岸本葉子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
人生後半に入ってからの転機の物語。
●アンジェがくれたもの
何十年も「自分を喜ばせるために何もできない」なんてどんな気持ちで生きてきたんだろうと思うと、心が締め付けられる思いがしたし、その分、アンジェとの出会いがとても素晴らしいものに感じて、人生どこでどんな転機に恵まれるかは分からないものなんだなと思った。
一寸先が闇のこともあるけど、小さなきっかけで心を取り戻せることもある。そしてそれを何も言わなくとも、一緒に喜んでくれる人がいるってすごく幸せな気持ちになるなと思った。
●友だち追加
主人公は人との繋がりをちょっと億劫そうに語っていたけど、やっぱり人との繋がりって大事だなと思った。
煩わしさもあるけど、こうやって誘ってくれるのも付き合いがあるからだし、その結果自分の幸せを再認識したり、刺激をもらったりしてる。
1人で生きていたらできないことばかりだ。
距離感や自分の心地よさはもちろん大事だけど、繋がることを諦めちゃダメだなと思った。
比べるから自分が見えてくるんだなと感じた。
●リフォーム
円満離婚、離婚式の話。
指輪を送ってくれたお父さんの思い、それを受けた主人公の思いがジーンときた。
●この扉のむこう
動物を飼いたいと思ったことはなかったけれど、動物というよりもっと家族のように親しい存在なんだなということが伝わってきて、ほっこりした気持ちになった。
校長にスパンと言うカッコよさは爽快!
●リセット
夫が亡くなってから他に子どもがいたと知ったら…。
しかも自分に子どもがいなかったら。。
怒り、悲しみがものすごい勢いで押し寄せそう。
「リセットしなくても再構築すればいいんですよね」の言葉は温かくて、励まされるなと思った。
お互い真実を知っているのに、何も言わずに付き合い続けようとする2人の距離感もいいな。こういう風にお互いを必要として引き合う関係もあるんだなと思った。
●セッション
主人公の「習得したいからそこで働く」のスタンスがいいなと思った。目的を持って、立場にこだわりすぎずに働けるっていいな。
真実が分かった時の、ホッとした感覚や心が温まる感覚に、やっぱり人と一緒にいられるって喜びなんだなと思った。 -
Posted by ブクログ
このような本を手に取る機会が増えた。
実家の母や義母の老いを目の当たりににすることで、自分自身の老いについてもいよいよ考える時が来ていると実感するからだ。
社会のあり方も自分自身も周囲の状況もいつまでも今と同じとは限らないので、遠い未来ではなく、短いスパンで考え、柔軟に対応していくこと、変わることを恐れないことなどヒントがあった。
特に孤独という考え方は共感できた。たくさんの人と一緒でも寂しさを感じることもある反面、一人でも寂しくないこともある。つまりは、その人の人生がその人自身の中でどれだけ充実しているかどうかということなのだろう。
老いていく自分に不安がないとは言い切れないが、誰もが等く与えられている「死」というゴールに向かってより良い「生」を積み重ねていきたい。 -
Posted by ブクログ
エッセイストで俳人の岸本洋子さんが、ベテラン俳人の岸本尚毅さんから名句を学びながら俳句上達のコツを探る。名句、名句集が多く紹介されているのがうれしい。麦秋の中なるが悲しい聖廃墟(水原秋櫻子)/チューリップわたしが八十なんて嘘(木田千女)/若狭には仏多くて蒸鰈(森澄雄)/死ぬときは箸置くように草の花(小川軽舟)/一瞬にしてみな遺品雲の峰(櫂未知子)/金色の佛ぞおはす蕨かな(水原秋櫻子)/紅梅やゆつくりともの言うはよき(山本洋子)/水脈の果炎天の墓碑を置きて去る(金子兜太)/来しかたや馬酔木咲く野の日のひかり(水原秋櫻子)/起重機の手挙げて立てり海は春(山口誓子)/わが心ひそかに聞こゆ鉦叩(中村汀女)