ちくま新書作品一覧

  • 教養としてのゲーム史
    3.6
    「名作」「傑作」とされるゲームはいったいどこがスゴかったのか。新しいゲームジャンルはどのように誕生するのか。──それは、ゲームの歴史を「アイディアの進化史」としてとらえることで見えてくる。『インベーダー』『ゼビウス』『スーパーマリオ』『ドラクエ』『ときメモ』『ラブプラス』……数々の歴史的作品は、「創造性」「大衆性」「技術とアイディアの関係」などについて、大きなヒントを与えてくれる。ゲームを「学ぶ」時代の幕明けだ。
  • 兵隊になった沢村栄治 ──戦時下職業野球連盟の偽装工作
    3.6
    ベーブ・ルースをきりきり舞いさせるなど活躍し、将来を嘱望されるも、三度も出征し落命した悲運の投手・沢村。彼は何を考え、戦地に赴いたのか。本書は人間・沢村を描くとともに、当時の野球関係者の興味深い動きを描き出していく。表向きは時局に迎合し戦争に協力するかのように「偽装」しつつ、職業野球連盟は沢村の悲劇を繰り返さぬよう、野球界や選手らを守ったのだ。その工夫とはいかなるものだったか。知られざる戦時下の野球界を、資料の綿密な分析から再構成する。
  • 生権力の思想 ──事件から読み解く現代社会の転換
    3.6
    死を迫る権力から、生かすための権力へ──これこそ近代への転換であった。そして規格化された従順な身体を規律と訓練によって創り出してきた近代の権力は今や「管理型権力」という新たな形式へと転換しつつある。身体の扱いはどのように移り変わってきたのか。そして現代の我々の生を取り巻く不可視の権力のメカニズムはいかなるものなのか。ユダヤ人虐殺やオウム、宮崎勤事件などの様々な事例と、フーコーらの権力分析を交差させ、社会を根底で動かすものの正体を暴き出す。
  • 原発危機 官邸からの証言
    3.6
    「菅首相の現地視察が東京電力の事故対応を遅らせた」「官邸が現場の注水作業を止めた」「政府はアメリカからの冷却剤提供を断った」――これらの批判は事実無根である。首相官邸で首相、官房長官に次ぐ3番目の危機管理担当であった事故当時の官房副長官が、自ら残したノートをもとに、官邸から見た原発危機の緊迫した状況を再現。知られざる危機の真相を明らかにするとともに、緊急時の国家体制が抱える問題の構図を浮き彫りにし、事故を教訓とした日本の進むべき道筋を提言する。
  • 大人のためのメディア論講義
    3.6
    二四時間モバイル機器を手放せず、情報産業に囲い込まれた現代人の生活。人間が二足歩行へと進化した文字を持ちはじめた時から宿命づけられたこの現象は、二〇世紀に、二つのメディア革命を経て加速する。写真・電話・映画などの技術が人間の意識できない瞬間を記録し、広告・マーケティング技術が我々自身より先に消費・欲望を生み出し、デジタル機器が人間の生活全体を統治していく。人間は自分自身の意識をもう一度わが手に取り返すことはできるのか。そのために何ができるのか。
  • あざむかれる知性  ──本や論文はどこまで正しいか
    3.6
    一般的に信じられている知識の多くはゴミであり、有害だ。一方、星の数ほどある実証科学の研究も、その質はピンからキリまで。本当に頼れる知識は、数百、数千の研究から質の高い研究のみを抜粋して、メタ分析等の統計的分析を行ったシステマティック・レビューである。さあ、これでもあなたは常識と思い込みにしたがって人生を送りますか?
  • グローバル経済を学ぶ
    3.6
    グローバル経済の拡大に取り残されつつあるといわれ続けてきたわが国の経済も、ようやく復調の兆しを見せ始めた。わたしたちは、改めてグローバル化する市場経済の現実を冷静に見つめなければならない。貿易、経常収支、為替レートなどの問題は、経済を理解するうえでの必須の基本事項である。本書では正しい国際経済学の見方を、グローバル経済の現実に即して解説する。
  • 身近な鳥の生活図鑑
    3.6
    小さく愛らしいスズメ、情熱的な求愛をするハト、人間をも利用する賢いカラス。町の中で見かける鳥たちには、実は意外な面が多くある。スズメはいったい、どこに住んでいる? ハシブトガラスとハシボソガラスはどうやって見分ける? 四季を鳥から知る方法は? 都市で鳥とうまく共生するにはどうするべき? 関心をもって見てみると、身近な鳥の生活は発見の宝庫である。さあ、この本をもって町に出よう! カラー口絵など図版を多数収録!
  • 1995年
    3.6
    1995年とは地下鉄サリン事件、阪神・淡路大震災という二大事件の起きた年だ。またウィンドウズ95の発売などでインターネット元年と呼ばれ、“失われた20年”と呼ばれる経済停滞が始まり、戦後初の社会党政権の時代でもある。戦後50年にあたる1995年は、ここから現代が始まった「戦後史の転機」といわれている。この1995年に、何が終わり、何が始まったのか。その全貌を解く衝撃の現代史!
