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ある復讐
佐伯隆二は、今も7年前のあの日の憤懣と屈辱が忘れられない。一流大学を卒業した彼が、大東映画の採用試験に落ちた日のことだ。合格、と信じていたのに、身上調査でふり落されるとは。 己の才能が信じられなくなり、いつかエリートコースを踏みはずし、妻に養われる怠惰な男になってしまったのも、すべては屈辱の思いに耐えられなかったからだ。その佐伯が新聞広告につられて応募した興信所に勤めた時、初めて知る身上調査の実態――それは巨大な社会組織の翳りのような虚偽の世界ではないか――に佐伯は唸った。俺は嘘のために一生を失った!「ある復讐」他5編を収録。 -
金田一少年の事件簿 小説版 雷祭殺人事件
人気コミックのドラマ原作小説が講談社文庫版で堪能できる! 高校の元クラスメイトが住む雲場村(くもばむら)を訪れた 金田一一(きんだいち・はじめ)と美雪(みゆき)。 その村では雷を崇める夏祭りが催されるという。 雷鳴の轟音が祭りの始まりを告げたのち、友人の屋敷で ”空蝉”(うつせみ)――蝉の抜け殻に覆われた死体が発見される。 この空蝉は、雷に捧げられた呪わしき供物なのか。 陽炎の中から現れた美少女の悲しき秘密とは--。 ハジメは事件現場から消えた足跡のからくりを見破れるのか。 表題作のほか短編「共犯者X」と「迷い込んできた悪魔(デモン)」の2編を収録。 -
忍法相伝73
安サラリーマン伊賀大馬が、トランクの中より探し出せし一巻の巻物、これぞ伊賀忍者の太祖、風忍斎が遺したる忍法相伝書である。大馬が早速、忍法「墨消し」を実験すれば、おお魔天の感応か、その鼻息を受け、あらゆる活字が消失するではないか! かくて、伊賀大馬は現代の忍者と化した。老残の硯学、松中半兵衛先生と肉体美女、鳥羽壺子嬢に支援されて忍法を発動すれば、「鳥の死声」は実力政治家をして「民衆から収奪する喜び」を天下に告白せしめ、「諸行無常」は男女の交りを索漠たる灰色の世界に墜し、セックス万能の時流を排す。辛辣にして軽妙、世人の意表を衝く珍騒動! まさに風太郎ワールド全開! -
5と3/4時間目の授業
あたりまえを疑ってみると、知らない世界が見えてくる。 「ぼくは、先生の役割って、一つの狭い常識のなかで生きている人に、そうじゃないよと教えてくれて、でも、その答えは自分で見つけなさいよ、といってくれることだと思います。」(本書より) 〈目次より〉 1日目・たぶん、読んじゃいなよ! カリキュラムにはのらない授業/ソクラテスはなぜ自分で書かなかったのか/想像力を生む場所/「絶対にありえないこと」を疑ってみる/自分で探さなければ、先生には出会えない/「自殺をしてもいいのか?」―鶴見俊輔さんの答え/正解が見つからない問いに、どう答えるか/「外側」から考える/常識ってなんですか? 2日目・なんとなく、書いちゃいなよ! 小学校と工場の共通点は?/自由な論理は「危険」かもしれない/考えるときの基準は自分しかない/「浮かない感じ」―吉本隆明さんの戦争体験/説明できないモヤモヤを大事にする/「渋谷109方式」で文章が書ける!/自分以外の「私」を想像して書く/ほかの誰にも書けない文章ー木村センさんの遺書/「自分」という不思議なものを、ことばにする 本書は17歳の特別教室『答えより問いを探して』を文庫化の際、改題したものです。 -
女の踏絵
東洋映画を背負って立つ、一枚看板の大女優・草壁三樹子は日本でも指折りの大富豪、一井男爵を父に、新劇女優・水田三重子を母にして生まれた。彼女は生まれつき淫奔で、志村プロデューサーと関係し、カメラ助手・白石次郎の子を生み、多くの男と浮名を流すのだった。しかし、二枚目スター・林光哉を知るや、三樹子は全身全霊で彼を愛し、同棲するようになった。そんな三樹子を、彼女の幼時からの忠実な下僕――「カシモド」は嫉妬の炎を燃やし、冷たく見つめるのだった。……。強烈な欲望に生きる奔放な女性を描いた問題作「白い炎の女」他3編を収録。 -
金田一少年の事件簿 小説版 オペラ座館・新たなる殺人
