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ショーペンハウアーの魅力は、ドイツ神秘主義と18世紀啓蒙思想という相反する二要素を一身に合流させていたその矛盾と二重性にある。いまその哲学を再評価する時節を迎えつつある。
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Posted by ブクログ
『意志と表象としての世界』はかなりの大作です。これを完全に理解するのは当時の人たちにとっても現代の私達にとっても至難の業です。 しかも驚くべきことに著者のショーペンハウアー自身が序文でとてつもないことを述べるのです。 彼はまず言います。この本は2回読まねばわからぬと。 こんな難しくてしかも長い本を2...続きを読む回も読めと。しかも1回目はまずわからないだろうから忍耐が必要だと最初から宣言するのです。さすがショーペンハウアー、言うことが違います。 他にも驚きの言葉がどんどん出てきます。やはりこの作品は一筋縄ではいきません
ばりおもろい。 ニーチェの哲学的熱情を駆り立てたショーペンおじさんの主著であり、二十世紀の西洋思想を語る上で特に重要な一冊。 時間と空間の考察を読むあいだアインシュタインの相対性理論が脳内をチラチラしたが、案の定アインシュタインはショーペンハウアーを深く敬愛していたらしい。 科学的努力とは世界の仕組...続きを読むみを理解するのに欠かせないが、我々人間という意識主体を説明するのには不十分で、そこには「哲学」や「思想」が必要になる。 主観と客観は表象によって統合されていて、我々の無方向で盲目的な意志だけがあるのみ。 人の根源的な欲動性や力の偏在を認めるあたり、その後出てくるフロイトやニーチェの思想にも接近していく。 まさに二十世紀を生み出す礎石としてのドイツ哲学。 これからが楽しみ。
ニーチェに影響を与えた実存主義哲学者として、ヘーゲルと犬猿の仲だった在野哲学者として、数々のアフォリズムを残した厭世哲学者として、間接的に名前だけは知られているショーペンハウアーを、直接読もうとする読者があまりにも少ないのが残念で仕方が無い。これほど分かりやすく、面白く、魅力的な哲学者は滅多にいな...続きを読むいというのに。 ドイツ本国でさえ発売当時見向きもされなかった『意志と表象としての世界(正篇)』の難点は、ショーペンハウアー哲学の独創性が遺憾なく発揮されている第三巻と第四巻が、その前置きに過ぎない第一巻と第二巻の背後に隠れている点であろう。その第一巻と第二巻が収められた本書は、ショーペンハウアー哲学の理解にとって避けては通れない鬼門であるとは言える。 しかしながら内容は決して難解でも退屈でもない。「世界は私の表象である」の一文で幕を開ける第一巻「表象としての世界の第一考察」は、その名のとおりわれわれが認識している世界の哲学的分析に終始している。第二巻「意志としての世界の第一考察」で論じられる「意志」は、ショーペンハウアー哲学最大のキーワードであろう。それを神の言い換えに過ぎないと断ずる評者もいるようだが、時間・空間・因果性によってフォーマットされる以前の世界をあえて「意志」と名づけた辺りは、感情によって世界が形成される実存主義哲学の先駆ともいえ興味深い。 『意志と表象としての世界(正篇)』はショーペンハウアーの主著であり、邦訳はほかに白水社の全集版と理想社版があるが、入手のしやすさと分かりやすさでは西尾幹二訳の本書が群を抜いている。このまま忘れ去られてしまうのはあまりにも惜しい、特に若い読者に読んでもらいたい古典的名著であり名訳である。
最終的な、大きな主張は、その通りのように感じた。 それは、この世界が知り尽くされることがないように思われるからだと思う。シンギュラリティを経て、解明尽くされるのか?なおも疑問である。 主張の細かな部分は、書かれた時代もあり現在の科学による説明とは異なり、古く、もはや説明に説得力がないものもある。ただ...続きを読む、これは大筋とは関係しない。世界が解明し尽くされることがなければ、結論は変わらないように感じている。
「物自体というのは意志のことである」というのは一見トンデモなんですが、 あれは「一切皆苦」のことなんじゃなかろうかと思いました。 (そういう表現をすると割と腑に落ちるというか) 学会でショーペンハウアーの研究をしてる人がことあるごとに 「あれは実体のことじゃないんだ」と言ってらしたのを思い出します...続きを読む。
自分が感じている環境としての表象。世界を究極的に説明する言葉としてショーペンハウアーは意志を提案する。
読む前の世界と 読んだ後の世界が 違って見える可能性のある本 何度も読みたい、というか読まなければ理解できない
主観−客観/現象−物自体、あらゆる相対性の地層を発掘するように読む。書かれた物と現実が、あるいは読書体験と現実経験が、一致するように読む。表象という言葉が能動であるのか受動であるのか、意味の更新を迫られる。
私たちは、自分が「享楽的消費社会」の只中でその『自由』と恩恵を享受しながら、収入、生活、老後などの様々な問題で身動きが取れない『孤独』を感じざるを得ない。 水がどのような形であっても、その本質を表すことに変わりないように、人もまた、どのような場合にもその本質が現れることをショーペンハウアーは述べて...続きを読むいる。 しかし、2012年の現実は、どの場合に誰かが作ったレッテルを貼られ自分の本質で内容に感じられてしまう。 今こそ、自分の好む、好まざるの思想を超え、新しい考え方、生き方を見ようとしなければ。 そのヒントを与えて食えるかもしれないと思える本である。
「いっさいの目標がないということ、いっさいの限界がないということは、意志そのものの本質に属している」 なっとく。今自分が行ってることごとについては目的があるけど原因は説明でなきない、ただ意志があるだけ。 で、世界は意志が表象したものである
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意志と表象としての世界
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ショーペンハウアー
西尾幹二
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