【感想・ネタバレ】いとしいたべもののレビュー

あらすじ

できたてオムライスにケチャップをかける鮮やかな一瞬、あつあつの鯛焼きの香ばしい香り……ひと口食べた瞬間、心の片隅に眠っていた懐かしい思い出が甦る――だれもが覚えのある体験を、ユーモアに満ちた視点と、ほのぼのイラストでお届けする、23品のおいしいエッセイ集。可笑しくて、ちょっと泣ける、味の記憶を召し上がれ。

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⬛︎ 食べ物には、思い出という薬味がついている

以前、子鉄の息子の希望で「駒込方面にある、山手線内で唯一の踏切」を見に行ったことがありました。
その帰りに、電車が見えるカフェとして有名な「カフェ ノースライト」へ立ち寄り、店内に置かれていた絵本や文庫本の中から、ケーキを食べながら手に取ったのが本書でした。

下宿で一時期食事を共にしていた男性が夜逃げし数年後に再会した際、母が、当時よく食べていたラーメンをふるまうと、その男性が思わず泣いてしまう――
「食べ物には、思い出という薬味がついている」という冒頭のエピソードに心をつかまれ、途中まで読んだ時点で続きが気になり、後日あらためて購入しました。

昭和〜平成の食事にまつわる小話は、平成生まれの私にとってどこか懐かしく、でも自分が経験してきた食の価値観とは少し違う。
うまく言えないけれど、レトロな距離感があり、それがまた面白い。
合間に挟まれるイラストも優しく、テンポよくサクサク読めました。
(あとがきで「イラストを描くのは初めて」と書かれていて驚き!)

中でも一番印象に残ったのが「七歳の得意料理」という話。
幼い頃、母と一緒に作ったポテトサラダを「大成功だね」と褒められ、後日訪ねてきたおばさんにポテトサラダのサンドイッチをふるまい、「おいしい!」と感謝される。
その経験から自信をつけた森下さんは、料理を手伝おうと何度も母に声をかけるようになるけれど、忙しいときほど「あっち行って」と言われてしまう。

助けてあげたかったのに。
もう一人前として力を貸せると思っていたのに、違うんだ――
そこで初めて、大人と子どもの差を実感する。
受験期には「そんなことするなら勉強して」と言われ、その流れもあって、大学生以降は料理経験が乏しいまま今日に至る、という内容でした。

親の立場になった今、とても刺さる話だと感じました。
5歳になった息子は料理に興味を持ち始め、時々一緒にごはんを作ります。
先日は「コロッケを作ってみたい」と言われ、火入れ以外はすべて一緒に作りました。
料理のあと、息子は必ず
「おれが作った料理おいしい? 助かった?」
と聞いてきます。

「もちろん。本当に助かったし、とってもおいしいよ。ありがとう」
そう答えたときの息子の笑顔といったら。

この一連のやりとりの中で育つ自己肯定感を、
日々の余裕のなさや、親のエゴで潰してしまわないようにしたい。
忙しい日ほど、この本のことを思い出したいです。

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2026年02月11日

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こんなに美味しそうに、幸せに食について言葉を尽くしている本は初めてです。
いろんな比喩を使ってたべものを表しているのに”過剰”な表現にはなっていないのがすごいと思った。
くすっと笑える思い出もすこし苦辛い感情も全部食べ物に乗せて咀嚼していきたいな。

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2025年12月10日

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思いがけず…と言ったら失礼になるのかもしれないけれど、期待していた以上にすてきな食べ物エッセイだった!色付きの挿絵があるなんて知らなかったから、わあーって声出た。親しみのある食べ物たちの思い出が散らばった、メニュー表みたいな本。おいしいことの描写がとても豊富で、作者の表現力にちょっと感動した。開くだけでときめく。

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2025年11月01日

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この表紙、素敵すぎると思いませんか!!
もぅ〜おいしそうなメロンパン!!
イラストは誰が?と思っていたら、作者さま!!
天は二物を与えるとは、まさにこのこと

文章も素敵で
文字デザインも小説で、使用されているものよりも、たおやかで

「オムライスはごはんの王様」って文があって、わたしもおなじ価値観なので
一気に作者さまのファンになりました

食べ物系の書籍が好きな方にはおすすめ!!