孤島のホテル「オペラ座館」。かつて惨劇の舞台となった場所を、 金田一一(きんだいち・はじめ)少年は再び訪れる。 新劇場の完成を祝い上演される『オペラ座の怪人』。 だが、それはファントムの手によってまたも死の演目となってしまう! 劇団『幻想』メンバー達の裏に隠された不穏な人間関係。 そして四年前に起きた、黒沢オーナーの娘・美歌の自殺……。 かつての惨劇の舞台「オペラ座館」の悪夢は、再び繰り返されようとしていた! ガールフレンドの七瀬美雪と過ごす、楽しいはずのバカンスは、 新たな殺人によってまた血に染められた。ファントムと名乗る怪人の正体を金田一少年が追う。 不朽の名作コミックがオリジナル・ストーリーで小説化。 -
遊太郎巷談
総髪、無精髭、古着を着流した姿でも、その品位を隠せぬ謎の浪人。腰には香木刀を帯び、えもいわれぬ芳香をまとうその男、巷では遊太郎と呼ばれている。上州で女親分お葉を助けた縁で、一家に身を寄せた遊太郎。身の回りの世話をしてくれるお夕に思慕の念を抱くものの、心中からは病める剣鬼、平手造酒の妖気を帯びた気魄が消えず……。1959年市川雷蔵主演映画の原作、長編時代小説上下巻。 -
遊戯の報酬
耐性皮革研究所という名の奇怪な洋館には、ときどき上流階級とおぼしき数人の客がやってきた。館の主人は、美貌の女性である。が、ある日、欧風のサロンにも見えたこの邸で、殺人事件がおきる。しかも、被害者は志村千恵――女主人であった。千恵の弟・達夫は、姉の死に不審を抱く。彼は、自分の学資を出すためにコールガールまでしていた、姉の過去を知っていたのだ。何かが隠されている! 達夫の調査は、次々に洋館の正体を暴いてゆく。耐性皮革研究所は、実は皮具を用いて、サディストやマゾヒストが快楽をむさぼる隠れみのだった。そして、姉の本当の死因とは……。 -
虹を掴む
敗戦の時、20歳になったばかりの安心院傑四(あじみ・たけし)は、巡回映画で大金を掴んだ。ついでGIを利用したヤミ商売で大アナを当てる。「よっしゃ、これからはアイデアの世の中だ」。彼の夢は、まるで虹のような華やかに彩られた。妻の英子には大阪に、愛人の咲子には広島にバーをもたせると、目指すは東京進出! 「大金持ちになったるで」と、日本一のクラブ『ラール』をオープン。マダムに初恋の女・秋子をすえると、彼が考えたのは、花のパリからのPR新戦法。これも大いに当たって……。戦後派のシンボル「英雄豪傑」の、野心と商才と色の道を、快調なテンポで描き出す梶山文学の面白さ! -
太陽はまた昇る 公爵近衛文麿
公爵・近衛文麿は、昭和15年7月に組閣の大命をうけ、第二次近衛内閣を組織した。陸相は東条英機、外相は松岡洋右であった。この時から、近衛文麿の悲劇が始まる。三国軍事同盟の締結で大陸戦線は膠着し、日米交渉は暗礁にのりあげ、近衛はグルー大使と会見する。それは近衛個人の悲劇にとどまらず、日本の悲劇に他ならない。日本近代史における近衛の演じた役割はあまりにも大きかった……。この「太陽はまた昇る」は、戦争か平和かの岐路に立って悩む近衛を中心にして、しだいに軍閥の掌中におどらされてゆく日本の姿――第二次大戦を軸とした日本の近代史――を描いた、上下2巻の長編歴史小説である。 -
十三角関係
遊郭のマダムが、むごたらしいバラバラの死体で発見された。店の女たちにも慕われる評判のいいマダムが、なぜ殺されたのか。事件直前に訪れた客たちを調べても、いずれも犯人には辿り着けない。その謎を、風太郎現代ミステリー唯一のシリーズ探偵の「飲んだくれ産科医」荊木歓喜が解き明かす! -
悪人志願
生まれながらの巧みな弁舌で、郵便局の養子に収った番匠銀之助は、家付きの姉妹をものにすると、もう次の悪事に想いを走らせる。代議士の姪・路子の征服――この娘を俺の出世に利用しないわけにはいかぬ……。悪事のプランは夜床の中で、塩煎餅を齧りながら思案する。やがて、銀行を舞台に籠抜け詐欺で得た大金で、汽船会社を乗取り、ボロ船で保険金を搾取し……。20歳を過ぎたばかりで、もう一流実業家気取りの彼は、関東大震災すら、自らの色と欲に悪用した。市内の用地略取に始まる軽井沢と箱根の土地買占めである。欺瞞に満ちた銀之助の半生を描く長編悪漢小説、上下2巻。 -
夢に罪あり
江上医院の美人三姉妹が、それぞれに辿る愛の軌跡。長女に一夜の契りを残して出征していった男、世界を放浪の末に巨額の宝石を手に帰国した男、妻を亡くして愛娘と暮らす美貌の仏文学者などが辿る、それぞれの人生の軌跡。三姉妹と男たちの軌跡が交わる時、愛と憎しみ、希望と絶望とが交差する。 -
飛騨忍法帖
