ヴァレリー・アファナシエフの作品一覧

「ヴァレリー・アファナシエフ」の「ピアニストは語る」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • ピアニストは語る
    3.6
    本書は、昨年、二〇一五年の来日の折に、東京で収録された、世界的ピアニストが初めてこれまでの人生と芸術を振り返った貴重な証言の書籍化です。ソ連時代の暗鬱な空気の中でのモスクワ音楽院での修業の日々。国際音楽コンクールのプレッシャーと優勝の喜び。国を捨てる決意を固めるまで。そして亡命決定の瞬間のスリル。さまざまな苦難の時を乗り越えた一人の芸術家が語るによって人生の軌跡と芸術哲学!

ユーザーレビュー

  • ピアニストは語る

    Posted by ブクログ

    深かったなあ…と述べる感想はすんごい浅はかに聞こえてしまう。でも深いと思ったのだからそれはしかたない。「シェイクスピアを読んでいるとシェイクスピアになり、ベートーヴェンを弾いてるときはベートーヴェンになる」ということが腑に落ちた。楽器を演奏する身として、曲への向き合い方について聞けるのが実に参考になった。というか、音大に行ったわけでもないし、音楽を教わる機会というのが滅法ないから演奏家の話は本当に貴重だ。

    ソ連の生活もなかなかだと思うが、かといって西側の生活が天国かというとそうでもない。情報操作をしようとしている点(特に見せたいものを人に見せようとする点)では東も西も変わらないのかもしれない

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    2023年04月28日
  • ピアニストは語る

    Posted by ブクログ

    鬼才と呼ばれるアファナシエフが、生い立ちや亡命といった自分史と、音楽について語っている。あまりアファナシエフのピアノは聴いたことがないが、本書における音楽への真摯な態度や、経験を積んでようやく至ったという曲目への理解・解釈を読んでいると、著者の最新のアルバムを聴いてみたくなる。

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    2017年07月09日
  • ピアニストは語る

    Posted by ブクログ

    不勉強にして、名前は知っていたけど聞いたことはなかった。一部で人生、二部で音楽が語られている。ソ連からの亡命という背景を持つアファナシエフの半生は、まるで想像できないものだ。活動に制限のある芸術家というのがよく分からない。一方で、天才を再生産するソ連の教育システムに驚いちゃう。
    二部を読んでから、いくつかの作品を聞いてみた。自分が聞いてこなかったスタイルのピアニストだ。ゆったりめのテンポと踏みすぎないペダリング。ベートーヴェンの31番は好きになれないけど、32番は凄い。ドビュッシーも絶品。ハーモニー優先というアファナシエフの主張がよく分かる。

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    2017年05月22日
  • ピアニストは語る

    Posted by ブクログ

    ロシア人ピアニストのヴァレリー・アファナシエフ氏へのインタビューをまとめた作品。

    前半はアファナシエフ氏が亡命するまで過ごしたソ連時代の話、そして後半は自身の音楽に対する考えや向き合い方、といった内容。後半部分の音楽の専門的な話は、正直理解できない部分も多かったが、前半部のエリザベート王妃国際コンクール優勝までのエピソードや、亡命に至るまでの経緯は興味深いものがあった。

    彼のようなベテランピアニストでも、ステージ上で納得できるベストな演奏をするのは難しいらしい。舞台の上で奇跡が起きるのを待ち、時には奇跡が起きないことも受け容れる、そんな言葉がとても印象に残った。

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    2017年01月25日
  • ピアニストは語る

    Posted by ブクログ

    個性的なピアニスト、アファナシェフのインタビュー本。アファナシェフの方からオファーがあって発売に至ったという。正直、現代の職業演奏家は、時間の大半を練習に費やすせいか、目の前の音楽から外の大きな世界から音楽を見る、語るということが少ないように思う。それだけの視野を持つ時間がないということではないか。インタビューを読んでも目の前の楽譜=演奏をどうするか? ということが感心の中心である演奏家は多いように思え、インタビューを読んでもあまり面白くない人も多い。


    アファナシェフはその反対で、知性豊かな思索家であり、その一部に読書家・作家・演奏家としての自分がある、という数少ないタイプだ。だから本書に

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    2016年11月27日

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