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  • 帰らざる日々
    3.5
    彼と愛し合った日々……。あの日々は、もう取り戻せないの?■ジュリーはイギリスの売れっ子クラブ歌手。あるとき、思いがけず、ローマの一流クラブに引き抜かれた。ローマはかつての恋人リコの生まれ故郷だった。ジュリーはリコと深く愛し合い、子供まで身ごもっていながら、銀行家である彼の祖父に結婚を反対され、別れさせられたのだった。その後生まれた息子は七歳になる。でも、リコはそれを知らない……。複雑な思いでローマに到着したジュリーを待っていたのは、人を愛する心を失い、冷酷な人間に変わり果てたリコだった。彼がジュリーを引き抜いたクラブのオーナーだったとは。リコはジュリーに捨てられたと思いこみ、彼女を目にするや冷ややかに宣言した。「君をここに呼んだのは復讐のためだ!」
  • 入れ替わった恋人
    4.0
    私は替え玉……見破られてはいけない。それなのに、恋に落ちてしまうなんて!■始まりは、あの同窓会だった。あの日、ローザと再会したばかりに。ローザのいとこレオを相手に、ハリエットの芝居がいま幕を開ける。同じ名門女子校を卒業した同級生のハリエットとローザは、双子と言ってもいいほどよく似ていた。そのことで、ずいぶん気まずい思いを味わいもしたが、八年の歳月を経て出会った二人はなぜかとても気が合い、悩みを打ち明け合っては姉妹のように親交を深めていった。そして、互いの問題の解決のためになされたのが、この提案だった!トスカーナで開かれるローザの祖母の八十歳の誕生祝いの席に、まさかハリエットがローザになりすまして来ることになるとは……。どうか無事に、この仮面劇を終えることができますように。吐息をついたハリエットをレオが見る。「君は変わったね、ローザ」レオは、私がローザでないことに気がついたのだろうか?
  • 三週間で仕事も恋も
    -
    仕事を断ったら脅迫まがいの脅しをかけて、いったい彼は何様のつもりなの!■椅子の張り替えから始まったインテリアの仕事だったけれど、サフランは今やかなり売れっ子になり、店も出せるようになっていた。ある日、忙しい時期に舞い込んだ依頼を、サフランは断ってしまうが、相手は、改装を手がけた屋敷のパーティで会ったフレイザーだった。彼は巨大企業の経営者で、断られた別荘の内装をぜひ頼みたいという。依頼もさることながら、彼女への興味も大きいようだ。サフランの気持は揺れた。三十五歳で独身、その地位からすれば結婚していてもおかしくない。なのにまだ、群がる女性のなかから妻を選ぶ気などないらしい。仕事一途で励んできて、これからもっと発展させようというとき、フレイザーの出現は、彼女にとって悩みの種でしかなかった。彼の強引な脅迫まがいの依頼に屈したわけではないけれど、サフランは三週間の期限つきで承諾せざるをえなくなる。こうしてふたりは別荘のある孤島へ出かけることになった。
  • 意外なエピローグ
    -
    子供だけ欲しいから、人工授精で構わなかった。でも今は、母と子を守ってくれる人も欲しい。■恋人が突然亡くなったとき、リンダは無性に子供が欲しいと思った。できれば恋人に似て、頭脳明晰で創造的才能に恵まれた子が欲しい。リンダは兄に頼んで適当な精子の提供者を探してもらった。そして、相手が誰か知らされないまま、無事男の子を出産した。しかし問題はそれからだった。彼女は母親に向いていなかったのだ。赤ん坊をどう扱っていいかわからず、しかも家事が苦手ときている。だから、庭の手入れをしてくれる芝刈り業者が予定どおり来なくて、子守りを頼んでいる隣人が怪我をした今、リンダはパニック状態だった。だが、救いの神は現れた。兄の知人だという男、ニック。彼がすべてを引き受けてくれたのだ。ニックは有能だった。なんといっても赤ん坊の扱いに慣れている。その上、ハンサムでセクシー。でも、定職につかずにあちこち放浪しているような人に、大切な子供を任せていいの? そして、私の心をあずけてしまっても?
