嵯峨静江のレビュー一覧

  • 謎のクィン氏

    Posted by ブクログ

    〔クィン氏〕やってきてすぐに去ってゆく髪の黒い男。謎は時間を経てからのほうがより客観的に、歴史として俯瞰できるので解きやすくなっていると言い、他者から話を引き出すことによって真実に至る道へと誘導する。誘導されてる感が強くどこか怪しくもある。いちばんの謎はもちろんクィン氏自身。

    〔サタースウェイト氏〕初登場時六十二歳。人生の見物人。他人のドラマに関心が強い野次馬。誰とでも知り合い。大金持ちで食通。多くの美術品に囲まれ妻子はいない。こういう人物は最後に当事者になったりするもんやけど、はたして?

    〔感想〕ひとつひとつはとてもあっさりしているがだんだんクィン氏の不可思議さが強く感じられていく。数十

    0
    2025年07月08日
  • 夜の冒険 現代短篇の名手たち8

    Posted by ブクログ

    「フレミング警部最後の事件」が良かった。完成度の高い短編。
    初出が1960~1980年頃なのでかなり古いミステリーの短編集。完成度は高いがあとに残るものはない。

    0
    2024年12月26日
  • 秘密機関

    Posted by ブクログ

    若きトミーとタペンスの冒険劇。ポアロやミス・マープルの王道ミステリとはまた別味のするスリル溢れる展開に謎。クリスティ長編2作目だという今作は隠れた名作。

    0
    2024年03月06日
  • 謎のクィン氏

    Posted by ブクログ

    クリスティ作品の中でも異質さが群を抜いているハーリ・クィンを主題に据えた短編集
    この短編集の魅力は本来なら探偵役となるハーリ・クィンが推理もしなければ捜査もしない点。それどころか事件への関わりだって少ない
    なら、誰が推理を行うかと言えば人間観察が趣味のサタースウェイトとなるわけだ。ハーリ・クィンによって与えられた天啓を元に想像の輪を広げ事件の真相に気付く
    本作は一般的なミステリと大きく異なる構図を持っているからこそ、面白さも際立ってくるね

    そもそもからして、ミステリの短編集なんて或る一つのポイントに気付ければ真相も容易に気付ける構図となっている事が多い。その意味ではミステリの短編では必ずしも

    0
    2024年01月12日
  • 謎のクィン氏

    Posted by ブクログ

    タイトルの通り、ハーリ・クィン氏が謎すぎる。ちょっとオカルト風味? 
    「面前でくりひろげられる、さまざまな人生ドラマを、間近に見物してきた」サタースウェイト氏は、トリックスターのクィン氏登場によって探偵役を演じることになる。変わった探偵役コンビで面白い。ポワロともマープルとも違う雰囲気だ。特に最初の「クィン氏登場」が好き。

    クィン氏の名前の元ネタと思われる「ハーリクイン(道化役者)」を検索したら、イタリア語で「アルレッキーノ」だという。サタースウェイト氏いきつけのレストランの名前が「アルレッキーノ」で、小ネタが知れてちょっと嬉しい。

    0
    2024年01月17日
  • 謎のクィン氏

    Posted by ブクログ

    クイン氏登場
    クリスティが生み出した探偵の中でもかなり特異な人物であり、シリーズ化はされていない(短編集のみ)がかなり好きな作品になった。
     自動車事故により年跨ぎの夜にとある屋敷に現れた謎の人物。過去、この家で家主が自殺しており、その真相は未解決ねままであったが、十年の後、過去を振り返ればいらないものが削ぎ落とされ、真実のみが見通せるものだと謎のクイン氏は話し一座と共に過去の事件の記憶に潜っていく。独特な手法により、過去の事件の真相を見事に解き明かす。結末もクリスティ的だ。
    窓ガラスに映る影
    クイン氏の物語はサタースウェイトで始まる。そして一作目に続き、お化け屋敷が話題だ。アンカートン夫妻が

    0
    2023年09月20日
  • 謎のクィン氏

    Posted by ブクログ

    ポアロとはまた一風変わった作風。

    突然現れるクィン氏。
    彼自身が謎を解く訳ではないけれど、出会った人に大きな変化を与えるクィン氏。
    幻想のような不思議なミステリーです。

    0
    2023年04月14日
  • 謎のクィン氏

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    サタースウェイト氏、いいキャラだった 三幕の殺人の前に読めてたらさらに楽しめたな〜読み直すべき?
    クィン氏のことをいつも気にしていてちょっとのことですぐ連想したり、会えたらテンション爆上がりなのよかった

    でもほとんどの話が難しくて理解できなかった… 最後の話クィン氏がピエロになって踊りだすのが一番謎だった どういうことなの すぐいなくなっちゃうし

    ラジオを聞いてほしいって言ってくる話がおもしろかった

    友達が中学生の頃アガサ・クリスティにハマって、歌声で窓ガラスを割りたいと修行しだしたのはこの短編集のせいだったのかも

    0
    2022年06月07日
  • 秘密機関

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    おてんば娘の危なっかしさにハラハラしつつ、二人の恋愛模様がロンドンの街中で繰り広げられる景色に、自分のロンドン生活と重なってとても温かい気持ちになる。 この二人、以後の作品で年を取っていくという。その姿を見ていきたいし、既にこの二人のような関係になっていきたいなぁ。

