あらすじ
中国の古典中の古典ともいうべき『史記』の全訳。「本紀」は、黄帝から秦の始皇帝の全土統一を経て、漢の武帝時代にいたる、歴史における帝王の系譜。中国史進展の大筋を「五帝」「夏」「殷」など十二巻で述べる。
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人文社会の先例集として
●秦 商鞅変法
民は与(とも)に始めを慮るべからず、而も与に成るを楽しむべし
いったい自民というものは無知であるから、初めに事を相談することはできないが、できあがると、それがうまくいくことを喜ぶものでありますから、何の心配もありません
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紀元前1世紀初頭、漢の司馬遷が完成させた歴史書、「史書」のうち、「本紀」の部分。黄帝をはじめとする五帝から漢の武帝に至るまでの帝王の記録である。
特に印象深いのは、秦の始皇帝の暴虐ぶりや不老不死への情熱や、呂后の残酷無比な所業の数々、それに対しての孝文皇帝の名君ぶりだ。残虐で無慈悲な所業が列挙される中、これが人類の姿かと暗澹たる思いがする中、孝文皇帝の慈悲深さや賢明さは本当に救われる思いがする。孝文皇帝の治世に生きた中国人は幸せだ。
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史記のうち、本記ということで、五帝から夏、殷、周、秦、始皇、項羽、高祖、呂后、孝文(文帝)、孝景(景帝)、孝武(武帝)=司馬遷の時代まで。
本記なので淡々と物語は流れる。始皇帝以降の時代の記述が多く、始皇帝や胡亥の暴虐政治、項羽と劉邦の戦い、呂后の悪逆非道の政治などは読んでいて比較的面白い。
一方、意外だったのは武帝の時代。同時代ということもあって叙述量は多いが、ひたすら不老不死を求めて方士と交流し、巡行と儀式を繰り返し、ひたすら方士に騙され続けてもなお追い求めるというアホらしい姿がひたすら描かれる。西域攻略の覇王ではなかったのか?衛青や霍去病などの武将が頑張っていただけで、本人はひたすら不老不死稼業だったのかもしれない。