グロービスMBAシリーズの1冊で、「ビジネスプラン」を扱うのが本書。
冒頭において
「成功している企業、あるいは経営者、マネジャーは、多かれ少なかれビジネスプランの重要性を理解している。彼らは、優れたビジネスプランが資金調達手段、実際の計画書、マーケティングツールとして、いかに有用かを知っている。そして何よりも彼らは、その作成過程においてビジネスプランを突き詰めていけばいくほど、実際の事業の成功の確率が高まることを知っているのである」(P.2)
と始めているように、良く練られたビジネスプランの有用性から議論を始める。
どのような内容を扱っているかを触れるのに、目次の一部を引用してみる...続きを読む :
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■ビジョンとミッション、経営理念
・成功する事業を導くビジョン
・ミッション、経営理念
■ビジネスモデルと戦略
・標的市場と提供価値
・ビジネスモデル
・事業戦略
■マーケティングとオペレーション
・コミュニケーションと営業戦略
・オペレーションシステムの構築
■ファイナンス
・予測財務諸表とプロジェクトの評価
・キャッシュフロー・シミュレーション
・財務計画と管理
■マネジメントチームとリーダー
・チームのあり方とリーダーの役割
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このように、概念部分(ミッション、ビジョンなど)から具体的な部分(オペレーションなど)まできっちりと網羅されている。
まったくの初心者が「これを読めば万事解決」かと言われると少々難しいものの、相応の社会人経験を有しているか、多少なりともビジネス本を読んでいれば読めるくらいには分かりやすい。ケースと称して具体的な例もいくぶんか掲載されている点も嬉しい。
個人的に興味深かったのは、
①ビジョン、ミッション、経営理念を簡潔に定義していた点
②オペレーションの要点を整理していた点
③ビジネスプラン段階で設備投資評価やキャッシュフロー予測をどのような粒度で設定すべきかを議論していた点
である。具体的には、
■ビジョン:「創業者化経営者が考える企業の理想の姿」「将来的にどんな企業になりたいかを言葉で表したもの」(P.52)
■ミッション:「起業が責任を持って成し遂げたいと考える任務」(P.69)
■経営理念:「起業が依って立つ信念や哲学、経営姿勢を表明したもの」(P.69)
であり、ビジョンを設定する意義や「良いビジョン」が持つべき要件なども併せて記載されており、大変勉強になる。
また、①サイクルタイム、②ボトルネック、③キャパシティ/スループット、④アイドルタイムを戦略やビジネスプロセス((P.152))どう結びつけるかという論点を指摘している点も大変興味深かった。