ちくま新書作品一覧

  • 倫理学原論 ――直感的善悪と学問の憂鬱なすれちがい
    3.0
    本書は、倫理学を学びたい人、社会の多様な出来事に倫理的問題を見出だそうとする人に向けて、倫理的諸問題と倫理学の関係を斜めに解き明かし、倫理学の全体像を描き出す。まず倫理・倫理学とは何かを整理し、倫理学という学問の日本における受容史を解説。さらに、倫理学のもつ根本問題――倫理の実践はどうあるべきか、真の善を目的とした行動に人々を駆り立ててよいのか――を根源から考察。学問としての倫理学が真に目指すべきものと、倫理学的観点の面白さとを伝える。
  • ルポ 歌舞伎町の路上売春 ――それでも「立ちんぼ」を続ける彼女たち
    3.0
    2022年の晩秋、歌舞伎町の一角で「立ちんぼ」をする若い女性が急増した。「たちんぼ」とは路上売春のことだ。風俗店で働くのとは違い、買春客に金を奪われたり、ラブホテルの密室で暴力を振るわれたりといったリスクがあるにもかかわらず、彼女たちはなぜ路上で「売る」のか。毎日新聞社会部記者が、60人以上の女性たちのほか、自分たちに貢がせようとするホストたち、彼女らを支援し続けるNPO、路上売春を取り締まる警察など、100日以上にわたって多角的に取材、その「リアル」に迫ったルポ。
  • 大還暦 ――人生に年齢の「壁」はない
    3.0
    人間は、どうやら120歳(大還暦)まで生きることができるらしい――そんな時代に長い老後をどう生きて、どう死んでいくのか。それを考える上で、「宗教」は役に立つのか。宗教学者の著者が、日本人の死に方、生き方、宗教の衰退について、そして、最期まで充実して楽しく過ごすにはどうしたらいいかを考える。秘訣は「怒らない」「超然とする」「自分にとって切実な、学ぶテーマを見つける」!
  • 古代史講義【海外交流篇】
    3.0
    邪馬台国、倭の五王の時代から平安時代の鴻臚館交易にいたるまでの時代を追って、日本列島と中国の隋・唐や高句麗・百済・新羅・加耶など半島諸国、さらに渤海といった東アジアとの多面的な海外交流の実情を解説。諸地域との間に起きた政治的事件や文化交流をテーマとした十五講で最新の研究状況を紹介しながら、時代背景としての列島古代の国際的環境の実像を明らかにする。東アジア的視野から海外交流・国際関係をとらえ直し、グローバルな歴史像を展開する新しい古代史。
  • 「東京文学散歩」を歩く
    3.0
    戦前の作家の暮らしの跡や文学作品の舞台となった場所を訪ね歩き、往時を本の中に「復元」した野田宇太郎による『東京文学散歩』シリーズは、1950~60年代に一大文学散歩ブームを引き起こした。本書は『東京文学散歩』から、往年と現在との比較が興味深い個所や、野田の主張が強く見て取れる個所などを紹介しつつ、実際にいまの東京を訪ね歩いて検証。さらに独自のコースも提唱し、新たな散歩の楽しみを提案する。昭和の文学散歩の時代を追体験できる文学ガイドブック。
  • 中世哲学入門 ――存在の海をめぐる思想史
    3.0
    未踏の大地だった中世哲学は、20世紀に入ると忘却の淵から蘇った。歴史的な関心よりも、現代における問題に直結する哲学として光が当てられ、中世論理学が言語哲学への枠組みを提供するなど、非合理でも素朴でもなく、煩瑣で無内容でもない中世哲学の姿が示されるようになってきた。中世哲学への入り口を示し、基本用語への解説を加えつつ存在の問題からアヴィセンナの存在論、存在の一義性、個体化論、普遍論争へと、存在の海をめぐる思想史を丁寧に案内する決定版入門書。
  • 天武天皇
    3.0
    律令国家の基礎を築き、記紀の編纂に着手した天皇として広く知られる天武天皇。だが、その前半生については不明な点が多い。その生涯を明らかにしつつ、天武天皇の敷いた皇親政治(天皇と皇親〔皇族〕を主体とする政治体制)の実態について考察。さらに天武天皇が導入しようとした律令制度はどのようなものか、なぜ導入しようとしたのかを浄御原令をもとに検証。天武天皇が深く関わった仏教政策の意味についても検討する。天武天皇の実像と古代政治体制の実態を明らかにする入門書。
  • 東北史講義【近世・近現代篇】
    3.0
    「東北」とは、幕末から近代において作られた言葉である。古代以来の律令制国たる陸奥・出羽二国の領域を「東北」と呼称して、地方の一体性を強調する現象が発生していくのは、主に近代以降のこと。時としてそこには「後進」や「周辺」の意味が込められている場合がある。本書は、この問題関心のもと、近世・近現代の東北史を三つの視点から描写する。一点目は、中央との位置。二点目は、各地との交流。三点目は、中央の影響力のもとでの地域の独自性である。
  • 思想史講義【戦前昭和篇】
    3.0
    「大正デモクラシー」から「ファシズム」・戦争へと移行した戦前昭和期は「国体」の再構築と「文明化」の超克がめざされた時代だった。大正期の民主化運動は衰退し、アジア回帰、国家総動員、文化主義は戦前昭和期にアジア進出、総力戦体制、日本主義・国体論へと展開。大正期の「文明化」との差異化が「転向」の時代をへて「近代の超克」へ推し進められていった。様々な思想がせめぎ合い、複雑に絡み合いつつ日本がいかに戦争へと向かい、戦争を遂行したかを最新研究に基づき検証する。
  • ルポ 副反応疑い死 ──ワクチン政策と薬害を問いなおす
    3.0
    新型コロナワクチン接種後の副反応疑い死亡報告は1900件に迫る。健康被害救済制度もあるが、驚くほど因果関係は認められない。厚労省と巨大製薬企業が築く壁。打ちひしがれる遺族、因果関係を示す主治医や解剖医、遺伝医学者、製薬メーカー、制度を仕切る厚労官僚などを綿密に取材。副反応と死の間の真実、制度の闇、構造的要因を白日の下にさらす。
  • ルポ 動物園
    3.0
    2008年に著者は、日本各地の動物園・水族館にいる、動物と動物に関わるひとびとを訪ねる連載をスタートさせる。「動物園とは動物を収集・飼育・展示する施設である」この定義から導かれる、動物園の持つ原罪とは何か。動物園のメディアとしての特性は何か。動物を擬人化してもいいのか。飼育係は、どのように動物と関わるのか。共同通信の記者が全国をまわって考えた、動物園の過去、現在、そして未来。
  • ケルトの世界 ──神話と歴史のあいだ
    3.0
    ギリシア・ローマやキリスト教と並ぶもう一つのヨーロッパの源流とされ、 日本でも根強い人気を誇るケルト文化。だが、 近年ではケルト神話やケルト音楽からイメージされるような島のケルトと歴史上のケルト人との連続性にはさまざまな異論があり、なかにはその実在を疑う「ケルト否定論」すら展開されている。では、古代ケルト人とは何者だったのか。 著名な神話を入り口に、それを考古学的・歴史学的知見と照らし合わせることで、古代ケルトの生活世界へと分け入る入門書。
  • 戦争と平和の国際政治
    3.0
