鬼頭莫宏のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ夏休みの自然学校に参加した15人の小中学生たちは、偶然出会った風変わりな男とのやり取りの中で「ゲーム」と称して「契約」を行う。
その「契約」とは、地球の命運をかけて巨大ロボットで「敵」と戦うこと。負ければ地球ごと消滅、そして勝ってもパイロットを担当した1人は必ず死んでしまう。
契約を行ったのは1人を除く14人の筈だったのだが、戦いが進む中、もう一人の未契約者がいることが明らかになる。
-----------------------
ひかりTVのビデオサービスでアニメを視聴し、原作は後半の展開がまるで違うことを知り(というか連載途中でのアニメ化だった)、読んでみました。
この作者の漫画は絵が苦手だと感じずっと読んでいなかったことを後悔するほど面白かったです。救われなさとかなりのえげつなさ、妙にリアルな部分も切なさもあり、単に「面白かった」というのがはばかられる、独特の読後感です。
キャラクターそれぞれの行動や、死ぬと分かっていてのあがきや悟り、時に美しく時に重過ぎる気付き(しかしその後に待つのは死のみ)が胸に迫ります。
未契約者は誰なのか、そして「最後の一人」となるのは誰か?そしてその時の行動は?ラストにはただただ痺れました。
畑飼だけは心から悲惨な死に方を迎えてほしかったのにすごく残念です。この後味の悪さがこの作者の芸風といえばそうなのかもしれませんが。
アニメ後半が監督の言動と相まって酷評されていることは見終わってから知りました。いろいろ苦肉の展開だったのでしょうが、確かにオリジナルキャラクターが幅を利かせすぎたり、田中さんの過去がとんだ極○だったりと、やりすぎた感は否めないですね。酷評もむべなるかなと思いました。
音楽はとてもよかったんですけど…… -
Posted by ブクログ
ネタバレ最終巻。
最後のパイロットとなったウシロ。戦闘に勝利したかと思えたが、コックピットを開けてしまったがために、最後に重い決断を迫られる。
最後まで残酷な展開だった…。
たくさん、たくさんの人が死に、戦いはすっきりと終了したとは言い難い。
それでも、読後感はどこかすがすがしい。
結局ゲームは次元を変えて続いてゆき、何の意志によるゲームなのかは最後まで明らかにならない。
コエムシは言う。
「ただの自然現象だよ」
…たしかに、極端に残酷な例であるだけで、似たような現象は今のこの地球上でも絶え間なく続いているのかもしれない。
誰かの存在を生命を犠牲にしてほかの誰かが生きながらえていく、そしてその誰かも順番がまわってくればほかの誰かの犠牲となって死ぬときが来るかもしれない。それは確かにごく自然な摂理だ。
ごく個人的な世界と、宇宙規模での世界と、そのどちらにおいても命はとらえられている。ごく個人的な世界も、それだけで完結するものではなく、周りの人たち、一般社会、国、組織、世界と少しずつつながっている。
個人と、世界と、どちらが大事か、なんてわからない。
けれど私たちは世界の命の連鎖の中に存在し、それでも自分の目に見えるもの、手の届くものをただ大切に握りしめて生きていくしかないのだ。
そういうことを、静かに実感させられる物語だったと思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレマチの正体が明かされ、同時にこのゲームの終末(勝利が確定した場合)のことが知らされる。
ウシロとマチは、今までに死んだ仲間たちの家族のもとをめぐる旅に出る。
彼らの生き様を、きちんと伝えるために。
あっという間に何人も死んでいってしまったけれど、ここで一人ずつの姿を振り返ることができて本当に良かったと思う。
とくに印象の悪かった子たちについても、きちんと汲んでくれていて、ただただ泣けた。
死にゆく者だけでない、残された者にも壮絶な運命だ。
ただただ、残された人たちが穏やかに暮らしていけることを祈る。
9巻までに比べるとゆっくりと時間が経っていたように感じる10巻だったけれど、最後にやっぱり衝撃の展開が…。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ地球の、宇宙の生き残りをかけて襲い来る敵と戦う。
