嵯峨静江のレビュー一覧

  • 秘密機関

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    アガサ・クリスティの初期作品を読み直してます。
    トミー&タペンスもの。

    デビュー作につぐ2作目とは気づきませんでした。
    読んだのはだいぶ後だったと思います。
    デビュー作で有名になったためか、このほうが明るくて広範囲の読者を獲得出来たのか、売り上げは倍増だったとか。

    戦争が終わって平和になり、活気づくロンドン。
    この戦争というのが第一次世界大戦。
    1922年の発行ですからね~。
    幼なじみのトミーとタペンスが、ばったり再会し、仕事がない二人で会社を始めようと「ヤング・アドベンチャラーズ」を名乗ります。

    トミーこと、トーマス・ベレズフォード。
    見た目は平凡だが感じが良く、冒険心はあるが真面目で

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    2012年11月14日
  • 夜の冒険 現代短篇の名手たち8

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    「エドワード・D・ホックは2008年1月17日にニューヨーク州ロチェスターの自宅で心臓発作のために亡くなるまで、950篇以上の短編小説を発表した。ミステリ業界において短編小説の執筆だけで生計を立てていたのは、ホックだけだった。ホックが亡くなった今では、誰もいない」(ミステリ研究家・木村仁良、巻末解説より引用)。

    アンリ・ジャイエが丹精した極上の「エシェゾー」の如き味わいのミステリー。必読のアンソロジーである。

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    2011年11月22日
  • 謎のクィン氏

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    探偵のいない探偵小説。
    クィンは示唆する人。
    人間観察が好きで、広い交際を持っているサタースウェイトはクィンに影響され、事実を組み上げて解決する人。
    面白かったなぁ。
    クィンが謎めいてるので、幻想的ではあるけど、サタースウェイトが愚痴を言ったり現実味があるので、ちょっと不思議な雰囲気になっている。
    「クィン氏のティーセット」(マン島の黄金に所収)も読んでみたい。

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    2011年11月02日
  • 原始の骨

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    やはりスケルトン探偵は面白い。しっかりとした本格ミステリーなのは勿論、奥さまが知的でチャーミングな女性で、彼女とのやりとりがストーリーのよいスパイスになっている。

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    2010年12月24日
  • 原始の骨

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    スケルトン探偵として有名になった人類学教授のギデオン・オリヴァー。
    担当編集者のレスターがうった本を出す前の派手な宣伝文句「科学上のペテンのもっともセンセーショナルな暴露」に困惑する。
    そういう趣旨の本ではないのだが…レスターの思惑では、本が出る頃にはうっすらと名前は覚えているが詳細は皆忘れている頃合いというのだ。
    ネアンデルタール人と現生人類の混血を示唆する太古の骨が発掘された現場のジブラルタル。
    子を抱く母のような姿の二組の骨で、ファースト・ファミリーとかジブラルタル・ボーイと呼ばれている。
    この大発見の5周年記念行事に、ギデオンは妻のジュリーと夫婦で出向くことに。
    会合には知った顔も多い

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    2010年10月03日
  • 夜の冒険 現代短篇の名手たち8

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    ネタバレ

    『フレミング警部最後の事件』

    『どこでも見かける男』

    『私が知らない女』

    『夜の冒険』

    『影の映画祭』

    『くされ縁』

    『正義の裁き』

    『空っぽの動物園』

    『静かに鐘の鳴る谷』

    『やめられないこと』

    『もうひとつの戦争』

    『不可能な不可能犯罪』

    『出口』

    『大物中の大物』

    『家族の墓』

    『サソリ使いの娘』

    『知恵の値』

    『二度のチャンス』

    『スペインの町で三週間』

    『ガラガラヘビの男』

    2010年1月21日購入

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    2014年04月06日
  • 水底の骨

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    今回の舞台はハワイの牧場。
    犯人や過去の真相よりもハワイの眩しい太陽の下で思惑を抱えて蠢く家族がなんだか怖い。
    いつもと違って家族に深く入り込まず、ちょっと離れた位置に立つスケルトン探偵というのも面白い。

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    2010年01月06日
  • 骨の城

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    ハヤカワミステリ文庫で出し直しているエルキンズの作品、8冊目。ギデオン物の新作です。古城で行われる学会に出席するジュリーのお供で参加したギデオン。自然保護がテーマだが、2年前の学会では過激なメンバーが対立、さらに女性関係で大揉めになったことを知る。博物館に保存された遺物の中から、近年の骨を発見したギデオンは…イギリスならではの中世の城を舞台に、遺体探索犬の活躍など、面白く読める要素を入れています。円熟の味?

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    2009年10月07日
  • 骨の城

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    博物館に持ち込まれた骨片の鑑定をしていたギデオンは、バラバラ殺人の可能性に気づく。「スケルトン探偵」の異名をとる人類形質学者ギデオンの活躍を描くシリーズ、最新作(たぶん)。前作(たぶん)がイマイチだったので「このシリーズももうだめかな…」と思っていたが、何とか大丈夫そうだ(たぶん)。以下はネタバレの可能性を含むのだが、中盤で第2の事件が起こる。ギデオンの調査が進むことを恐れた人物が口封じの殺人を犯すのであるが、…ギデオンを殺したほうがよかったんじゃないかなあ。

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    2009年10月04日
  • 水底の骨

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    懐かしい気がするアーロン・エルキンズ。初期の物は大好きだったのだが、途中から熱が入らなくなった…これはなかなか佳作です。
    ハワイで成功した牧場主一家で起きた謎の死と失踪。スケルトン探偵の異名をとるギデオンは、ハワイ出身の親友ジョンと休暇を過ごしに訪れた先で、発見された骨を鑑定する事になります。ほどほどに上手くできていて後味もよく読みやすい。

