鬼頭莫宏のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ようやく手に入れて一気読み。
少年少女それぞれが現実世界での重みや恨みや来し方を振り返り、清算して/あえて清算せず/清算できないまま、命を落とす。
そのいわば死にざまをひとつひとつ描きながら、世界観も明らかになってくる。
個人の謎と世界の謎が並行して解き明かされていく王道パターンだが、その計算の巧みなこと。
そしてやはり少年少女の痛みがびしばし伝わってくる描き方。
彼ら彼女らはそれぞれヒーローではなく、個人の物語の中で決着をつけるだけ。
そこに「命は大切」という無条件な理念はない。
実際、そういう思い込みやイデオロギーを言葉の力で相対化しようと、みんながしている。
このクールでドライだがリアルな人物たちが、それぞれの環境の中で命や生やつながりという「人間的な」概念を見直していく。
金や地位やセックスのことしか考えていない大人よりはよっぽど「人間らしい」。 -
Posted by ブクログ
再読。
セカイ系やエヴァとの関連や影響などについてはもう繰り返さないが、
この表紙が(そしてシイナというキャラクターの、根の明るい健気さが)鬱展開を覆い隠すミスリーディングになっているのがおもしろい。
まどマギのQBからココペリを連想しホシ丸を思い出した次第なのだが、こういう誤読を誘うような仕掛けとしても、先行してるのでは。
シイナだけでなく、明を、
あるいは鶴丸を、のり夫を、
小森を、須藤を、さとみと文吾を、
貝塚ひろ子を、
あるいは母の美園を、父俊二を、
それぞれ主人公として想像できる物語の深みがある。これは強い。
さらに外部としてくりまみこがいる。この構図も強烈。
それにしても何度読んでも溜め息をつくが、シェオルの繰り出す「攻撃」の、荒唐無稽にして説得力を感じさせるすさまじさ。 -
Posted by ブクログ
原作漫画のほうも噂にたがわぬ鬱漫画だった。
エヴァンゲリオンやデビルマン、あるいは最終兵器彼女などにも負けないレベルで、
世紀末、終末、セカイ系だった。
無駄に元気で少年漫画の主役っぽい女の子が、
このダークな世界に侵されていく過程も見もので、
世界はまったく根拠もなく彼女を選んだ、という理不尽さが現れている。
また、人は増えすぎたんだ、だから……、という、かつて夢想したことのある感情だが、
これが実現したら? という設定を考え出す能力がすごい。
セカイ系というのは、世界の存続にかかわってくる世界観にするためのギミックにリアルさがあることが、ひとつの要件なのだとわかった。
個人的な感想だが、鬼頭莫宏さんの絵に動きを感じることは少ない。
それよりも、呆然と少年少女が立ち尽くして、こっちを見つめている、という描写を思い出す。
それが突き刺さって胸が痛い。 -
ネタバレ
最後は最後で
ありだと思った。
マチがウシロに告白した後、帽子被ったチビに撃たれるのはマジかって思ったけどね。
最後の方にあった6p分くらい使ったみんなの絵はとても良かった。
賛否は別れると思うけど良作だと思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ(9巻、10巻)
レースをやらなくても面白かったが、レースをやっても面白い!自転車漫画。ポイ捨てに怒ってレースに出場というのが鬼頭先生の作品らしい。
9、10巻は自転車レースのカケヒキの面白さ満載。表立った熱血とは違うけど、たまにさらっと言うセリフに気付きがあります。自転車以外でも色々な場面で使えそう。
〇
なあオレ達はプロじゃない シュミで走ってるだけだ
1位にでもならない限り 他人はほめちゃくれない
だからやってることに意味を見出せるとしたら その答えは自分の中にしかないだろ
桧山さんのことなんてどうでもいいんだよ
お前程度失うものなんて何もねーよ 何とかしろ(9巻)
〇
プロはお金を得るために結果を求めなくちゃいけないけれど