女人禁制の誓いを破るとき、飛騨忍法は破滅する――乗鞍丞馬は、天人の如きお美也の美貌に触れたとき、奔り湧く恋情に忘却すべからざるこの戒めを忘れた。彼の幻法は瞬時にして枯死し、宗像主水正の豪剣に左腕を断ち落とされた。以来、宗像家の忠僕となった丞馬が、再び忍者として立ったのは、主水正が闇を縫う銃弾に斃れしゆえ。いま、飛騨忍法は甦った! 夫の仇討ちに京へ旅立つお美也を助け、丞馬は飛騨伝来の「五幻の術」で銃口の前に身を挺する。――かくて4年、最後の敵に対したとき、死を賭けた彼が、お美也への愛慕を籠めた秘法「死恋幻法」の凄まじき美しさ。 -
度胸時代
桑名藩十万石・松平下総守直正(ただまさ)の世子に生まれながら、生後まもなく怪盗百夜の弥吉の反抗的悪戯から、身投げ女の赤ん坊とすりかえられて育った左右吉は、生来の利発さと度胸のよさで、思いもうけぬ人生経験を豊富にする。日光東照宮の修築をめぐって、苦境に立つ桑名藩の側頭役・奥町丹左衛門の苦衷と、世子誘拐を策する公儀目付・竜道寺源五郎の執拗な魔手と、公儀隠密群の暗躍。市井の浪人・太郎左と名のる若年寄・小笠原相模守の隠密・武四郎は、怪盗百夜の弥吉から左右吉の出生の秘密を打ち明けられて庇護するが……。意表を衝く結末にいたる奇想天外な左右吉の度胸っぷりを描く巨篇。 -
大将
大きな耳にダンゴ鼻、茫洋としたなかに、強烈な個性を秘めた、130キロの巨漢――野呂内大太郎が、本篇の主人公である。 日本の敗戦で、ソ連の抑留生活から故郷の松山に還った大太郎は、340万円の遺産と、10ヵ条からなる亡父の遺書を胸に秘めて、松山市内での映画館経営を皮切りに、莫大な負債で倒産寸前の造船所を再建し、奥道後の温泉発掘に半生の運命を賭ける……。奥道後に万里の長城にみたてた巨大なホテルと純金の金閣寺を真似て建て、理想の大レジャーランドを建設した夢想の実業家=「四国の大将」をモデルに、波乱に富んだ半生を描いた、痛快な長編小説。 -
魚たちと眠れ
週刊誌記者の矢島が、ファニ―化粧品主催の洋上大学の取材をひきうけたのは、ハワイへ行ける楽しみより、生徒として参加する平均22歳半という100人の美女たちに惹かれた、といったほうがいい。4月中旬、豪華船セントルイス号は、5人の講師、カメラマンなどを加えた114人を乗せて横浜を出航した。しかし、生徒中1、2を争う美女・水島陽子の突然の失踪が、船内の華やいだ空気を一変させることになる。つづいて、講師のファッション・デザイナー及川弥生の変死……。華やかな雰囲気の陰の醜い愛憎の葛藤と意外な真相を、巧妙緻密な推理で解き明かしていく長篇推理小説。 -
奇妙な人たち
小池サクが女性実業家として異能を発揮しはじめたのは、彼女が中年の未亡人になってからである。彼女は生前、夫の放蕩に泣かされていたが、頭脳は男以上に良かった。サクが着目したのは、当時珍らしいコンドームの製造。だが、昭和初めである。苦労して作ったものの、販売と宣伝がむずかしい商品だった。彼女は自ら薬局をまわる。だが、反応は思わしくない。サクは、軍隊に目をつけた。うまく当り、海軍省ご用達に。さあ、急に大量注文がきた――。コンドーム産業の創成期に活躍した女傑を描いた「さっく一代」ほか、奇人伝6篇を収める異色小説集。 -
奇蹟の武将
南総の名家・里見家の二男・弥九郎時蕘(ときたか)は、生来の非力で、うつけ者とそしられたが、14歳で、里見家十三将の筆頭・正木氏を継いで、安房南条の鳥山城主となるや、突然変異で、鬼神のごとき膂力(りょりょく)を発揮して勇名を駛せるが、神通力を喪失したときは、元の非力者に還ってしまい、大正16年、土岐頼春との合戦にはぶざまな敗戦をしてしまう。だが、翌年の合戦には鬼神のごとき膂力を恢復して、一人で50余人を斬って捨て、天下に剛勇ぶりを知られる。……秀吉小田原攻めのかげに盛名を失った里見一族の狂い咲き、正木大膳亮時蕘の数奇な半生を描いた「奇蹟の武将」ほか、珠玉の時代小説集。 -
チャンスは三度ある
一度は倒産した社長・修一郎、デザイナー志望の美貌の青年・五郎、老フィクサー・相馬、実業家たち、ライバル社の専務、創始者の孫・宏……などの葛藤と、彼らにまつわる多彩な女性たちの存在。廻る糸車のように絡んではほどける人間模様と、ターミナル駅・池袋に繰り広げられるデパート業界の戦い。<上下巻> -
ソニー最後の異端 近藤哲二郎とA3研究所