  • 薔薇の香りに包まれて
    -
    優しさが欲しい。心からの愛が欲しい。薔薇の香りの中で私を抱き締めて。■こんなにも愛することができ、こんなにも悲しむことがあるなんて。ブルックは、ジャスティンを養子にして本当の愛と悲しみを知った。内戦にまきこまれて両親を失った赤ん坊を育ててきたけれど、この二年間に何度も繰りされた手術の費用がかさみ、元婚約者のクラークに頼んで家を売ってもらうしかなくなった。見栄っぱりなクラークはブルックをオークション会場に連れていったが、話を聞き終わるなり、知り合いの美女を見つけて姿を消してしまった。惨めさに押しつぶされていると、隣席の男が近づいてきた。どこか見覚えのある目をした男性は、信じられないほどハンサム。見捨てられた女をからかいに来たとも思えない。ブルックは言いようのない不安とともに、胸の中で彼にすがった。どうぞ、私の心をささえて……。
  • 愛は遠い旅路
    -
    人生にも、愛にも、明日の保証はない。だからこそ、二人で生きたいのだ。■空っぽの家、空っぽの子供部屋、ひとりぼっちのベッド……。帰ってきても、愛する人の“おかえりなさい”という声は聞こえない。小児整形外科医トロイ・ドノバンは孤独だった。妻のルーシーが彼のもとを去って一年になる。このまま、帰らぬ妻を待って一生を送るのはいやだ。戻ってくるのか、別れるのか、ルーシーに選択をせまらなくては。彼女からは電話も手紙もなく、一枚のクリスマスカードさえなかった。あんなに愛し合っていたのに、あの情熱は消えてしまったのか?ルーシーが新しい愛を見つけていても、戦うつもりだ。彼女に会い、もう一度この腕の中に取り戻す。僕はただ、ルーシーだけが欲しいのだ。これからの人生をずっと一緒に過ごしたい。
  • 身代わりウエディング
    -
    結婚式の準備はどんどん進んでいくけれど、どうなるの、この結婚?■ホープは二十五歳のパーティ・コンサルタント。亡くなった叔母の仕事を引き継いで、日々奮闘している。兄妹同然で育った叔母の息子アンディーが婚約し、ホープは自分のことのように喜んだ。が、それもつかのま、婚約者サブリナの兄トレースが反対していると聞き、胸を痛めている。トレース・モーガンは巨大企業の経営者で大富豪。アンディーを妹の財産目当てと疑っているらしい。アンディーはそんな人じゃないわ。私にできることはないかしら。すると、突然、トレースが店に現れた。たくましくセクシーな人。こんなすごい男性は初めて! この人が頑固でわからずやだなんて。聞いていたほど物わかりの悪い人には思えないけれど。あまりの魅力に圧倒され、私は何も見えなくなってしまったの?
  • 復讐は甘美すぎて 愛と復讐の物語
    -
    親友のスーと一緒に、パーティー・ポッパーズ社という、出張パフォーマンスを専門とする会社を経営するバービー。彼女は運悪く引き受けてしまった仕事に頭を悩ませていた。妖精の王女の格好をして、誕生パーティーの主役のために歌を歌う。仕事自体は簡単なものだが、歌を贈る相手に問題があった。ニック・アームストロング――彼には二度と会いたくなかったのに。九年前、やはりニックの誕生パーティーで彼女はひどく傷つけられた。きっと彼の顔を見るだけで、あの悲しみがいっきに戻ってくるだろう。どうにかして仕事を放棄しようとするバービーに、スーがとんでもない提案をした。「バービー、復讐は蜜の味よ」本当にそうだろうか?別人のふりをしてニックを夢中にさせ、それから彼を捨てたら、私は過去を乗り越えられるのかしら。時間がたてばたつほど、スーの案が魅力的に思えてきた。
  • 謎めいたドクター 診察室の恋人たち
    -
    罪なほど甘美なキスを交わした夜。あの瞬間に二人の運命は始まった。■時計の針が午前零時ちょうどを指したとき、新年を迎えるパーティーの会場で、助産師のジョアンナは見知らぬ男性にキスされた。彼の神秘的な魅力の虜になり、知らず知らずのうちに、彼女は大胆に応えていた。しかし耳元で新年の挨拶をささやかれたとたん、はっと我に返り、自分の犯した過ちに気づいてその場を逃げ出した。数日後、仕事で病院を訪れたジョアンナは、予期せぬ再会に息をのんだ。あの夜の謎めいた男性が診療衣に身を包み、何食わぬ顔で彼女の前に立っていたのだ!