    世界は「100年に一度の大変局」(習近平国家主席)の時代に突入した。長年外交の第一線に携わり、その後東京大学で教鞭をとった著者が、実務と理論の両面から国際政治の本質を明らかにし、その上で日本周辺の危機を読み解き、ウクライナ戦争の意味と国際秩序の変動を論じる。米中対立で不透明感を増す日本の平和と繁栄をどう維持して行くか、国家生存の課題を問い直す。
  • 教養としての能楽史
    3.0
    能は退屈どころか、本当はとてつもなく面白い。700年におよぶ日本の伝統文化の蓄積があるからだ。太閤・秀吉や五代将軍綱吉は相当な能狂いだった、桃山時代までの能は今のおよそ2倍の速度で演じられていた、世阿弥の晩年はよくわからず、その著書『風姿花伝』は明治末年まで一般にはその存在すら知られていなかった――等々、能の歴史を楽しく学びつつ、日本の伝統芸能の本質も理解できる。日本人なら教養として知っておきたい、確かな史料に基づいた能楽史の入門書決定版。
  • 思想史講義【明治篇Ⅰ】
    3.0
    四巻シリーズによる近代日本思想史の起点となる本書では、明治維新をめぐるさまざまな思想を考察する。文明開化は単なる「西洋化」だったのか。富国強兵は本当に維新当初からスローガンだったのか。最新の実証的研究に基づく16のテーマと8本のコラムにより、諸思想を掘り下げて検討。多彩な論点で歴史を行きつ戻りつたどることで、思想史の力を引き出し、従来の単線的な明治維新像を刷新する。過去を考える意味とおもしろさがわかる、これまでにない明治維新思想史入門。
  • 思想史講義【大正篇】
    3.0
    明治~戦前昭和の思想史を通覧する四巻シリーズの第1回配本の本書では、大正期に焦点を当てる。明治以来の「国体」の確立と文明化推進の動きはこの時期に変容し、現存する日本を改造し解放への希望を与える思想と運動が盛んとなった。国家主導だった文明化と「国体」の設定を、民衆の側から再設定する動きが広がり、知識人や運動家がその動きを担っていく。こうした大正期の多様な思想を15のテーマと11のコラムで、最新の研究成果と学術的知見を交えつつわかりやすく解き明かす。
  • 認知症パンデミック
    3.0
    コロナ禍による「ステイホーム」が認知症パンデミックを引き起こしている。コロナと、それに伴う過剰な反応による「自発的ロックダウン」が認知症を引き起こしているのだ。対策としては生活習慣の改善を図り、また早期発見を進めるしかない。薬の服用と運動習慣改善の併用を提案するとともに、認知症の本質に迫り、脳の理想的なあり方を考える。早期発見のためのAIによる顔写真・脳のスキャン画像による画像診断などの最新研究も紹介。認知症の蔓延を克服する道を提示する。
  • 国連安保理とウクライナ侵攻
    3.0
    「あなたたちは国連を終わりにするのか。いいえと言うならただちに行動すべきだ」。2022年4月5日、ウクライナのゼレンスキー大統領は、国連安全保障理事会でのオンライン演説で訴えた。安全保障理事会で拒否権を持つ五つの常任理事国の一国であるロシアによるウクライナ侵攻は、安保理の機能を停止させ、国際秩序の根幹を揺るがしている。たった五つの国にだけ拒否権という特権を認める歪な仕組みはなぜ生まれ、温存されてきたのか。その誕生からウクライナ侵攻を巡る攻防まで、国連安全保障理事会の真実を描く。
  • 明治史講義【グローバル研究篇】
    3.0
    かつて西洋文明の圏外にあった日本は、西洋に由来する価値観や制度を受容し、定着させ、近代化を成し遂げた。明治維新が稀有な人類の歴史的経験であることに疑いの余地はない。それはいかなる思想と条件の下、可能となったのか。明治維新は世界史においていかに語られ、そこにどんな意味が見出されているのか。世界各地域の第一線で活躍する日本研究者の知を結集し、定説とされる歴史観に囚われず、国際的に大きなインパクトを与えた明治維新の世界史的意義を多面的に検証する。
  • パンデミック監視社会
    3.0
    今回のパンデミックは、データ分析や機械学習が興隆する監視資本主義の時代に生じた、未曾有の事態である――。猛威をふるうウイルスに対処するため監視技術が広範に活用され、監視によるデータ収集や人々の行動追跡・制御は、ときに権威主義と共鳴しつつも、驚くほどスムーズに受け入れられていった。パンデミックは私たちの世界をどう変えたのか。「コロナ前」に戻ることは本当に可能なのか。監視研究の世界的権威が、新型コロナウイルスがもたらした真の脅威に迫る。
  • 縄文vs.弥生 ――先史時代を九つの視点で比較する
    3.0
    採集狩猟を中心とした縄文時代から、農耕を営み文明化や国家の形成が進む弥生時代へ。一般に日本の歴史の大きな分水嶺がここにあるとされてきた。では、この対照的な二つの時代は実際にはどのようなものだったのか。縄文と弥生の文化を専門とする第一人者が、最新の研究成果に基づき、農耕、漁撈、狩猟、通過儀礼、祖先祭祀、格差、ジェンダー、動物表現、土器という九つの視点から当時の生活を描き出す。さらに現代社会が抱える問題の起源を検証する。
  • 邪馬台国再考 ――女王国・邪馬台国・ヤマト政権
    3.0
    長年にわたり論争となってきた邪馬台国の所在地。考古学では、纒向遺跡の発掘により畿内説で決着したとされるが、歴史学の文献研究では『魏志倭人伝』の記載から九州説が支持されている。本書はこの矛盾の解決を図るべく、畿内ヤマト国(邪馬台国)と北九州ヤマト国(女王国)が併存していたとし、卑弥呼は後者の女王と考える。さらに『日本書紀』『古事記』などの史書や大和朝廷に直接つながるその後の歴史との親和性・連続性も検討し、文献史学と考古学の研究成果の調和を目指す。
  • コロナ政策の費用対効果
    3.0
    人と人との接触を完全に断てばコロナウイルスに感染しないが、それでは経済・社会・生活の基盤が崩壊する。それらの維持と感染源との遮断、医療体制の整備といった政策を総合的に組み立てていくにはどうすればよいか。PCR検査、緊急事態宣言、医療提供、給付金や休業補償などをめぐるコロナ政策の費用対効果を数量的に分析。より効果的に人々の命を救い、経済の犠牲を少なくする方法があったかどうかを検討し、多岐にわたる政策の当否を検証。今後あるべき政策を提言する。
  • グローバリゼーション ──移動から現代を読みとく
    3.0
    急増する移民・難民、各地で台頭する自国中心主義や排外主義、そしてますます拡大する経済格差……。ヒトやモノ、カネ、情報の国境を越えた移動を基礎に飛躍的な発展を遂げたはずの現代世界で、いったい何が起きているのか。本書では、現代をグローバリゼーションの時代と捉え、国民国家や国民経済といった近代社会の前提とされてきた枠組みを、移動という視点から再検討していく。グローバリゼーションと国家との逆説的な関係を解きほぐし、現代世界の深層に鋭く迫る。
  • 戦略思想史入門 ──孫子からリデルハートまで
    3.0
    古代から現代までの戦略思想家のなかから孫子(孫武)、マキャベリ、ジョミニ、クラウゼヴィッツ、マハン、リデルハートという六人を取り上げ、彼らが戦争と直接向き合い培った戦略思想のエッセンスを抽出する。六人それぞれの戦略思想を上位概念から、実際の戦場における戦い方についての考えまで幅を広げて検討。戦略概念を主軸に、政治と軍事の関係を焦点に分析し、最前線での用兵思想などのあり方についても考察する。古典から現代に至るまでの戦略思想の流れがわかる入門書。
