森下典子のレビュー一覧
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ネタバレ前作「いとしいたべもの」は読んだときそんなにピンときませんでした。読んですぐ手放してしまいました。けれど今作はスラスラと楽しく読みました。なぜだかわからないです。
好きな作品は3つ。
「小さなものにこそ、心を籠める」
茶道を習う著者。四季折々の珍しいお菓子を取り寄せてくださる先生。いつも驚かされるが、逆に先生を驚かせたいと思って著者が京都から張り切って買ってきたものは落雁。暑い夏の盛りのことで、もう少し涼しげなお菓子はなかったのかしら、あなた、なんの勉強をしてるの?と先生に言われてしまう。そうそう、茶道ってそういう世界だよなぁ。私は高校生のときに茶道部だったのでこの手厳しさというか、妥協し -
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ネタバレ20240607
映画から入り、原作を読んで、もう一度映画を観ました。どちらもすごく良かったけど、やっぱり原作派かな!と思っていましたが、この本を読んで考え方が変わりました。二つは比べられるけど、同じものではないから違って当然。それぞれに良さがあるのだなと、当たり前のことに気付かされました。
演者裏方関係なく、つくり手の情熱が伝わってくるエッセイでした。俳優陣のエピソードもさることながら、裏方さんのお仕事には「ほぉ〜」と感心しっぱなし。本物の空間を作るんだという意気込みが感じられて、それはちゃんと映像に表れていると思いました。
映画のエンドロールで、森下さんが茶道監修をされていることは知ってい -
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『日日是好日』の映画が作られていくお話。
併せて映画を流しながら読んだので、シーンと描写が重なって味わうことが出来た。
「形式主義じゃないですか」
「あなたたちは、何でも頭で考えるからそんな風に思うのね」
多部未華子と樹木希林の会話。
形を先に身体に馴染ませることについて、まだ20代の美智子の言葉が可愛らしい。
それに対して、するりと流れるように応える武田先生に、私の視線が留まる。
そうかも。そうだったかも。
自分自身に向けて、ふと肩の荷が下りるような、素敵なシーンだった。
作者の森下さんも、このシーンを間近で見ていて涙する描写がある。
この映画はよい映画になる、は、きっとこういうこ -
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食べものに対する描写がとても詳しく、美味しそうで、こちらも同じ物を食べたくなる程だった。またイラストも温かく、次はどんな挿絵かな〜とページを捲るのが楽しみだった。
「幸せって何?」と聞かれたら、作者は「あの日の夕方」と答えるそうだ。4人家族の家で、何十回となく繰り返された休日だったけど、その夕方我が家に流れていた匂いと物音と空気を思い出すそうだ。
父は明るいうちから早々と風呂に入った。父が上がると、弟、そして私と、次々に早めの風呂に入った。台所では、母が野菜をスタスタと刻み、卵をカカカカッと溶き、熱い鍋にジャーッ!と流し入れる音がする。
もう2度と戻る事はない、夕方の一コマに幸せを感じると