嵯峨静江のレビュー一覧
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ハラハラドキドキの展開が面白かった。
ラスボスというか黒幕においては、
『あの人だな…』
『えーっ!?そっち!?』
『って、やっぱそっちかーっ!』
ってな感じで翻弄されてしまった。
トミーとタペンスにおいては、トミーが意味もなく(あるんだろうけど)カーッとなるところ、
非常に人間味に溢れていて微笑ましい(感想そこかー)。
二人とも好奇心旺盛で行動的で魅力的。
本作品では二人の展開が途中で別々になってしまったけど、
もっとずっと一緒にいて活躍しても良かったかな。
あまり前知識が無いうえにクリスティー作品も二作目だから、
勝手にわかった風に評することはできないけれど…
アガサ・クリスティと言えばミステリー。
ミステリーと言えば密室…じゃないや、推理物。
なんてイメージが強いこともあって、
こういった話も書くんだと、ちょっと意外だった。
ポアロシリーズ、トミーとタペンスシリーズ含め、
他の作品も非常に興味深く、いつか読んでみたい。
どうでいいけど、個人的に“トミー”と言えば『噂の刑事トミーとマツ』を思い出す。
本当にどうでもいいね(笑)。 -
Posted by ブクログ
アガサ・クリスティの初期作品を読み直してます。
トミー&タペンスもの。
デビュー作につぐ2作目とは気づきませんでした。
読んだのはだいぶ後だったと思います。
デビュー作で有名になったためか、このほうが明るくて広範囲の読者を獲得出来たのか、売り上げは倍増だったとか。
戦争が終わって平和になり、活気づくロンドン。
この戦争というのが第一次世界大戦。
1922年の発行ですからね~。
幼なじみのトミーとタペンスが、ばったり再会し、仕事がない二人で会社を始めようと「ヤング・アドベンチャラーズ」を名乗ります。
トミーこと、トーマス・ベレズフォード。
見た目は平凡だが感じが良く、冒険心はあるが真面目でしっかりした青年。
タペンス(2ペンスという意味)はあだ名で、本名はプルーデンス・カウリー。
大きな灰色の目で、勘が良く、いたずら小僧のような雰囲気があるキュートな娘。
新聞広告をタイムズ紙に載せた所、反応があり、事件に巻き込まれていきます。
とっさに名乗ったジェーン・フィンという名が波紋を起こすのです。
1915年に、汽船ルシタニア号がドイツの攻撃を受けて沈没。
そのときに、機密書類を受け取ったのがジェーン・フィンでした。
行方の知らないジェーンを捜すいとこジュリアスも登場。
これは写真でしか知らないジェーンに恋しているアメリカ人で、富豪なのです。
情報局員のカーターと情報を交換しつつ、トミーは怪しい男を尾行して邸に入り込み、秘密の会合を目撃。
国際的な陰謀が行われている様子。
タペンスは怪しいと睨んだ夫人の元へ、メイドとして潜入。
教会大執事の娘であるタペンスは、女中に家事を仕込む立場だったので、お手のものでした。
その建物のエレベーター・ボーイともすぐ仲良くなったり。
ユーモラスな書き方で、スリルもほどほどに。
携帯どころか、まだ電話もすべての家にあるわけではない時代。
用事の連絡は電報!という。
レトロなテンポで~素人探偵が活躍。
ポワロもののような綿密さはありませんが、コメディ映画を見るような気分で、楽しく読めます。
そういえば、ドラマもテレビで見たかも…
タペンスはフランセスカ・アニスだったそうで~原作に美人ではないと書いてある割には大美人だけど、チャーミングにいきいきと演じていました。
この版は、2003年の新訳によるもので、一番新しい装丁。 -
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スケルトン探偵として有名になった人類学教授のギデオン・オリヴァー。
担当編集者のレスターがうった本を出す前の派手な宣伝文句「科学上のペテンのもっともセンセーショナルな暴露」に困惑する。
そういう趣旨の本ではないのだが…レスターの思惑では、本が出る頃にはうっすらと名前は覚えているが詳細は皆忘れている頃合いというのだ。
ネアンデルタール人と現生人類の混血を示唆する太古の骨が発掘された現場のジブラルタル。
子を抱く母のような姿の二組の骨で、ファースト・ファミリーとかジブラルタル・ボーイと呼ばれている。
この大発見の5周年記念行事に、ギデオンは妻のジュリーと夫婦で出向くことに。
会合には知った顔も多い。
いつものように~偏屈なところもある個性的な研究者達が登場。
ところが、直前には研究者の女性が発掘現場で事故死、彼女はギデオンに問い合わせをしてきたことがある女性だった。
現場では不穏な空気があり、ギデオンも崖っぷちから押され、命を狙われた…?
