あらすじ
できたてオムライスにケチャップをかける鮮やかな一瞬、あつあつの鯛焼きの香ばしい香り……ひと口食べた瞬間、心の片隅に眠っていた懐かしい思い出が甦る――だれもが覚えのある体験を、ユーモアに満ちた視点と、ほのぼのイラストでお届けする、23品のおいしいエッセイ集。可笑しくて、ちょっと泣ける、味の記憶を召し上がれ。
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Posted by ブクログ
こんなに美味しそうに、幸せに食について言葉を尽くしている本は初めてです。
いろんな比喩を使ってたべものを表しているのに”過剰”な表現にはなっていないのがすごいと思った。
くすっと笑える思い出もすこし苦辛い感情も全部食べ物に乗せて咀嚼していきたいな。
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思いがけず…と言ったら失礼になるのかもしれないけれど、期待していた以上にすてきな食べ物エッセイだった!色付きの挿絵があるなんて知らなかったから、わあーって声出た。親しみのある食べ物たちの思い出が散らばった、メニュー表みたいな本。おいしいことの描写がとても豊富で、作者の表現力にちょっと感動した。開くだけでときめく。
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この表紙、素敵すぎると思いませんか!!
もぅ〜おいしそうなメロンパン!!
イラストは誰が?と思っていたら、作者さま!!
天は二物を与えるとは、まさにこのこと
文章も素敵で
文字デザインも小説で、使用されているものよりも、たおやかで
「オムライスはごはんの王様」って文があって、わたしもおなじ価値観なので
一気に作者さまのファンになりました
食べ物系の書籍が好きな方にはおすすめ!!
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たべものにくっついている思い出。
たべものにまつわる思い出が、匂いが、人の心を癒すことがある。高級食材ではなく、市井にありふれた、親しみのある食べ物が、大切な思い出へと変わる。
個人的な思い出として、
父の得意料理だったアサリの酒蒸し、母の作ったかぼちゃとミートソースのグラタン。唐揚げ。
子供時代を思い出すと、お料理と、家族団欒がそこにはあった。ほうれん草のおひたし。ふかし芋。
その食べ物を食べると、幸せだった頃を思い出して泣けてくる。
よいエッセイだった。
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ひとつひとつの食べ物想像してよだれがでてきちゃうー。ワクワクするたべもののエッセイ本。
なにも入ってないのに口の中に味がする!
もうひとつのこいしいたべものも読んでみたい!
Posted by ブクログ
友人にプレゼントしてもらい、再読しました。
改めて感じたのは、森下さんのおいしいの表現が多彩で、情景が目に浮かぶおいしさだなぁということです。おいしさについて細かく丁寧に、そして分かりやすく描写されているので、心に届きやすい。これはおいしいだけでなく、好きとか楽しいとかを表現する時にも同じことなのかなと思いました。
おいしいと今までの思い出が一つのお話になっていて、どのお話も心があたたまり、そしてそのたべものを食べたくなりました!
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「こいしいたべもの」を読み、食べ物に関する記憶を、こんなに愛しく、美味しそうに表現できる森下さんの文筆力に感服し、いそいそと手に取った本作。
更にぐっとくる、食べ物の世界が広がっていました。
「たべものの味にはいつも、思い出という薬味がついている…」
「食べ物を口に入れるとき、きっと人は、その日その時の気分や印象も一緒に食べているのです」
特に印象深かった言葉です。
確かに、好きな食べ物を食べる時、一緒に、その食べ物にまつわる思い出や、過去に感じた気持ちも丸ごと、いただいているような気持ちになります。
サッポロ一番みそラーメン。
ブルドッグソース。
鶴屋吉信の栗まろ。
どん兵衛、ご飯ですよ、メロンパン。
柳家のたい焼き。
いとしい食べ物たち。
森下さんのように、私も一食一食を、丁寧に感じていきたいと思いました。
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森下典子さんの思い入れがある食べ物のエッセイ。表紙のメロンパンのイラストをみて、思わず手に取った本。イラストの感じがとても大好き。自分にとってのいとしいたべものを考えるきっかけにもなった。
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食べものの味には、いつも、思い出という薬味がついてくる。味の記憶には、それを食べたときの情景も記憶されるのだろう。食べものの話はほっこりする。
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食べ物にまつわる短編集であっという間に読み終えることができました。読んでいるとおいしいご飯を食べたくなります。特にサッポロ一番みそラーメンのお話が好きです。「大衆が愛する味には、その味を通じて、無数の人々と合意し、共感し合えるという大きな安堵感がある」というセリフのように、食べ物を通じて人との繋がりを感じることもあるなと共感しました。
Posted by ブクログ
エッセイ苦手な私にも、これは良かったと思える。
それこそ、私は本屋さんでこの本に出会い、一目惚れしてしまった。「美味しい」と言う言葉の響きは大好きだけど、「美味しい」を使わずに食べ物をどれだけ想像させ、魅力的に魅せるか、の挑戦というか、森下さんは心から食べ物を愛しているとわかる。
絵の横にかかれる文も素敵。
擬音語擬態語がたくさん、こんなに美味しそうな言葉があるなんて…!と、森下さんの紡ぐ言語センスに感服。
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何気ない食べ物だったり思い出の食べ物だったりを、美味しそうな素敵な絵と一緒に綴っていらっしゃるエッセイ集。
どれも美味しそうで、ちょっとほろ苦い思い出もあったり…それらが丁寧で美しい言葉で表現されていて、やはりこの人の文章好きだなぁと思った。
羊羹は是非とも食べてみたい!
