一田和樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
140文字で描く怪談。ほとんど歌詞のような意味不明な内容のものからオチまでちゃんと着いた物語になってるものまで作家それぞれ個性が出ていて面白かった。
もちろん私の好みは短くとも物語になっているものだ。下手の横好きではあるが物を書いたこともあるので僅かな字数で書くことの難しさはわかる。でもこの短編集はおそらく一般ウケは狙ってないように思う。ああ、でもWebで人気の意味怖に近いものがあるかもしれない。短すぎるだけに文章の裏を読む想像力は必要だ。
澤村伊智のは短いながらもやはりキレがあった。あとは一田和樹、岩城裕明の作品が個人的には好みだった。 -
Posted by ブクログ
2巻ということを知らずに読んでしまったが、特に支障はなかった。
しかしこれから読む人には1巻を読むことを推奨する。
君島シリーズも読んだことがあるのだが、こちらは幾分専門用語少なめ、恋愛模様多めとライトな作り。
しかし規模感は一番大きいのではないだろうか。
サイバーに精通している人間からすれば、なるべく専門用語を使わずに説明しようとしているためまどろっこしく感じるかもしれない。
このサービス含め、昨今は何にでもメールアドレスなどの登録を求められる。
メールアドレスくらい、と思うかもしれないが、今の時代それがとんでもないところに飛び火してしまう危険性を孕んでいることを忘れないようにしなければ -
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Posted by ブクログ
サイバーセキュリティコンサルタントが傘寿を超えた上品なおばあ様、という設定はキャラが立っていましたし、動機なども特別に不自然さを感じませんでした。ミステリ(謎解き)としても楽しむことができる本だと思います。
とはいえ、ネットワークやプログラム、PC環境などについての一定程度の知識がないと、少しわかりづらい(状況をイメージしづらい)こともあるかもしれません。
ネットワークでのトラブル(主に個人情報の流出)に困った企業からの依頼を受けて主人公が調査にあたる、という筋書きですから、個人ベースで何らかの対策をとったり、作品世界のできごとを自分事として感じたりする(=臨場感をもつ)ことは少し難しいか -
Posted by ブクログ
ご老人がサイバーセキュリティコンサルタントとしてIT関連の事件、とりわけタイトルのとおり情報が流出する事案を解き明かすという設定。主人公は82歳、その年齢にしてIT系の知識を持ち合わせているというギャップのある設定はなかなかおもしろかったです。
当方、お金、それも仮想や電子といったところの”マネー”については知識が乏しく”身代金”に関するくだりはちょっと理解が及ばない部分もありましたが、事件を解決する際の籐子のヨミの鋭さや軽妙なノリにつられてどんどんページをめくってしまいます。ときにはちょっぴり違法な手段も使うけれど、そこは老練とでもいうべき82歳ならではの”味”というものでしょう。
ところど -
Posted by ブクログ
やはり「天才ハッカー安部響子~」の続編。
バラバラになったラスクのメンバーのその後が、ラスクを崇拝する高校生カップルを主人公として描かれる。
高校生の鈴木沙穂梨は、友人の父親がサイバー冤罪で警察に逮捕されたことから、警察庁の吉沢が募集するバイトの面接を受けることに。
その吉沢は人気アプリゲームの裏にある、個人情報漏洩を独自に調査していた。
ゲームの運営会社、攻撃を繰り返す謎のハッカー集団、それを阻止しようと暗躍する「闇の五本指」…
見えないサイバー攻撃のやり取りの様子は、前作の内容以上に本格的に踏み込んでおり、正直、ここまで来ると素人には付いていけない。
前作に続き、安部響子と肇や、沙穂梨と拓