あらすじ
スケルトン探偵シリーズ最新作。異様な骨の正体とは?
十年前、ハワイで大牧場を経営するマグナスが失踪を遂げた。その遺骨が海の中から発見され、遺族の証言では当時のマグナスは殺し屋に命を狙われていたという。彼は逃亡の末にかわりはてた姿になったのか? 現地を訪れていた人類学教授ギデオンは調査を開始。当初、それはごく普通の骨に思えた。だが、やがてその骨の異常さが明らかになり、遺族の隠されていた秘密が露わに…… /掲出の書影は底本のものです
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
今回の舞台はハワイの牧場。
犯人や過去の真相よりもハワイの眩しい太陽の下で思惑を抱えて蠢く家族がなんだか怖い。
いつもと違って家族に深く入り込まず、ちょっと離れた位置に立つスケルトン探偵というのも面白い。
Posted by ブクログ
懐かしい気がするアーロン・エルキンズ。初期の物は大好きだったのだが、途中から熱が入らなくなった…これはなかなか佳作です。
ハワイで成功した牧場主一家で起きた謎の死と失踪。スケルトン探偵の異名をとるギデオンは、ハワイ出身の親友ジョンと休暇を過ごしに訪れた先で、発見された骨を鑑定する事になります。ほどほどに上手くできていて後味もよく読みやすい。
Posted by ブクログ
楽しめますな。主人公ギデオンを始めとするおなじみのメンバーの会話が楽しい。
スペンサーは今や会話主体で慣れないと辛いものがあると思います。
このシリーズはそんなことは無く軽い感じで会話を楽しめます。
ひねりも利いていて軽い感じで始めての方にもおすすめ。
このシリーズ私は全部読んでいるはずですが初期のものは今でも買えるのでしょうか。
できれば最初から読んだ方が楽しみも深まります。
生物系の好きな私には骨に関する蘊蓄も楽しめます。
Posted by ブクログ
スケルトン探偵ギデオン・オリヴァー・シリーズ12作目の本作は従来のシリーズキャラクターである妻のジュリーはもとより、FBI捜査官でギデオンの友人であるジョン・ロウも登場する。
このシリーズにおいて一ファン、一読者として期待するのは新たなシリーズ展開だとか転機だとかではなく、いつもように骨に纏わる出来事が発生し、それにギデオンが関わる事で意外な事実が発覚していくというマンネリズムだ。このマンネリズムこそ、本作が安心して読めるシリーズ物の王道である事を表しているといえる。
今回の舞台はハワイのハワイ島。確か以前にも舞台になっていた記憶がある(『楽園の骨』だったかな?)。
ハワイの地で牧場を始め、一財を成したスウェーデン移民の子孫の間に残された遺産問題が今回のテーマになっている。
前作『骨の島』の時には骨を検証する事の必然性と事件との関係が乖離しているかのような印象を受けたが、今回はそれは解消されていたものの、かつての作品に見られた骨から解る事実は過去の事件を疑うきっかけとなっているだけで、メインではない。
まあ、骨をテーマにした本作であるからネタにも限界があるのだろう。シリーズ物の宿命として受け止めるしかない。
本作は年末に行われる各誌のベストテンやオールタイムベストに挙げられるような派手さのある作品ではない。
しかし、一読者としては前にも述べたように、このマンネリズムが心地よいのだ。出版社が刊行を止めない限り、私は読み続けていこうと思う。
Posted by ブクログ
始めましての作家さん。
形質人類学教授のギデオン・オリヴァーが、
遺骨に隠された犯罪の真実を暴き出す
「スケルトン探偵」シリーズ第12弾。
様々な仮説が二転三転して、先が知りたい一心で
ジタバタしながら読みました。
犯人も本当に最後までわからないんだもの、
このジレッタサったらないわぁ~。
どうやら、こういうのがこのシリーズのパターンらしいです。
初めてだったから、思いっきり転がされました。
Posted by ブクログ
<スケルトン探偵>ことギデオン・オリバーのシリーズ。
ワシントン大学の人類学の教授で、人体の骨の特徴から年齢・性別・体格などなどを割り出すという考古学みたいなものが専門のアマチュア探偵ものです。エルキンズが骨格人類学者だったそうで、すごく専門的で緻密だけれど素人もついていける丁寧な解説と推理で読ませるという他には似たものが無い独自のシリーズです。あまりポピュラーじゃない専門的な骨格に対して尋常じゃない興味を示してあきれられるギデオンですが、それ以外はいたって普通の人物です。時間が経って傷や痛みなどの生々しさが風化している骨は平気だけど、死体なんかは恐ろしくてとても冷静に検証したりできない、という、とても率直なおじさんです。
これは去年旅行で行ったハワイ島が舞台で情景がリアルに思い浮かべられたので余計に楽しんで読めました。