  • 食べ物のことはからだに訊け! ――健康情報にだまされるな
    3.6
    糖質制限食で誰でもダイエットできる! 断食すれば調子がよくなる! これを食べればがんがなおる! 食事によって健康になれるといった情報は数多く出回っているけれど、それらは本当に「効く」のだろうか? 巷にあふれる眉唾な情報を医学の見地から一刀両断して、「規則正しい」食事が実はあんまり体によくない可能性を検証する。情報があふれる時代に、何をどう食べたらよいのか迷っている人に向けた一冊。
  • 18分集中法 ──時間の「質」を高める
    3.6
    いろんな方法を試してみたけど、全然仕事がはかどらない。締切を守れたためしがない、そもそもやる気が起こらない。誰もがそんな経験はあるでしょう。やらなければいけないことはあるけれど、ついテレビをみたり、PCで遊んだりしてしまうそんなあなたでも、18分集中法を使えば、たちどころに仕事が処理できるようになります。面倒なメールの返信、膨大な書類に目を通す、時間のかかるレポートの作成など、この方法は様々なインプット・アウトプットに有効です。
  • 日本思想全史
    3.6
    この国の人々は選択的に外の思想を受け入れつつ、あるべき人間とは何かという問いを立ててきた。ではその根底にあるものは何だろうか。思想史を俯瞰してそれを探るには、日本の内と外の両側から眺める視点が必要である。そしてそのような内と外の意識こそ、古代からこの国で綿々と受け継がれてきたものだ。神話時代から現在までの各時代の思想に、外部的視点からの解釈を押し通すのではなく、内在的視点をもって丹念に光を当てる。一人の思想家による、初めての本格通史。
  • もじれる社会 ――戦後日本型循環モデルを超えて
    3.6
    高度経済成長、バブルは遠い彼方。問題が山積みの日本社会には、悶々とした気分が立ちこめ、「もつれ」+「こじれ」=「もじれ」の状況にある。この行き詰った状況を変えるには、一体どうしたらよいのか? その問いに答えるため、本書は、旧来の循環モデルが破綻したことを明らかにし、新たなモデルを描き出す。「教育」「仕事」「家族」それぞれが抱える問題について考え、解決策を探る。タクシー運転手や高校生たちに共感し、希望を語る。よりよい社会を手に入れるため、あきらめずに思考し、言葉を紡ぐ一冊。
  • 日本人はなぜ「さようなら」と別れるのか
    3.6
    一般に世界の別れ言葉は、「神の身許によくあれかし」(Goodbye)か、「また会いましょう」(See you again)か、「お元気で」(Farewell)のどれかである。なぜ、日本人は「さようなら」と言って別れるのだろうか。別れ言葉にこめてきた日本人の別れの精神史を探究する。
  • 考えあう技術 ――教育と社会を哲学する
    3.6
    「ゆとり教育」は「学力低下」の事実によって追いやられ、「学びのすすめ」へと方針転換された。さて、では「学び」と「教え」との間に生じる関係性、つまり教師と生徒の間の知識伝達の共有は、どのように起こるのだろうか。本書では「わかる」の現象学的な試みを、教育社会学者と哲学者との間で徹底してつめていく。「いま、なぜ勉学をするのか?」という問いかけから、「私」よりも「公」を重んじようという風潮に疑問を投げかけつつ、個人の自由と社会的平等の両方が成り立ちうる地点をめざして、「ともに考え、わかりあう」みちすじを模索・考察する。
  • おまけより割引してほしい ――値ごろ感の経済心理学
    3.6
    意識的にせよ無意識的にせよ、商品の価値にどれだけの費用を払うべきか天秤にかけた結果で、「値ごろ感」の有無は生じる。本書はその「値ごろ感」が生み出される仕組みを解き明かし、さらには、ベストセラーがベストセラーたる理由、衝動買いやついで買いをさせられてしまう仕掛けなども豊富な事例とともに解説する。買い手も売り手も必読の経済心理学入門である。
  • 入門 老荘思想
    3.6
    2009年1月、ほぼ完本の『老子』竹簡群が、北京大学に運び込まれた。これは、墳墓から盗掘され香港の骨董店を経由して海外に流出するところを、大学関係者が買い取り、寄贈したものである。諸子百家の中にあっても、儒家等とは大きく異なる主張を唱えたとされる道家であるが、その評価は果たして正しいのだろうか? 新資料を踏まえて、『老子』『荘子』の言葉をじっくり読み解くことで、その謎に包まれた思想がいま解き明かされる。さらに、後年の中国思想家や仏教への影響、江戸期の日本やその他ヨーロッパ諸国での受容にも目をむける。
  • 四〇歳からの勉強法
    3.6
    雇用なき成長という経済環境のなかで、ビジネスマンの側は自分の市場価値を高めるための努力を強いられている。ただ、そのための勉強本は数多く出版されているが、そうした本の著者のほとんどは学者や評論家で、読物としては面白くても、実際に使えるものは意外に少ない。では、役に立つ勉強法とはどのようなものなのだろうか。商社マンとして数冊の著書を持つ著者が、「時間をどう作るか」「効率的な情報収集はどうすべきか」「ビジネス英語の習得法」「ハウツー本の値打ち」など、自分の体験を整理しながらすぐに使える勉強法を提示する。
  • 害虫の誕生 ――虫からみた日本史
    3.6
    江戸時代、虫は自然発生するものだと考えられていた。そのため害虫による農業への被害はたたりとされ、それを防ぐ方法は田圃にお札を立てるという神頼みだけだった。当時はまだ、いわゆる“害虫”は存在していなかったのだ。しかし、明治、大正、昭和と近代化の過程で、“害虫”は次第に人々の手による排除の対象となっていく。日本において“害虫”がいかにして誕生したかを、科学と社会の両面から考察し、人間と自然の関係を問いなおす手がかりとなる一冊。
  • 人はなぜ宗教を必要とするのか
    3.6
    宗教なんてインチキだ、騙されるのは弱い人間だからだ―「無宗教」を標榜する日本人は、たいていそう考える。しかし、そんな「無宗教」者も、「本当の生き方」を真剣に模索しはじめたとき、また、人の死など身にあまる不条理を納得したいと願ったとき、無宗教ではいられなくなってくるのではないだろうか。宗教に対する誤解にひとつずつ答え、そもそも宗教とはどういうものなのかを説き、「無宗教」から「信仰」へと踏みだす道すじを平易に語っていく一冊。
  • デカルト入門
    3.6
    「私は考える、ゆえに私はある」―近代精神の確立を宣言し、現代の知の枠組みとなる哲学の根本原理と方法を構築した近代哲学の父デカルト。コギトの確立に体系の集約点をみるドイツ観念論の桎梏を解き放ち、デカルトの真実の姿を見いだそうとする本格的な入門書である。デカルトの思想を現代的視座からも読みなおす意欲作!
  • キリスト教を問いなおす
    3.6
    平和を説くキリスト教が、なぜ十字軍など戦争を起こしてきたのか? キリスト教信者には偽善者が多いのではないか? 信仰心に篤い人が、不幸な目に遭ったりするのはなぜか? キリスト教徒によるユダヤ人迫害などの事例から、神とは何かを真摯に問うラディカルなキリスト教思想の入門書。
  • 論文・レポートのまとめ方
    3.6
    文章は内容が大事。しかし、いくら内容があっても、ちゃんとした形式と適切な文章表現をしていなければ、読まれもせず、評価もされない。論文・レポートを書くにあたって、どんなことに注意すればよいのか? 文、段落、用字、用語から図表の使い方まで具体例を示しながら要点を丁寧に解説するきわめて実用的な文章読本。
  • プラトン入門
    3.6
    ヨーロッパ哲学の絶対的な「真理」主義の起源をなす人物として、ポストモダン思想家から最悪の評価を与えられている人、プラトン。しかしプラトンこそ実は、異なった人間どうしが言葉を通して共通の理解や共感を見出しうる可能性を求めた「普遍性」の哲学者であった。プラトン評価を逆転させる、目から鱗の一冊。
  • もてない男 ――恋愛論を超えて
    3.6
    歌謡曲やトレンディドラマは、恋愛するのは当たり前のように騒ぎ立てる。こういう時代に「もてない」ということは恥ずべきことなのだろうか? 「もてない男」の視点から、文学作品や漫画を手がかりに、童貞喪失、嫉妬、強姦、夫婦のあり方に至るまでを見つめ直す。これまでの恋愛論がたどり着けなかった新境地を展開する。
  • 行儀よくしろ。
