岸本葉子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
43才、一人暮らし、小さな会社で事務員をしている井本正美が、ひょんなことから週末だけのおむすびカフェを開くまでを描いた話。
正美はよく行く店で見かける老人、ムツが買った商品を家に持ち帰るのを手伝い、そこで、焼きおむすびと糠漬けをごちそうになる。
ムツのところには、その土地を狙って、不動産屋の仁岡と加奈子が足繁く通ってきていたが、その家のかわいさに一目惚れした正美は、家を売ってほしくないばかりに、借りたいと申し出る。
ある種、勢いで家を借りることになり、そこで週末だけおむすびカフェを開くことにして、周りの人たちのアドバイスを得ながら開店にこぎ着ける。
開店しても、お客はなかなか来ないが、それ -
Posted by ブクログ
16年ぶりの再読。
著者が読んだ、ノンフィクションや小説の感想や、その本に纏わる話題などを綴ったエッセイ集。
巻末の「本書で取り上げた本」によると、105冊にもなる。その膨大な読書量からは、題名の何とアイロニカルなことか。
ある伝記小説を語った際に綴られた言葉が心に残った。
「世界はときどき、誰かを通し、生きることに秘められた限りない可能性を思い出させてくれる」
著者の本棚に一番多い小説は、藤沢周平だそうだ。
作者の風貌がその作品から抱いているイメージと違っていると裏切られたような気がするが、藤沢周平の場合は作品と見事に一致しており、ホッとしたと書いている。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ老後の不安に備える本はたくさんある。私もけっこう読んだ。どの本も内容は重複しているので、何冊も読む必要はないかなと思った。この本は、どの施設で暮らすかと言う物理的な提案ではなく、どんな心もちで過ごそうかと言うメンタルの部分に重点を置いている感じだ。
筆者と年が近いせいもあって、他の本より共感できた。
また医療とITは日進月歩なので、私が80才になる頃、高齢者を取り巻く環境は今とは大きく変わっているだろう。
殆どの病気は治せて、筋力の老化は補助具でサポートでき、
認知症も克服できているかも知れない。働く場所があれば、働いているだろう。
そうなると「老後」はなくなるのではないか?
じゃあ心配しても