栗原ちひろのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ最初、登場人物が総じて濃くて設定盛っていて仰々しいなあと思っていたのですが、読み終わってみると成程、誰もが「演じて」たんだなと。
そう考えると、全てに納得、すとんと心の中の落ちるべきところに物語が落ちてきました。
やっと安心できたと言うか。
タイトルに「カーテンコール」とある通り(実際は別設定で出てくるカーテンコールではありますが)これは、登場人物たちが与えられた役割を演じた壮大な劇だったなと思います。
誰も「素」を出していない。
本当の自分は分からないまま。
台詞はみんな台本の「台詞」じみて、本音を喋っていない。
作者様の持ち味でもある会話のテンポは今回も健在で、会話自体は楽しいのですが、や -
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Posted by ブクログ
*上巻『白金の王女の夢物語』の感想と同じです
上下巻一気読み。おもしろかったー。
舞台は「剣と銃と魔法」の世界、錬金術と科学、魔法と科学文明の転換点。第一次世界大戦くらいの感じかなと思います。博覧会はロンドン万博で、クライマックスの背景は水晶宮殿っぽい。魅力的な世界観でした。
細部やサブキャラ関係で描写不足を感じる部分があるものの、主要人物三人の絆の物語としてきれいにまとまっていたと思います。作者あとがきに「アニメ映画の一本も観るような気分で読んでいただけるものを目指してみました」とあったけれどなるほどそんな感じ。
わたしはご多分に漏れずエルネストが好きですが、ウィルとアンジェリンは -
Posted by ブクログ
上下巻一気読み。おもしろかったー。
舞台は「剣と銃と魔法」の世界、錬金術と科学、魔法と科学文明の転換点。第一次世界大戦くらいの感じかなと思います。博覧会はロンドン万博で、クライマックスの背景は水晶宮殿っぽい。魅力的な世界観でした。
細部やサブキャラ関係で描写不足を感じる部分があるものの、主要人物三人の絆の物語としてきれいにまとまっていたと思います。作者あとがきに「アニメ映画の一本も観るような気分で読んでいただけるものを目指してみました」とあったけれどなるほどそんな感じ。
わたしはご多分に漏れずエルネストが好きですが、ウィルとアンジェリンはさりげなくけっこうな年の差カップルなので断然支持 -
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Posted by ブクログ
まず主人公が、人によっては大幅に好き嫌いの分かれるキャラクターだと思います。
それこそ「王子様」のような容姿に言動で、その上に頭も切れるらしいので理解力も高く、物語はさくさく進んでいきます。
男所帯の中で平然としていながら、女だからって馬鹿にするのはおかしい・自分は男と同等もしくはそれ以上の働きをしているつもりだと、世の男の不甲斐なさを時おり冗句にも使う主人公。
これはこれ、としてみればキャラクターも個性が強く、キャラクターの個性をあらわすさりげない描写もそこかしこに散らばっていたので場面を想像すると楽しい部分もありました。何より、絵がきれいです。 -
Posted by ブクログ
第3回角川ビーンズ小説大賞〈優秀賞〉受賞作品。
<魔物><呪われしもの><魔法><遺跡>というファンタジー定番のおきまりごとに、この作者ならではのとらえ方を+していて、世界観は面白いと思いました。
前半は面白い!と思ったのだけど、後半になるとフツーの物語になってゆき、あんまり面白くなかったな。
結局、世界とストーリーに深みがないのだと思います。
とはいえ、病弱な主人公(そして剣士であり薬士である!)や、自分の力を制御できないヒロイン、美形の詩人というキャラ設定はいいと思います。主人公と詩人は黒と白でうまく対比されていて、私がいつか書きたい「光と闇」のモチーフ。