不遇の天才かつ変人研究者、近藤哲二郎。彼は、なぜ、標準放送で送られてきた映像を、ハイビジョンクラスの高品位映像に置き換える新技術を開発できたのか? ーー話しても分からない人間には何も話さない、相手がたとえ役員であっても。ソニー随一の特許数を持ちながら、その性格ゆえ、開発した技術は1件も商品化されない、という不遇にあった近藤哲二郎が、一転して、「WEGA(ベガ)」「BRAVIA(ブラビア)」を成功に導く、デジタル高画質技術「DRC」を誕生させるまで。傑作ノンフィクション。 ーー取り寄せた特許のリストを1頁目から丹念に目を通していくうちに、出井(いでい)はひとりの研究者の名前に目を止めた。彼の保有する出願及び登録特許数が400件近くもあり、他を圧倒する数だったからである。(中略)そのうえさらに出井が驚かされたのは、そのうち商品化されたものが1件もなかったことである。「これは、いったい全体、どういうことなのか……」――本文より -
微笑剣
厩橋の領主・小野田義政の帷幄にあって、主家の興廃を双肩に担った堀内甚左衛門の娘・小笹は、内祝言したばかりの夫、北条氏の密使・鹿野門三郎に父を暗殺され、しかも妊ったのを知って、復讐の鬼と化す。一夜、上泉伊勢守信綱に微笑剣の極意を授けられると、巡礼に姿をやつして小田原の城下をめざす。戦国乱世の折から道中の掟はきびしく、女ひとりの旅を怪しむ男に微笑をみせて身を委ねながら、女夜叉となって懐剣に男たちの血を吸わせてゆく……。目的のためには手段をえらばぬ女の残酷さと、女の性の哀しさを描いた「微笑剣」ほか、8編の傑作を収めた時代小説集。 -
真紅の瞳
女性の美への憧憬が、現代社会において、さまざまな哀歓を生む――その美しく粧った心おごれる女性・蒔絵を中心に、心の美しさをつつましく守る女性・杉枝を対比させ、ゴルフに練達する素朴な青年、落魄の元宮殿下、好色で貪欲な実業家などの現代社会を表徴する男たちを配して、世相の明暗、女の生き方などをたくみに捉えた長編小説。現代小説に新たな意欲を示す会心の力作長編。 -
女の敵
たぐいまれな美貌にめぐまれたがために、女はより深い悲しみに哭かねばならないのか? 不幸な星のもとに生まれた女は、清純な魂をもつがゆえに、現代のさまざまな、「女の敵」に翻弄されながら生きねばならないのだろうか? 大正時代の孤高な作家といわれた黒木亮二を父に、瀬戸内海に臨む岡山県の片田舎に600年の歴史を誇る平家一門の旧家の一人娘を母にもつ黒木小露は、人生の暗い谷間に行きくれながら、渡り鳥のように女の幸福を追い求めるが、男の愛の暴力にすべてを奪われてしまう。――昭和動乱期のなかに哀しみを埋没させられた女の悲劇を描いた雄篇。 -
修羅長脇差
中仙道の首駅、武州下板橋宿の伝馬継問屋場をとりしきる梅谷六兵衛親方に、縄張を奪われた土地の貸元・久良蔵は、六兵衛が博徒の名のりをあげる花会に用意した金の一部を奪って、信州へ逃げた。3月後、上田生まれの幸太郎は、渡世の仁義で、失意の久良蔵親分に託された金を、根岸は御行の松の近くに住む久良蔵の妾・小芳に届けて、小芳を下板橋の乗妙寺まで案内する。翌日、小芳は未練気な旦那に別れて、幸太郎に根岸へ送られる途中、月明りで幸太郎の横顔に7年前のある夜、自分の一生を狂わせてしまった闇の男の面影を見出す……。渡世人の非情さを描く「修羅長脇差」その他。 -
今日の男
探偵小説家・山河幾太郎は、鋭い推理力と神出鬼没の行動力を駆って、銀座のネオンの蔭に巣食う麻薬密輸団の秘密をあばこうとした。身分を偽って14万ドルの遺産を相続しようと企む美しい魔女、その遺産を狙う謎の男、密輸団の首領、殺された女にからまる国際スパイの巧妙なトリック……。わが和製ルパン・山河幾太郎は、不気味な殺気がただよう暗黒街に颯爽と挑戦する。 -
孤独な剣客
鏡心明智流・桃井春蔵の道場に居候して、天才剣客と謳われた上田馬之助ほど、孤独に徹した剣客も稀れである。旗本小普請の伜で、生来の読書好きで竹刀をとったこともなかったが、13歳のとき母と密通していたい井蛙流の平井利兵衛に父を討たれて、父の遺言で母をその場で斬った瞬間から、虚無に生きる人間となり、13年後に漸くめぐり会った仇敵が中風で半身不随の病床にあるのを見て、さらに孤独が深まったのである……。道場破りで流浪しながら、島津斉彬の面前で魔技に等しい業を披露した上田馬之助の異常な天才ぶりを描いた「孤独な剣客」ほか、評判の時代小説集。 -
異変助太刀記
下野国の家老と奥役の争いが引き起こした「異変助太刀記」、塚原卜伝の逸話「一の太刀」、赤穂藩主の世襲問題に端を発した仇討ち「乱闘・高野街道」、安南国へ旅をした船の乗組員の記「異説おらんだ文」、天正遣欧少年使節・中浦ジュリアンの生涯「美しい日本の少年」、美濃の蝮の奸計と出世「斎藤道三残虐譚」、浪士組結成以前の若き日々「清河八郎」。代表作「眠狂四郎」の連載開始と同時期に書かれた柴錬初期の鮮烈な時代小説集。 -