勝てば、相手の次元の地球(宇宙)が滅び、負ければ、自分たちの次元の地球(宇宙)が消滅する。
戦いが終わったら、勝っても負けても、パイロットは死ぬ。
ここまで、少年少女のいろいろな戦いと死を見てきて、もし自分だったら、地球を救うためとはいえ、自分の手で誰かを殺めるくらいなら死んだほうがましだ、とか思っちゃうかもしれない…とぼんやり思い始めていた。
だから、キリエの「自分たちが生き残るべきかわからない」「自分は正義かもしれないけど、相手も正義かもしれない」という考えはすごく理解できたし、偽善的と言われるかもしれないけれど共感した。
「あなたは好むと好まざるとにかかわらず、もうすでに生命の犠牲の上にある」
だからその犠牲に感謝し、精一杯自分のすることをするのが、生きていくものの責任。
それが生きるということ。
自分でもまだうまく消化できていないのだけれど、田中さんの言葉はそういう「死んでもいい」という甘い偽善をひっくり返した。私たちは生きていることがそれだけでもう生き残りのための犠牲を強いられているシビアな運命だったんだなあ、と。難しいけれど、確かにそうだ。
個人的な戦いをしてきた今までの子供たちとは一味違い、そもそも「どうして戦わなくてはならないのか?」にひとつの決着をつけてくれたエピソードだと思う。
続いてコモの話。
死ぬとわかってから世界の美しさや世界とのつながりを実感し、世界が豊かになったと感じるコモ。
敵のパイロットの逃亡、一般被害者からの恨みを思い知らされる子供たち。自分たちの背負っているものの重さ、戦いに向けられる非難の目の厳しさ。
改めて話の運び方というか展開構成がうまいなあ。
コエムシの転送の説明は、面白いけど、なんというかPC上のデータの話みたいだなあと、いまいち三次元で起こりうるのか疑問に感じてしまう。
佐々見さんだんだんなじんできたな。
大人たちが登場したときは子供たちの行動を阻害したり支配しようとしたりするのかと思っていたけれど、予想外に子どもを尊重してくれるいい大人たちだった。今後どうなるのかな。。 -
Posted by ブクログ
いわゆるセカイ系。
サブカル好きな人は大好きだろうなあと思う。
テレビでアニメが流れているのをぼーっと見て、衝撃を受ける。
恐らく2話だったと思う。
え、これアニメにしちゃっていいの?何これ?グロ…とはじめは混乱したものの、ものすごく興味を引かれ読んでみることに。
必死になって最後まで読み進めてしまう。続きが気になって仕方ないタイプの漫画。
終盤に伏線がどんどん回収されて、あーそういうことだったんだ、と納得。
最後のシーンがすごい。読み終えた後のあの感覚。他ではなかなか味わえないと思う。
一気にガーッと読んで最後でボーゼンとするのがオススメの読み方。
ぼくらのより好み。 -
Posted by ブクログ
未レビュー消化。どうしようもねぇ世界で精一杯まっすぐ生きてきた少女の話。秕の人生は大好きな人を失うことが多かった。最初に母から捨てられ、友を失い、最終的にすべてを亡くした。亡くしたからこそ産み出せる、クリの言っていた代替がきくからこそ命足りうるというセリフは鬼頭先生の一貫としたメッセージだけど最初は納得できなくて何回か読み返しました。
あれだけ自分を否定しながらも精一杯に生きてきた秕が最終的に自己を認め、残された世界で生きようとするなか、ああいった終わり方を描ける鬼頭先生はブレない人だなと思いました。無くてもよい存在だからこそ頑張る そう自分に言い聞かせてます -
Posted by ブクログ
この巻もおもしろく読ませてもらいました。もう、一気に読んじゃう感じです。この巻で印象に残ったのは、自転車を「よくわからないけど楽しそうだから始めてみよう」っていう人を見る、自転車に割と昔から好きで乗ってる人の目線、言い分。「グレーゾーンだからいいんだ、遊べるんだ」っていう人は、僕の知り合いでも何人もいて、僕もその恩恵に預かってるのでやっぱり規制が厳しくなってくのはメンドウだなと思いつつ、早くもっと進んで、例えばコペンハーゲンみたいに自転車高速道路なんてものができたりして自転車に乗りやすくなってくならいいな、とも思ってたりします。これからそうなっていく展開もあるのかな。今後も楽しみな1冊でした。^^