  • 関東大震災「虐殺否定」の真相 ──ハーバード大学教授の論拠を検証する
    3.0
    「関東大震災における朝鮮人虐殺はなかった/少なかった」「正当な自衛行為だった」。学術的には顧みられることがなかったこのような「虐殺否定」論が論文となり、ケンブリッジ大学出版局刊行の書籍に収録される予定があった。執筆者はハーバード大学教授。論文を読み進めてみると、主張の根拠とされているのは当時の日本の新聞だった。震災直後の混乱のなかで紙面に躍ったフェイクニュースは、なぜ、どのように生まれたのか。長年新聞社に勤めた著者が、報道の責任を総括する。
  • インドネシア ──世界最大のイスラームの国
    3.0
    世界一のイスラーム人口を誇るインドネシアは、独立後、シャリーア(イスラーム法)を国法としない共和国となった。しかし、教義に厳格なムスリムと、より柔軟に教義を解釈するムスリムの溝は埋まることはなかった。そのなかで人々は何を考え、どのような社会を創り上げたのか。インドネシアに計8年間暮らし、その文化と宗教を研究してきた社会人類学者が、綿密なフィールドワークで得た多様なムスリムの声とともに、教義と実践の狭間で揺れる大国の論理と実態を描きだす。
  • 東映任侠映画120本斬り
    3.0
    1960年代後半から70年代にかけて、高度成長まっただ中の時代に、ヤクザの世界を描いた作品群が量産される。鶴田浩二、高倉健、藤純子、菅原文太などがスクリーン上で活躍する姿は一世を風靡した。それらの作品を同時代に見続けてきた著者が、その面白さの秘密を探る。『網走番外地』『日本俠客伝』『昭和残俠伝』『緋牡丹博徒』などの人気シリーズをはじめ、隠れた名作や傑作を再発見する!
  • リンパのふしぎ ──未病の仕組みを解き明かす
    3.0
    リンパとは、毛細血管と細胞のあいだに存在するすき間「内部環境」を満たす液体がリンパ管に流れ出したものです。リンパは、毛細血管や細静脈から漏れ出した水分やアルブミン、細胞で生み出された老廃物を運んだり、病気のもとのウイルスや細菌を撃退するなど重要な役割を担っています。本書では、免疫力と腸のリンパとの深い関係など最新の研究成果も含め、「未病」つまり病気を未然に防ぐためのからだの仕組みを医学的根拠に基づいて紹介していきたいと思います。
  • 民主党政権 未完の日本改革
    3.0
    2009年8月の総選挙でマニフェストを掲げて自民党を倒して誕生した民主党政権。子ども手当、高校無償化、介護保険制度の充実をはじめ、福祉、教育、子育て、雇用などの分野で多くの政策を実現した。その足跡は本当に失敗だったのか。原発事故対応は現在では評価されており、政治主導に向けた諸改革、福祉政策など多くは現在も引き継がれている。民主党政権の政策を検証しなおすとともに、その後の自民党政治も検証し、未完の日本改革をリベラル勢力復活に向けて掲げ直す。
  • 疫病の精神史 ――ユダヤ・キリスト教の穢れと救い
    3.0
    ペスト、赤痢、コレラ、スペイン風邪、新型コロナ――、古代から現代まで、人類は疫病とどのように向き合ってきたのか。律法により衛生管理を徹底し「穢れ」を排除したユダヤ教と、病者に寄り添い「魂の救い」の必要性を説いたキリスト教。二つの価値観が対立しつつ融合し、やがて西欧近代という大きな流れへと発展してゆく。聖書に描かれた病者たち、中世の聖者や王が施す治療、神なき現代社会で「健康」を消費する現代医学。疫病に翻弄される世界の歴史を描き、精神の変遷を追う。
  • 日本の農村 ――農村社会学に見る東西南北
    3.0
    近代化によって日本の農村生活は大きく変わった。農村社会が瓦解すれば日本社会そのものが瓦解するとの危機感を抱いた農村社会学者は、20世紀初めからその移り変わりを長く記録してきた。本書はその記録を読み解くことで、日本の各地域の農村のあり方、農村における「家」と「村」の歴史を再構成する。「同族団」と「自然村」のあり方、農村のタイプによる地域差など、ともすれば現在の我々が忘れ去ってしまいそうな農家・農村の姿を見いだしていく。日本農村社会学の総括。
  • アメリカ黒人史 ――奴隷制からBLMまで
    3.0
    奴隷制が始まって以来、黒人は白人による差別や迫害に常に遭ってきた。奴隷船やプランテーションでの非人間的な扱いを生き延び、解放され自由民になっても、「約束の地」である北部に逃れても、彼らが人種差別から解放されることはなかった。400年にわたり黒人の生活と命を脅かしつづけてきた差別と、地下鉄道、公民権運動、そしてブラック・ライブズ・マター(BLM)に至る「たたかい」の歴史を、アメリカ南部出身の著者が解説する。
  • 知っておきたい感染症【新版】 ──新型コロナと21世紀型パンデミック
    3.0
    2020年、新型コロナウイルスが世界的に流行し、多くの人を死に至らしめ、混乱はまだまだ続いている。高速大量輸送、人口爆発の21世紀において、これは起こるべくして起こったパンデミック(感染爆発)であった。新型コロナウイルスをはじめ、鳥インフルエンザやSARSなど、近年の感染症の流行にはどんな特徴があったのか? そして、今後の危機を防ぐために、私たちは何をするべきなのか? 生き延びるために知っておくべき必須の知識を授ける。
  • 消費税増税と社会保障改革
    3.0
    消費税増税で経済が急速に冷え込むさなか、新型コロナで私たちは痛めつけられた。そもそも消費税増税の理由は噓ばかりで、社会保障は後退し続けているし、年金・医療・介護・子育てすべてにおいて、高負担低福祉状態にあり、疫病の流行で、その危機は一層深まった。いっぽう大企業の法人税や高額所得者への所得税は減税が強行される。日本の税制と社会保障はいまどうなっているのか。今後どうすれば建てなおすことができるか。
  • 天皇と右翼・左翼 ──日本近現代史の隠された対立構造
    3.0
    近現代日本を動かしてきたのは、幕末以来の天皇家と伏見宮系皇族(旧宮家)の対立と裏社会の暗闘である。対米戦争へ主導したのは反英米的な軍・伏見宮系皇族・一部の長州閥有力者で、彼ら右派は昭和二十年八月十五日の宮城事件、三島事件など数多く事件を起こし、潜在的に反(昭和)天皇だった。昭和天皇・貞明皇后は左派勢力と個人的につながり、親天皇=保守=右翼ではなかったのだ。従来の右翼・左翼観を打ち破り、近現代日本の支配層における対立構造を天皇を軸に描き直す。
  • 山口組の平成史
    3.0
    史上最悪の抗争といわれる山一抗争での山口組四代目組長暗殺。そして平成とともに誕生した五代目山口組。時あたかもバブル経済。その裏仕事を請け負って跳梁跋扈した金満ヤクザ。しかし、その反動は大きく暴力団対策法が制定され、ヤクザ社会は厳しい時代を迎える。ヤクザにとって平成の時代は天国で始まり、地獄で終わったといえる。この間に起きた、宅見若頭暗殺事件、暴力団排除の強化、そして分裂などを、元顧問弁護士の立場から解き明かす。
