西成活裕のレビュー一覧
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物事には長期的な視野が必要だ。
ちょうどこの本を読んでいる今は2017年の解散総選挙中。
北朝鮮がミサイル打ち放題、少子高齢化の深刻化による国難を問う、というものなのだが。
正直、危機を煽るのは好きじゃない。大嫌いだ。
さらには消費増税はしないけれど、社会保障費は上げるというばら撒きマニュフェストを全ての政党が掲げている。
世の中は超短期的な政策が好まれる。
しかし、政治でそれをやることは国難を先送りにしているだけなのでは。
まともな政党がないこと自体が国難であるとも考えられる。
本書では「空けるが勝ち」「分けるが勝ち」「かけるが勝ち」「負けるが勝ち」を提唱している -
Posted by ブクログ
数学が現実世界のどんなことに寄与できるのかについて、イメージとして理解できる本。
数学における理論・法則・公式・数式を使いこなすと「こういうこと」がわかったり、できたり、こういう風に役に立つ、ということだけは分かりました。(未来)予測ができたり、効率化が図れたり……ただ本当に理解して、「役立たせる」ためには、自主自学の必要がありそうだなあ。
比喩もユニークだし、スタンスがひょうきん。こういう数学の先生に学生時代、出会いたかったなあ。
仮説の上に仮説があってその仮説のもとに私たちが暮らしている。確実なことの少ない世界なのだなあっていうことも感じました。
あと、「数学は仕事やその他の何かに使える -
Posted by ブクログ
さまざまな流れの停滞を数理モデルによってシミューレーションしている。内容は、高速道路の車の渋滞、地下街や航空機から避難する時の人の渋滞、アリのフェロモン走行による渋滞、ネットのパケット渋滞、山火事(渋滞が起これば拡散しない)、人体内の分子モーター(神経繊維内部でタンパク質を運搬する)などである。基本的には、人や車は自己駆動粒子であり、ニュートン力学に従わないし、流体の運動法則であるベルヌーイの定理(流体の速度は通過する部分の断面積に反比例する)もなりたたない。数学的モデルとしては、ASEP(前方が空きならば進め、同じ場所には一つしか入れない)で解析するのだが、高速道路の渋滞などはスロースタート
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Posted by ブクログ
渋滞をシミュレートする理論として有効なセルオートマトンモデル。その単純版ともいえるASEP(非対称単純排除過程Asymmetric Simple Exclusion Process)。もっとも単純な例ではセルの半数以上に玉があれば、どんな初期状態でも最後はクラスターが発生するという。おもしろい。臨界状態で1/2おきる。閾値か。
平均速度×交通密度=交通流量。これが基本式だと。フジテレビでやっていたサーキット場で渋滞を再現した実験は、筆者たちがやったんだ。
これらはおもしろかったが、本書ではアリ、インターネットの渋滞にも議論がおよび、これらの渋滞もセルオートマトンモデルで再現、解析が可能という。 -
Posted by ブクログ
よくある「○○学」的なトンデモ本ではなく、科学として真剣に研究・調査された「無駄学」。中身の多くの部分トヨタの生産方式を説明しながら、社会のいろいろな場面に潜む無駄を無くして行こう、的な内容なので、特に製造業、ものづくり関連の職種に従事している人には新鮮味に欠ける感じは否めない。むしろ本書のキモは、最後の30ページほどの部分、資本主義経済と無駄について論じた部分にある。
「経済評論家の多くは、経済成長率の低下を問題視し、いかに景気を回復して3%台にするか、などという議論を展開している。しかし年3%成長とは、ちょっと計算すれば分かるが、23年で経済が2倍近くになることを意味している。(中略)ど