あらすじ
歴史書の大古典にして、人間の在り方を描く文学書でもある司馬遷の『史記』を、「キャリア」をテーマにして選び出し現代語訳。帝王、英雄から、戦略家、道化、暗殺者まで、権力への距離違えども自らの力で歴史に名を残した人物たちの魅力は色あせない。適切なガイドと本物の感触を伝える訳文で『史記』の世界を案内する。
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Posted by ブクログ
面白く読みやすかった。キャリアをテーマに選出された人物の出世のいとぐち等の視点が興味深かった。
史記で本紀、世家、列伝は価値の序列を示したもの。同じ事件があちこちに散らばって、さまざまな方向から読めるのが意外性があって面白い。始皇帝の出生の秘密、戦国時代七つの国の統一に蘇秦や張儀など遊説家の働きの内容が新しい発見でした。史記の構成を知ると読んだのは、ほんの一部、更に歴史に名を残した人物の魅力を読んでいきたい。
Posted by ブクログ
立身出世という言葉は、今の時代にはあまりフィットしなくなっているかもしれない。
少なくとも日本では、貧富の差は少なくなって、貧しい中から努力や運に恵まれて見出されて政治の中心に…といったことは聞かなくなっている。
ただ、そんな志は今の世でもとても大切だと思う。
「自分が世界を変えてやる」
そう思って日々を過ごすこと。
そういう人がいれば、周りを動かし、世の中は変わっていく。
『史記』に出てくる人物たちは、皆それぞれに方向性は違えど覚悟が決まっている。
簡単に自分の命を投げ打って、自分の信じる人やことに力を尽くす。
今は命を投げ打つことはないが、自分の信じる道をひたすら全力で進むことは、見習わなければいけない。
本書で語られる『史記』の中でよく見られるのは、名を残す人は「誰かに見出される」こと。
見出されるには、色々なやり方がある。
ただ、努力を重ねていたり、才能があったり、色々やり方はあれど、共通するのは、他人からの評判だ。
今の世でも、「あの人はしっかり働く」「あの人は裏では手を抜いている」と、人の声によって印象が大きく変わることは変わらない。
むしろ、SNSや転職サイトがあることで、そんな「他人からの評価」の影響力は増しているかもしれない。
良い評価を得られるように行動を積み重ねていけば、誰かに見出され、さらに自分でも想像していないところへ行けるかもしれない。
大志を抱き、愚直に努力を続けることで、世界から見出される。
そんなことを本書を読み考える。
そして、私もそうあれるように努めていきたい。
Posted by ブクログ
若い頃に史記関連書は読んだが、細かい点は忘れてしまっていた。当時は横山光輝のマンガをきっかけにしたが、今回はキングタム。ある程度歳をとって読んだ方が、照らし合わせられる経験が多く読み甲斐があると思う。
Posted by ブクログ
有名なエピソードを中心にした抄訳。
秦王政のインキュベーター呂不韋、縦横家として名前は知っているけど詳しくは知らなかった蘇秦と張儀、名参謀の張良と韓信など、今までより詳しく知ることができた。
ただ、やはり周辺の人物がなかなか頭に入ってこない。
少し集中力が切れた状態で読むと、すごに、あれ?この人どういう人だっけ、となる。
あと何回か読み返すことにしよう。
自力で全文を読む(もちろん訳本で!)日は、まだ来そうにない。
Posted by ブクログ
中島敦の『李陵(・司馬遷)』で主要人物として登場する司馬遷。その時の印象と、「史記といえば司馬遷」程度の知識しかないまま手に取った本書ですが、大正解でした。
何故歴史に名を残し、今なお語りつがれるのか。背景にある“キャリア(権力)”に焦点を当て、易しい訳と解説をもって人と時代の栄枯盛衰を紐解いていきます。登場人物たちがとても人間らしく、生き生きと描かれているのが印象的でした。
原文はあまりにも長編&私にとっては難解なので、主要な部分を抜粋しているのが有難い。入門書として概要を知るのに最適な一冊。
Posted by ブクログ
断片的に知ってはいた史記の構成がよくわかりました。入門書として適切だと思います。これをきっかけに、もう少し詳しく史記の世界に入っていきたいと思った次第です。作者の司馬遷は男性のシンボルを切り落とす宮刑に処せられていたのね。衝撃。いわゆる宦官でした。
Posted by ブクログ
超初心者向きの抜粋版。文章は読みやすいが、抜粋しすぎて物足りない。また、抜粋して選ばれた登場人物やその登場順に脈絡が感じられず、その観点では読みづらかった。
Posted by ブクログ
史記からいい感じの話を抽出してまとめた本。どれも列伝から取ってきたものらしく、人物を中心とした話の集まりとなっている。
これは史記に限った話ではないが、次から次へと新しい人が登場すると名前を把握するのが大変である。それでもいくつか知っている名前があるのは間違いなく『キングダム』のおかげ。マンガから入るというのは、人物を覚える上では中々有効だと改めて思う。
読んでいて気になったのは、自分で自分の首をはねる人が複数人いるということ。切腹はまだ分かるのだが、自分の首をはねるのは難易度が高い気がしてならない。どうやって練習したのだろうか。