【感想・ネタバレ】天才ハッカー安部響子と五分間の相棒のレビュー

あらすじ

ネット上でのなりすましとカードの不正利用の被害に遭った肇。犯人探しの末に辿り着いたのは隣人の美女・安部響子だった。彼女に誘われ、ハッカー集団ラスクの一員として活動を始める肇。トラブルを放置する悪質企業を攻撃して謝罪と賠償を行わせる、世直しともいえる活動は世間の支持を集めるが、警察の捜査の手も迫り……。引きこもり美女と変わり者の青年が大金を狙う、スリリングな快作!

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ハッカー安部響子と五分間の相棒

描写がとても気に入っていて、読み進めるのが勿体ないなぁ~と思って途中で止めています。休みの日に一気に読もうとおもいます~。

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2019年11月15日

Posted by ブクログ

サイバー系の脚本を書かせたらこの一田氏に勝るものは居ないと思った。
同著者の作品は「もしも遠隔操作で家族が犯罪者に者建てられたら」「サイバーテロ漂流少女」「オーブンレンジは振り向かない」を読んだが、どの作品も甲乙つけづらい面白さがある。どれもサイバー系物語だが本作はまた毛色が異なっていた。

プラトニックな甘酸っぱい恋愛物語にもなっているが、メインのサイバー攻撃の描写もきちんと描かれている。

章や段落によっての、一人称や三人称を上手く使い分けることによって、ラストシーンの怒涛の展開に読者は騙される。小説ならではの手法だと思った。プロローグとの対比も面白い。
二人の高校生が最後まで本編に絡んでこなかったが、真実を知らないことによって未来のラスクを目指し何度もループするのかな。と考えさせられ読み終えた後に余韻にも浸ることができた。
2周目読んでしまいそうな勢いw

本当にあったサイバーセキュリティの時事ネタもところどころに織り交ぜるのが上手い。未曾有のサイバーセキュリティ事件が頻繁に勃発している昨今、セキュリティリテラシはどんどん重要なセクタになっているので勉強にもなる。

以下のキーワードに興味ある方は間違いなく楽しめると思った。
- 中国製のアイロンにマルウェアチップ
- テレコムアイザック、NISC
- ベネッセ工人情報流出
- ブラックホールIP作戦
- アメリカNSA
- 匿名通信ツールTor
- アノニマス、ラルズセック
- マルバタイジング

とは言え、
今までの作品に比べると技術的マニアックな描写は少なくなっている分、
男女の甘酸っぱい描写が描かれているのが印象的でした。

この調子なら次回作も期待できるはずなので、
一田氏の次回作も楽しみ!

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2015年08月07日

Posted by ブクログ

文句なく面白かった。ハッカー達の視点からサイバー犯罪の顛末を描く物語なのだが、作者の豊富な知識に裏打ちされた犯行シーンは読み応えがある。ツイッターを利用した広報作戦など、現代ならではのリアリティがある描写もあいまって、読者をみるみる引き込んでいく。
後半には一転、ハッカー達は追われる立場となり、ひょっとするとあり得るのではないかと思えるようなサイバー捜査の手が主人公たちに迫り、息もつかせぬ展開からラストへとなだれ込んでいく。
しかしながら、この物語がただのハッカーの犯罪小説になっていないのは、主人公とヒロインの奇妙な関係性のおかげだろう。
天才ハッカーでありながら、他人と五分間も会話ができないヒロインと、彼女に負けず奥手な主人公のやり取りは、読者がこっぱずかしくなるほど奥ゆかしい。せっかく仲が進展しても、警察に追われる中で互いへの信頼が揺らいでしまったりと、こちらもラストまで目が離せない。
少しだけ残念だったのは、物語の導入部分がやや冗長だったのとラストがあっさり過ぎたことだろうか。
もっとも、こんな奥手な二人の物語だから、読者がやきもきするような終わり方が、2人にとってちょうどいいのかもしれない。

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2015年04月15日

Posted by ブクログ

情報系の人なら読んでクスリとなったり、そんな事件もあったな、あるのかとなる一冊です。この手の本は、例えば野球漫画で半年の練習で甲子園に行けたりだとか現実とかけ離れていることが多いですが、この本は事実と現実に基づいていて面白い反面、こんなことが本当に起きていたらと考えると怖くも感じました。国、政府、警察、権力者が何をしているか、裏では何が起きているのか、表面上しか見ていない私たちはもっと知る必要があるのではという疑問も沸きました。
また、ネットを自分たちがいかに危ない使い方をしているのかということを思い知らされました。今はTwitter・Facebook・LINEと様々なところに個人情報をあげていますが、除法漏洩の話もよくありますし、自分で自分の情報をどう管理するか考えさせられています。
話の中でも大きな部分を占める主人公と天才ハッカー安倍の恋愛に関しては、情報系の人が好きそうな感じに思えました。自分もこんな感じの不器用な恋に憧れます。
情報系の方におすすめと書きましたが、もちろんそうじゃない方にも分かりやすく解説が入っていますし、謎がどんどん紐解かれていく様子は他のミステリーに引けを取りず面白いです。前述したようなネットとの向き合い方も考えさせられるものがあると思います。

