鬼頭莫宏のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
月刊IKKI誌に連載中で、テレビアニメも放送中の話題作、『ぼくらの』の小説版である。
鬼頭莫宏の原作漫画やアニメと、この大樹連司の小説版との決定的に違う部分。
それは当たり前だけど、文字のみ、という媒体である事。
そして、登場人物だ。
まず、原作同様にワク、カコ、キリエ、ウシロ、コダマ、カンジ、マコ(ナカマ)、アンコ、チズ、コモ、カナが登場する。
そして、モジの代わりにツバサが(もちろん、ナギとの三角関係も健在)、車椅子の少女コズエ、軍人の娘でハーフのマリアが登場する。
残念ながら、ダイチやマキ、マチは登場しない(ちなみにナカマは登場しないマキのオタク属性を受け継いでおり、性格が違うキ -
Posted by ブクログ
ネタバレこの物語の舞台である装置によって物語が生み出される狂った街についての話が80ページほど続き、7本目の章以降から本格的に物語が始まるといった構成。野井奈緒という少女の死はこの街においては特異な死、つまり「物語とならない無意味な事故死」であり、これに意味を与えようとする(物語にしようとする)クラスメイトたちとそれを傍観する「ぼく」といった内容。
感想としてはとにかくメタ。この本の物語全体は主人公「ぼく」が作ったメタ的記録としての「物語」であり、太字で書かれた19+1の章と冒頭のページが「物語」より1つ上の次元から書かれた「物語」だというのが本作の肝、というか重要な仕掛けである。
読んでいる途中で最