  • 女のキリスト教史 ──「もう一つのフェミニズム」の系譜
    3.0
    キリスト教は女性をどのように眼差してきたのか。ミートゥー運動に象徴される、現代の「男女同権」を目指すフェミニズムとは異なり、ヨーロッパにはカトリックを起源とする「もう一つのフェミニズム」の水脈があった。聖母マリア、マグダラのマリアに始まり、中世修道院の女性たち、異端として処刑されたジャンヌ・ダルク、国と宗教を超え崇敬される現代の聖女マザー・テレサまで、キリスト教における女性への差別と崇敬の歴史を明らかにする。
  • 日本の民俗宗教
    3.0
    「日本独自の文化・伝統」はどのようにして生まれたのか。天皇のもと稲作中心に営まれた古代日本社会に、中国大陸から仏教が伝来して以降、さまざまな文化との交流、混淆、対立が繰り返される。大嘗祭、祇園祭り、盆踊り、元寇、ねぶた祭り、南蛮貿易、寺請制度、かくれキリシタン。古代から現代まで、数々の外来の文化の影響を受けて変容し形成された日本の民俗宗教を、歴史上の政治状況、制度の変遷とともに多角的に読み解く。
  • 露出する女子、覗き見る女子 ──SNSとアプリに現れる新階層
    3.0
    誰もがファストファッションに身を包む現代、格差は目に見えにくいものになっている。では、現実の社会で確実に広がっている、所得や働き方、結婚による断絶を、何を手掛かりに読みとけばいいのか――その答えは、スマホの中にあった! 20‐30代女性5442人への調査から、現代女性のSNSとアプリの利用実態を徹底分析。「インスタ映え」だけではない、新しいメディアを駆使して格差社会を生き抜く女性たちの姿が見えてくる。
  • 中学生にもわかる化学史
    3.0
    世界は何からできているのだろうか。古代ギリシアの哲学者たちは考え「元素」を発想した。人間の手で世界は作り変えることができるはずだと、中世の錬金術師たちは実験をくり返して化学変化の基礎を築いた。やがて近・現代の科学によって元素の正体はぞくぞくと解明され、新元素さえ作り出せるようになった。かつてニュートンも夢想した“賢者の石”は実現しつつあるのか――。そんな化学の道程を歴史エピソードでたどり、最先端技術のすごさに迫る。
  • 徹底検証 神社本庁 ──その起源から内紛、保守運動まで
    3.0
    約8万もの神社を束ねる巨大宗教法人・神社本庁。敗戦を機に設立されたこの団体は、靖国神社国家護持運動、教育基本法改正、夫婦別姓反対など戦後保守運動を牽引してきた。富岡八幡宮惨殺事件、「不正取引」疑惑、有名神社離脱など、神社本庁をめぐるトラブルの背景には何があるのか? 改憲運動を進める神政連、日本会議との関係とは? 神社本庁の起源から現在まで、徹底した取材により、その深層に迫る!
  • 未来の再建 ──暮らし・仕事・社会保障のグランドデザイン
    3.0
    頑張っても報われず、誰もが弱者になりうる社会。それが今の日本だ。生活不安が私たちを直撃し、弱者がさらに弱い者を叩く。そんな状況にあって、突破口は一体どこにあるのか? 「くらしの場」、「はたらく場」、「保障の場」それぞれを再建し、自己責任社会から脱却すること。子育て、教育、医療、介護など、私たちが生きる上で必要不可欠な「ベーシック・サービス」を、すべての人に保障すること。来るべき時代への道筋を示す、希望の書である!
  • 社会保障入門 【シリーズ】ケアを考える
    3.0
    本当に自分が老後に年金をもらえるのか。親に介護が必要になったら、行政は何をしてくれるのか。重い病気にかかったとき、どのくらい医療費がかかるのか。超高齢化時代のいま、将来の先行きがみえないため、誰もが社会保障に不安を感じている。さらに、その仕組みは複雑でわかりにくく、知らないことだらけ。そうした不安を解消すべく、年金、介護、医療だけでなく、労災や失業、もしものときの生活保護、子育て世代を支える仕組みなど、広範囲な社会保障を一冊まとめて解説する。
  • 定年後の知的生産術
    3.0
    定年退職後こそ、クリエイティブに、好きな研究、夢や目標に向かって打ち込むチャンスである。これまでの仕事や人生で得た経験が、意外な組み合わせによる新しい発想や、本質を見抜く眼力に通じる。時間的・金銭的な余裕が比較的あることは、シニア世代の大きなアドバンテージである。本書は定年後のクリエイティブ・シニアを応援する一冊。役に立つ情報の取捨選択法、資料整理術、最終的には著書の刊行へ。「知」の発信者になるノウハウを開陳。充実した知的生活へ、ようこそ。
  • 集中講義! ギリシア・ローマ
    3.0
    古代地中海を中心に歴史をつくりあげたギリシアとローマ。同じような時期に政治・経済・文化が発展していったが、ギリシアではポリスがまとまり大国とならなかった一方、ローマは超大国へと、その覇権を広げていった。また思想・哲学などの華々しい文化が生みだされたギリシアに比べて、ローマでは目立ったものは出てきていない。なぜ、そのような違いはうまれたのか? ギリシアからローマへ受け継がれ、その後ヨーロッパまで影響をあたえたものはなにか? それぞれの専門家が通史からはこぼれおちた側面に光をあてる。
  • 誰でもカンタン!「いい字」が書ける ──双雲流二〇の極意
    3.0
    たとえ上手でなくても、その人らしい「いい字」を書くことは誰にでもできる。今では、少なくなったとはいえ、葉書や、年賀状、メモなど、まだまだ文字を書く機会はある。この本では、書道家である著者のリードのもとに、ひらがな、漢字を書く基本、それから、自分らしく書く楽しみ、伝える楽しみを学んでいきたい。「自分らしい、いい字を書く」そのための極意を、シンプルな言葉で伝える。お手本を見ながらドリルをすることで、すぐに体感できる。
  • ブッダたちの仏教
    3.0
    インドで誕生した仏教は、二千年以上の年月をかけ、アジアの広範な地域に伝播し、各地の文化に大きな影響を与えつつ、自らも多様に変化した複雑な宗教である。神によるのではなく、歴史上の一人の人間ゴータマ・ブッダが発見した真理に端を発した仏教は、さまざまなブッダを輩出し、それぞれの仏教が独自性をもちながら多彩な変容を生み出し展開してきた。仏教の歴史をブッダたち「仏」と、それに基づく「教え」という二つの極をもつ運動としてとらえるダイナミックな論考。
  • カリスマ解説員の 楽しい星空入門
    3.0
    古代より人間は、星から多くの情報を得て暦をつくり、想像力たくましく神話を語り継いできた。ストーリーを楽しみながら、雨季や洪水の時季、種まきや収穫といった農作業のタイミング、狩りや旅の針路、戒めの寓話や歴史を伝承するなど、生活に必要な知恵も星から学んだ。晴れた日には夜空を見上げよう。星をかいせば、恋人たちのロマンチックな夜の会話や、親子のコミュニケーションも盛り上がる。星座の探し方から神話や歴史、宇宙についての基礎知識まで紹介。紙上プラネタリウムの開演です!