わしは、わしの道を行く
敗戦の日本に、羽織袴のいでたちで姿をみせた15歳の少年――豊臣筑前守秀吉(ひできち)こそ、ブラジルの千万長者・秀右衛門が、「何事も修行のためでござる」と故国に送りかえした可愛い孫だった。はげしい流転の世相が、少年を包む。捨て子の加奈子、旧高利伯爵の庶子・元和、没落した元宮様の娘・和子、さらに元満鉄総裁の娘・啓子……。音をたてて崩れさる古い社会にあがく人々の中で、どこか超然と次元のちがう生き方を貫く筑前守。「2億円くらい孫に使わせてみよう」と、祖父が後をおって帰国した時、奇怪にも彼は行方をくらましていた――痛快しかも辛辣な巨匠の作品。 -
旅情密集
ここを永住の地と決めている人が、はたしてどれだけいるだろうか。新しい都会生活の様式=団地。10数万人がそれぞれに群がり生きている。鉄筋の壁を隔てて恋人同志が暮していることもあれば、挨拶を交さない隣同志もあろう。職業も生活も千差万別。そして、やがてはまた離ればなれになっていく……。 この巨大なマンモス・ビルの中に住む人々の哀歓を、1話1話にまとめて大きな反響を呼んだ、沢野久雄氏の評判小説。 -
誰にも出来る殺人
安アパート「人間荘」は、1階に7部屋、2階に9部屋があって、それぞれに人間離れした住人が住んでいる。12号室の住人は変わるたびに、人間荘で起きた殺人事件を、黒い表紙のノートに書き遺して……。そのノートが暴く5つの連続殺人と、その円環を閉じる最後の殺人の物語で、「新本格」の先駆けとなるような奇想に満ちた大傑作。 -
息子の結婚
大学教授兼評論家で釣りの好きな小山行夫さんも、そろそろ息子の結婚を考えねばならなくなった。照夫君には、ガールフレンドのヒロ子さんがいる。彼女の父・牧ドクトルも、釣り天狗である。照夫君の学友・進藤進一君の父・嘉六氏は、小山さんの先輩で、政治ずきな実業家だ。手に負えない息子と杉本ユリエさんの運命的なトラブルで、嘉六氏は小山さんに相談する。アプレ息子を持つ親父には、共通の不安と悩みがあるが、それを解決するために、小山さんの活躍がはじまる。戦後のホームドラマに新生面を開拓した作者が、奔放な青春にやどる思索と行動を描いた明朗な長篇小説。 -
青春探偵団
片田舎の高校で、ミステリー小説研究会「殺人クラブ」の同人6人の、軽快な会話とドタバタな調子で語られる推理劇5篇の連作集。 -
色の階段
猟色のベテラン・小見山が、デパートに勤める紀子にウツツを抜かし、しかも、目的が果たせないという、珍しいことが起こった。彼が、紀子のことで、あの手この手の策を弄していると、かならず、見知らぬ女の声で、電話がかかってきた。しかも、それは、彼に欺された過去の女の亡霊のように、彼をおびやかしつづけた。やむなく、小見山は、かつてガール・ハントの手ほどきをしてやった宇津に、助けを求めたのだが……。 2人の男のあくなき女体探求を通じて、性の世界の百態を展開する長編小説。前作「色名帖」の続編として書かれた異色作。 -
女人国伝奇
蜀山人が「全盛の君あればこそこの廓は 花も吉原月も吉原」と頌歌をささげた松葉屋の花魁・薫。抜群の美貌と聡明さ、そして見事な侠気で、この女人国の苦海を泳いでゆく。欲と金、色恋の深淵、侍の意地……。快楽の国・吉原で起こる奇っ怪な出来事に、鼠小僧次郎吉、葛飾北斎、遠山の金さんなどが絡んでゆく、山田風太郎ワールド。 -
光の肌
晴海埠頭で1台の自動車が引き揚げられたが、運転者の死体は出てこなかった……。Mデパートの店員・野上美樹子は、妊娠処置のことを、銀座のクラブに勤める友人に相談した。そのとき、英会話と車の運転ができる美樹子に、ある会社の秘書にならないかとの話がでた。そして美樹子は、大竹通産の専務秘書になった。高価なドレスや和服を着せられ、高級レストランや料亭につれ歩かれた。数か月後のある夜、大竹通産の社運をかけた取引がおこなわれた。相手は、東南アジアのQ国使節団。座には芸者もきて賑やかだったが、代表格の男は、美樹子にしか関心を示さなかった。その数日後……。 -
平安姫君の随筆がかり 一 清少納言と今めかしき中宮