発掘に貢献した富豪のアマチュア考古学アイヴァンがぼけ始めていて、記念パーティーに出るのも危ういとわかります。
皆が胸を痛めつつ、やっとのことで短めに乗り切るが、その夜、事件が‥?!
各地の風景や、美味しい食べ物に毎回、出会えます。
安心して読めるシリーズ、まずまずの読み応えでした。 -
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ネタバレ【ノンシリーズ短編】
こんな控えめな主役は他にいないんじゃないかな。
クィン氏はポアロのように決して自ら謎は解かない。相棒のサタースウェイト氏に匂わせヒントを与えるだけ。
するとあら不思議。
サタースウェイト氏は今までは気づかなかったものが見えてくる。
そして事件を解決した後の声かけが素晴らしい。
「あなたが成功したのは、すべてあなた自身の力によるものですよ」
見習いたい!
私はクィン氏を読んで、これは子育てで見習いたいと思った。
クィン氏は、相棒のサタースウェイト氏にヒントのみをそっと教えて自信を与えるのが最高に上手い。
「自分には真相を見抜く力があるんだ!」と彼の自己肯定感がバリバリ上がってくる。
もしクィン氏が答えを出してしまったら、彼が自分の力に気づく機会もなくなってしまう。
次第に章が進むと、もうヒントすら与えない。クィン氏は彼に自信を持たせるだけ。
自信を持った彼は、自分の力で真相にたどり着けるようになっていく。
そしてサタースウェイト氏が失敗したと落ち込んだ時は、「大丈夫だよ」みたいな安易な慰め方はしない。
そんな時は、客観的な見方で視野を広げられるように導く。
クィン氏、最高。
私もクィン氏の姿勢を目指して頑張ろう。
クリスティもまさか子育て術として読まれるとは思っていなかっただろう。
でも自分はそう感じたんだから仕方ない。
今回は王道の楽しみ方とは違うかもしれないけど、苦手なクリスティの短編を自分なりに楽しめたので良しとしよう。
(1度目は途中で挫折したので、今回は2度目の挑戦) -
Posted by ブクログ
トミーとタペンスシリーズに初挑戦。
うん、とにかくタペンスが良い。台詞も行動も読んでいて楽しい。
相棒となるトミーは、タペンスに比べると正直キャラが掴みづらかった。
勇敢ではないけど冷静で知恵があってちょっと皮肉屋で〜みたいなキャラかと思いきや意外とトミーも充分行動力があるので、最後までトミーってこんなこと出来るんだ…の連続。
バディ物のようなものを期待してたのに早々に離れ離れになるストーリー構成は個人的にかなり残念。
仲間が離れ離れになってそれぞれで活動する展開は好きだけど、そういうのは2作目以降で、最初は冒険の中で反目し合いながらも絆を深めていくようなストーリーをしっかり見せて欲しかったかなあ。
まあ書いた当時はシリーズにする気なかったのかもしれないけど。
トミーが単身敵の集会所に忍び込むシーンの緊張感ある描写はさすが。
スタイルズ荘に続く長編2作目とのことだけどクリスティの意地の悪さ(笑)はしっかり出ておりブラウンの正体はちゃんと騙された。
面白い場面はたくさんあるけど、ストーリーがそこまで進展しない割にひとつひとつの描写がちょっと長いかなーという気はしたかな。
あと最後はラブストーリー的なハッピーエンドだからか、前半にあったタペンスのキャラの面白さが後半には大人しくなっていくのが寂しかった。
ただこの後のトミーとタペンスシリーズも読んでいこうと思えるくらいには魅力のある作品でした。 -
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クリスティ作品では異色の若者たちの冒険譚。
とても面白いけど、なんとなく拙さを感じるな?と思っていたら、長編作品としては2作目と知り納得。いやこれで2作目ならめっちゃすごいやん、さすがクリスティ。
フィクションならではのとんでも展開連発と、戦後の混乱期を逞しく生き抜こうとする若者たちのリアリティが絶妙な塩梅で表現されていて、とても楽しい冒険活劇だった。
そしてなにより、主人公たちが平民ってのがいい。クリスティ作品に限らず、ドラマチックさを求めるミステリの舞台はどうしても上流階級の世界に偏りがちだけど、トミーとタペンスは完全な一般市民。なんなら貧乏。圧倒的に親しみの持てるキャラクターで、根強いファンがいるのも頷ける。
余談だけど、物語の最後に成立する二組のカップル、どちらも成就の仕方がおしゃれすぎんか?セリフも気が利いてて、クリスティのおしゃれすぎるロマンスのセンスはこの頃からすでに健在のよう。