  • 縄文とケルト ──辺境の比較考古学
    3.0
    ユーラシア大陸の正反対に位置にある日本とイギリス。新石器時代、大陸では四大文明の地域のような「文明型」の社会が広まっていくなか、その果てにあった両地域では、「非文明型」の社会へと発展していった。直接的な交流がないこの二つの地域になぜ共通性が生まれたのか? また、同じホモ・サピエンスなのに、なぜ大陸とは異なる方向へ進んだのか? ストーンサークルや巨大な墓など、それぞれの遺跡を訪れることで、いままで見えてこなかった知られざる歴史に迫る。
  • 日本人なら知っておきたい 四季の植物
    3.0
    日本には四季の美しさがある。それを豊かに彩る植物がある。わが国では古くから植物に関心が寄せられ、暮らしと結びついてきた。日本人と花とのつき合いも深くて長く、すでに万葉人が野から庭に移し愉しむ。ふだん何気なく見ている景観や、ありきたりと思っている行事の習俗など、その主役が植物であることは、少なくない。本書では、豊富なカラー写真を交えながら、環境と伝統のなかで培われた植物に対する日本人の感受性と文化をみつめなおす。
  • 知のスクランブル ──文理的思考の挑戦
    3.0
    タコツボ化した現代の学問は、いまやますます細分化し、アカデミズムの全体像が見えにくくなっている。だが日本大学文理学部には、文系・理系の学問をあわせ持つ知の世界が展開している。人文学(哲学・史学・国文学・中国語中国文化学・英文学・独文学)、社会科学(社会学・社会福祉学・教育学・体育学・心理学・地理学)、理学(地理学・地球科学・数学・情報科学・物理学・生命科学・化学)の領域横断的な「知」を結集。研究の最先端を紹介する。まったく新しい形の教科書。
  • 日本文法体系
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    日本語文法を理解するには、日本語の起源から問いなおさねばならない。日本語の発展史に即した文法理論が必要であり、西洋語の文法を日本語に当てはめた現在の学校文法に代えて、新たな文法体系を打ち立てねばならないのだ。現在を示す「あり」(r)、過去の「き」(k)、推量の「む」(m)、形容の「あし」(s)の組み合わせで成り立つ時の助動辞をはじめ、日本語の隠れた構造を明らかにし、豊富な古文の実例をもとに、日本語文法の本質に迫る。まったく新しい理論体系。
  • 江戸の都市力 ──地形と経済で読みとく
    3.0
    繁栄を誇った未曾有の大都市「江戸」は、どのように造られ、どのようにして人々の暮しを支えていたのか。自然地形を活かして、都市の骨格や、万全の防衛体制が定まったのが江戸の姿であった。天下普請によるインフラ整備や参勤交代などはヒト・モノ・カネの流れを生み出し、水運網の整備は全国の結びつきを強めた。家康が造ったこの町は、そうして経済を刺激し続け、エネルギッシュな大都市へと発展したのだ。本書は、江戸の歴史を地理、経済、土木、社会問題など多視点から見ていくことにより、その本質、発展の秘密に迫る一冊である。
  • 「野党」論 ──何のためにあるのか
    3.0
    野党は無責任で党利党略ばかり──。そう感じる人も少なくないだろう。だが野党は、民主主義をよりよくする上で不可欠のツールである。与党の取りこぼす民意をすくい上げ、政治に反映させ、争点を明確化し、異義申し立てをする。それによって代表制民主主義は安定を手にする──。野党の歴史から各国比較まで、基礎知識を整理し、これからの野党を展望する本書は、野党を「上手に使いこなす」ための必読の書である。
  • 日本震災史 ──復旧から復興への歩み
    3.0
    度重なる震災は、日本社会をどのようにつくり替えてきたのだろうか。災害の歴史から、救済と支援、復旧・復興の技術的進展に焦点を当て、古代・中世から近代までの象徴的な事例を取り上げて具体的に分析。社会が持つ災害への対応力の歴史的変遷をたどる。東日本大震災の衝撃から立ち直りかけようとする現在の被災地の現実を見据えつつ、災害の社会史研究に長く従事してきた著者ならではの視点から、歴史災害の復旧・復興の歩みと、時代を超えて人々が抱えてきた問題を読み解く。
  • 銀の世界史
    3.0
    一六世紀、南米ポトシ銀山で採掘された銀は、大量にヨーロッパに流入、世界中をかけめぐった。このとき地球をひとつの単位とする近代世界=グローバリゼーションという革命的状況が出現した。世界史は「銀の流れ」でつかむことができる。英国の綿工業・産業革命・覇権、黒人奴隷、プランテーション、スペインの凋落、オランダ独立、近代資本主義の誕生、コーヒーや茶の流行、明治の近代化、アヘン戦争、日清戦争……。銀で弾けた世界史のダイナミズムを、中心と周辺の関係から描き出す!
  • 公務員教師にダメ出しを!
