金正恩体制に入ったのちの、北朝鮮の行動の原因について、資料を丁寧に読み込むことで解説。「労働新聞」の政論(コラム)の重要性など、初めて知ったことも多い。
何故、北朝鮮がミサイル(人工衛星)発射に固執するのか、今年初頭の北朝鮮の挑発的な態度にはどのような意味があったのか、などを北朝鮮の体制内部の動きか
...続きを読むら、その意図を探り出している。
第三章の、今後の予測ではやや北朝鮮の動きを楽観視しすぎているきらいがあるように思われるが、総じて良書である。
「北朝鮮には北朝鮮なりの『思考様式』や『行動様式』があり、多くの場合われわれのそれとは相いれない」が、「北朝鮮の『土着固有の論理』を丁寧に辿っていくと、彼らの行動がまったく『予測不可能』ということにはならない」という著者の言葉は非常に重要である。
北朝鮮をみるとき、ぼんやりと「何をするかわからない危険な国」と思いがちだが、一度北朝鮮の「理論」を理解してみることは、北朝鮮の隣人として、必要なことかもしれない。