  • 孤高の伯爵
    -
    この関係は、君がここにいる間だけだ。伯爵はかたくなにそう言った。■ダイアンはおとぎばなしなど信じていなかった。たとえ、妹がヨーロッパの小国エルビアの王と結婚し、おとぎばなしを体現していたとしても。だがある日、王の側近トーマスが家を訪れ、すべてが変わった。困窮し、生活に追われていたダイアンを息抜きさせるため、彼は強引にエルビアへと連れていった。初めは腹を立てたダイアンだったが、すぐに、いかめしく孤独なトーマスに惹かれている自分に気づく。彼は王の側近で、伯爵の称号を持つ男性。私とは身分が違いすぎるけれど、エルビアにいる間だけでも、彼と愛し合えたら……。そう願ったダイアンは、トーマスを誘惑しようと試みたが、彼は冷たく拒絶するばかりだった……。
  • プライドと愛と
    4.0
    妊娠した私をほうり出しておいて今度はこの子が欲しいですって?■メグは自分の目を疑った。なぜジャック・ターケントンがここに?彼からはもう長いこと連絡がなかったのに。アメリカの王室と言われている名家出身のジャックは、五年前、メグと激しい情熱で結ばれたあと、必ず連絡するという約束も守らず、彼女を捨て、その後もプレーボーイの名をほしいままにしていた。その彼がなぜ今、よりによって私の夫の葬儀に現れたの?メグは娘とつないだ手に力を込めた。まさか、この子の本当の父親が誰だか知っているのだろうか。出生の秘密は亡くなった夫しか知らないはず。だが、近づいてきたジャックの目を見て、メグは自分の懸念が当たっていたことに気づいた……。
  • 結婚は復讐の始まり 真実の花嫁 III
    -
    七年前、私を捨てたダックス。その彼と契約結婚をするなんて。■親友チャールズが不慮の事故でこの世を去り、ジリアンは悲しみに沈んでいた。そして葬儀の日、思いもかけない人物が現れた。チャールズの兄、ダックスだ。なぜ彼がここに? 私とチャールズを憎んでいるはずなのに。七年前、ダックスは私の婚約者だった。だが、私とチャールズの関係を疑ったダックスは、町を飛び出し、それ以来、戻ってくることはなかった。すべては誤解だったのだが、ダックスは今でも私たちを憎んでいる。それなのに、なぜ帰ってきたのだろう……。ジリアンの疑問は、葬儀のあとすぐに解けた。ダックスは彼女への復讐のため、ある計画を立てていたのだ。
  • 嵐の熱い夜 愛をはぐくむ大地 I
    -
    クールで人間嫌いのリップ。だが、彼の心を乱す女性が現れた。■リップは、キーパー牧場の巡回飛行機パイロットだ。彼は何事にも無頓着で、いつも超然としている。あるとき、牧場オーナーの息子が一匹の弱った犬を発見し、飼い主を上空からさがしてみるよう、リップに頼んだ。やがて重傷を負った男を見つけ、牧場の仲間に救援を頼む。他人の地に不法侵入した愚か者め。リップは男にはなんの同情心もわかなかったが、犬を自分の家に連れ帰り、獣医に診せ、世話をしてやった。数日後、犬とともに病院を訪れたリップは、男の妹だという魅力的な女性を見て、たちまち心を乱された。
  • 恋を教えて
    3.0