笑顔をなくした姫さまへ 謎物語を献上します。 「後宮って本当に面倒くさいわ」 毒舌の新人女房が止まらない! 「後宮の人間関係って本当に面倒くさい」と宮仕えに馴染めぬ清少納言。 だが衆人環視の中で突如現れた仏像事件など、宮中はいとをかしな謎があふれる場所だった。 清少納言はそりの合わない紫式部を助手にして持ち前の機知で次々と解決。 その謎解きばなしを孤独に耐える后・中宮定子へお聞かせすることに。 身分の上下をこえてはじまった心と心の交流。 ところが、なぜか権力者・藤原道長が邪魔をしてきて……!? 『平安後宮の薄紅姫』『平安あかしあやかし陰陽師』の 大人気作家が描く爽快で痛快な平安ミステリー新シリーズ登場! -
あくまでも探偵は
この優等生、危険――! 「謎を解けば、金になる」 「悪党が這いつくばるのは気分がいい」 そんな彼の相棒候補は――平凡な僕!? クールでPOPな高校生バディ、令和の青春ミステリはここから始まる! ☆☆☆ 「森巣、君は良い奴なのか? 悪い奴なのか?」 平凡な高校生の僕と頭脳明晰、眉目秀麗な優等生・森巣。 タイプの違う二人で動物の不審死事件を追いかけるうちに、僕は彼の裏の顔を目撃する。 その後も、ネット配信された強盗と隠された暗号、 弾き語りする僕に投げ銭された百万円と不審なゾンビ、と不穏な事件が連続。 この街に一体何が起こってるんだ!? 令和の青春ミステリの傑作! -
美しき母への讃歌
代々の豪商の家に嫁ぎ、 日出夫を22で生んだ母。若旦那育ちの父は事業がうまくいかず、飲んでは母に暴力をふるい、やがて女と出奔してしまう。日出夫は小学5年、そのときから母子の貧乏が始まった。村に移り住み、製糸工場で働く母。日出夫を中学にやりたいが、その金がない。日出夫は進学をあきらめようとしたが……。母の大きな愛、それに応えようと成長する息子。学び舎、友、恋、青春の日々。 -
酔いどれ牡丹
沼田藩・真田家の奥深く、「お黒の森」に幽閉されて育った、雪姫に秘められた謎。雪姫に懸想した当主・信明が捨てた春姫が、身中に育てる邪悪な心の結末は? 雪姫派と春姫派に二分された真田家を巡る、家臣軍団と凄腕忍者たちの抗争。「雪姫の幸あれかしと黒姫の」の下の句に隠された謎を明かす鍵とは……。<上下巻> -
月姫系図
極悪非道の金山奉行・大久保石見守長安の配下の忍者・いの字や浪人・兵馬と戦う、正義の剣士・桜井進太郎。信玄の隠し金山をめぐる欲と欲のぶつかり合いと、武田勝頼の妻・月姫の謎とその孫に迫る毒牙。 -
海風山風
毛利家の城奥ふかく「客人」として扱われている姫君・也々さまの救出こそ、速水茂平次の悲願だった。秘策をこらして一度は成功したのに、姫の姿は瀬戸内の島影に消えた。誰の仕業か? 茂平次がシャムに使した時から影のようにまつわりついている奇怪な党派の首領・甚吾の妨害なのか。知香と名のる野性の美女の正体も判らぬ。が、茂平次は決然と島に乗りこんだ……。実は、一触即発の豊臣・徳川の対立をまえに、鉄砲・火薬あつめに暗躍する一派にとって、也々さまの生いたちには、貴重な財宝をさがすカギが秘匿されているようだ。姫は何者の手中に……。<上下巻> -
黄金の星座
卒業まであと1週間というところで、大学を放校になった邦彦。代わりに首席となった謙之介。孤高の天才と、野心に溢れた策士。ともに建築家を目指して上京し、邦彦は落ち目の建築事務所で、謙之介は一流建設会社で働き始める。才能対野望、因縁のライバル。ネオン瞬く東京の空、黄金の星座に続く黄金の梯子を上り詰めるのは、果たしてどちらなのか? -
賭の季節
映画スター・上杉悠子邸の玄関先に倒れていた死体――それは、悠子にそっくりの女であった。熱狂的なファンの「自殺」として片づけられたこの事件に、木島刑事は疑問をもつ。「捜査の邪道かもしれないが……」彼は心に殺人事件を描いてみた。悠子には幼くして別れた双生児の姉・竹村久子がいた。死体は、この久子なのだろうか、あるいは悠子その人なのかもしれぬ。刑事は、付人の西条悌子とマネージャー・藤岡謙にあたった。捜査が、華やかな女優生活の裏にひそむ「影の女」の存在を知った時、事件は意外な終末を迎える。巧妙なトリックを用い、「女の賭」を描く本格推理。 -
赤姫秘文
前田家の美貌の息女と瓜二つだったために、貧乏浪人の娘が遭う災難と冒険。赤城山の奥深くに、人知れず住む人たちの秘儀・赤姫秘文の謎と、それにまつわる奇譚を軸に、ふたりの美貌の女性たちの恋と欲とがないまぜになった、伝奇小説。 -
青春家族(決定版)
