福島第一原発 1号機冷却「失敗の本質」

福島第一原発 1号機冷却「失敗の本質」

小説・文芸
924円 (税込)

4pt

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官邸や東電本店の要請に従わず、海水注水を強行した吉田昌郎・福島第一原発所長。日本中が喝采を送った「海水注水騒動」だが、事故から5年半経って原子炉にほとんど水が入っていなかったことが判明した。6年にわたる検証で浮かび上がってきた数々の「1号機冷却」の謎に迫る!東京電力技術者や原発専門家ら1000人以上の取材して浮かび上がってきたのが、原子炉冷却をめぐる「情報の共有」に失敗という事実だった。

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福島第一原発 1号機冷却「失敗の本質」 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    まずはNHK取材班の地道で粘り強い調査取材に敬意を評したい。時に政権におもねるようなことをする信用できないメディアに思われることもあるが、このように優秀で気骨のある記者たちがいるのだと改めて認識する。言葉では言い尽くせない未曾有の危機の連鎖の中、命を賭して事故対応に尽力し続けた吉田所長はじめ東電職員の姿に、深く心を揺さぶられた。ここで語られている失敗の本質は、国民に深く根ざしたものかもしれず、将来再び突きつけられることもあるだろう。もはや忘れ去られようとしている気の遠くなるような廃炉作業を負うのは、NHKなど見ない未来の若者たちだ。外国人問題などよりこっちの方がずっと差し迫った危機だと思うんだけどね。

    0
    2025年11月17日

    Posted by ブクログ

    まず、その取材力に驚いた。深堀りし続ける探究心と熱意。未曾有の事故を何とか教訓として次世代に活かし、同じような災害を招いてはいけないとの思いがひしひしと伝わってきた。

    その中で導き出されたポイントを自分なりに噛み砕いたものとして簡単に列挙してみた。

    ①日本人らしい特徴なのか知識のみの机上の空論が主体となりやすく、一方で職人気質の経験のみに頼ってしまうという2パターンに陥る傾向にある。そのため、不足の事態に対して経験がないから動けない。もしくはブラックボックス化した属人性のみでしか対応できず、チームで動くことができないため、軋轢や混乱が生じる。まず、精緻なマニュアルもしくは履歴を残し、知識として伝達していきながら組織として定期的に訓練もしくは練習の必要がある。

    ②アメリカは国民性なのか取り敢えずやってみるといった経験による伝達、継承。文章で残すといった情報の共有及び見える化がしっかりとなされている。それは、多民族国家であり契約社会の国だからかもしれない。

    ③組織の反省点。今回はいくらリーダーが優秀であってもそれに頼りすぎであり、そもそも仕組み自体が1人に情報と判断が集中化されリスク管理が不十分だったことが浮き彫りになり、その先には精神論が重視されていたようにも感じた。実際に人間は72時間で気絶し、36時間後に体力、集中力の限界を迎えると言われている。今後の対策の一つとしてオンラインの活用含めてツールをうまく使い複数人での対応ができるように仕組みを考えることが必須であり、また、不慮の事故にも対処できるようなシフト体制も重要になってくる。合わせて、他部署、本店、支店と違った視野からの意見も取り入れることができる体制がリスクヘッジとなり不可欠だと感じた。

    最後にこういった問題点は通常の会社業務においても大なり小なり共通している課題であり、解決するヒントとして大変参考となる内容だった。

    とにかく、現場のリーダーであった故人の吉田所長に対してご冥福をお祈りしたい。

    0
    2022年01月10日

    Posted by ブクログ

    本への期待
    事故の真相について
    有事の適切な組織や対応について

    読書後
    日本では重大事故は起きないという前提で作られたマニュアルでは、想定外だった事がいくつも重なっていた。
    また、リスク判断を見誤り、大切な訓練の一つも行われていなかった。

    これらは、よく言う安全神話から来るもので、アメリカとは真逆の考え方だ。

    最後の、吉田所長の一言が、凄く身に染みました。
    決して同じ過ちは繰り返してはいけないと強く心に思った一冊です。

    0
    2020年05月16日

    Posted by ブクログ

    驚きの連続でした。事故から6年経過しても発覚する新事実に複雑さと問題の根深さを感じました。NHKの人的及び経済的リソースありきのドキュメントですが、取材班の迸る熱量が行間に溢れています。イソコンの歴史的経緯や1号機海水注入が12日間出来ていなかったこと、Watsonによるテレビ会議分析、疲労の数値化等々どれもスクープと言ってよい内容です。事故を風化させない意味でも貴重なノンフィクション作品です。

    0
    2017年11月07日

    Posted by ブクログ

    3基もの原子炉がメルトダウンした福島第一原発事故において、事態の悪化を一気に加速させたきっかけは最初に水素爆発を起こした1号機でした。1号機の冷却には「イソコン」と呼ばれる非常冷却装置があったのにも関わらず、事故当時その設備が稼働していなかったという致命的な誤認がありました。1号機運転開始から約40年間、「イソコン」を訓練でも実際に稼働させてこなかったことが原因でした。なぜ原子炉冷却に最重要な設備の訓練が実施されてこなかったのか、関係者への取材と資料をもとに追及していきます。
    後半は膨大なテレビ会議の記録から、なぜ「イソコン」の稼働状況を誤認するに至ったのかをAIを用いて解析した結果を報告しています。
    NHKスペシャル取材班による丹念な取材を新書1冊にまとめた福島第一原発事故の記録です。NHK記者による執筆だけあって、文章が非常にわかりやすく読みやすかったです。

    0
    2017年10月14日

    Posted by ブクログ

    #fb 統計的有意性とかどうなのか、とかいう面から学術的議論に耐えられるかどうか良くわかんないけど、ガッツフィーリングっていう面からはこの手のデータ分析は便利だよなぁ、と思う。今現在の費用対効果はともかく。しかし、あの状況のデータをよくハンドリングできるところまで持って行ったなぁ、と感心する。何人工かかったんだろうなぁ。

    0
    2017年09月28日

    Posted by ブクログ

    感情論ではなく、事実に基づいた科学的見地からの分析は、この出来事を未来への教訓として活かすためには重要になる。緊急時の対応について、ことわざで言うなら「備えあれば憂いなし」か。

    0
    2018年04月11日

    Posted by ブクログ

    NHKの取材執念とかドリルダウンの迫力が凄いことはよく伝わる。
    ただ、F1の一番の本質がイソコンなのかどうかは、この事故全体をシステム的に捉えている人であれば疑問に思うのではないか。どちらかといえば枝葉末節にいたずらに詳しいフォーカスを当てているような気がする。
    TV会議録の自然言語解析という手法は、いろいろな組織において今後の危機管理体制のあり方について、貴重な知見をもたらす可能性があるだろう。

    0
    2018年10月20日

    Posted by ブクログ

    1号機には全くと言っていいほど注水されず、メルトダウンか起こった。溶けた核燃料はコンクリート床を侵食していき、核燃料・コンクリートからできたデブリスは279トン。本作の主題は事故発生時の対応体制についてだが、このデブリス話の方が強烈な印象を残した。

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    2022年01月24日

    Posted by ブクログ

    ・実動作試験には、設備のメンテナンスとしての機能チェックだけでなく、もう一つ大事なのが「運転経験」。作動するとどうなるのか自体を正しく把握する。
    ・イソコンはこれができず、作動していないのに、作動していると勘違いしてしまった。

    0
    2018年12月09日

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