作品一覧 2015/04/27更新 荒木飛呂彦論 ――マンガ・アート入門 試し読み フォロー 映画館と観客の文化史 試し読み フォロー 1~2件目 / 2件<<<1・・・・・・・・・>>> 加藤幹郎の作品をすべて見る
ユーザーレビュー 映画館と観客の文化史 加藤幹郎 パノラマ館からヴォードヴィル劇場、ニッケルオディオンからドライブインシアター、シネコン成立までのプロセスがよく分かる。映画上映における観客の挙動・行動がリアルに想起される。面白かったのは50年代に地方紙である京都新聞が72年の『ぴあ』登場以前に重要な新作映画情報を開示する媒体だったことに加え、映画の...続きを読む撮影日程を伝えることで「映画撮影所と新聞社と映画館との経済的=文化的連携によって映画都市という想像的かつ実体的な自己像を確立した」(278)という分析。 Posted by ブクログ 映画館と観客の文化史 加藤幹郎 「日本語で書かれた初めての包括的な映画館(観客)論」(あとがきより)。 映画館の文化史論であり、と同時に観客の文化史論。映画館における観客の構成、態度、考え方について、興味深く論じられている。映画好きで、かつ映画館好きの私にとっては、読書中幸福感を得ることができた。 本書はアメリカ篇と日本篇の2...続きを読む部に分かれる。 アメリカ篇では、移民が映画を通じていかに同化されていったか、観客がいかに静粛性を尊重するようになったか、また観客が徐々に均質化されていった過程も詳細に説明される。初期のニッケルオデオン(常設映画館)で、観客はフィルムの入れ替え時間に合唱するというエピソードは楽しい。 日本篇では、弁士の活躍、トーキーの黎明期、映画以外に観客が映画館に行く理由(例えば映画館は涼しいから)、京都市における映画館と市民の交流が論じられる。 ポルノ映画館の観客についても論じられている。なぜ「都市部の片隅でごくわずかのポルノ映画館がひっそりと営業をつづけている」のかの解答が提示されているが、少しがっかりした解答だった。 でも、映画館について、これほど論じられた本は出合ったことがなく、映画好きにはお勧めの★5つ。 なお、本書にもあるように、映画館とは、観客が「異世界に遊ぶ」ために入場した「外界から遮断された視覚的公共施設」。 異世界で遊ぶ人々(観客)が感動や驚きを共有できるのが望ましい。 個人的なことで恐縮だが、学生の頃は、映画館に良く通った。今はない「三鷹オスカー」は洋画3本立て。「罪と罰」「白痴」「戦争と平和」の3本立てを600円で見たことがある。全部見たら10時間を超えたが、ほぼ満員の状態だった。映画が終わった後、観客のほとんどから「あぁ、終わった」という悲鳴が聞こえた。何となく嬉しかった。 昭和の頃は、映画館は学生にとって大きな存在だったような気がする。 ちなみにジャカルタにも、ショッピングモールに併設されたシネマコンプレックスが多数ある。冷蔵庫のような冷房が完備され、椅子の座り心地もよいが、いまひとつ好きになれない。観客が少なすぎる。先月、「ゴジラ」を見たが、日曜日の午後にも関わらず観客は数名だった。これでは、他の観客との共有感は持てない。 Posted by ブクログ 映画館と観客の文化史 加藤幹郎 映画創世記から現在までの映画館の成り立ちと発展、それに伴う観客の観る姿勢の移り変わりを書いた、表題どおりの文化史。 映画史というのはさまざまな形で読んだことがあるが、映画館について書かれものを読んだのは初めてで、興味深かった。 アメリカと日本の映画館の発展の仕方の違い、生活環境や社会状況に...続きを読む合わせて変化した、映画館のニーズなど映画好きなら違う意味で知っていて損はない話だと思います。 Posted by ブクログ 映画館と観客の文化史 加藤幹郎 非常に面白かった。映画を語る上で欠かせない要素であるにも関わらず、まとまった文章として出版されていなかった映画館論・観客論を映画初期からシネコン時代まで提示しているので、かなり勉強になった。新書サイズなので当然物足りないと感じる部分はあったが、日本初の映画館論・観客論の本であると思えば入門編として最...続きを読む適だと言えるだろう。サイレントからトーキーへの移行を、逆説的に喧噪から静粛への移行であると解説している部分など、引き込まれる論が多かった。もしかしたら、若干格式張った文章なので好き嫌いは分かれるかもしれないが、それも良い味を出していた。 Posted by ブクログ 映画館と観客の文化史 加藤幹郎 映画をよく観るものとして、新しい視点からのアプローチだった。 映画史、映画館のこと、観客のこと等々…好きを掘り下げるのっておもしろい。 Posted by ブクログ 加藤幹郎のレビューをもっと見る