    3.0
    学校をより良くするためには、まず何よりも教師を変えなければいけない。馴れ合いの教育現場のなかには、ダメな教師や困った校長がまだまだ存在する。同時に、能力が高い教師は正しく評価されてはいない。それは、教育というサービスを受ける児童生徒と保護者をないがしろにしてきたからだ。今必要なのは学習者による評価制度だ。評価制度の具体例を提示しながら、その可能性に迫っていく。
  • 「ダメな教師」の見分け方
    3.0
    「ゆとり教育」と「学力低下」の間で迷走を続けている教育改革の鍵は、教師が握っているにもかかわらず、そこがほとんど手付かずのまま放置されている。なぜか? そこにはどのような力学が働いているのだろうか。著者は公私立高校の教師や管理職を歴任し、塾・予備校の管理・運営に責任者として携わり、今なお教育NPOに関わるなど、教育のあらゆる局面に立ち会ってきた。教育委員会や教員組合、PTAとの関係なども含めて、不透明な教師社会の実態を解明し、ラジカルではあるが実現可能な改革案を提示する。
  • やりなおし高校化学
    3.0
    範囲が広く、覚えることが多い。化学式や法則がややこしく、よく分からない……。そのような印象で「化学」に対して苦手意識を持っている人は多いだろう。しかし、化学は、この世界を考える上で土台となる学問であり、私たちの暮らしに深く関係している。その面白さを知らないままでいるのは、非常にもったいない! 本書は、高校化学をわかりやすく、簡潔に解説した、復習に最適の一冊である。この本で、物質のふるまいを知り、世界の不思議さに目を開こう。
  • 地域再生入門 ――寄りあいワークショップの力
    3.0
    地域再生のためには、地域住民が内発的に立ち上がるしかない。ではそれはいかにして可能か。住民・行政・NPOの連携・協働の仕組みを理解した上での住民のワークショップが鍵となる。「寄りあいワークショップ」の技法を開発し、日本各地で実践してきた著者が、数多くの成功例を紹介。子供から年寄りまで、住民の誰もが参加し、連帯感をもってアイデアを出しあい、地域を動かしていく方法を伝授する。どこの地域でも、どのような立場でも役立つ地域再生の原理と方法の入門書。
  • 無学問のすすめ ――自分の頭で考える思想入門
    3.0
    「学問」って、そんなに必要? やるとバカになるんじゃないの? 原発事故が起こって発言をし始めた知識人はみんな興奮しているだけじゃないの? 本書は、吉本隆明、福沢諭吉、小林秀雄、江藤淳、池上彰、養老孟司、内田樹、三島由紀夫、アーレントなど、さまざまな知識人の著作を俎上に載せ、誰もが薄々気づきながら言えなかったことに切り込んでいく。学問は使っても、使わなくてもいい。自分の身体の声を聞き、自分の頭で考える「素人」たれ! 「学問」から「無学問」へ。いま読まれるべき、新しい思想がここにある。
  • がん幹細胞の謎にせまる ――新時代の先端がん治療へ
    3.0
    多くの病気が克服され、がんもいよいよ正体が暴かれ始めた。とはいえ、いまだ人類最後の敵として、がんは私たちの前に立ちはだかっている。一方、幹細胞研究は近年最も注目され、進歩著しく、iPS細胞はノーベル賞受賞した。今、両者が出会うことで、がん治療に革命が起きようとしている。その根幹をなしているのが、「がん幹細胞理論」と呼ばれる新しい考えだ。がん幹細胞とは何か。これからの医学にいったい何が起こるのか。その歴史から最新の研究成果まで、最先端の研究者がわかりやすく解説する。
  • 理系社員のトリセツ
    3.0
    文系と理系の間には高い壁がある。大学受験のためにどちらか選ぶが社会人になると、両者はお互いを相容れないものと捉えがちになる。とかく会社では、文系は理系の仕事をなかなか理解することができないため、扱いに困っている場合が多い。同時に、そういった態度に憤りを覚える理系もいる。では、その壁を取り払うためにはどうすればよいだろうか? 基本的な理系の性質から、部下の活用法、技術をビジネスにするアイディアまで一挙に解説。文系の上司はもちろん、理系社員が自分の仕事を見つけなおすためにも使える一冊。
  • 密教アート入門
    3.0
    密教は「わからない」といわれることが多い。しかし、密教を「アート」というフィルターをとおして眺めると、あまり難しく考えずに、すっきりと本質を理解できる。日本の密教の開祖である空海も、アートを用いてその本質を知らしめる手法を重んじたという。この手法は、曼荼羅という密教アートの基本へと通じており、曼荼羅自体が密教寺院における本尊の役割も担っている。三〇年もの間、仏画・曼荼羅の研究と作画にたずさわってきた著者自筆の図版も収録、平明な語り口を通じて密教を理解する一冊。
  • 荒木飛呂彦論 ――マンガ・アート入門
    3.0
    漫画史に傑出する長編作品『ジョジョの奇妙な冒険』。抒情的かつ異風的であるこの芸術作品を、四半世紀にわたって描きつづける創造力の源泉はどこにあるのか? 技法を精緻に分析し、作品を漫画の歴史のなかに位置づけ、理論にもとづいて荒木飛呂彦の作風と物語の独創性を読み解く。ファン待望の漫画評論!
  • 出生前診断
    3.0
    新型出生前診断(NIPT)が始まったが、どういう検査なのか、何がわかるのかが一般的にも、医療関係者にもあまり理解されていない。いったいどのような考え方・心構えで検査にのぞめばいいのだろうか。本書は、出生前診断にまつわる事実をできる限り客観的に、わかりやすく解説し、診断を受けるべきか迷う人々に、考え方に応じた指針を与えるものである。好むと好まざるとにかかわらず、もはや出生前診断という技術に関与せざるを得なくなった現代人に、最新知識を提示する。
  • ビジネスに効くスケッチ
    3.0
    打ち合わせや、上司への報告、資格試験の勉強に。企画の提案や商品の開発、サービス開拓のアイデア出しに……。ビジュアル表現を武器にするには、どうすればいいでしょうか。洞察力が身につくスケッチ眼、スピード重視で徹底的に省略するシルエット表現、図解で理解しプレゼンテーションでも発揮できるスケッチ思考、発想が湧き出すトレペ着想、さらに基本的な線の引き方から使える文房具の考察まで。目からうろこの技術がぞくぞく。
  • エクスタシーの神学 ――キリスト教神秘主義の扉をひらく
    3.0
    キリスト教には合理主義と神秘主義の二つの極がある。二千年におよぶキリスト教の歴史は、さながら理性と感性のはざまを揺れ動く振り子のようであった。この構図は近代以降も変わらない。宗教改革以後、むしろ振り子の振幅はますます大きくなった。イエズス会による布教活動、神秘主義の興隆、悪魔憑き、魔女狩りなど、熱狂的な信仰が西欧近代の宗教的エネルギーを吸収した。本書では、キリスト教における神秘主義の思想を、「エクスタシー」という視点から読み解いていく。ギリシア時代に水源をもち、ヨーロッパ思想の伏流水であるカトリック神秘神学を俯瞰し、キリスト教の本質に肉薄する危険な書。
  • 良妻賢母の誕生
    3.0
    「良妻賢母」が女性の理想像とされたのは大正デモクラシーからだった。近代化へ向けてそれがいかにつくられ、受けとめられたのか、豊富な資料から明らかにする。
  • やくざ映画とその時代
    3.0
    義理と人情の世界に生きるアウトローたちの姿を描いて、日本人の情感を揺さぶりつづけたやくざ映画。時代の証言や豊富なエピソードを交えつつ、その黄金時代から終焉に至るまでの興亡の軌跡をたどり、魅力の源泉に迫る。作品ガイドと俳優プロフィールを併載し、映画の楽しみ方・面白度も紹介する。
  • 文章工房 ――表現の基本と実践
    3.0
    腕のいい職人が暮らしに役立つ民芸品を作り出すように、日常生活で生き生きとすっきりした文章を生み出すには?文章を書く現場で具体的に役立つよう、句読点・記号や用字用語など、文章の七つ道具の使い方から、語順や視点の違いによるニュアンス、描写やレトリックの切れ味に至るまで、技術面を掘り下げて表現のテクニックを披露する実践的な文章講座。書きたいことが的確に届く表現、気持ちが伝わり読み手の心に響く文章を制作するための、楽しいアトリエに、ようこそ。
  • 大人への条件
    3.0
