科学の限界

科学の限界

715円 (税込)

3pt

科学技術が無秩序に発展し、高度に専門化してしまったことによる弊害が如実に現れている今こそ、科学の限界を見据える視点が求められている。その限界を、人間が生み出すものとしての限界、社会が生み出すものとしての限界、科学に内在する限界、社会とのせめぎ合いにおける限界の四つに分けて考察する。原子力エネルギーの利用に警鐘を鳴らしてきた著者が、3・11以後における科学の倫理を改めて問い直し、身の丈に合った等身大の、社会と調和のとれた科学を提唱する。

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科学の限界 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

     東日本大震災に伴う福島原発の事故で、その「安全神話」、科学至上主義の限界について国民は目覚めさせられた。すべての問題はは科学によって解明、解決できるとの思い込みはなかったか。現在のように、高度、微細、数学的に発展している科学・高額が、その内容からして情報の保有、広報が限定される。市民全体で共有、支

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    2013年02月19日

    Posted by ブクログ

    科学に関する考察が素晴らしい.原子力ムラの問題点を的確に洗い出しているが、出てきた問題点を解決するための方策についてはまだ不十分な感じだ.だた最後の章での「文化としての科学」や「等身大の科学」は共感できる部分が多く、著者の科学に対する深い理解力の一端を垣間見た感じだ.

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    2014年04月20日

    Posted by ブクログ

    専門的な箇所は飛ばし読みだったんですが^^;
    非常に興味深く読めました、特に第3章の社会が生み出す科学の限界。
    日本とドイツの電子顕微鏡の件なんてまさに日本メーカーのドツボにも思えてくるし・・・。
    原子力ムラの問題も。

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    2012年12月07日

    Posted by ブクログ

    池内了(1944年~)氏は、天文学者、宇宙物理学者。名古屋大学名誉教授。一般向けの書籍も多数執筆している。
    本書は、2011年3月の東日本大震災と原発事故が、現代の科学・技術における限界を露呈することになった翌年に出版され、「何が科学・技術の限界を決めているか、それは克服できるのか、克服できるとすれ

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    2020年04月05日

    Posted by ブクログ

    この本は2年前に出たのですが、現代の科学に共通する問題を多く説明しています。STAP細胞以前の出版ですが、章ごとにその問題について考えさせられました。科学の中身については私は素人でわかりません。STAP細胞にしても、原子力についても、人文系の人間は、胡散臭さを感じても、中身を踏まえた批判ができません

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    2014年09月12日

    Posted by ブクログ

    科学という方法論に対する客観的な考察であり、科学に振り回されるのではなく、いかに使いこなすかについての提案がされている。面白かった。

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    2013年02月11日

    Posted by ブクログ

    3.11福島原発事故を受けて、科学をどうとらえるか。科学者のあるべき姿とは。そして市民は科学とどのように向き合うべきか。さまざまな限界を超え未来に希望の持てる「等身大の科学」を筆者は主張する。

    「科学」と真正面から向き合い、真剣に「科学」のあり方を考える時間をつくることができた。科学至上主義に対す

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    2013年01月10日

    Posted by ブクログ

    中世の世、純粋に科学のための科学であった物が、社会の発展、出口としての技術との共存を余儀なくされ、徐々に純粋な科学としての発展がゆがめられてきている。筆者は、現代の科学の限界を、社会と国家からの制約、商業化の制約、本来有する不確定性や不確実性の制約に由来するものと論じており、その限界を理解したうえで

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    2013年01月06日

    Posted by ブクログ

     池内先生が脳梗塞の中執筆したという本だけど,今までの彼の主張をなぞってる感じで無難な出来と思う。人間,社会,そして科学そのものに起因する科学の限界について考察。
     科学者なのにかなり科学に懐疑的なスタンスで,この点はやはりあんまり共感できない。相変わらず「疑わしきは罰する」という予防原則を声高に主

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    2013年01月02日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    科学者は追試実験を好まない。先を越された実験を繰り返すよりその結果を受け入れて次のステップに進むほうが効率的だから
    科学の商業化の風潮が強まるにつれて科学者が社会に迎合する方向になびいている
    商業化という社会の制限が入ると費用対効果を指標にしてある一つの方式に固定されてしまう。科学の多様性が取捨され

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    2016年07月24日

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