加藤幹郎のレビュー一覧
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パノラマ館からヴォードヴィル劇場、ニッケルオディオンからドライブインシアター、シネコン成立までのプロセスがよく分かる。映画上映における観客の挙動・行動がリアルに想起される。面白かったのは50年代に地方紙である京都新聞が72年の『ぴあ』登場以前に重要な新作映画情報を開示する媒体だったことに加え、映画の...続きを読むPosted by ブクログ
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「日本語で書かれた初めての包括的な映画館(観客)論」(あとがきより)。
映画館の文化史論であり、と同時に観客の文化史論。映画館における観客の構成、態度、考え方について、興味深く論じられている。映画好きで、かつ映画館好きの私にとっては、読書中幸福感を得ることができた。
本書はアメリカ篇と日本篇の2...続きを読むPosted by ブクログ -
映画創世記から現在までの映画館の成り立ちと発展、それに伴う観客の観る姿勢の移り変わりを書いた、表題どおりの文化史。
映画史というのはさまざまな形で読んだことがあるが、映画館について書かれものを読んだのは初めてで、興味深かった。
アメリカと日本の映画館の発展の仕方の違い、生活環境や社会状況に...続きを読むPosted by ブクログ -
非常に面白かった。映画を語る上で欠かせない要素であるにも関わらず、まとまった文章として出版されていなかった映画館論・観客論を映画初期からシネコン時代まで提示しているので、かなり勉強になった。新書サイズなので当然物足りないと感じる部分はあったが、日本初の映画館論・観客論の本であると思えば入門編として最...続きを読むPosted by ブクログ
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とても面白かったです。先日まで映画についての論文を書いていて、ちょうど映画史についてインプットしたばっかりだったので特におもしろかった。ドライブインシアターの話が衝撃でした。聞いたことなかった。やっぱり映画館での静粛性って日本の国民性がだいぶ関係あるんじゃないかと思いました。Posted by ブクログ
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思いに日米の映画について。
特にアメリカの映画の歴史は面白く、自動車を駐車しながら映画を見るなど、とても日本人には思いもつかないことをやっていて面白かった。
日本人とアメリカ人の相違が光り、実に興味深かった。Posted by ブクログ -
[ 内容 ]
映画はいったいどこで見るべきものなのだろうか。
ホームヴィデオの普及以降一般的になった、個人的な鑑賞は、果たして映画の本来的な姿から遠ざかってしまったものなのだろうか。
本書は、黎明期から今日までの一一〇年間の上映形態を入念にたどりながら、映画の見かたが、じつは本来、きわめて多様なもの...続きを読むPosted by ブクログ -
「忘年会」といい、最近出たこういうメディアの文化史の新書はおもしろい。どう考えても資料が少なそうなのに、よくここまで深い考察を行えたものだと思う。Posted by ブクログ
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僕にとって「ジョジョの奇妙な冒険」は、まあ一種の経典のようなものなのだけど、同じ神を抱いてもまったく別の宗教になり、宗教間の争いが起こることが、何か少し理解できたような気がする。
タイトルに荒木飛呂彦論と銘打っているのに、荒木飛呂彦そのものへのスポットはあまりあたらず、ほとんどはジョジョの奇妙な冒険...続きを読むPosted by ブクログ