堀尾省太のレビュー一覧
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じわじわくる怖さ。
コメディっぽいのに、じわじわくる怖さ。何とも言えない違和感がずっと漂っていて気持ち悪い!でもこういう作りの物語って大好きです。次巻がめちゃくちゃ気になる。
もちろん怖いだけじゃなくて、日常描写がしっかりしているから、そちらも楽しめるし、かえって怖さを増している気がする。面白かった。 -
人間の怖さが描かれた作品
幼馴染を繋ぎ止める為の、純粋な少女の願い。
最初はフクノカミがみんなを幸せにしていくというような話をなのかなと思って読んでいましたが、読めば読むほど怖い内容だという事が分かりました。
不気味な展開は妙にリアリティがあり、現実世界にも起こりそうなだなと作品に引き込まれてしまいました。
人間の怖さが上手く描かれた作品で、とても面白いです。 -
ネタバレ
不思議系大好き人間にオススメ
「ゴールデンゴールド」という変わったタイトルの漫画であり、そのタイトルの意味、謎もさる事ながら、この漫画はある武士に海辺で斬り殺された同じ様な顔をした死体群から始まり、武士は「奴だけおらん、どこだっ?」といい残して舞台は現代のある離島へと変わります。
そこで人見知りの中学生女子が偶然お地蔵様を拾いなんとそのお地蔵様は生き物であり、離島の人間を段々と支配して行くという漫画です。
この漫画はそんなミステリアスで、謎解き要素の強い漫画であり、不思議系好きの人にはたまらない漫画となっています。 -
異世界の、しかも時代の違う外国
ゴールデンゴールド、今漫画を読むと改めて人の欲深さを感じることが出来ます。気持ち悪いフクノカミの置物を拾ってしまった主人公の女の子。彼女の家には大きな繁栄がもたらされて、大変豊かになっていくのです。でも、気づいた時にはもう遅い。誰も彼もがフクノカミのもたらす欲によって狂っていきます。 そんな人間の欲望が恐ろしくも、とても人間の心理をついていて面白いのです。
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ネタバレ
不気味さのある神様(?)の話
主人公の少女の視点を中心として、ある日突然現れた不気味さのある神様(?)の話。福の神のようでもあるが、その見た目や突然姿を現し、さらに家に居座るかのような様子は不気味さがある。本来神様というのはそういう一面があるのかもしれない、と思わせる。そう見せることができるのはこの作者の得意としたところかもしれない。
設定の異様さと、先の展開が読めず好奇心がくすぐられるところに面白さがある。 -
ネタバレ
平穏な日常を侵食する「幸福」
瀬戸内海の小さな島で暮らす中学生・流花は、海で奇妙な置物を拾う。それは島でひっそりと語り継がれる、幸運をもたらす「フクノカミ」だった。
きっかけは主人公の淡い恋心から来るささやかな「お祈り」だったものが、フクノカミがもたらす「幸福」としてやがては島民全体を巻き込み、じわじわと平穏な日常を侵食していく。事態はとうとう殺人事件にまで発展し、遂には島外へと拡散していく・・・。
家族や友人も皆フクノカミに操られ琉花の「お祈り」を成就すべく、行動し始める。優しかった祖母が冷徹な「経営者」へと変貌していく様は、思わず背筋がゾッとする。
反面、都会への憧れや穏やかな人間関係など、リ -
不気味さに引き込まれる
物語のキーキャラクターであるフクノカミがとにかく気持ち悪いというだけでなく、作品全体から何とも言えない不気味さを感じますが、読み進めていくうちにこの不気味な世界観に引き込まれてしまいました。フクノカミに主人公達が今後どのように対峙し、どのような結末を迎えるのかがとても気になるので、新刊を読むのが今から楽しみです。
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人の良心を試す話題作。
瀬戸内海のある島。そこで暮らす中学2年生、琉花(ルカ)はある日海で耳の長い奇妙な置物を拾う。それを自宅に持ち帰った翌日、同じ見た目の神様が現れた!呆然とする彼女をよそに別段気にしない祖母、そして次々に起こる「いいこと」。祖母は次第に神様を崇めはじめる。しかしこれは本当に「福の神」なのか?「刻刻」の作者が描く渾身の話題作だ。
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静かに変わっていく日常の恐怖
表紙の可愛くもどこかシュールな絵図からは想像もできませんが、この作品は多分ホラーです。生活感あふれる瀬戸内の島の暮らしがフクノカミと呼ばれる存在の魔力によって少しずつ変貌していくその恐ろしさは、静的で、グロテスクとは無縁でありながら破滅を予感させて背筋がうすら寒くなります。中学生である主人公たちの視点を通して、独特の作品世界に没入される方法が非常にうまいので感心しました。広島県民にしかわからないローカルネタが豊富で、そこでクスリとさせられます。
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リアルとファンタジーが交差する
現実世界に突如現れるファンタジーを描くのが上手い作者さんで、びっくりさせられました。ただの日常マンガだと思って読まないのはもったいない作品ですし、同時にただのファンタジーだと思って敬遠するのももったいない作品だと感じます。ストーリーの組み立て方が巧みで、主人公の少女に感情移入しつつ、同じ立場に立って驚きの展開を体感できました。
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ネタバレ
神様のようなものが怖い
これ、面白すぎます。お話がしっかりしていて、先が気になってしょうがなくなります。
マンガに出てくる神様のようなものが本当に怖く得体が知れず気味が悪く嫌悪感を抱いてしまうビジュアルです。
主人公以外の島民が、神様のようなものの力でどんどん変になっていく恐怖。
何が目的なんでしょうか。気になりすぎます。 -
期待を裏切らないホラー作品
漫画「刻刻」で大きく評価された堀尾省太先生の作品。
日常と異常な世界観をうまくつなぎ合わせてくれているので、どんどん引き込まれていきます。
徐々に「あれ?」と思う展開が増えていき、それらが重なって最後にはおぞましい感触が残されていく感じがたまりませんでした!
少し笑えるところもあり、キャラクターも可愛いのでオススメです! -
名作の仲間入り決定
現時点では単行本は3巻まで発売されていて、勿論読破しました。話題の作品という事で、一気に読破しましたが、本当に不思議な作品です。こんな奇妙な設定の漫画は、今までなかったと思います。ネタバレするので、内容は控えますが、恋愛やスポーツものばかりが漫画ではなく、日常生活で少し視点を変えるとこんなに面白い作品が生まれるのだと、嬉しい驚きがありました。人々が少しずつオカシクなっていくのは、まるで宗教やお金、さらに名声などあらゆる欲を、風刺として皮肉っているのでしょう。本当におススメの漫画です。ジャケットで判断せず、男性も読んでほしいです。