Posted by ブクログ
この方の表現はなんてきれいなんだろうといつも思います。小説でも、エッセイでも目の前にその情景が見えるようです。穏やかな気持ちになるには欠かせない本です。
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確かに「いとしい」がいっぱいだった。
森下さんが子供の頃は裕福ではないかもしれないが豊かだと感じた。特に松茸!贅沢にホイル焼きを開けた時の香りに空気に味がついたようというところに悶えた(笑)メロンパンは表紙なのにガッカリ度が大きいことにウケた。
挿絵のたべものがどれもステキ。
Posted by ブクログ
読書人生の中で初めて手にした、たべもの系のエッセイ。挿絵があまりにも愛しすぎる。森下さんと食卓を囲んだことはないはずなのに、とても共感することが沢山あった。食べ物にたいして使う表現が面白くて、すごいなぁとも思った。
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食べ物に関するエッセイは大好きです。ただ残念なのは、空腹を満たす訳ではなく、逆におなかが空いてしまうことか。
エッセイの内容もさることながら、挿絵が写真ではなく著者本人の挿絵なので、尚更文中の食べている時や回想している時の臨場感が出ていて本当に食べたい!味の表現も多彩。出てくる食べ物も身近なものばかりで共感させられたり、面白かった。
次も読みます。
Posted by ブクログ
メロンパンのイラストがなんともあたたかくて可愛らしくて、装丁に惹かれた一冊。読んでみたら、文体も好みでした。
擬音たっぷりなので、臨場感があるというか、料理風景・食事風景がぶわーっと浮かんできて、読んでてめちゃくちゃお腹が空きました。
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舟和の芋ようかん、美味しいですよね。水羊羹が『雪国』の駒子……?! 子どもの頃から五感の豊かな方なんだな~。匂いまで伝わってくる文章。絵も温かみがあって好きです。
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自分の中にある、特別な食事というシーン。
父の一日がかりのカレー、母のコーヒーゼリー、
祖母の具だくさんの親子丼。
今まで生きてきて、特別なご飯も日常的なご飯も
切り取れば特別な一瞬。
そういえば、あんなご飯もあったなあと
読みながら思い出させてくれた。
Posted by ブクログ
「日日是好日」でもお馴染みの、森下さんの食エッセイ。
森下さん=お茶のイメージだったけど、食エッセイもとてもふんわりほかほかしてて、あったかい気持ちになるのが心地よかった。
食べものに、いとしい、って自然とつけてくださるあたりが、すごく、なんだか、信頼できるというか。
あとは、食材を切る音の表現がすき。
すとととととーっのきゅうり、
だすだすだすだすだす、の茄子。
そしてなんといっても、森下さんの挿絵がお上手なこと…!!
品があって淡くてかわいらしい。でもリアルだから、挿絵を見て、お腹がぐぅっと鳴ってしまうお腹空かせ本とも言える(ラーメンとかどん兵衛とか茄子の生姜醤油とか表紙のメロンパンとか。。)
そして、世代が少し違うことで見える家庭の食文化もかい見えてそれもおもしろかった。
森下さんは実際にお会いしたこともお話したこともないのだけど、日常に対して、こういう感じ方ができたらいいなあ、と思わず思ってしまうような、わたしにとって不思議な魅力のある人です。
※お茶も真似してるし、食べものの絵とか書きはじめちゃうし。
_φ(・_・
たべものの味にはいつも思い出という薬味がついている
Posted by ブクログ
食べ物エッセイを読むのが大好きで、色々な方のものを見ましたが、森下典子さんの表現力はピカイチです!
食べ物が生きているように感じたり
生命力を感じさせる文章だったり
美しい日本語で表現された、いとしいたべものたち。
読んでいて、食べたい!と思うだけでなく、自分のいとしいたべものを思い出すきっかけにもなりました!
Posted by ブクログ
古書ノ市で出会った本。
パラパラとページをめくり、絶対好きだ!と思って即決。
どこか懐かしくて温かいイラストがたまらない。
オムライス、サッポロ一番みそラーメン、ブルドックソースにおこげのたい焼き。
懐かしい香りのする食べ物たちと、それにまつわる思い出話にほっこり。
中でもどん兵衛が食べたくなった。
中学生の頃、部活があった日のお昼ご飯はどん兵衛だったなぁ。あのインスタントらしい、油っこいお出汁が大好きだった。久しぶりに食べたいな。
「端っこの恍惚」を読んで、焼き鮭の皮とカマの部分が大好きな私はもう涎!
焼き鮭の皮だけ人から貰うくらい(お行儀悪いけれど)端っこが大好き。
イラストを見てうんうん頷く。そう!ここが脂が乗ってて美味しいんですよね!
焼き鮭も食べたくなっちゃった。
食べ物に纏わるお話を読んでいると、私もご飯を提供した相手に「美味しい」をたくさん作れるようになりたいな、と思う。
ついイライラと作ってしまったり、手を抜いて作ってしまう食事。
簡単でも良いから、相手のことをしっかり考えて、美味しい!と思ってもらえる。そんなあったかいご飯を作れるようになりたいな。
ほこほこした気持ちになれる本だった。
ごちそうさまでした。