    3.6
    「教育論」となると、学校教育を論じることになりがちだ。しかし、世の大人にとってもっと身近な、自分がすべき教育のことを忘れてはいけない。お葬式でどういう態度をとるか、困っている人をどう助けるか…などは文化の中にあることで、その文化を継承させていく責任が大人にはある。美しい日本人を育てるための教育論。
  • 国語教科書の中の「日本」
    3.6
    「グローバル化」と「伝統重視」という相反する二つの流れの中で大転換期を迎える国語教育は、無意識のうちに「日本」という感性を押し付ける教育装置になってはいないか? 「古き良き日本」ばかりが描かれる小中学校の教科書をテクスト分析することで、書かれた言葉の裏に隠されたメッセージを読み解く。
  • ダメな議論――論理思考で見抜く
    3.6
    ニート問題から財政赤字、平成不況まで、いかにももっともらしい議論がメディアを飛び交っている。じつは国民的「常識」の中にも、根拠のない“ダメ議論”が紛れ込んでいる。そうした、人をその気にさせる怪しい議論を、どのようにして見抜くか。そのための五つのチェックポイントを紹介し、実例も交えながら、ダメな議論の見抜き方を伝授する。論理思考を上手に用い、真に有用な情報を手にするための知的技法の書である。
  • 「脳」整理法
    3.6
    おびただしい量の情報やモノに囲まれ、脳が悲鳴をあげている。現代人がより賢明に清々しく生きるためには、脳をどのように使いこなせばよいだろうか? その鍵は、森羅万象とのかかわりのなかで直面する不確実な体験を整理し、新しい知恵を生み出す脳の働きにある。本書では最新の科学的知見をベースに「ひらめきを鍛える」「幸運をつかむ」「他人とうまくつき合う」「チャレンジする勇気をもつ」など切実な課題にも役立つ、脳の本質に即した〈生きるヒント〉をキッパリ教えます。
  • 正しい大人化計画――若者が「難民」化する時代に
    3.6
    ひきこもりやフリーター、ニートなど、自分の生き方が定まらず、あてどなく漂う若者が増えている。こうした若者の「難民」化は、本人にとっても社会にとっても決して望ましいことではない。だからといって彼ら/彼女らを非難しても意味はない。いま本当に必要なのは、若者を絶望させないための仕組みを構築することである。教育、法、労働という三つの側面からそのためのプログラムを構築する本書は、若者自身のよき生とよき社会を実現するための必読の書。
  • 自分「プレゼン」術
    3.6
    印象に残る人と残らない人の違いはどこにあるのでしょう。1度でキメる自己紹介の方法や捨てられない名刺や挨拶状の作り方、必ず通る企画書の書き方に成功する接待・失敗する接待、外国人との交渉法などが、著者自身の20年にわたる実践経験をもとに整理されています。「いかに自分を表現して他人と交わり、社会の中に居場所を作っていくか」を目的とした本書は“社会的な技術”としてのプレゼンテーションのスタイルを提案します。
  • ハイデガー入門
    3.6
    二〇世紀哲学における最大の巨人と称されるハイデガー。半世紀以上にわたり、彼の思想はあらゆる知の領域に圧倒的な影響を及ぼしてきた。哲学史上最重要な作品の一つとして、大いなる成功と絶望的な無理解の断層に屹立する哲学書『存在と時間』。そこに隠された真の狙いとは何なのか? 本書は難解で知られるハイデガーの思考の核心を読み解き、プラトン、アリストテレス以降の西洋哲学が探求し続けた「存在の問い」に迫る。ハイデガー哲学の魅力の源泉を理解するための一冊。
  • マクロ経済学を学ぶ
    3.6
    国民総生産、国内総生産、経済成長、雇用、物価、国際収支、金利、為替レート。マクロ経済学は、これらの国民生活に深く関わる経済変数がなぜ変動するのか、それらの経済変数は財政政策や金融政策によって安定化させることができるのか、国民の生活が豊かになるように、経済成長率を引き上げることは出来るのか――そういった問題を明らかにしようとする、きわめて実践的な経済学である。
  • アニメ文化外交
    3.6
    世界はこんなに日本が好きだ! ミャンマー、サウジアラビア、イタリア、スペイン…。日本のアニメは、想像を超えて世界に広がっている。本書では、日本のアニメが世界でどう愛され、憧れの的になっているかを、現地の声で再現。このアニメ文化を外交ツールとして積極的に活用する意義を論じ、そのための戦略をも提示する。
  • 無料ビジネスの時代 ――消費不況に立ち向かう価格戦略
    3.6
    最初は無料で商品やサービスを提供しながら、最終的には利益を得ようとする「無料ビジネス」。この手法が、なぜ流行するようになったのか? そのしくみを解説し、デフレ不況から抜け出せない日本企業が、売上をふやし、利益を拡大させるための価格戦略を考える。おもしろくてタメになる知識満載のビジネス書。
  • 学歴分断社会
    3.6
    日本の大卒層と非大卒層――。全人口におけるその割合はほぼ同数となり、大卒/非大卒という分断線こそが、さまざまな格差を生んでいる。学歴分断社会は、どのようにして生じたのか。解決すべき問題点はないのか。最新かつ最大規模の社会調査データを活用し、これまでタブー視されてきたこの領域に鋭く切り込む。
  • 「頭がいい」とはどういうことか ――脳科学から考える
    3.5
    「頭がいい」とは、IQや記憶力だけでなく、感覚や運動能力、アートと創造性、他者の気持ちがわかる能力なども含まれる。どんな仕組みで良くなるのかを脳科学の観点から解説する。そのような能力を発揮し続けるための力を「脳の持久力」と名付け、そこに深く関係する脳細胞、アストロサイトの働きを紹介し、人間の脳とAIの比較、今求められる知性について著者の考えをまとめる。
  • 商店街の復権 ――歩いて楽しめるコミュニティ空間
    3.5
    商店街は過去の遺物ではなく、新たな動きが見え始めている。若い世代がカフェやコワーキングスペースなどコミュニティの拠点として商店街に関心を向け、クルマで買い物に行くのが難しい高齢世代が商店街に足を向ける流れも出てきた。コミュニティ空間としての「ウォーカブル・シティ(歩いて楽しめる街)」を求める動きも各地で起こりつつある。商店街のもつ新たな意味や価値に注目し、国際比較の視点や、まちづくり・交通など公共政策の観点も盛り込み、幅広い叡智を結集。未来の商店街のありようと、再生に向けた具体策を提起する。
  • 日本のビールは世界一うまい! ――酒場で語れる麦酒の話
    3.5
    西のアサヒ、東のサッポロと言われた理由とは。キリンはなぜ独立を保てたのか。サントリーはどのようにビール市場に参入したのか。バブル期にドライはなぜ売れたのか。20世紀末の日本を席巻した「ドライ戦争」とは、どのようなものだったのか。そもそもラガーとエールの違いとは。麦芽の割合で何が変わる? 世界一うまいと絶賛される日本のビール。商品開発、市場開拓、価格など、熾烈な競争の背後にある発展史を一望して見えてきた秘訣とは。
  • B‐29の昭和史 ――爆撃機と空襲をめぐる日本の近現代
    3.5
    B‐29――太平洋戦争を描いた作品には必ずと言っていいほど登場する戦略爆撃機である。1940年代初頭に開発され、当時としては破格の5000キロメートル以上の航続距離を誇ったこのアメリカ軍の長距離重爆撃機は、1944年以降本土空襲を繰り返し、広島と長崎に原子爆弾を落とした。模型や爆音レコードが販売される戦時下の“人気コンテンツ”となったB‐29は、今も『火垂るの墓』などを通して知られている。B‐29はいかにして、太平洋戦争そのものを象徴する存在になったのか。豊富な資料から読み解く、B‐29と日本人の歴史。
  • 健康寿命をのばす食べ物の科学
    3.5
    健康食品では病気は治せない? 筋肉を維持し老化を防ぐ食べ物とは? 腸内細菌を上手にコントロールするには? ふだんの食事をほんの少し工夫するだけで、こんなに元気になる! 複雑な代謝のメカニズムから、丈夫な骨格のしくみ、本当に必要不可欠な栄養素まで。食品生化学の第一人者が最新データと科学的エビデンスをもとに、健康に長生きするための食事と生活習慣のコツをわかりやすく解説。間違った情報にまどわされず、今日の食事を自分で選びとるための食の科学。
  • 主権者を疑う ──統治の主役は誰なのか?