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    2009年10月07日
  • 水底の骨

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    楽しめますな。主人公ギデオンを始めとするおなじみのメンバーの会話が楽しい。
    スペンサーは今や会話主体で慣れないと辛いものがあると思います。

    このシリーズはそんなことは無く軽い感じで会話を楽しめます。
    ひねりも利いていて軽い感じで始めての方にもおすすめ。
    このシリーズ私は全部読んでいるはずですが初期のものは今でも買えるのでしょうか。
    できれば最初から読んだ方が楽しみも深まります。

    生物系の好きな私には骨に関する蘊蓄も楽しめます。

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    2009年10月04日
  • 謎のクィン氏

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    主人公であるサタースウェイトは、どこにでもいる普通のひと。でも何か事件が起こりそうなときには必ず、なぞのクィンさんがやってきて、ヒントをくれる。ポアロのように自信たっぷりでもなく、マープルのようにおしゃべりでもない。そんなクイン氏も魅力的です。

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    2009年10月04日
  • 水底の骨

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    スケルトン探偵ギデオン・オリヴァー・シリーズ12作目の本作は従来のシリーズキャラクターである妻のジュリーはもとより、FBI捜査官でギデオンの友人であるジョン・ロウも登場する。

    このシリーズにおいて一ファン、一読者として期待するのは新たなシリーズ展開だとか転機だとかではなく、いつもように骨に纏わる出来事が発生し、それにギデオンが関わる事で意外な事実が発覚していくというマンネリズムだ。このマンネリズムこそ、本作が安心して読めるシリーズ物の王道である事を表しているといえる。

    今回の舞台はハワイのハワイ島。確か以前にも舞台になっていた記憶がある(『楽園の骨』だったかな?)。
    ハワイの地で牧場を始め

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    2025年03月08日
  • 謎のクィン氏

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    謎の探偵ハーリ・クィン氏と人生の観察者サターウェイト氏のコンビによる短編集。ミステリとしての物語はもちろん、それよりも男女の人間模様を深く書いている作品群だった。

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    2025年02月12日
  • 秘密機関

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    【トミー&タペンス】
    クリスティー32歳。
    デビュー作の次に書かれた2作目。

    トミーとタペンスが生き生きしていて魅力的だけど、やっぱり冒険ものが苦手でミステリーじゃないと途中挫折しそうになる…。
    すると面白い出来事が出てきて、クリスティーに「頑張るのよ!」と励まされているかのように、またぐいぐい読める。

    世界の命運を握る秘密文書の行方を若者素人探偵が探すという、どうにもあり得ない設定。
    それについては、あ〜そうなんだ程度に深く考えない方が良さそうだ。

    「一体誰が黒幕なのか?」というミステリーの犯人当てのような楽しみ方がわかると、一気にものすごく面白くなってきた。
    2人が若さに溢れ

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    2024年08月29日
  • 秘密機関

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    小説に対してのコメントにはふさわしくないかと思うが、映画のようなドキドキ感・満足感が得られた。トミー&タペンスの他の活躍が気になる、そんな思いを持たせてくれる良い作品。

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    2024年06月29日
  • ランナウェイ/逃亡者

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    ロバート・レッドフォード主演の映画の原作。
    映画は封切り当時見たが、結構違う印象。
    小説はすごいボリューム。
    複数の話者がイザベラ(娘)に時系列に沿って、十年前の事件を語る、という形式。
    一本道に見えた話しがどんどん意外な展開になっていく。
    アメリカにもあった左翼活動について知ることもできた。

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    2024年05月11日
  • 秘密機関

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    ネタバレ

     <トミー&タペンス>シリーズ。第一次世界大戦終結後のロンドンで再会した幼馴染のトミーとタペンスは、失業中でお金が無いし退屈だからと軽いノリで「ヤング・アドベンチャラーズ」なる万屋みたいな会社を起こすも、怪しげな依頼をきっかけにヒッチコック映画さながらの陰謀騒動に巻き込まれてしまう。
     クリスティーが本作のような冒険小説を発表していたこと自体に驚かされた。ポアロやマープルや『そして誰もいなくなった』のようなミステリー小説のほうが馴染み深いぶん読むのに苦労したが、楽しめた。ただトミーとタペンスの向こう見ずでお金に意地汚い部分は少し苦手。

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    2023年07月16日
  • 秘密機関

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     クリスティは、中学生くらいのころに『そして誰もいなくなった』を読んで大衝撃を受け、それでミステリーにどハマりした…というような歴史認識でいるわりに、(その後も有名どころを何冊か読んだはずだが、)何も覚えていない。ミス・マープルやポワロもアンソロジーでちらほらとしか読んでおらず、要するにクリスティ初心者なのだが、トミーとタペンスという男女バディものの冒険小説的なシリーズがあるとブク友さんに教えてもらい、なんだか楽しそうだぞと思い読んでみることに。
     第一次大戦後のロンドンで、お金に困った若い二人の男女が久方ぶりに再会し、何でも屋とでもいうような会社を設立するところから物語が始まる。そんな無鉄砲

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    2022年12月19日
  • 水底の骨

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    始めましての作家さん。
    形質人類学教授のギデオン・オリヴァーが、
    遺骨に隠された犯罪の真実を暴き出す
    「スケルトン探偵」シリーズ第12弾。
    様々な仮説が二転三転して、先が知りたい一心で
    ジタバタしながら読みました。
    犯人も本当に最後までわからないんだもの、
    このジレッタサったらないわぁ~。
    どうやら、こういうのがこのシリーズのパターンらしいです。
    初めてだったから、思いっきり転がされました。

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    2022年01月03日