堀尾省太のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ現実的な窮地を漫画的な力で脱出する導入も十分に面白いが、その無敵感、安堵感があっさり崩れるチンピラがゾロゾロ入ってくる2話のシーンは非凡。ここは混乱しながら戦慄しながら興奮する感覚だった。
ここの凄さは2つの恐怖を同時に並列させているところ。つまり、「なんでこいつら動けるんだ?」という得体の知れないものに対する恐怖とヤクザ・チンピラという現実的な脅威に対する恐怖。同じ条件であるなら主人公サイドは何の力もない(このゾロゾロ時点では)市民なわけで、その事実を知らされまた震える。例えばこれがいかにも能力者然と佐河や間島が入ってくるとかだったらここまで好きじゃなかっただろうな。
勿論この後も面白いけど -
Posted by ブクログ
『人間ひとりひとりに流れる時間』
をテーマに驚異の新人がSFを舞台に大暴れ。
いやはや口では説明しがたい。
時間を止める『止界術』を使える主人公一家と
宗教団体を名乗る謎の団体との戦い。
止界中での設定やバックに芯が通っていて
ほんとに新人か?と疑うほどブレがない。
僕らが『時間を止める』って考えるのとは
一味も二味も違った設定があって
時間という大きな相手だけでなく
ひとりひとりに流れる時間に焦点を当てている気がします。
なかなかに誰が悪者って決めつけれない展開が
ただの少年漫画的バトル物に堕ちる事から遠ざけている
かなーり熱いSFアクションサスペンスっす。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ巻末のコピーにある「(恐怖に)鷲摑まれる快感」がこの作品を的確に表現している。
今回の神ノ離忍の出現シーンは最高にいい。屋上から見下ろす真の驚愕する顔、見開かれた目の視線をコマが追うと巨大な神ノ離忍が浮かんでいる。樹里は迫くんと真がいる屋上を見て気がつかない。神ノ離忍は今将にその左手を振り下ろそうとしている…。一見、映画的なコマ割だが、マンガというメディアにしかできない緊迫が恐怖という快感を生み出している。いやあ、とんでもない人が出てくるなあ。
「佑河」と「佐河」は、右・左でのペアで、役の行者の前鬼・後鬼のような役割のような気がする。
ということは、まだ未登場の「創始者」は止界のどこかに封