岸本葉子のレビュー一覧
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6人の「おひとりさま」の短編集。表紙からイメージしたほっこり系とは違うものもあったけど、どれも読後感が良かった。
好きだったのは杉村さんの『最上階』かな。マンションに住む人たちの感じが良くて、いっしょにご飯食べてるところはほのぼのした。主人公の数字に強いところもかっこよくて羨ましい。
咲沢さんの『週末の夜に』も良かった。仕事終わりに一人映画を楽しむなんて素敵。一人であることをネガティブに捉えられがちな世の中で、他人とちょうど良い距離のとり方で、淋しいわけじゃない“一人”は最高だと思う。
坂井さんの『永遠語り』は毛色が違ってまたおもしろかった。叔父を思い出しながら染色をする主人公。登場人物が少な -
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このような本を手に取る機会が増えた。
実家の母や義母の老いを目の当たりににすることで、自分自身の老いについてもいよいよ考える時が来ていると実感するからだ。
社会のあり方も自分自身も周囲の状況もいつまでも今と同じとは限らないので、遠い未来ではなく、短いスパンで考え、柔軟に対応していくこと、変わることを恐れないことなどヒントがあった。
特に孤独という考え方は共感できた。たくさんの人と一緒でも寂しさを感じることもある反面、一人でも寂しくないこともある。つまりは、その人の人生がその人自身の中でどれだけ充実しているかどうかということなのだろう。
老いていく自分に不安がないとは言い切れないが、誰もが等く与 -
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エッセイストで俳人の岸本洋子さんが、ベテラン俳人の岸本尚毅さんから名句を学びながら俳句上達のコツを探る。名句、名句集が多く紹介されているのがうれしい。麦秋の中なるが悲しい聖廃墟(水原秋櫻子)/チューリップわたしが八十なんて嘘(木田千女)/若狭には仏多くて蒸鰈(森澄雄)/死ぬときは箸置くように草の花(小川軽舟)/一瞬にしてみな遺品雲の峰(櫂未知子)/金色の佛ぞおはす蕨かな(水原秋櫻子)/紅梅やゆつくりともの言うはよき(山本洋子)/水脈の果炎天の墓碑を置きて去る(金子兜太)/来しかたや馬酔木咲く野の日のひかり(水原秋櫻子)/起重機の手挙げて立てり海は春(山口誓子)/わが心ひそかに聞こゆ鉦叩(中村汀