アマチュアは逆にお金を払っているわけだから その分楽しんだ人の勝ち
目的が レース後のビールが旨いことでも 何も問題はないのよね(10巻)
そしてとうとう出てきた「のりりん!!」のセリフ。
ああこういうことだったか~ -
購入済み
これはすごい・・・
BOOKLIVE全部半額フェアやるまで存在すら知らなかったのですが、これはすごい・・・。なんというか、もう、完全に鬼頭漫画ですよコレ。ポイ捨ておじさんが逃げた時の焦燥感はガチでした
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Posted by ブクログ
感想。ネタバレ。アニメ全話視聴後に漫画を読み始めたのですが、断然漫画の方が好きですね。特に終わり方。マチとウシロくんの関係性。コエムシの心的成長。
マチがウシロくんを好きになって、告白して、夜お誘いするシーンは読んでいてかわいらしく、普通の中学生だな、マチが幸せになってジアースの戦いが終わればいいのになと思った矢先の銃殺で…鬼頭先生ふざけんなと思いましたね。でもこのことをきっかけにコエムシが人として成長を遂げるので…マチの死は無駄ではなかったな…と。
ウシロくんの最終対決ではかなちゃんに暴力をふるっていたことを悔やんでいる描写にウシロも大人になったなと母親のような目で喜びました。ウシロくんが敵パイロットを殺すためにその地球上の人々を殺して行くシーンは苦しかったです。
ぼくらのは読んでいて精神的に苦しくて辛かったのですが、つまらなくは感じなかった。むしろ面白かったです。
みんながそれぞれ自分の地球を救うために戦う姿は子供から大人へなるための覚悟のようにも見えました。 -
購入済み
ただの「デスゲーム」じゃない
「絶望的なデスゲーム」を題材とするマンガを読破したくて、まずこのマンガを読んだ。
もう10年ぐらい前の漫画なので、テーマはネタバレではないと思って書いてしまうが、
これは「戦闘後に必ず死ぬ」というロボットを操縦して戦う子供たちの話。
細かい点についてはネタバレになるので伏せます。
また、各巻のあらすじには前巻までのどぎついネタバレが含まれているので、
これから読もうという人は、あらすじをあまり見ないことをオススメします!
感想、とにかく衝撃を受けた。
読む前のイメージは、
「騙されてロボットに乗せられ、死ぬのが嫌だと絶望しながらも目の前の敵と戦うしかない。
次が自分の番かと脅え続ける絶望的なストーリー」だった。
読後の今として、それをどう否定していいか悩む。
間違いではないと思う。だが、何かが決定的に違う。
そこはぜひ読んで感じ取ってもらいたいと思う。
子供に残酷な運命を背負わせる、だなんていかにも流行りそうなストーリーだと思っていたが、
話題性をさらうためのものではなかったことは読めばわかる。
子供だからこその価値観、夢の描きかたが素晴らしかった。
もっとも、各々の生い立ちや家庭事情などはあまりにもドラマティックすぎるし、
登場人物のほとんどが中学生としてはしっかりしすぎている。
だけれど、もしこういう事態が本当に訪れたら、
その時にこうやって強い心で戦えるのは子供なのかもしれないという感想を、大人になった自分は抱いた。
大人みたいに苦しい事に耐え続けるのは無理かもしれないけど、
大人からすれば大したことがないように見えることを今の自分の全てだと思えて、それをめいいっぱい大事にしようとする姿が、ぐっときた。
絶望的なデスゲームの漫画を辿ろうとしていたが、
これから読み始めたのは間違いだったかもしれない。
彼らがあれだけ精一杯戦ったのを見届けた今、
戦いなんてない方がいいんだと、真面目に考えてしまっているからだ。
絶賛しましたが、二巻か三巻ぐらいまではいまいちピンと来てませんでした。
だんだん謎が明かされ、大人達も巻き込んで、それでも子供達は「地球」ではなく「自分の周り」と一生懸命向き合っていく、そのあたりがとても読みどころだと思うので、ぜひ読破してもらいたいです。