栗原ちひろのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
令和、ホラーも多様化の時代。
身の毛もよだつようなホラーだけがホラーじゃない。
『令和最恐ホラーセレクション クラガリ』
アンソロジー
最初に言っておきますが、
私、ななこは大のホラー好きです。
怖ければ怖いほどいい。
おぞましければおぞましいほどテンションが上がる。
(たぶんちょっと性格に問題ある。)
そんな私からすると、
このアンソロジーは絶叫系というよりは侵食系。
だから、いわゆる王道の絶叫系ホラーを期待していると、
ちょっと雰囲気が違うかもしれません。
でも!
・令和っぽいホラーを体験したい人
・ノスタルジー×不穏が好きな人
・新しい作家さんを開拓したい人
にはぜひ読んでほしい一冊。
✧
6つの短編が収録されています。
『オシャレ大好き』背筋
『近畿地方のある場所について』の背筋さん、
やっぱり不穏の作り方がうまい。
ラスト、「え?どういうこと?」ってなるのに、
ちゃんと嫌な感じだけ残る。
お客さんがあんなこと言ってたら、私なら即閉店。
『鶏』澤村伊智
これ読んだあと、チキンナゲットにためらいが生まれる。笑
怖いというより、気持ち悪さが静かに残るタイプ。
嫌な余韻の名手。
『金曜日のミッドナイト』コウイチ
正直に言うと…よくわからなかった。
そしてあまり怖くなかった。笑
でも合う・合わないがあるのもアンソロジーの醍醐味。
『警察が認めた<最恐心霊物件>』はせやすひろ×クダマツヒロシ
今回いちばん「うわ、やめて」ってなったのがこれ。
ステンレスの鍋とかシンクとか、
ああいう映り込み系は本当反則です。
今夜ちょっとキッチン見たくないかも…
『余った家』栗原ちひろ
あの<オペラシリーズ>の栗原ちひろさん!?
…と懐かしさも込みで読む。(もう20年も前か!)
派手な怪異はないのに、
家族のズレが、じわじわにじみ出る感じが怖い。
『恐怖症店』梨
私のベストはこれ。恐怖を商品化する発想が、もう天才。
恐怖症を売る女と、その助手の少年。
この2人の関係を解くミステリー要素もあって、どこか切ない。
恒川光太郎さん好きな人は、たぶん刺さる。 -
Posted by ブクログ
怪談ドラマ特番を観終えた読後感。様々なジャンルの話が入っていて楽しい。背筋「オシャレ大好き」は、今のSNSインフルエンス社会における怪談であり、バズりを追いかける人間の闇を描いたホラーでありつつ、日常が徐々におかしくなる演出がよい。最後の梨「恐怖症店」はもはやベン図を書くならホラーとファンタジーとヒューマンドラマという作品であり、人間の心を描いておきながら世界観の奥行きが素晴らしい作品。恐怖症を売買する店主とお手伝いの少年とお客さんが織りなす物語、もっと長編で読みたい。最後の梨「恐怖症店」はもはやベン図を書くならホラーとファンタジーとヒューマンドラマという作品であり、人間の心を描いておきながら世界観の奥行きが素晴らしい作品。恐怖症を売買する店主とお手伝いの少年とお客さんが織りなす物語、もっと長編で読みたい。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ最近ブームの背筋さん、梨さんの短編集があるということで気になり購入。
どれも読んでいる途中で「なんか言葉に出来ないけど違和感あるな」と思い、読み進めていくと最初はよくわからないなーっていう印象だけど、よくよく考えると不気味な話が多い。
背筋さんは『おしゃれ大好き』というタイトルで題名で気軽に読み始めたらいい意味でタイトルあってないなという印象。
梨さんは感情をテーマにホラーというよりファンタジー要素満載。少し難しかったが、感情の大切さが伝わってきた。
他の著者の方々も初見の方もいたが、それぞれの良さが短編集で味わえて贅沢な気分になった。特に澤村さんの『鶏』はオチが予想つかなかったが、Q氏は一体何者で先祖代々鶏に祟られている人なのか鶏人間みたいな人なのか気になるところだった。
-
Posted by ブクログ
ホラーアンソロジー。どれもこれも怖い、としか言いようがありません。
お気に入りははやせやすひろ×クダマツヒロシ「警察が認めた〈最恐心霊物件〉」。実話恐怖ものだからこそのリアルな恐怖感がとんでもないです。ひっそりとしたわけの分からない怖さも、ぐいぐい来るパワフルな怖さも両方ある……! たしかにこれは最恐の物件です。嫌すぎる。
栗原ちひろ「余った家」も怖い……というより、これは一番嫌な物語でした。普通ではないルールに支配された家から逃れようとする主人公。おかしいのは自分の置かれた環境なのか、自分自身なのか。どのように生きるのが幸せなのか、基盤が揺らいでしまう感覚がとても危うくて不安な作品でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレTさんのおすすめ。
手品団で「サトリ」の芸で働かされていた少女、蒼は、
名家城ケ崎の当主に救いだされ、妻となることに。
城ケ崎が大病を患っていることもあり、
その観察力と記憶力を生かし医者の道を目指す。
ヤクザと知り合いの手品団団長だったが、
なぜヤクザ親分の娘と刃傷沙汰になった話が突然ぶちこまれるのか、
城ケ崎が日本にいなかったからとはいえ、蒼に本を贈りながら、
手品団でこき使われていた状況を知らなかったとか、
蒼の同級生の親が、
自分の医院に重要人物を入院させている最中なのに、
家でダンスパーティを開いたりとか、
腑に落ちないところはあるが、
城ケ崎の原因不明の病を蒼が治せるのか、次作が楽しみ。
あと、城ケ崎の秘密の小部屋、
波斯絨毯を敷き詰められ、書棚に囲まれ、
ステンドグラスの天窓からの光が照らす書斎はうらやましい。
本は医学書でなく、ミステリーあたりでお願いします。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ見た目は少年、中身はおじいちゃんな天崎さんが気になって購入を決めた。
基本的には無邪気で年の功ゆえか鷹揚としているけど、なんとも言えない危うさがあって放っておけないひとって感じ。
そもそも神隠しでカミの供物になったとか、そのせいでカミに狙われてたりする激重過去持ちのおじいちゃんだからね……更に元を辿ると生きている人間の怖さにぶちあたってオーバーキルだよ。
そんな天崎さんの相棒――カミに姉を殺されたことがきっかけで霊感に目覚めた元警察官の津々楽。
最初のほうは心に傷を負った大型犬みたいだったけど、天崎さんがカミに傷つけられると瞬時にスイッチ入ってバーサーカーモードになるのがよかった。カミとの取っ組み合いなんて、そうそう見れるものじゃないからね。
一方的じゃなく、お互いに相手の言動に救われている関係性なのが良いと思った。