    3.5
    近年の改憲ムーブメントで連呼された「最終的に決めるのは、主権者たる国民の皆様です!」――私たちは改めて主権者としての自覚が求められ、いよいよ最後の出番に呼び出しがかけられている。しかし、主権とは何で、主権者とは誰なのか? 本書は、神の至高性に由来するこの“取り扱い注意”の概念を掘り下げ、新たなトリセツを提示する。ロゴスから意思へ、神から君主そして国民へ、魔術から計算へ、選挙からアルゴリズムへ――中世神学から現代の最新論考までを包含しためくるめく“主権者劇場”がここに開幕!
  • 嘉吉の乱 ──室町幕府を変えた将軍暗殺
    3.5
    嘉吉の乱とは前代未聞の室町幕府将軍の暗殺事件。籤引き将軍・足利義教は専制的な強権政治、「万人恐怖」と呼ばれた守護や公家への理不尽な仕打ちを行い、その死は「自業自得」とまで書かれた(伏見宮貞成『看聞日記』)。将軍殺害は幕府と守護の関係に大変化をもたらしたが、事件にいたる背景には社会的な混乱も大きかった。旱魃や風水害による飢饉、重税、大規模な土一揆の頻発。大地震、疫病の流行による不安。幕府による抑えがきかなくなった守護や守護代の台頭。のちの下克上時代の到来を予兆する嘉吉の乱。その全貌とは。
  • 子どもに学ぶ言葉の認知科学
    3.5
    小学生になった息子の珍解答は続く。さらに巷の記事・絵本さらにTシャツのロゴ・町の看板まで、題材はあらゆるところに広がっていくことに。「これ食べたら死む?」「のび太vs.のび犬」「ニンジンは、ヤギ・ヒツジも食べてくれるよ♪」ヘンテコな答えや言葉遣いの背後にある、子どもの、あるいは人間一般の心の働き、認知のしくみ、言葉の法則や性質について、楽しく学べる一冊。
  • 海の東南アジア史 ──港市・女性・外来者
    3.5
    近世から現代まで、ヨーロッパ諸国、中国、日本などから外来者が多く訪れ、交易をし、また植民地支配を行った東南アジア。そこでは、人喰いの風聞を広める人、現地人女性、ヨーロッパ人と現地人の間の子孫、華人などさまざまな存在が、外の世界と現地の間に介在していた。その様相を見ると、いかに多様な人々が各地に存在し、複雑な関係を持っていたか、各地の国民国家形成に影響を与えたかがよくわかる。主に東南アジア海域を舞台に、前近代と近現代、西と東をつなげる画期的な一冊。
  • 世界遺産の日本史
    3.5
    「(日本の)世界遺産からみた日本史」に焦点を当てて、最新の研究成果に基づく日本の歴史・文化についての知見を、世界史の中に位置づける。縄文遺跡群から産業革命遺産、原爆ドームに至るまで、日本の世界文化遺産を正確に紹介した上で、世界遺産と照らし合わせる形で、世界的まなざしから日本史を見据えて各世界遺産の普遍的意義・価値を再検証する。選考の動向や、文化財保護と地域社会との連携の問題も考察する。日本文化史を学びなおすためにも最適な、世界遺産入門の決定版。
  • 天皇・コロナ・ポピュリズム ──昭和史から見る現代日本
    3.5
    コロナ禍の現代日本は、昭和の戦争へ向かった時代に酷似している。メディアの発展と普通選挙の実施でポピュリズム政治が横行。議会制民主主義への懐疑が広まり、天皇をシンボルとしたポピュリズム、民衆による下からの突き上げが起こり、日米戦に突入していく。なぜ天皇は利用されてしまったのか。強制力の弱い名ばかりの国家総動員体制は、いかにして天皇をシンボルとする社会の同調圧力、下からの突き上げで動かされたか。歴史を教訓に、我々はいま何をすべきかを問いなおす。
  • アーバニスト ──魅力ある都市の創生者たち
    3.5
    アーバニスト=ある専門性を持った都市生活者こそが、今後の魅力ある都市づくりの鍵を握っている。都市再生の取り組みは、今から四半世紀ほど前に、産業構造の変化や郊外化の極度の進展を経験した世界の先進各国でほぼ同時に始まった。「都市の負債を資産に変える」その担い手がアーバニストである。概念の成立と変遷を歴史的に追いかけるとともに、その現代像を描写し、都市と人の新たな関係を提示する。
  • 環境社会学入門 ──持続可能な未来をつくる
    3.5
    環境社会学とはどのような学問なのか。近年、「持続可能な未来」が国際社会の最重要課題となるなかで、この学問はいったいどんな道筋を私たちに示してくれるのか。本書では、日本における環境社会学の立ち上げに大きく寄与し、その研究を長年牽引してきた第一人者が、みずからの研究史を振り返りつつ、この学問がもつ魅力とその可能性を浮き彫りにしていく。他人事でなく自分事として環境問題を受け止め、よりよい未来を模索しようとするすべての人のための導きの書。
  • コロナ対策禍の国と自治体 ――災害行政の迷走と閉塞
    3.5
    日本の行政は、突発事態への臨機応変な対応を得意としていない。そこへ想定外の新型コロナウイルスの世界的流行がやってきた。行政は不具合に陥り、国対自治体の構図に象徴される非難応酬が起きている。内閣に権力を集中させて危機管理に当たるかに見せて、それは空想の「災害行政組織」と迷走の「災害行政対応」として閉塞に陥る。民衆にとって行政のコロナ対策自体が禍いとなっている苛政の現状を分析し、現状の権力集中の願望に代わる、地道な災害行政のあるべき姿を考える。
  • アメリカを動かす宗教ナショナリズム
    3.5
    アメリカの社会、政治、外交を考える上で、宗教、すなわちキリスト教の役割ははずせない。伝統的なキリスト教が衰退する一方で、プロテスタントの非主流派「福音派」が政治化・多様化し、それがトランプ前大統領誕生へとつながり、世界に大きな影響を与えたのだ。福音派の歴史や信仰から現代社会に与える影響、アメリカでの宗教ロビーの役割をわかりやすく解説。新型コロナ感染症に対するカトリック、福音派の動きや、2020年大統領選挙に与えた影響も盛り込む。
