司馬遷のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
立身出世という言葉は、今の時代にはあまりフィットしなくなっているかもしれない。
少なくとも日本では、貧富の差は少なくなって、貧しい中から努力や運に恵まれて見出されて政治の中心に…といったことは聞かなくなっている。
ただ、そんな志は今の世でもとても大切だと思う。
「自分が世界を変えてやる」
そう思って日々を過ごすこと。
そういう人がいれば、周りを動かし、世の中は変わっていく。
『史記』に出てくる人物たちは、皆それぞれに方向性は違えど覚悟が決まっている。
簡単に自分の命を投げ打って、自分の信じる人やことに力を尽くす。
今は命を投げ打つことはないが、自分の信じる道をひたすら全力で進むことは、見習わなければいけない。
本書で語られる『史記』の中でよく見られるのは、名を残す人は「誰かに見出される」こと。
見出されるには、色々なやり方がある。
ただ、努力を重ねていたり、才能があったり、色々やり方はあれど、共通するのは、他人からの評判だ。
今の世でも、「あの人はしっかり働く」「あの人は裏では手を抜いている」と、人の声によって印象が大きく変わることは変わらない。
むしろ、SNSや転職サイトがあることで、そんな「他人からの評価」の影響力は増しているかもしれない。
良い評価を得られるように行動を積み重ねていけば、誰かに見出され、さらに自分でも想像していないところへ行けるかもしれない。
大志を抱き、愚直に努力を続けることで、世界から見出される。
そんなことを本書を読み考える。
そして、私もそうあれるように努めていきたい。 -
Posted by ブクログ
12年前に購入した際、一度読んだきりだったのでこの度再読してみた。
本巻には「李将軍列伝 第四十九」から「汲・鄭列伝 第六十」までの現代語訳と「地図 前漢武帝期要図」が収録されている。
「李将軍列伝」では、一個の人間では抗いきれずどうすることもできない、人の運命の厳しさというものを感じた。この伝を読んで中島敦の『李陵』を再読したくなったのは私だけだろうか?
「匈奴列伝 第五十」「南越列伝 第五十三」「東越列伝 第五十四」「朝鮮列伝 第五十五」「西南夷列伝 第五十六」、これらは「漢」をとりまく異民族を取り上げたものだが、他民族を描写するうえで肝心の顔立ちを初めとした人種についてや、衣食住といった風俗についてほとんど記されておらず残念でならない。
しかし、この点が『史記』の評価を貶めることは無いと思う。
どの列伝も興味深い内容で面白かった。