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2015年04月09日

Posted by ブクログ

アノニマスがISILに宣戦布告!
興奮してこの本を読みました~
恋愛小説でした~
でもハッキングの部分もたのし~

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2015年02月15日

Posted by ブクログ

天才ハッカー安部響子を追い詰める吉沢。しかし、いつもその追手を気持ちいいほど出し抜く、とても爽快な物語でした。

響子さんは一体どこまで先を読んでいるのか。その遠大さがとても楽しい。

同時に響子と肇の恋愛模様がなんとも言えず微笑ましい。ハッキングに関しては天才の響子が恋愛に関しては中学生レベルだというこのギャップが可愛らしい。
私の大好きな書評家の大矢博子さんの解説にも書いてあったとおり、2人が手を握るところが2人の恋愛の最大の盛り上りになるぐらい純愛です。

この2つの面の展開が、次へ次へと読みたくなる本でした。

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2022年05月01日

Posted by ブクログ

クレジットカードの不正利用もネットでのなりすましも、現実にも起こっていることで、その手口にぞくっとしました。
これはフィクションだけど、実際に被害に遭う可能性もあるわけで。
技術さえあれば、こんな簡単に個人情報って集められてしまうのかと。

天才ハッカーが作ったハッカー集団。
実在したら確かに正義の味方に見えるかも。
犯罪だけど、悪い奴をこらしめるって、正義に見えますもんね。

犯罪だと知りながらハッキングを続ける彼ら。
彼らに心酔する学生たち。
ハッカーを捕まえたい警察。
ミスリードされて、終盤でかなり混乱して、また前の方を読み直して、やっと理解できました。
先入観って怖い。

ハラダのラスクが食べたくなります。

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2021年09月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

頼んだ覚えがないラスクの請求があった。

始まりの次が、ラスクの話。
一体どうつながりがあるかと思っていたら
最終に繋がっていました。
ここから、最初のあそこまで、の間の話ですが
濃いというか何というか…。

泣き落としでハッカー仲間になった主人公ですが
それ以外にも視点が変わってみたり。
最後の最後で、なるほど! という仕掛けもあったり
誰が仲間で誰が裏切りものなのか、と悩んでみたり。
どんどんと先が気になり、ヒントがあるのに読み飛ばし
そうか! と最後になって思い出してみたり。

しかしラスク、美味しそうでした。

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2020年06月12日

Posted by ブクログ

著者初読みです。
タイトルと表紙イラストに軽い抵抗があってなかなか手を出せずにいたのですが(ごめんなさい!)、期待値よりもずっと上のおもしろさでした。

ネット情報恐ろしいって印象と、でも怖すぎず興味を持続できる程度に書いてくれていることで、(ハッキングなんて全然分かってないけど)無理なく読み進められました。

というか犯罪メインではなく、全体に暗くない&テンポ良いストーリー。幾つか腑に落ちない点は残るものの、総じて好印象(^^)

いつか記録を見返した時のために追記。
今現在、新型コロナで大混乱中の日本。テレワークも推奨されていますが、知識不足なのかセキュリティ面は大丈夫なのかな?とちょっぴり不安に感じる自分です。
世界も社会も自分も、どんなふうに変化していくのかな。

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2020年03月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ネットを使うのが怖くなる。炎上→個人情報さらされる、というのをたまに見ますが、こうやっているのかと・・・(◎_◎;)ツイッターやフェイスブックは利用していないけど、背筋が寒くなりました。とりあえずIDとパスワードを定期的に変更しようと思いました。 阿部響子と高野肇のツンデレ奥手恋愛もかわいかった。罪作りな人だ〜阿部さん(笑)

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2016年07月25日

Posted by ブクログ

ハッキングがテーマ。

ネット用語やハッキング手法など、結構単語は分からなくても読み進められる。
特に主人公の肇とボスの安部響子の関係性にも注目したい。
ハッキングは気付かれないように、また気付かれた時に身元が割れないように幾重にもセキュリティをつけるものだけど、
この本自体がそのトリックの一役を買っている。

まとまりも良く、不明な点はいくつか残ったものの、
総じて楽しめた。
途中、全然読書スピードが上がらないとこあったけど。

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2015年12月21日

Posted by ブクログ

楽しめた!内容も濃く深いもので、ラストまで引きつけられた。しかし、こんな面白い作品なのに、なぜ、こんな可愛らしい表紙に?こういうのが流行りか?もったいない。

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2015年08月10日

Posted by ブクログ

裏のかきあいのような展開はなかなか面白かったですが、あまり凄腕ハッカーという感じはしなかったです。差し込まれる学生さんのカットが蛇足に感じましたが、事件を外から見る視点としては必要だったんでしょう。

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2015年03月10日

Posted by ブクログ

現実にありえそうに思えてしまうようなSF作品。
様々な謎とネット社会の恐ろしさが面白い。

まあ、この人達ハッカーじゃなくてクラッカーじゃね?とか思ったりしなくもなかったけど笑

しかし、そんなサイバーな話の根っこは不器用な二人の恋愛小説。それはもうえらい不器用。主人公二人が可愛い。途中から最後までそこまで進展がなくてやきもき。

おまけ。
色んな謎がある中で、私が一番驚いたのは背信者Xの正体。えーっ!!って声に出しました!