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2025年08月11日

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ネタバレ

たべものにくっついている思い出。
たべものにまつわる思い出が、匂いが、人の心を癒すことがある。高級食材ではなく、市井にありふれた、親しみのある食べ物が、大切な思い出へと変わる。

個人的な思い出として、
父の得意料理だったアサリの酒蒸し、母の作ったかぼちゃとミートソースのグラタン。唐揚げ。
子供時代を思い出すと、お料理と、家族団欒がそこにはあった。ほうれん草のおひたし。ふかし芋。

その食べ物を食べると、幸せだった頃を思い出して泣けてくる。

よいエッセイだった。

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2025年04月10日

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ひとつひとつの食べ物想像してよだれがでてきちゃうー。ワクワクするたべもののエッセイ本。
なにも入ってないのに口の中に味がする!
もうひとつの‪‬こいしいたべもの‪‬も読んでみたい!

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2025年03月17日

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友人にプレゼントしてもらい、再読しました。
改めて感じたのは、森下さんのおいしいの表現が多彩で、情景が目に浮かぶおいしさだなぁということです。おいしさについて細かく丁寧に、そして分かりやすく描写されているので、心に届きやすい。これはおいしいだけでなく、好きとか楽しいとかを表現する時にも同じことなのかなと思いました。
おいしいと今までの思い出が一つのお話になっていて、どのお話も心があたたまり、そしてそのたべものを食べたくなりました!

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2025年02月06日

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「こいしいたべもの」を読み、食べ物に関する記憶を、こんなに愛しく、美味しそうに表現できる森下さんの文筆力に感服し、いそいそと手に取った本作。
更にぐっとくる、食べ物の世界が広がっていました。

「たべものの味にはいつも、思い出という薬味がついている…」

「食べ物を口に入れるとき、きっと人は、その日その時の気分や印象も一緒に食べているのです」

特に印象深かった言葉です。
確かに、好きな食べ物を食べる時、一緒に、その食べ物にまつわる思い出や、過去に感じた気持ちも丸ごと、いただいているような気持ちになります。

サッポロ一番みそラーメン。
ブルドッグソース。
鶴屋吉信の栗まろ。
どん兵衛、ご飯ですよ、メロンパン。
柳家のたい焼き。

いとしい食べ物たち。
森下さんのように、私も一食一食を、丁寧に感じていきたいと思いました。

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2024年08月11日

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まるで自分が体験したかと思うくらい描写が鮮明で、読みながら五感(特に味覚)を刺激された。
鮭の皮の話には共感!

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2024年03月15日

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森下典子さんの思い入れがある食べ物のエッセイ。表紙のメロンパンのイラストをみて、思わず手に取った本。イラストの感じがとても大好き。自分にとってのいとしいたべものを考えるきっかけにもなった。

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2024年01月13日

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食べものの味には、いつも、思い出という薬味がついてくる。味の記憶には、それを食べたときの情景も記憶されるのだろう。食べものの話はほっこりする。

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2024年01月04日

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食べ物にまつわる短編集であっという間に読み終えることができました。読んでいるとおいしいご飯を食べたくなります。特にサッポロ一番みそラーメンのお話が好きです。「大衆が愛する味には、その味を通じて、無数の人々と合意し、共感し合えるという大きな安堵感がある」というセリフのように、食べ物を通じて人との繋がりを感じることもあるなと共感しました。

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2023年10月09日

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エッセイ苦手な私にも、これは良かったと思える。
それこそ、私は本屋さんでこの本に出会い、一目惚れしてしまった。「美味しい」と言う言葉の響きは大好きだけど、「美味しい」を使わずに食べ物をどれだけ想像させ、魅力的に魅せるか、の挑戦というか、森下さんは心から食べ物を愛しているとわかる。
絵の横にかかれる文も素敵。
擬音語擬態語がたくさん、こんなに美味しそうな言葉があるなんて…!と、森下さんの紡ぐ言語センスに感服。

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2023年08月24日

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思い出の中に息づく食べ物の記憶 どん兵衛、サッポロ一番味噌ラーメンは自分自身はあまり食べた経験がないにも関わらず夜半の衝動に駆られて貪る描写を見ると堪らず食べたい気持ちに襲われた  ポテトサラダの話はかつてどこかの入試の過去問で見かけたもの。もったり滑らかな芋に隠された具材一つ一つの味わいの描写が記憶の通りで今すぐパンに挟んで食べたい!といても立ってもいられない気持ちに。

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2026年02月16日

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昔、書店で表紙に惹かれて手に取ったことがあった作品。その時はエッセイに興味がなく、小説ばかり読んでいたのでスルーしていました。
最近エッセイが好きで色々読み出していたところ、古本屋でたまたま見つけて読み始めてみたところ⋯食に対する感じ方が豊かで驚きました。一つの食べ物でこんなにも言葉を尽くせるのかと感動。添えられているイラストもほっこりします。

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2025年12月27日

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この方の表現はなんてきれいなんだろうといつも思います。小説でも、エッセイでも目の前にその情景が見えるようです。穏やかな気持ちになるには欠かせない本です。

