浅倉久志の作品一覧
「浅倉久志」の「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」「タイタンの妖女」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「浅倉久志」の「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」「タイタンの妖女」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
大阪外事専門学校(現大阪大学外国語学部)英米科卒。1962年『蟻か人か』の翻訳でデビュー。『アンドロメダ病原体』など、数多くの作品を手がける。
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Posted by ブクログ
【アンドロイドは電気羊の夢を見るか?】
名作映画「ブレードランナー」の原作だけど、映画より乾いている。
核戦争により人口が激減し、人間そっくりのアンドロイドを労働力として使うようになった世界の話。
人間そっくりの思考能力を持つようになったアンドロイドの中には、人間に使われる事が嫌になり脱走するのがいた。そのアンドロイドを捕まえ、殺傷処分するのが主人公の仕事。
アンドロイドと人間を見分ける基準が「共感能力の有無」。主人公は、人間に紛れて生活してる脱走アンドロイドとおぼしき者を捕まえ、共感能力テストを施し、合格すれば人間だから釈放、不合格ならアンドロイドだから殺傷処分するということを日々実行している。
しかし、主人公は、共感能力の極めて高いアンドロイド(そのアンドロイドは自分は人間だと思い込んでいる)と出会い、その出会いを通じ、次第に人間とアンドロイドの違いが分からなくなってくる。
「証明しなければ人間と認められない社会はすでに人間らしさを失っているのでは?感情を脇に置き、殺傷処分を遂行する自分こそ共感能力の無い機械なのではないか?」と自問自答するようになり、次第に「自分はアンドロイドなのではないか?」と自分自身をも疑い始め、日常は壊れていく。
「人間らしさとは?」という普遍的な問いを投げかけるSF小説の金字塔。
Posted by ブクログ
「まるで、この世界の鏡像だ」と思った。
退廃的な世界で、どこか神話的な雰囲気もあり、哲学的にも考えさせる。ずっと疑心暗鬼だし、合理的な解決はしない世界だし、
それなのに、どうしても美しいところが。
あまり叙情的ではない文章なのに、
その冷たさの中に、温かさも切なさも感じられて不思議な体験だった。
「8人の脱走アンドロイドとそれを捕まえる警官を書いたSFだよ」と言ってしまえばそれで終わりだけど、
このアクション風のプロットを基に「私たちの世界とは」「人間とは」という現実的なテーマに取り組んでいる気がした。
また、SFと言うだけあって突飛な設定なのに、読者が置いていかれないような共感性もあり……。
現実世界と近い距離にこのSF世界が寄り添ってくれる気がして、後味がたまらない。
「なにもかも真実さ。これまでにあらゆる人間の考えたなにもかもが真実なんだ。」という台詞は、これから抱きしめて生きたい。
(明晰夢で長年悩んでいる私には、あまりにも刺さって泣いてしまった。こういう言葉が欲しかった。)
とにかく、初めて読むSFがこの小説で良かった。
心に残るこの読書体験は、これから私の中で発酵していくと思う。
パンみたいに膨らんできたらもう1回読む。