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2015年02月25日

Posted by ブクログ

再読。
シリーズ一作目。
扱っているネタが小粒のせいか、以前ほど面白いと感じなかった。
そして、セキュリティに甘く、個人情報漏えい後のフォローが良くない企業であっても、このような方法で糾弾すべきではないと思った。

2015.1.26
面白かった!! 一気読み。
普通の会社員・肇がひょんなことからハッカー集団の一員になり、引きこもり美女と「正義の味方」の活動に。
最初、悪徳企業であってもこのような方法で糾弾すべきではないと思って警戒していたのに、いつの間にやら主役2人を応援していた。いつものことながら、ネットは恐ろしいと認識する話。

ps.ラスク大好き。ガトーフェスタハラダのラスクが食べたくなった。
ps. 読後、「野獣死すべし」の音楽に浸った。

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2015年01月26日

Posted by ブクログ

身に覚えのないネット通販履歴に気づいたのがきっかけで、普通の会社員・肇はハッカー集団の一員に!? 変わり者の青年が引きこもり美女と共にネットを駆使して大金を狙うピカレスクロマン!(解説/大矢博子)

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2024年10月11日

Posted by ブクログ

一田和樹氏の小説の入門にはいいと思う。けどこのシリーズから入って君島シリーズを読むとちょっと面食らうかもしれない。
それでも個人的には君島シリーズが好き。

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2024年06月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

すらすらと読めたしストーリーも面白かったので良かったが、
最後が簡潔に終わっているのと色々と疑問も残ってたのでそこをマイナスにした。
例えば監視されているであろう佐藤はどうやって空港にたどり着いたのかとか、
なぜ吉沢は肇をメンバーの一人だと思わなかったのかとか。後者は技術力の有無でそう思ったのだろうとは思うけど。
河野の一人称をオレとして、男だと思いこませようとした設定は面白いと思います。
自分も、自分の経験や河野を語る部分の文章の硬い書き方で最初の方はこの人は男なんだなと無意識に思ってしまいました。

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2020年01月26日

Posted by ブクログ

著者初読み。
ネット犯罪などを主に扱う作品を書いている作家さんと言うことで、何となく目に留まった3冊を読んでみることに。
ここ数年で、爆発的に増えたネット犯罪。それに伴い、企業側や国家などのセキュリティ対策が急がれるところだが、なかなか追いつかない日本の体制をあざ笑うかのような内容。
優秀なハッカー軍団が、個人情報の流出やセキュリティの甘さでシステムが一時ダウンして、顧客に多大な迷惑をかけておきながら、謝罪しないような企業をターゲットにし、その謝罪を求めていく。
主人公の安部響子が5分しか人と接することが出来ないとか、少しラノベっぽい要素も加えられているが、専門用語も多く、内容自体はかなり本格的。
ミステリーとしての要素も、かなり作りこまれていて、面白い。
と思ったら、「ばらの町ミステリー大賞」の受賞者だった…
やはり、「ばらの町ミステリー大賞」はすごい…
公には謳ってないが、今作で登場するラスクのメンバーは、その後の作品にも登場する。
登場人物の設定はラノベっぽいのに、内容は本格派。何だかハマりそうな感じ…

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2019年05月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

つまらなくはないけど…

あとがきで作者自ら書いているように、読者を楽しませようというよりは、自分が書きたいものを書いた感が強く感じられた本。

そのためか、ところどころ都合の良い展開に思えてしまった点が気になって…

高野肇がラスクに加入する理由や、安倍響子と肇が惹かれ合うきっかけ…ってそもそもあったか?そしてなにより、吉原が安倍響子と肇を見逃してしまう理由があまりに不自然。もしかして彼もラスクの一員?であれば納得だけど、そんな描写はみじんも無かったように思います。

唯一「おっ」と思ったのは、背信者が実は意外な人物だったことが最後に明らかになるところ。だけど…本筋と関係なさ過ぎるし、もともとさして興味を引く人物じゃないしで、評価にプラスになるほどの効果もなく…

個人的には、どうにかして読者を楽しませようと考えて書かれた本が好みなので、その観点から考えると好みから外れる作品になっちゃうかなぁ。

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2015年02月12日

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