食料不足の終戦後、小説家の越智さんは、親子4人の栄養失調を回復すべく、毎日書斎にこもって腰の骨の痛くなるほど書きつづける。「いやしくも一家の家長である以上は、家族扶養の義務をおろそかにすることはできない。」……昭和の父の奮闘、妻の献身、息子の成長……。家族の青春をコミカルに、ポジティブに描いた「青春」シリーズ決定版。 -
高すぎた代償
失業した久世は、元上司の未亡人・治子が経営する連れ込み旅館に居候している。ひも生活の慰みにと、客室に集音機を仕込んで盗聴しているうちに、ある会社の労組絡みの無理心中事件に不審な点があることを知った。好奇心を覚えた久世は、私立探偵を名乗り、治子とともに関係者を調べ始めるが……。昭和30年代の東京を舞台にした長編ミステリー。 -
考えない世界
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 どんな世界なんだろう……。考えすぎてませんか? あなたに贈る絵本です! ーー何かと考えすぎてはいませんか? 考えるべきこともあるでしょうが、考えなくてもいいことも、またあるのです。考えすぎるあなたに代わって、考える小説家・原田宗典が、考えに考え、考え抜いた末にたどり着いた、考えない世界とはいかなるものか? イメージ豊かなかとうゆめこの絵とのコラボレーション。 -
仮面の君に告ぐ
目を覚ませば、身体は別人。 しかも“私”は一年前に殺されていた?! 犯人への復讐に燃える恋人を前に、果たして何ができるのか。 ――映画化された「ルパンの娘」シリーズが話題の横関大、読後に胸がざわつくミステリー! 涌井和沙は、目を覚ますと病院のベッドにいた。 戸惑っているうちに、「モリさん、目覚めたんですね」と看護師から声がかかる。 沸き起こる違和感に鏡をのぞいた和沙は驚愕する。映っていたのは赤の他人だったのだ。 身体だけが別人になってしまったことにパニックになるなか、 追い打ちをかけるように新たな事実が判明する。 涌井和沙は一年前、何者かに殺害されたというのだ! 衝撃のラストに思わず震える再読必至のミステリー! -
タソガレ
恩知らずな振る舞いをして、ストーカーまで呼び込む彼女の、他人には理解されにくいハンデは乗り越えられるか。心温まる愛と勇気のミステリー。……ぼくの彼女は、ぼくの顔を覚えられない。「相貌失認」という生きにくさを背負う彼女に、次々と襲いかかる事件。愛の力は、試練を乗り越えられるか? ーー社交的だったり、シャイになったり。その落差に惹かれて里美とつきあい始めた祐児。しかし、初めてのパリ旅行で、お世話になったご婦人を無視する里美に憤った祐児は、彼女から人の顔を覚えられない「相貌失認」だと打ち明けられる。人知れぬ生きにくさを背負う彼女が招く数々の苦難を、二人は乗り越えられるのか? -
狩りの時刻
悪夢か? 現実か? 「侍従」と称する中年男に、毎夜、誘(いざな)われて、平凡なOL・小金井依理子がさまよいこんだ、不可思議な性の世界……。そこで、謎の美女・徳乃本夫人に、女同志の愛を教えられた依理子は、突然姿を消してしまった夫人のあとを追って、徳乃本もと侯爵の宏大な邸に忍びこんだ。逞しい青年を愛撫する侯爵、犬を相手に孤独なセックスを楽しむ料理女、奇怪な蝋人形館に閉じこめられた少年……。悪魔の館に棲む人々を垣間みた依理子を最後に待ちうけていたものは、残酷な初夜の儀式だった……。女性の欲望を利用して巧妙に仕組まれた犯罪の罠を描く長編小説。 -
聖女
デウス天理教団の海外伝道尼僧・風間登代が、サンフランシスコS街の路上で、黒人に襲われた。登代は薄れゆく意識の中で、黒い腕にかわって白く輝く球体のようなものを認めた。〈ああ……聖なるお方が、わたしの前にあらわれている……〉登代はこの事件で妊娠してしまった。「私は大司教の御子を身籠った」と口走り、今夜も私のもとにいらっしゃると言う。登代を訪れる謎の男とは何者なのか? ……という女の業を描く表題作の他に、「黄色い吸血鬼」「蟻の声」「V定期便」「赤い的」「猫パーティ」「最後の一切れ」「蜘蛛の糸」の7編を収録。 -
舞台
29歳の葉太はある目的のためにニューヨークを訪れる。初めての一人旅、初めての海外に、ガイドブックを暗記して臨んだ葉太だったが、滞在初日で盗難に遭い、無一文に。虚栄心と羞恥心に縛られた葉太は、助けを求めることすらできないまま、マンハッタンを彷徨う羽目に……。決死の街歩きを経て、葉太が目にした衝撃的な光景とは――。 太宰治『人間失格』を愛する29歳の葉太。初めての海外、ガイドブックを丸暗記してニューヨーク旅行に臨むが、初日の盗難で無一文になる。間抜けと哀れまれることに耐えられずあくまでも平然と振る舞おうとしたことで、旅は一日4ドルの極限生活に--。命がけで「自分」を獲得してゆく青年の格闘が胸を打つ傑作長編! -