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2025年12月05日

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確かに「いとしい」がいっぱいだった。
森下さんが子供の頃は裕福ではないかもしれないが豊かだと感じた。特に松茸!贅沢にホイル焼きを開けた時の香りに空気に味がついたようというところに悶えた(笑)メロンパンは表紙なのにガッカリ度が大きいことにウケた。
挿絵のたべものがどれもステキ。

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2025年11月11日

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読書人生の中で初めて手にした、たべもの系のエッセイ。挿絵があまりにも愛しすぎる。森下さんと食卓を囲んだことはないはずなのに、とても共感することが沢山あった。食べ物にたいして使う表現が面白くて、すごいなぁとも思った。

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2025年07月11日

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食べ物に関するエッセイは大好きです。ただ残念なのは、空腹を満たす訳ではなく、逆におなかが空いてしまうことか。

エッセイの内容もさることながら、挿絵が写真ではなく著者本人の挿絵なので、尚更文中の食べている時や回想している時の臨場感が出ていて本当に食べたい!味の表現も多彩。出てくる食べ物も身近なものばかりで共感させられたり、面白かった。

次も読みます。

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2025年05月12日

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美術館のショップに置いてあり、美味しそうなメロンパンの装丁に惹かれて購入。ほくほくな気分になれるおいしい小説

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2025年03月30日

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メロンパンのイラストがなんともあたたかくて可愛らしくて、装丁に惹かれた一冊。読んでみたら、文体も好みでした。
擬音たっぷりなので、臨場感があるというか、料理風景・食事風景がぶわーっと浮かんできて、読んでてめちゃくちゃお腹が空きました。

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2025年02月09日

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絶対に夜に読んではいけません。食欲が止まらなくなるから。これからの人生の「食」の時間の見方がきっと変わります。

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2024年12月15日

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舟和の芋ようかん、美味しいですよね。水羊羹が『雪国』の駒子……?! 子どもの頃から五感の豊かな方なんだな~。匂いまで伝わってくる文章。絵も温かみがあって好きです。

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2024年11月14日

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食べたい!!!ってなりました。
この本きっかけでシウマイ弁当食べてみました〜
懐かしさもあって面白かったです。

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2024年09月28日

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自分にとっての『いとしいたべもの』とは何なのか?と考えてしまう。
まつたけの描写と崎陽軒のシウマイ弁当がとても印象的だった。

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2024年06月16日

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食べたことないのに懐かしい気持ちになりながら読んだ。絵も素敵。思わず美味しそうなものは楽天で調べてお気に入り登録しちゃった。

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2024年05月29日

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自分の中にある、特別な食事というシーン。
父の一日がかりのカレー、母のコーヒーゼリー、
祖母の具だくさんの親子丼。

今まで生きてきて、特別なご飯も日常的なご飯も
切り取れば特別な一瞬。

そういえば、あんなご飯もあったなあと
読みながら思い出させてくれた。

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2023年11月02日

Posted by ブクログ

端っこの恍惚
父と舟和の芋ようかん
この世で一番うまいもの
が好き。どれも共感できて、すてきなエッセイでした!

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2023年09月30日

Posted by ブクログ

「日日是好日」でもお馴染みの、森下さんの食エッセイ。
森下さん=お茶のイメージだったけど、食エッセイもとてもふんわりほかほかしてて、あったかい気持ちになるのが心地よかった。

食べものに、いとしい、って自然とつけてくださるあたりが、すごく、なんだか、信頼できるというか。
あとは、食材を切る音の表現がすき。
すとととととーっのきゅうり、
だすだすだすだすだす、の茄子。

そしてなんといっても、森下さんの挿絵がお上手なこと…!!
品があって淡くてかわいらしい。でもリアルだから、挿絵を見て、お腹がぐぅっと鳴ってしまうお腹空かせ本とも言える(ラーメンとかどん兵衛とか茄子の生姜醤油とか表紙のメロンパンとか。。)

そして、世代が少し違うことで見える家庭の食文化もかい見えてそれもおもしろかった。

森下さんは実際にお会いしたこともお話したこともないのだけど、日常に対して、こういう感じ方ができたらいいなあ、と思わず思ってしまうような、わたしにとって不思議な魅力のある人です。
※お茶も真似してるし、食べものの絵とか書きはじめちゃうし。

_φ(・_・
たべものの味にはいつも思い出という薬味がついている

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2023年09月24日

Posted by ブクログ

1つのお話しが数ページととても読みやすく
挿絵がとても可愛い。
色々な食べ物のお話し、エッセイ集。
とてもお腹が空いてきます。

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2025年04月09日

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