    0
    2019年07月18日
  • 夜の冒険 現代短篇の名手たち8

    Posted by ブクログ

    完成度の非常に高い上質なミステリ短編集。
    存じ上げなかったのですが、
    これを機に他の作品も読んでみたく。

    お気に入りは「夜の映画祭」(渋い!!カッコいい!!)
    「くされ縁」「二度目のチャンス」。
    「大物中の大物」はちょっと星新一ぽくてなお好き。

    0
    2016年03月01日
  • 秘密機関

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ブラウンが誰か確信が最後まで持てず、ハラハラ。90年前に書かれた作品とは思えなくて、かなり面白かった。題名で損してる気がする。

    0
    2015年12月11日
  • 謎のクィン氏

    Posted by ブクログ

    何よりもかによりも、
    サタースウェイト氏の裕福な暮らしぶりが羨ましい\(^o^)/
    周りの方々も優雅で、
    幸せな時代に見える…

    0
    2015年11月26日
  • 葡萄園の骨

    Posted by ブクログ

    スケルトン探偵こと人類学教授ギデオン・オリヴァーのシリーズ17作目。
    今回の舞台はイタリアです。

    イタリアのフィレンツェに、愛妻ジュリーと友人ジョン夫婦と出かけたギデオン。
    講演を頼まれ、トスカーナ地方でも有数のワイナリーにも招待されていました。

    折りしも、二体の白骨死体が山中で発見されて間がなく、それは行方不明だったワイナリーの創始者である父親とその妻のもの。
    心中と思われていましたが、ギデオンが骨を調べると、矛盾した要素が‥!

    葡萄園を一代で築き上げた老いた父親ピエトロ。
    個性の違う息子達の葛藤に加え、買収の問題が起きていて‥?
    イタリアの美味しいものが次々に出てきて、いい香りが漂っ

    0
    2014年11月21日
  • 水底の骨

    Posted by ブクログ

    ハワイの牧場が舞台。
    いい人達ばかりなのに嘘に嘘が重なって、真相が読めない展開。
    土地柄なのかいつもより軽い印象感じでした。

    0
    2014年10月25日
  • 葡萄園の骨

    Posted by ブクログ

    ★一個足りないのは訳者の力量。
    どうしてシリーズ物なのに同じ訳者の人を使わないのだろう。全部、青木さんでいいのに…。
    読み辛いんです、この方の訳。

    0
    2014年08月09日
  • 秘密機関

    Posted by ブクログ

    20代前半のトミーとタペンスの冒険・推理・ロマンス小説。本格ミステリーというよりも少年少女向きな感もあるが、とても面白い。英国娘タペンスは元従軍看護士で、無鉄砲な冒険好き。一方のトミーはいかにも英国青年らしい沈着な元士官。久しぶりに出逢った幼馴染の貧乏者同士は、「ヤング・アドベンチャラーズ」という会社で新聞広告を出そうとし、スリリングな冒険が始まる。また、謎解きでは結局クリスティーの術中にはまってしまった。

    0
    2014年02月11日
  • 葡萄園の骨

    Posted by ブクログ

    スケルトン探偵ギデオン・オリヴァー・シリーズの第十七作。今回はイタリアが舞台である。トスカーナ地方で見付かった男女の白骨死体の真相にギデオンが迫る。

    イタリアが舞台ということで、今回はとにかく食事のシーンが多い。こんなに食べて、ギデオンは大丈夫かと心配になるくらい。

    白骨死体からギデオンが死の真相を究明する過程は相変わらず見事。このレベルの作品を十七作も描く、アーロン・エルキンズの筆に全く衰えを感じない。

    0
    2014年02月04日
  • 骨の城

    Posted by ブクログ

    初めてのスケルトン探偵。
    異名だけでワクワク。
    島の古城という何かありそうな場所、集まってくる人物も環境保護活動家など少し癖のありそうなメンバー。
    また、戦死した遺骨の調査のくだりが興味深かったです。

    0
    2013年08月23日
  • 秘密機関

    Posted by ブクログ

    ハラハラドキドキの展開が面白かった。
    ラスボスというか黒幕においては、
    『あの人だな…』
    『えーっ!?そっち!?』
    『って、やっぱそっちかーっ!』
    ってな感じで翻弄されてしまった。


    トミーとタペンスにおいては、トミーが意味もなく(あるんだろうけど)カーッとなるところ、
    非常に人間味に溢れていて微笑ましい(感想そこかー)。
    二人とも好奇心旺盛で行動的で魅力的。
    本作品では二人の展開が途中で別々になってしまったけど、
    もっとずっと一緒にいて活躍しても良かったかな。

    あまり前知識が無いうえにクリスティー作品も二作目だから、
    勝手にわかった風に評することはできないけれど…
    アガサ・クリスティと言

    0
    2013年02月28日
  • 消えゆくものへの怒り

    Posted by ブクログ

    タイトルはハードボイルド風だが、新人作家によるサイコサスペンス。主人公は元FBIのおとり捜査官、ブリジット。一体、誰が犯人なのかという謎解きもあり、アクションもあり、パトリシア・コーンウェルのような香りもある。

    サイコ物ではあるが、『羊たちの沈黙』とか『悪魔の囁き』のようなおどろおどろしさは無い。

    読みながら、主人公に若さがあればジェシカ・コランだし、やはり、主人公はケイ・スカーペッタに近いのかなと思ったりした。クラリス・スターリングでないことは確か。

    残念なのは、連続殺人鬼が二人も登場するのに…

    もったいない。

    0
    2012年12月13日