  • 令和日本の敗戦 ──虚構の経済と蹂躙の政治を暴く
    3.5
    崩壊寸前のこの国は、やがて「令和の敗戦」を迎える……異次元政策のせいで循環せずに停滞し続ける景気、成長なき経済状況のもと疲弊しきった「働く人」と拡大する格差、隠蔽と欺瞞が常態化し民主主義を蹂躙する政権の振る舞い。2013年以来「この道しかない」と各政策を掲げ続ける安倍晋三首相が、戦後最長の期間政権の座に留まったことの末路だ。戦わずして「敗戦する国」日本の正体を、経済・社会・政治の各現場を取材した気鋭の記者が炙り出す。
  • 保育園に通えない子どもたち ──「無園児」という闇
    3.5
    目黒女児虐待死事件で、5歳の被害児は保育園にも幼稚園にも通っていなかった。このような「無園児」家庭に、虐待、貧困、発達障害などの問題があっても、その実態は表面化しづらい。日本全国に3歳から6歳児で9.5万人いると言われている無園児の実態と就園の障壁について、全国4万人を対象とした研究の成果と、無園児の家庭や支援団体への取材を紹介する。病児保育のNPO法人フローレンス代表、駒崎弘樹氏との「幼児教育義務化」についての対談も収録。
  • 二重国籍と日本
    3.5
    人は親や出生地を選べない。ますます多元的になる社会で、複数の国籍を持つ人は必然的に増えていく。蓮舫氏問題で脚光を浴びた「二重国籍」だが、国籍法の運用は旧態依然かつ不透明で、ナショナリズムに絡めた一方的なバッシングも目立った。外国出身者を親に持つ有望なスポーツ選手へ送られる拍手喝采の大きさとは、あまりにも対照的だ。国籍法の規定で外国居住の日本国民が国籍を剝奪される「悲劇」に抵抗する訴訟も起きている。国籍と日本人。私たちはどう考えればいいのか。いま、国民的議論が求められている。
  • ドル化とは何か ──日本で米ドルが使われる日
    3.5
    ドル化とは、日々の経済活動において、国内通貨のみならず米ドルなど信用力が高い外国通貨が使われる経済現象である。財政破綻を迎えた新興国においてその動きが顕著だが、いまや先進国最悪の財政を抱える日本でも、人々が資産防衛の為に預金を米ドルに交換し、日々の決済を米ドルで行う日がやってくるかもしれない。本書では歴史的なドル高の裏で世界的に進んだドル化の分析を通じて、日本で行われている経済運営の見直しを提言する。
  • 路地裏で考える ──世界の饒舌さに抵抗する拠点
    3.5
    人々はみな「いまだけ」「ここだけ」「お金だけ」という世界を生きるようになっている。そこで効率よく生産し、可処分所得を稼ぐことこそが「よいこと」とされ、それらができないものは弱者として切り捨てられていく。しかし、そういったシステムでは誰もが幸せになることはできない。そこで、本書では生活者の視点からそれらのシステムを捉え返し、いかにして乗り越えることが可能なのかを様々な事例から明らかにしていく。
  • 夫婦幻想 ──子あり、子なし、子の成長後
    3.5
    夫婦関係は、今や精神的にも経済的にも不安やリスクを増大させるものへと変容してしまっている。にもかかわらず、人はパートナーを求め続ける。夫婦は実際にどう変わっているのか。かつての理想の夫婦像はすでに「幻想」なのか。いや、変わらない部分――夫婦の根源的な何かがあるのではないか。戦後家族モデル崩壊後の混沌状況における夫婦のあり方を、子どもを作るかどうかの選択、子の成長による変化などにも注目し、長期にわたる確かな取材をベースにその実態に迫っていく。
  • 日本経営哲学史 ──特殊性と普遍性の統合
    3.5
    日本の経営哲学の核心には、古来「和魂」と呼びうる独特の宗教性・倫理道徳性・世界観がある。この和魂が劣化し、日本企業は「モノ造り」から「コト創り」への価値創造の転換に失敗したのだ。本書は、中世から現代までの日本の経営哲学の展開を概観し、渋澤栄一から松下幸之助・本田宗一郎らに至る代表的経営者の系譜をたどりつつ、その思想に顕れた和魂の実相を見る。そして日本再生に向け、日本的特殊性とグローバルな普遍性を最適統合した新和魂の経営哲学を提唱する。
  • 死体は誰のものか ──比較文化史の視点から
    3.5
    死体を忌み嫌い、人の目に触れないようにする現代日本の文化は果たして普遍的なものなのだろうか。中国での死体を使った民衆の抵抗運動、白骨化できない死体「キョンシー」、チベットの「鳥葬」や悪魔祓い、ユダヤ・キリスト教の「復活」「最後の審判」、日本の古典落語に登場する死体、臓器移植をめぐる裁判。様々な時代、地域の例を取り上げ、私たちの死体観を相対化し、来るべき多死社会に向けて、死体といかに向き合うべきかを問い直す。
  • 言語学講義 ──その起源と未来
    3.5
    生成文法、構造主義、社会言語学、……旧来のイメージや枠組みを飛び越え、複雑系言語学、言語死の問題など、言語学には新しい知見や切り口がどんどん登場している。本書では、言語学の全体像や基本の構造を俯瞰しつつ、重要な分岐点にさしかかっている議論や新しい枠組みまでを縦横無尽に取り上げ「言語学の今」を浮かび上がらせてみたい。国家、発達障害、人工知能、……現代に即したキーワードも切り口に、最新言語学をガイドする。
  • 大人が愉しむウイスキー入門
    3.5
    この十年でウイスキーを取り巻く環境は激変した。ジョッキで飲むハイボール、女性が独り酒するシングルモルト、外国人観光客で賑わう蒸留所、一瓶3000万円で落札される国産ウイスキー。本書では、いわばウイスキーの職人・サントリーの名誉チーフブレンダーである著者が、ウイスキーの魅力、特性、楽しみ方から、日本における歴史、ものづくりの現場の楽屋話まで、世界五大ウイスキーの一角を誇るようになったジャパニーズウイスキーの奥深さを余すところなく語る。ウイスキーを“より身近に”“極める”ための必読書!