    子どもから大人への境目が曖昧ないま、「大人になる」とはどういうことなのか。人はどのように成長の自覚を自らのうちに刻んでいくのか。子どもが成長していくなかでの親との関係、思春期の性の目覚めや自立の問題などを、文学的素材や社会的テーマを通して考え、現代社会において大人になるということにどんな意味が潜んでいるのかを浮かび上がらせる。自分はなにものかを問い、大人になりきれない思いを片隅に抱くすべての人におくる、新・成長論。
  • カントの読み方
    3.0
    カントは日本でも有名な哲学者だが、同時にその難しさについても広く知られている。けれどもそれは翻訳のためばかりではなく、カント自身が論じている事柄そのものが難しいのだから、叙述もまた難しくならざるを得ない。では、どうすれば、日本語でより正確に理解できるようになるのだろうか。ここでは『純粋理性批判』を例に、これまで統覚、超越・覚知、予料、範疇などと訳されてきたキーワードを分かりやすい言葉に置き換えるなど、さまざまな工夫を試み、長年カントに親しんできた著者が、初心者でも近づける方法を提案する。
  • パリ ――都市の記憶を探る
    3.0
    華やかな表情の内側に無数の集合的な記憶を包みこんだ都市、パリ。著者は濃密な象徴性を帯びた都市の身体に直接触れ、その息づかいにひたすら耳を傾けながら、埋もれた記憶を丹念にひとつひとつ掘りおこしていく。そこに立ち現れるのは、重層化した歴史の深みから発するこの都市ならではの稀有な輝きにほかならない。パリの魅力の源泉に迫る一冊。
  • 宗祖ゾロアスター
    3.0
    ゾロアスターは謎に満ちた宗祖である。生まれた時も場所もいまだ定かではなく、人びとは想像を重ねて宗祖のイメージをつくりあげてきた。ある人は魔術師といい、ある人は最高の占星術者といい、またシャマン的な幻視者であるともいう。ヘロドトスによって伝説が記録され、プラトンからニーチェに至る哲学者を魅了したゾロアスターとは誰か。その教えは、どのようなものだったのだろうか。
  • 「人妻」の研究
    3.0
    「ヒトヅマ」―既婚女性を意味するこの平凡な単語が、なにゆえ男たちの胸に、かくも狂おしく淫らに響くのであろうか?本書では、近・現代の文学作品や映画、ドラマ、歌謡曲のなかで性的関心の対象として描かれてきた人妻像を手がかりとして、男を惹きつけてやまぬ彼女たちの魅力の核心に肉薄するとともに、彼女らを恋愛や不倫へといざなう「仕掛け」について明らかにする。妻を知り己を知るために必読の一冊。
  • 韓国 ――民主化と経済発展のダイナミズム
    3.0
    二〇〇二年末の韓国大統領選挙では当初の予想を覆して盧武鉉が選ばれたが、この選挙はインターネットが帰趨を制するという前例のないものだった。それに象徴されるように、この一五年で韓国の政治・経済は大きく変わった。民主化抗争を経てダイナミックに変貌を遂げた韓国政治。一九九七年にアジア経済危機に巻き込まれたものの、その後劇薬ともいえる新自由主義政策によって急回復を遂げた韓国経済。北朝鮮の活開発危機などの厳しい国際環境の制約の中で、どのような力学が韓国を突き動かしているのか。それに日本はどのように向き合ったらよいのか。韓国の実像に様々な角度から迫る、最新入門書。
  • プロ教師の見た教育改革
    3.0
    教育改革をめぐる議論はとても分かりにくい。というのは、これまで教育問題は、伝統的な「つめ込み」教育と、「子ども中心の自由放任」との対立に二分されてきたが、それが解消されないまま、国民形成を重視する「教え込み主義」かグローバリズムを背景にした「教育の自由化」かが、より大きな争点として浮上してきたからである。混迷を深める改革論議を生徒・教師・親という教育の現場から整理し、いま実現可能な改革を考える。
  • スキャンダルの明治 ――国民を創るためのレッスン
    3.0
    明治十年代―高橋お伝や花井お梅の毒婦物語。明治二、三十年代―まむしの周六こと黒岩涙香の「万朝報」が報じた明治三大スキャンダル。すなわち、「相馬家毒殺騒動」「淫祠蓮門教会」「蓄妾の実例」。しかしそのセンセーショナルな記事の奥に、実は隠された「意図」を読みとることができないだろうか?明治国家という「想像の共同体」を創る制度として、その共通の関心を担う国民を創る制度として、スキャンダル報道は機能していたのではなかったか?「赤新聞」の報道にもうひとつの国民文化の形成を読みとる、スリリングな明治文化史。
  • 性と愛の日本語講座
    3.0
    「恋愛」という言葉が近代になってつくられたことはよく知られている。では「恋人」はどうか。徳川時代には「情夫・情婦」というのがあったが、それはどういう意味で使われたのか? 「情欲」や「不倫」はいつ頃生まれたのか? また「逢い引き」は? 本書では、『太陽の季節』『チャタレイ夫人の恋人』等の文学作品、各時代に流行った歌謡曲やマンガ等を材料に、時に外国語との比較を交えながら、性と愛にまつわる日本語の意味の由来や変遷をたどり、日本語の面白さを発見していく。
  • 村からみた日本史
    3.0
    これまでの江戸時代史は、支配の側の法・制度・裁判の判決文によって捉えた歴史である。それも歴史には違いないが、歴史の技術はほかにもある。村に出かけ、みずからの目で見、手で触れ、世界史的法則などと言わずにみずからの頭で考える、という技術である。村の史料に焦点を当て、「歴史の見方」を大きく変えるエピソードを満載して、スリリングで新しい歴史観を提示する。
  • モンゴル帝国の興亡
    3.0
    モンゴル帝国は東の中国世界と西の地中海世界を結ぶ「草原の道」を支配し、それによって世界史の舞台を準備した。もっとも帝国とはいっても、一人の皇帝が中心にいて全国を統治するというものではなかった。その内部の構造はどうなっていたのだろうか。そもそも、その巨大な帝国はどのようにして創られたのだろうか。今は歴史の後景に退いた、史上最大の帝国の過去と現在。
  • 下から目線で読む『孫子』
    3.0
    歴史上、数々の支配者たちに熟読されてきた兵法書の古典『孫子』。人間心理への深い洞察をもとに必勝の理を説いた同書を、視点をひっくり返して読んでみたら、何が見えてくるのか。自明とされた「勝ち」というものが、にわかに揺らぎ始めるかもしれない。『孫子』のなかから、これぞという言葉を選び、八方破れの無手勝流でもって解釈しながら、その真意を探る。
  • いっしょに暮らす。
    3.0
    他者との間にたちはだかる、厚くて高い壁を越えるために、いま、私たちには何が必要なのだろうか? 家族であれ、伴侶であれ、あるいは同居する友人であれ、他人と「いっしょに暮らす」ことの意味と可能性を考える。自立を反社会性とせず、共生を癒着としない、そんなライフスタイルを築くための視野を拓く。
  • 日本の隠遁者たち
    3.0
    ひとは、生まれてから死ぬまで他人とのかかわりにおいて生きている。しかしそれが時にはわずらわしくもあり、また時には人恋しくもなる。並はずれた才能を持ちながら世を疎み、心の葛藤を自然を愛でることと孤独に耐えることで癒しながら生きた中世以来の隠遁者たち、西行法師、鴨長明、吉田兼好、松尾芭蕉、種田山頭火、尾崎放哉らの研ぎ澄まされた感性の表現から、われわれ現代人は何を感じとり、受け継ぐことができるのか。日本人の心の系譜を読み解く力作。
  • 無縁所の中世
    3.0
    中世において、朝廷・幕府以上の存在感を持っていた寺社=境内都市=無縁所。そこには、「世を仕損なった」人たちが、移民となって流れ込んできた。なぜ人は、有縁の世から逃れ、無縁世界で一時の命を繋ぎ再起を賭けようとしたのか。また、無縁世界が有縁世界に対抗しえたのは、どんな思想、どんな実力によるものなのか。網野善彦や民俗学の知見を批判的に乗り越えつつ、たしかな史料で日本中世を描く。
  • ユダヤ陰謀説の正体
    3.0
    「反ユダヤ」関連本や「ナチのガス室はなかった」とする雑誌の特集記事……。「ユダヤ陰謀本」の正体はいったい何なのか? 戦前の日本人が描いたユダヤ人像、オカルティズムやUFOとユダヤ人との関連、インターネットの新たな戦場に現れたユダヤの妄説を読み解き、〈陰謀説〉の正しい読み方を提示する一冊!
