西成活裕のレビュー一覧
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車間距離を40m以上とると渋滞は緩和される理論を提示した「渋滞学」のように、数学は身近な問題を解決するのにすごく役立っていることが、数学を理解していない人にでも分かる。こんなに理解できるなら、理系に進めば良かったと勘違いしてしまうほど(笑)
数学を暗記科目のように解いていたけど、中の理論ってすごく魅惑的だ。ずっと数学に片思いしていると思う。粘り強く解き続けるど根性さと、直感の発想力で、数学を愛する男の子に恋してるのかも。
でも、数学でもどうしても解けない自己言及のような「不完全性定理」や、「非線形」の問題もあり、そういうところもおもしろい。
微分・積分の意味が分かっただけでも、かなり読 -
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「渋滞学」なる学問があるとは知らなかったので、手に取った本。
第一章「渋滞とは何か」は渋滞自体の説明というよりは、渋滞を説明する理論及び用語の説明が多く見られる。
「ホースで水を撒くときに先を細めると勢い良く水が出るが、人間の場合は当てはまらない」という誰にでも想像できる例をうまく用いて、物理学に疎い人でも容易に読めるように見事に書かれている。この他にも、慣性の法則、作用=反作用の法則を用いて人と水の違いを説明したり、管の中を通る空気の流れも超音速になると管を細くすると遅く、細くしなくても外部から温めると遅くなるという事を、人間は興奮・パニックに陥ると「人の温度」が上がり流れの速度が遅く -
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「とんでもなく役に立つ数学」
教科書からリアルな世界へ。わかりやすくて誰でも使える!
本書は「数学で世界をより良くしたい」と本気で考え、実際に取り組んでいる東大教授・西成活裕が、高校生と共に、数学を使って世の中の問題を解決していこうと、アイディアを展開していく4日間の授業を収録したものです。
例えば、「高速道路では、どのくらい車が密集すると、渋滞が起こるのか?」これは西成教授が研究されている渋滞学です。教授のもう1つの研究分野である無駄学も非常に面白いんですが、ここでは、私達にとって、馴染み深く厄介な渋滞について。
実際の答えは「1km辺り25台、車間距離では40mが臨界密度」とな -
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私もそうでしたが「世の中、無駄なことなんて無い。いつかきっと役に立つ!」と考えている人は、読んでみると面白いかもしれません。いい意味で裏切られます。
この本を読んでいて真っ先に思い出しのたのが、「計画停電」だ。
この経験はいかに私たちの社会が「電気」をを過剰に使っていたか、考えさせられた。
大量生産消費の社会は終わった。
これからは私たちは『無駄』と、どのように付き合うべきなのか。
本書の中では、科学者らしく『無駄』という物の定義を明らかにすることから始まり、『無駄』を3つの「無駄」「むだ」「ムダ」に分けるトヨタ生産方式の考え方を用いてムダとりの最前線を実例を用いて説明している。
また、 -
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渋滞学とはどんな学問かを知るには一番適した本です.
渋滞学関係の書籍を読み始めるなら,最初に読むべき本だと思います.
タイトルが渋滞シミュレーションでなく,渋滞学であることに注目してください.渋滞学は西成先生の構築した学問で,単なる渋滞シミュレーションでなく,あまたある「流れ」を取り扱うことができます.「流れ」には必ず渋滞が存在し,その渋滞が良い渋滞ならより渋滞させる方法を考え,悪い渋滞なら渋滞を軽減する方法を考えるということが基本精神です.実際,例としてアリの行動や脳内の神経細胞の栄養分の渋滞など様々な渋滞を扱っています.
非常に壮大な研究だと思います.読む価値十分です. -
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著者と渋滞学という分野に興味があり読書。著者とは学生時代に一回お会いしたことがあるが、とてもバイタリティがある方といった印象。さて、肝心の渋滞学というところは単純な離散的な数理モデルに収まらず、本作では車、人混み、アリ、インターネットを特に多く取り上げ、生物学や粉体モデルなどのより複雑な事象の分析をも動機を与えている。一つに渋滞という現象だけをフォーカスしているのではなく、制御不能(可能)な多体モデルにおいて、科学に基づいた分析をし、より適合できるルールを生み出しているのが面白い。一見すると単純なルールの集まりが複雑な現象を生み出し、それを理解し、最適なコントロール原理を抽出するようなヒントも
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Posted by ブクログ
渋滞学を作った物理学者の本。
この本では、無駄とは何か、ということを論じている。
トヨタの改善から、無駄を科学するためのヒントを得ている。
物理学者がこういうテーマを扱うと強い。
失敗学の畑村洋太郎教授をはじめ、自分の得意な武器を持って、
さらに幅広い興味を持っている人はやっぱり面白い。
この本から気付いたのは、どうやって新しい学問を生み出すのか、
というメカニズム。
I. テーマの設定
? 気付き
II. 博物学
? 関連する現象の収集
? 情報の分析
? 情報のフレームワークによる整理
III. 理学
? パターン毎にメカニズムの解明
IV. 工学
? 現実への応用 (改