  • アンダークラス ──新たな下層階級の出現
    3.5
    非正規労働者のうち、パート主婦、専門・管理職以外の人々は、日本には約930万人いる。その平均年収はわずか186万円で、その貧困率は高く、女性ではそれが5割に達している。いじめや不登校といった暗い子ども時代を送った人が多く、健康状態がよくないと自覚する人は四人に一人の割合である。これら「アンダークラス」に属する人びとを、若者・中年、女性、高齢者と、それぞれのケースにわけ、調査データをもとにその実態を明らかにする。今後の日本を見据えるうえで、避けては通れない現実がそこにある。
  • 地方都市の持続可能性 ──「東京ひとり勝ち」を超えて
    3.5
    地方分権の声も虚しく現在の日本は東京ひとり勝ちである。人口データを見ても経済力を見ても、明らかなこの状況、しかしこのままでは行き着く先は共倒れしかない。市町村合併といった具体策も実行されたが、むしろその副作用が露呈した。少子高齢化と長期低迷の時代、地方は衰退するしかないのか? 公共政策に精通する研究者が、全国各都市の栄枯盛衰を人口・産業・競争関係などから俯瞰し、さらに道州制や首都機能移転など、これまでの議論を整理。一風変わった視点から暗い将来像を振り払い、地方が生き残る条件を再検討する。
  • 京都がなぜいちばんなのか
    3.5
    日本のみならず、世界中の人をひきつける有数の観光地、京都。なぜ、京都は今の京都になってきたのか、その過程を探る。対象となるのは名高い京都の神社仏閣だ。それぞれに歴史があり、謎がある。その謎を一つ一つ解いていくと、今とは違う姿をとっていたことが明らかになってくる。「清水の舞台は飛び降りるためにあった?」「焼失前の金閣寺の姿とは?」「苔寺に苔はあったのか?」京都のいまだ隠された魅力を見つけ、人を惹きつけてやまない源泉を明らかにする。
  • 仏教論争 ──「縁起」から本質を問う
    3.5
    二千五百年もの歴史をもつ仏教。その始点にして中核と言い得るのが「縁起」なる法則だ。だが、「これが縁起だ」という定説は、仏教全体としてはいまだ存在していない。本書は、和辻哲郎、三枝充悳といった第一級の知識人、仏教学者が縁起をめぐり繰り広げた論争を俎上に載せ、なぜ彼らが虚構を実体視する罠に陥ったのかを検証。縁起とは何であり、仏教とは何であるかを、透徹した思考で浮かび上がらせた、類例なき書である。
  • 明治史講義【テーマ篇】
    3.5
    幕末・維新期を例外として、明治史について、一般向けに専門研究が紹介されることは多くない。だが、学界においては、明治時代全般にわたる研究が近年も着実に進められている。そこで、信頼できる研究を積み重ねる若手・中堅の実証史家の知を結集。20のテーマで明治史研究の論点を提示し、旧態依然とした過去の歴史観に縛られず、また実証性のない偏った見方にも左右されない、歴史研究の確かな最前線を提示する。続刊『明治史講義【人物篇】』とあわせての明治150年記念出版。
  • 身体が生み出すクリエイティブ
    3.5
    お笑い芸人はなぜ面白い一言を言えるか? 彼ら自身も言語化できないように、お笑いは暗黙の身体知である。プロから一般人まで、人はふとクリエイティブなことをやってのける。そのメカニズムは未解明だが、身体とことばを上手に共存させて発想することが、クリエイティブの源である。日常生活において、体感にしかと向き合って着眼と解釈を行い、なんでも試してみるマインドを持つことが、いまよりもクリエイティブになる秘訣である。それは現在のAIにはまだとても難しいことである。
  • 世界に広がる日本の職人 ──アジアでうけるサービス
    3.5
    流行に敏感な中間層が急速に形成されつつあるアジアのグローバル都市。日本で技術を身につけ腕を磨いた人々が、そうした都市をめざし移住を始めている。彼らが提供する高度な技術とサービスは、現地の消費欲求に応え、徐々に都市のライフスタイルを変化させている。彼らはなぜ移住を決意したのか? どのような日本のサービスがアジアでうけるのか? 彼らを鍛えた日本の仕事現場こそが、グローバルな価値を生み出しているのではないか? 香港の寿司店、バンコクの美容室、シンガポールのバー、台北の日本語学校など、日本人海外移住者が働く現場を分析し、日本の仕事が創る価値を見つめ直す。
  • 現代思想の名著30
    3.5
    近代的思考の限界を乗り越えるため、新たな思考の様式を獲得しようとした「現代思想」。フランスを中心に影響力を及ぼした構造主義から、そこにある近代の残滓を批判的に捉えたポスト構造主義へと発展していった。それらは、従来の「哲学」に限定されることなく、精神分析や言語学など様々な方法論によっては展開された。さらに、その流れは、現代資本主義分析や脱近代的な方向での社会批判の潮流も生み出していく。幅広くかつ難解なものが多い現代思想といわれる著作を一人の書き手が丁寧に解説したこれまでにはないブックガイド。
  • 現代中国入門
    3.5
    中国は理解しにくい。だが理解せずにすむ時代は終わった。変化が速すぎる一方で、伝統中国もまだかなり残る。漢民族が圧倒的に見えても、国土は広く、民族的多様性も無視できない。中間層は増えたが地域間、社会階層間の経済格差も大きい。どの中国が正しい姿なのか。専門研究者・ジャーナリストによる中国研究の最新結果を結集し、中国をバランスよく見る視座を示す。現代史、文化史、思想、社会、軍事、地域研究など分野を異にする十一人が、明快で多彩な講義を繰り広げる。
  • これが答えだ! 少子化問題
    3.5
    人口減少がこのまま続けば「日本は即終了!」といった、絶望的な指摘をする人が少なくない。実際、四半世紀以上にわたって巨額の税金が少子化対策のために注ぎ込まれてきたが、改善の兆しはほとんど表れていない。それどころか、少子化対策に力を入れれば入れるほど効果が薄れるパラドクスが見て取れるという。なぜか? いかなる理由で少子化は進むのか? すべての問いに最終的な解答を与える、少子化問題の決定版である!
  • 科学の限界
    3.5
    科学技術が無秩序に発展し、高度に専門化してしまったことによる弊害が如実に現れている今こそ、科学の限界を見据える視点が求められている。その限界を、人間が生み出すものとしての限界、社会が生み出すものとしての限界、科学に内在する限界、社会とのせめぎ合いにおける限界の四つに分けて考察する。原子力エネルギーの利用に警鐘を鳴らしてきた著者が、3・11以後における科学の倫理を改めて問い直し、身の丈に合った等身大の、社会と調和のとれた科学を提唱する。
  • 天災と日本人 ──地震・洪水・噴火の民俗学
    3.5
    日本は、災害が多い国である。毎年のように、地震、津波、洪水、噴火、土砂崩れ、雪害等が起こっている。古来、日本人はそのような災害と付き合いながら生活を営み、その「復興」と「予防」の知恵を豊富に有していた。そして、それは各地の風習や伝承、記念碑として受け継がれてきたのである。本書では、日本各地の災害の記憶をたずね、掘り起こし、日本人と天災の関係を探っていく。自然に対する感性が鈍ってしまった現在において、必読の一冊!
