。
また、お茶だけでなく、掛け軸やお花、茶器などの良さを伝えてくれ、茶道の奥深さを本書でも感じ取れた。
実は読んでいるときに、心が動いた文に付箋を貼っているが、後にその付箋を見返したら『今を楽しむ』ということを伝えている文章が多かった。
きっと、今の自分に足りないものは“今”を楽しむことなのかもしれない。
本書の中で、なるほど~と納得した一文がある。
「お茶会に来たら、必ずそうや -
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ネタバレ【あらすじ】
母手作りの、バターがとろける甘いホットケーキ。父が大好きだった、少し焦げ目がついたビーフン。遅い青春時代に食べた、夜明けのぺヤング・・・・・・。味の記憶をたどると、眠っていた思い出の扉が開き、胸いっぱいになった事はありませんか? 優しい支店でユーモアたっぷり、胸にホロリとくる22品の美味しいカラーイラストエッセイ集。
【個人的な感想】
・潮干狩りでアースする
→祖父と2人で行ったアナジャコ釣りを思い出した。私はすぐに飽きて近くの浅瀬でぷかぷか海に浮かんでいたあの夏の日。
・父と焼きビーフン
『トラウマという言葉などない時代だった。戦争で心に傷を負っても、それを傷だと認識す -
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⬛︎ 食べ物には、思い出という薬味がついている
以前、子鉄の息子の希望で「駒込方面にある、山手線内で唯一の踏切」を見に行ったことがありました。
その帰りに、電車が見えるカフェとして有名な「カフェ ノースライト」へ立ち寄り、店内に置かれていた絵本や文庫本の中から、ケーキを食べながら手に取ったのが本書でした。
下宿で一時期食事を共にしていた男性が夜逃げし数年後に再会した際、母が、当時よく食べていたラーメンをふるまうと、その男性が思わず泣いてしまう――
「食べ物には、思い出という薬味がついている」という冒頭のエピソードに心をつかまれ、途中まで読んだ時点で続きが気になり、後日あらためて購入しました