須賀しのぶの作品一覧
「須賀しのぶ」の「コバルト・プレイバック・アンソロジー」「帝国の娘」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「須賀しのぶ」の「コバルト・プレイバック・アンソロジー」「帝国の娘」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
上智大学文学部史学科卒。1994年『惑星童話』でデビュー。同作は上期コバルト・ノベル大賞の読者大賞を受賞。『キル・ゾーン』シリーズ、『流血女神伝』シリーズなど数多くの作品を手がける。2013年『芙蓉千里』で第12回センスオブジェンダー賞大賞を受賞している。
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Posted by ブクログ
読み終わった時思わず大きなため息。
久しぶりにこんなに引き込まれる世界観を楽しめた。
この本のストーリーは第二次世界大戦のナチス政権下にいた二人のドイツ人の話であり、民族とは何か、正義とは何かを常に考えさせられるお話である。
二人のドイツ人は幼なじみでありながら対極の場にいる。同じドイツ人でありながらもそれぞれが自分の運命のもとに立ち向かっていく話である。
かなりの長作だが、あっという間に読み終わってしまうのでぜひ壮大なストーリーを読んでほしい。
個人的な話だが、自分もまた聴覚障害があるのでもし当時ユダヤ人だとしたら真っ先に自分はユダヤ人の障害者として殺されていたのだろうなと自分に置き換えて色々と考えさせられた。
Posted by ブクログ
はじめは少しずつ読み始めた。でも、いつしか読む手が止まらないほど夢中になっていて、三日間、嵐に巻き込まれるかの如く読み耽っていた。読み終えた今、綴れることは、音楽が、東ドイツに生きた人々のみじめさと、焔のゆらめきと、生活が、その人生が、わたしの心をさらって言ったということだけかもしれない。今や、他人事ではないドイツの歴史に、心揺さぶられ、シュウジと一緒になって、ひとりの日本人としてその時代を生で味わったような気持ちになった。覚悟と熱意を持って戦うキャラクターたちに、自らの脆弱さが恥ずかしくなるほど。それぞれのキャラクターたちは、須賀しのぶ作品らしい理知的で冷静なたくましさを持っていて、惹かれずにはいられなかった。特にヴェンツェルとイェンツは対照的な存在ながら、どちらの立場も、心象も、痛いほど伝わり、その人間味に惚れ込んでしまった。間に挟まる主人公にだけ、仲間たちとの絆が見え、安易な友情でも恋でもない、どこか多角的な人間関係にシュウジの立ち回りの巧さも感じた。執着の強い物語が多い現代で、キャラクターたちの心象はどこか大人びて見える。ピアノやヴァイオリンといった音楽の描写も歌い上げるような心地よさで、余韻が強く、物語の中から未だ抜け出せずにいる。すごい傑作だった。