  • 農本主義のすすめ
    3.5
    そもそも「農」とはなんだろうか。農業に関する議論はたくさんあるが、産業の視点から語ったものに過ぎず、農の本質が語られることは近年ほとんどなかった。しかし、大正から昭和初期に、資本主義と農の本質は相いれないとして、「農本主義」を表明し、人間と自然の関係を問いなおす動きが生まれた。残念ながら昭和前期にはファシズムの温床だと誤解されてしまった「農本主義」を、資本主義が行き詰まりを見せる現在、再評価し、天地ともに生きる新たな思想として案内する。
  • 葬儀と日本人 ──位牌の比較宗教史
    3.5
    無宗教といわれることの多い日本人。だが、葬儀を行ない、時をさだめて墓参し、礼をつくして先祖を祀るのは、私たちの多くが霊魂の存在を漠然とでも感じているからだろう。葬儀のかたちは古代中国の先祖祭祀に由来する。紀元前二世紀、葬式の原型が儒教によってつくられた。以来二千数百年、儒教・道教・仏教が複雑に絡まりあい、各宗教が「先祖を祀る」という感情に回収されていく。本書では、葬儀と位牌の歴史をたどることによって、民族の死生観を考えてゆく。
  • 快楽の効用 ──嗜好品をめぐるあれこれ
    3.5
    嗜好品は古くから見出され、追い求められてきた。酒、煙草、お菓子。コーヒー、お茶、チョコレートなどのカフェイン。これらの多くは稀少品であったが、資本主義の発展とともに、大衆消費品となっていく。この過程をたどると、快楽と癒着した歴史が浮かび上がり、欲望の形が明らかになる。なぜひとは嗜好品を求めるのか? それを快楽とするならば、快楽とは何なのか? 嗜みとつき合うための技術と経験とは? 人文学と科学の両方の知見を援用しながら、生命の余剰とでもいうべき嗜好品を考察し、人間の実存に迫る一冊。
  • 移民大国アメリカ
    3.5
    世界最大の移民国アメリカは、いま大きな危機を迎えている。一九九〇年代以降、中南米出身の移民が急増し、現在一〇〇〇万人を超える不法移民がいる。多くの移民の支持を得たオバマ大統領は、五〇〇万人を超える不法移民に合法的地位を与えた。建国以来、移民の国であることに誇りを持ってきた米国人の間で、不法移民批判が高まりつつある。米国の移民政策はどこに向かうのか。日本はどう対応すべきなのか。気鋭の政治学者が、移民問題を切り口に米国社会を鮮やかに分析する。
  • 鴨長明 ──自由のこころ
    3.5
    日本人なら、誰もが習い覚えた『方丈記』。その作者の鴨長明といえば、「数寄」の語で語られ、ディレッタントともいわれてきた。他方、その世界観は、しばしば仏教的無常観といわれてきた。これまで鴨長明の名は、かなりの長きにわたってよく知られてきたが、その像は、なかなかひとつに結ばれなかった。そこで、『方丈記』に『無名抄』『発心集』を加えた三作から、新たな鴨長明像を提出する。そして、「ゆく河の流れは絶えずして」にはじまる世界観がなぜ現代人の心によく響くのかを明らかにする。
  • 北朝鮮で何が起きているのか ――金正恩体制の実相
    3.5
    弾道ミサイル発射、核実験、南北朝鮮の休戦協定の白紙化通告、ムスダンミサイルの配備――なぜ北朝鮮は、この一年あまりの間、好戦的な発言と挑発を繰り返してきているのか。そこには、金正日の死後半年足らずで党・軍・国家の最高首位のポストに就かざるを得なかった金正恩の深刻な権威不足という事情がある。いま金正恩指導部で何が起きているのか。北朝鮮ウォッチャーとして長年にわたり活躍してきた第一人者が現状を的確に分析し、日本や国際社会がとるべき対応を提示する。
  • 部落解放同盟「糾弾」史 ――メディアと差別表現
    3.5
    1922年京都岡崎公会堂で開かれた全国水平社創立大会は、決議第一項で次のように意思表示している。「吾々に対し穢多及び特殊部落民等の言行によって侮辱の意志を表示したる時は徹底的糾弾を為す」。この精神は差別者たちへの抗議・糾弾の中で、全面展開されてきた。糾弾は部落解放運動の生命線である。しかし憎悪をむき出しにした悪質な差別は現在も再生産され続けている。問題は何一つ解決していない。ところが中心になるべき解放同盟中央本部は弱体化している。いったい問題はどこにあるか。反差別運動の再生へ、いま狼煙を上げる。
  • 地域再生の戦略 ――「交通まちづくり」というアプローチ
    3.5
    これまで地域を再生するために様々な施策が取り組まれてきた。しかし、現実には衰退は変わらず続いている。地方では自動車利用を優先した都市計画により、中心市街地の空洞化、路線バスの廃止が進み、衰退は加速した。この悪循環を止め、地方を復活させる鍵は、鉄道・バスといった「公共交通」の見直しである。そこからコンパクトな街が再生される。日本でも注目を集める「交通まちづくり」というアプローチを紹介し、本当の地方創生の方法を提案する。
  • 骨が語る日本人の歴史
    3.5
    発掘された古人骨を調べ、当時の人の様子を明らかにする「骨考古学」。その進展によって、日本列島の歴史は大きく書き換えられねばならないことがわかってきた。実は縄文人は南方からやってきたのではない。大陸から渡来した弥生人が縄文人を駆逐したというのも本当ではない。そもそも「弥生人顔」など存在しない―旧来の歴史学に根強く残る誤謬を科学的視点から検証。人々の生身の姿を復原し歴史をひもとく「身体史観」を提唱する。骨考古学の第一人者が、日本人の実像に迫る。
  • キリスト教の真実 ─―西洋近代をもたらした宗教思想
    3.5
    キリスト教は、出現した当時のギリシャ世界において、既存の宗教の枠を超える「型やぶり」な思想であった。ユダヤ教から派生した「突然変異」ともいえるキリスト教が、ギリシャ思想の精髄を吸収しながら古代ローマ世界に浸透し、やがて近代ヨーロッパを覚醒させる。本書では、教義に内在する普遍主義の歴史的連続性を読み解き、修道院がその伝承を担った中世の世界をさぐる。近代主義者たちはキリスト教の歴史事実を意図的に否定するが、その歪曲がなぜ必要だったのかを考える。キリスト教という合わせ鏡をとおして、現代世界の底流にある設計思想を解明する探究の書。
  • ルポ 高齢者ケア ――都市の戦略、地方の再生
    3.5
    「高齢者ケア」は、いま正念場を迎えている。超高齢社会となった現在、大都市圏では独居高齢者や生活困窮高齢者の増加、地方では人口減と市街地の限界集落化などの深刻な問題を抱えている。そのような切迫した事態に対応し、利用者にとって最善のケアとは何か。本書は、各地で奮闘した先進的な取り組みを進めている人びとを取材し、その答を追い求めていく。また、東日本大震災の被災地では、困難な状況下で、新しい取り組みが果敢に進められている。その取材を通して、地域医療、生活困難者支援の未来を考える。
  • 若者はなぜ「決めつける」のか ――壊れゆく社会を生き抜く思考
    3.5
    近年、個人から政府まで、物事をすぐに判断し、とりあえず「決めつけ」て行動することがトレンドになっている。特に若者は、世間から決めつけられ、バッシングされ、「どうせ何も変わらない」と自分でも決めつけてしまう。若者がまともな仕事に就けず、選択肢もないのに、すべてを「自己責任」とされる、この理不尽な時代の背景にあるのはいったい何なのか。そして、生き抜くためには何をするべきなのか。本書は、生きることが困難な現代において、あきらめず、決めつけず、考えつつ歩んでいくためのガイドブックである。
  • 思考実験
    3.5