焼け跡から立ち上がった10人の男たち
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 昭和20年8月15日敗戦―焦土と化した祖国日本の明日に向かって雄々しく立ち上がった男たちの物語。 (※本書は2013/7/1に発売し、2022/1/7に電子化をいたしました) -
電気じかけのクジラは歌う
ヒトはもう、創作らなくていい―― 人工知能が個人にあわせて作曲をするアプリ「Jing」が普及し、作曲家は絶滅した。 「Jing」専属検査員である元作曲家・岡部の元に、 残り少ない現役作曲家で親友の名塚が自殺したと知らせが入る。 そして、名塚から自らの指をかたどった謎のオブジェと未完の新曲が送られてきたのだ。 名塚を慕うピアニスト・梨紗とともにその意図を追ううち、岡部はAI社会の巨大な謎に肉薄していく――。 私達はなぜ創作するのか。この衝動はどこから来るのか。 横溝正史ミステリ大賞受賞作家による衝撃の近未来ミステリー! -
七色の女
映画館で佳子と知り合った小原は、2度目の逢引の時、早くも彼女を籠絡することに成功した。佳子は、人妻だった。夫の須藤は、理髪店を経営しているという。ある時、彼は、須藤の店に散髪に行った。佳子から夫はこわい人だと聞かされていた彼は、須藤が自分と佳子の関係を知っているのではないか、と不安を抱いた。数日後、小原の所に、男の声で電話がかかった。その声は、小原と佳子が利用したホテル名を告げ、そこで小原に会いたいという。須藤か? 彼は怯えながらそのホテルに向かった……。という表題作、「マイガール」「ヌードモデル」「女狐」「春の夢」「疑惑の発生」など、全11篇を収録。 -
警視庁公安分析班
★★★WOWOW「連続ドラマW」にて2022年2月、ドラマ放映スタート!!★★★ 内臓が取り出された惨殺遺体。 心臓と羽根が載せられた天秤が意味するものは――? 現場に残された矛盾をヒントに、猟奇犯の正体を追え! 累計70万部突破の「警視庁殺人分析班」シリーズと対をなす、 「警視庁公安分析班」シリーズ、堂々開幕!! 都内で爆発事件が発生、直後に有力政治家が殺害された。遺体からは内臓が抜かれ、心臓と羽根を載せた天秤が残されていた。公安部に異動してきた刑事・鷹野秀昭は、持ち前の推理力で事件に挑むが、組織犯罪を疑う公安のやり方に馴染めない。苦悩する鷹野は猟奇犯に迫れるのか。緊迫のサスペンス・ミステリー! ★★★ドラマ情報★★★ 「連続ドラマW 邪神の天秤 公安分析班」 2022年2月13日(日)スタート(全10話) 毎週日曜 夜10時 放送・配信(第1話無料放送) 青木崇高 松雪泰子 徳重聡 小市慢太郎 福山翔大 瀧内公美 奥野瑛太 渡辺いっけい 段田安則 菊地凛子 筒井道隆 -
突っかけ侍
肥前唐津藩の元御馬廻役・松村金太郎は、今では突っかけ草履の小粋な兄さん、人呼んで「わざくれ橋の金さん」だ。武士稼業はすっぱりやめてはいるけれど、実は、主君・小笠原長行の内命を受けて、ひそかに藩のため働いている……。ある春宵、将監橋の上、唐津藩の内紛で長行の反対派にまわり、藩侯の里方・信州松本藩と手を結んで、藩論を朝廷方に傾けようと企む奸人で、義兄の仇でもある周施方・長谷川番作をバッサリ。ーー粋でいなせな金さんが、同じ脱藩・小南敬助らと協力、小笠原長行を扶けて東奔西走の活躍。剣雲、侠気、哀恋が織りなす、子母澤寛会心の幕末傑作長編! <全3巻> -
深い失速
《私》は、大学病院の若い精神科医。患者の丹野明夫は、人妻殺しを《私》に告白し、フミコという名に激しい心理的な反応をみせた。が、被害者であるはずの大和田緋那子は、健在なのだ。彼女は、美貌のパイロット夫人だった……。《私》は、患者の告白の謎を追わねばならない。丹野の恩師・宮川教授を訪れると、教授はフミコの名に動揺をみせた。《何かがある?》……。一方、緋那子の夫・大和田は、失速・墜落の幻想に悩みつづけているという。冷えた夫婦の陰影が漂っていた。 やがて、丹野の水死、ジェット機の炎上と事件は続発する。《私》の前にも白い靄がかかった……。
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