  • 高校生のための古文キーワード100
    3.0
    古文では、人の気持ちを表現する心情語が読解のキーワードである。本書は、その心情語を中心に、古語を100語ほど厳選して収録し、『源氏物語』『枕草子』など有名作品の例文を訳つきで紹介しながら、わかりやすく解説する。根本の語義・語感を重視し、関連語・慣用的用法などにも触れてあり、豊かな古典の世界への格好の案内者となるだろう。コラム「読解の知恵」は重要な構文・語法を説き、これも必読。
  • 40歳からの腸内改造
    3.0
    40歳の「腸」は、とてもくたびれています。緊張するとお腹がゆるくなる。あるいは便秘がちで薬のお世話になることがたびたび。そんな小さな兆候を見逃しているうちに、重大な病気にいたってしまう人がたくさんいます。いまや大腸ガンの死亡率が急増、男性が3位、女性は1位―。しかし、日常のちょっとした積み重ねで、腸の健康は保つことができます。漢方や地中海式食生活など、さまざまな治療法を実践する腸の専門医による、効果抜群の整腸法。
  • 仏教の身体感覚
    3.0
    仏教は、呪術性と身体性を強めることによって、人々を救済する宗教となった。たとえば、坐禅。あるいは、念仏。こうした呼吸法をともなう身体感覚をつうじて、仏の教えははじめて深々と腑に落ちる。宗教とは信仰の世界の話であり、論理の積み重ねだけで語ることはできない。仏教は、老病死に向き合う高齢者にどう応えられるのか。生きることに虚しさをおぼえる人々に、どう語りかけることができるのか。現代から、あらためて問う。身体感覚から読み解く仏教史2500年。
  • ロボット入門 ――つくる哲学・つかう知恵
    3.0
    本書では、ロボットを、その歴史から紐解いて、現在をつぶさに考察し、この二一世紀の未来を見据える。それも、技術史という立場からではなく、実際に現場でロボットを研究開発している研究者としての立場から、今後のロボット開発の方向を探るという目的のために歴史を見つめ直す。
  • ダーウィン入門 ――現代進化学への展望
    3.0
    19世紀の知の巨人、チャールズ・ダーウィン。自然淘汰論による進化論を提唱し、生物学だけでなく、現代思想にも大きな影響をあたえた。ダーウィンはどんな時代を生き、何を考え、私たちに何を遺したのか。ルネッサンスから現代までの進化学説史の緊張関係にわけいり、「ヒト」の観念がどのように変わってきたのかをたどる。ダーウィンの功績と限界を審判し、最先端の進化学が切り拓いた地平を展望する生物学の入門書。
  • 百人一首への招待
    3.0
    正月のかるた遊びとして日本人に広く親しまれてきた百人一首。だが、その成立事情や選歌基準には今なお多くの謎が残されている。本書は、国文学研究者の立場からその成立の謎に迫るとともに、従来の現代語訳にとらわれない斬新な解釈を試みる。また、コミックやスナック菓子など身近にある百人一首グッズやかるた遊びの歴史を通して、現代に生き続ける和歌の世界を屈指の百人一首コレクターならではのユニークな視点で紹介する。
  • 安倍晴明伝説
    3.0
    「陰陽師」安倍晴明にはいくつもの顔がある。「宮廷に仕える高級官僚」「超能力者」「中性的な魅力を持つ美青年」…。だがそのいずれも真の晴明像を正確に伝えてはいない。天皇の運命まで左右した数々のエピソードを持つ「高級官僚」としての晴明像と、「狐から生まれた子」という超人伝説は、どのように結びついていくのか。晴明を祖とあおぐ二つの系統の陰陽師たちがつくりあげた虚像の形成過程を丹念に読み解いていくと、新しい「もうひとつの晴明伝説」が浮かび上がってくる。
  • オトコの進化論 ――男らしさの起源を求めて
    3.0
    人間は現在約三〇〇種いる霊長類の一種であり、人間の男性はさまざまな霊長類のオス性を受け継いでいる。また、人間の男女の違いは人間の男とサルのオスの違いよりも大きいことがしばしばある。それは人間の行動が生物学的な性差を色濃く反映し、霊長類の性差のある社会性から受け継いだ特徴を強く示したりするからである。本書では、サルからヒトへの進化を通じて、オスからオトコになるために人類が経験しなければならなかった事柄を検証し、現在の男という性を破滅に追い込んでいる原因を探る。
  • 東郷平八郎
    3.0
    日露戦争時の連合艦隊司令長官だった東郷平八郎は、日本海海戦に奇跡的な勝利を収めたあと、東宮御学問所総裁、陸海軍を代表する指導者として近代史に大きな足跡を残した。その生涯は、近代国家としての道を歩み始めた日本の運命を一身に体現したものとなった。一次資料をもとに英雄神話の背景を探り、東郷の実像とその時代を描いた本格的評伝。
  • 日本人とイギリス ――「問いかけ」の軌跡
    3.0
    日本と同様の小さな島国であるイギリスが、なぜ世界の覇者になり得たのか。その秘密を探りだし学びさえすれば、いつか日本も追いつくことができる―。幕末以来、イギリスは学ぶべき模範、追いつくべき標的であり続けた。その間、日本人はイギリスに、何をどのように問いかけてきたのだろうか。ウィリアム・アダムズの漂着から400年、なかでも幕末開国期から明治期を中心に、文化接触の問題に焦点を合わせて、日英交流の歴史をたどる。
  • 日本語を叱る!
    3.0
    近年の「カタカナ言葉」や、「一語文」「タメ口」に代表される若者言葉、それに携帯電話やメールなど情報環境が激変したことによって日本語に大きな混乱が生まれている。「甘やかされた日本語」の現状を丁寧に分析し、「雑種言語」としての日本語の歴史を再検討しながら、新たな可能性を探る。
  • 子どもの声が低くなる! ――現代ニッポン音楽事情
    3.0
    幼児の声といえば、高い軽やかな声の代表的である。だが近年彼らに低音化現象が起きている。「絶対音感」信仰やカラオケブームの功罪など、わが国の音楽事情に加え、文明開化とともにやってきたドレミファ音楽と服部家の悲喜こもごものエピソード。エッセイストとして定評のある著者による書き下ろし〈私の音楽手帖〉。

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