    議論をより深めるために用いられる思考実験。哲学における古典的な問題から、SF小説の一場面のようなものまで、その射程はとてつもなく長い。だから、哲学的に思考する経験がない人にでも、考える手がかりとなるだろう。本書では、自己、他者、倫理、社会といった四つの分野にわけて、読者の頭を悩ませる思考実験をセレクトした。また、「現代」というこの世界を感じ取れる読み物としてもいける。
  • 知的生活習慣
    3.5
    無知であることを自覚して営む日々の暮らしこそ、知的生活である。年をとって忘れっぽくなるのを嘆くことはない。むしろ日々これ新しく前進する、と考えよう。老年恐れるに足らず、との心境に至れば、人生は明るく楽しいものになる――そう考えるのが外山流の知的生活。さまざまな日常の局面におけるちょっとした工夫を習慣化することで、老若男女を問わず誰でも日々向上することができる。九十歳を越えた今も知的創造を続ける知の巨人による、『思考の整理学』実践編。
  • 外国人労働者新時代
    3.5
    本格的な少子・高齢化の時代を迎え、外国人労働者・移民受入れをめぐる議論がいま、注目を集めている。人口問題を移民受入れで解決することは可能なのか?外国人労働者とその家族に、定住への道は開かれるのか?スキャンダルにゆれる外国人研修・技能実習制度を、真に意味のあるものにしていくことはできるのか?欧米諸国の経験もふまえて論点を整理しつつ、アジア諸国と連動した人材開発という新たな視点から、人材国際化への道筋を示す。
  • 定食学入門
    3.5
    今日はショウガ焼きで精をつけるか。それともサバ味噌にするか。でも、ホッケも捨てがたい。小鉢は、ゴマ和えもいいし贅沢に明太子もいいな。とりあえず、ご飯は大盛りで!男たちにとって、大切な栄養源である定食屋。初めての土地でも名店を嗅ぎ分ける極意から、変り種ご当地名物、ふだん何気なく食べている食材やメニューの意外な歴史まで網羅。お腹いっぱい食べ歩き、調べ尽くして、魅力のすべてを解き明かす。本邦初の定食学入門。
  • 童貞としての宮沢賢治
    3.5
    宮沢賢治は生涯独身を貫いた。それを自己犠牲による高邁な思想と捉えず、彼の作品を性的妄想がうずまく不純な産物として読みなおすと、これまでとは違う賢治像に出会える。「童貞」として、他者との関係を自ら断っていく賢治の生き方は、現代のさまざまなコミュニケーション障害の病につながり、また絶対的な他者との同一化を目指すテロリズムの思想にも親和性をもつ。まったく新しい宮沢賢治の世界を俯瞰する、挑戦的な一冊。
  • 英単語のあぶない常識 ――翻訳名人は訳語をこう決める
    3.5
    英和辞書の訳語は役にたつ。先人の知恵がつまっているからだ。しかし過信は禁物。英語と日本語の意味の重なりとずれを知らなければ誤訳・迷訳が生まれることに。本書は、当代きっての翻訳家が基本英単語の意味を英英辞書で調べ、代表的な英和辞書の訳語を探し、国語辞典で日本語の意味を確定し、インターネット上の英文でその訳語が使えるかを判断し、使えるケースはどのくらいの比率かをはじき出すという方法で、だれもが覚えている訳語の常識を洗い直した画期的な翻訳術入門である。
  • 遺言状を書いてみる
    3.5
    「自分が死んでしまったら、あとは野となれ山となれ。そんなことにワシャ興味がない」そう言ってた人が死んだらば、たいした遺産じゃないのに兄弟で大揉め。親が死んではじめて気づく―自分の死後は大丈夫?心配になったら遺言状を書いてみよう。漠たる不安は軽くなり、明日を生きる元気も湧いてくる。ご存知キムラ弁護士が、遺言初歩の初歩から、「葬儀をせずに散骨したい」「ネコに年金をあげたい」という願いまで、あなたの切実な相談に、わかりやすくお答えします。
  • 不良少年
    3.5
    不良とは何だろうか。世間から社会的な劣等者ないしは犯罪者予備軍というレッテルを貼られる存在でありながら、一方で息の詰まりそうな管理社会に風穴をあけるトリックスター的存在。かつてこの両義性によって不良精神が輝いてみえる時代もあったが、それもいまはノスタルジーとして語られるのみである。恐るべき若者たちに対する近代国家の管理と保護の動向を鳥瞰しつつ、トリュフォーの映画や戦後日本のマンガ・劇画に登場する不良少年たちの反抗と運命を共感をもって描くもうひとつの若者文化論。
  • 大人の敬語コミュニケーション
    3.5
    敬語は必要だ。その場に相応しい敬語が自然に使えれば、ビジネスでもプライベートでも、より望ましいコミュニケーションができるに違いない。でも敬語は難しい。「尊敬語」か「謙譲語」か混乱する。間違いに目クジラを立てる人も多い。どうしたら、より洗練された敬語を使えるようになるのだろう…。本書では、敬語をコミュニケーション全体のなかで捉え、相手を尊重しながら自分自身を表現する手段として体系的に整理、具体的なシーンを想定しながら「敬語コミュニケーション」能力を磨く。
  • 越境の古代史 ――倭と日本をめぐるアジアンネットワーク
    3.5
    諸豪族による多元外交、生産物の国際的分業、流入する新技術……。古代の列島社会は、内と外が交錯しあうアジアのネットワークの舞台である。倭国の時代から、律令国家成立以後まで、歴史を動かし続けた「人の交流」を、実証的に再現し、国家間関係として描かれがちな古代日本とアジアの関係史を捉え直す。
  • 人間は脳で食べている
    3.5
    どうせ食事をするならばおいしいものが食べたい。しかし、どういうものが「おいしい」のだろう?栄養があるもの?食べなれているもの?あるいは高価なもの?「おいしさ」というのは、実は生理的、あるいは文化的な数々のファクターが組み合わさったきわめて複雑な現象なのである。本書では、多様なレベルの考察を通して、その正体を追求し、その中でも、現代人にとって、もっとも重要な「情報のおいしさ」の構造とその行き過ぎを考える。
  • 12歳からの現代思想
    3.5
    「現代思想」と聞くと、どうしても「ムズカシそう」というイメージを浮かべがちだ。けれども、差し出されているメッセージ自体はけっして難解なものではない。性、環境、心、コミュニケーション、民主主義…、その問題群は私たちのすぐそばにあることばかり。著者はその一つ一つをやさしく解きほぐしながら、新たなものの見方や発想へのきっかけをつくろうとする。この時代を生きるすべての人に届けたい入門書。
  • 戦争報道
    3.5
    ジャーナリズムは、戦場の悲惨を世に訴える一方で、ときに率先して好戦論を喚起し、戦火に油を注ぐような役割も担ってきた。このような歪んだ構図が生まれるのはなぜか? 戦争報道のあゆみを、文学・映画からインターネットにまでたどることで、ジャーナリズムと戦争との危うい関係を浮き彫りにし、根底より問いなおす。
  • 真理の哲学
    3.5
    なぜわれわれは一面的な見方を絶対的なものと思いこんでしまうのか? この病いを癒すためにもっとも有効なのが、ニーチェにはじまる二〇世紀の哲学にほかならない。ニーチェ、フッサール、メルロ=ポンティ、そしてフーコーを軸に、さらに分析哲学の真理観までを紹介。現代哲学の、そして、われわれが生きることの入門書。
  • 帰ってきたもてない男 ──女性嫌悪を超えて
    3.5
    ついに、あの男が帰ってきた! 一度は結婚し、裏切り者呼ばわりもされたが、今また、独り身になり、より弱気になって帰ってきた。二十一世紀を数年経過した現在における「もてない男」、とくに今度は「男のセカンドヴァージン」「三十代美人どもの高飛車ぶり」などの観点から、恋愛、結婚、負け犬、出会い系サイト、女性嫌悪、等々の男女関連諸問題を斬ってゆく。痛快無比な真剣勝負。

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