    デートの練習相手には、幼なじみが最適だ。でも、その幼なじみがあまりにすてきだと……■結婚して子供を産もう――アディはそう決心して故郷に戻った。だが、以前太っていて自分に自信がなかったせいか、男性とつきあったこともなく、デートの経験も三回きり。アディにとって男性は未知の種族にも等しい。どうしたら、夫になる人と知りあって、恋ができるのかしら?でも……幼なじみのジョーなら、夫探しを手伝ってくれるかもしれない。いまはコンピューター製造会社の社長となった彼は、工場建設用にアディの亡き両親の土地をほしがっていた。迷った末に、アディはジョーに話を持ちかけた。「土地は譲るわ。あなたがデートの練習台になってくれたら」ジョーは仰天した。だが、あの土地は必要だ。それに、こんなにも魅力的になったアディに、誰が断れるだろう?デートの練習には、キスも含まれるだろうか?こうして始まった練習が、やがて本番になり、ふたりはついに……。
  • ボスとの一夜
    -
    名家の令嬢キャサリンは、両親の支配から逃れて自立するために身分を偽り、ダンフォース海運の臨時秘書として働き始めた。初めての経験なのでわからないことも多いけれど、努力して認めてもらえるようになるつもりだ。ところが社長であるボスのイアンは、まじめに働くキャサリンに何かにつけ文句を言い、冷たく当たる。しかも雇われたばかりというのに、解雇を言い渡されたのだ。不当な扱いに我慢できなくなって抗議すると、思わぬ返事が返ってきた。「そばにいられると、君が欲しくなってしまうんだ」。
  • 蔑まれた純情
    4.0
    シェルビーは男友達のダニーに頼みこまれ、婚約者のふりをして一緒に帰省することになった。だが、彼の実家に着いたとき、シェルビーは唖然とした。不在のはずのダニーの兄、キングが現れたのだ。キングはシェルビーを都会育ちのあばずれだと軽蔑し、ことあるごとにつらく当たる。彼がいると知っていたら、ここには来なかったのに……。案の定、婚約を告げられたキングは怒りに燃え、シェルビーに向かって冷ややかに言い放った。「きみのような女と弟を結婚させはしない、絶対に」
  • 宿敵の口づけ
    4.0
    不当な理由から失業して行き場をなくしたマギーは、親友の兄クリントの牧場で短期の秘書をすることになった。本当はもう、ここには戻ってきたくなかった。マギーは子どものころから11歳年上のクリントに夢中で、どこへ行くにもおしゃれをして、あとをついてまわった。だが3年前、彼は冷たく言ったのだ。“きみなんか欲しくない”と。以来ずっと彼を避けてきたのに、彼のもとで働き、一つ屋根の下で暮らさなくてはならなくなるなんて。迎えに来たクリントの目に宿る強い光に、マギーの胸はさらなる不安でいっぱいになった。■超人気作家D・パーマーの真骨頂ともいえる、初恋の激しさと苦しみを余すところなく描いた作品です。侮蔑の言葉をぶつけながらマギーを抱きしめるクリント。彼の気まぐれにマギーはいつまで耐えられるのか……。そのもどかしさは、悶えてしまうような甘い責め苦です。
  • はかない初恋
    4.0
    ひっつめ髪に、黒縁めがね。垢抜けない簡素な服。敬虔な母親の影響で、地味な装いを好む秘書のエリナーは、この3年間、ボスのカリーにずっと恋している。振り向いてもらえなくても、そばにいられればいい――そう思っていたある日のこと、エリナーは偶然聞いてしまった。ボスが彼女のことを“男に見向きもされない田舎娘”と言うのを。しかも、傷ついた心に追い打ちをかけるかのように、カリーは美しく洗練された恋人との婚約を発表する。絶望の淵に落とされ、エリナーはたまらず辞職を申し出るが……。
  • 素足の妖精
    4.0
    17歳のリンデンにとって、毎日が薔薇色だった。なぜなら家にはジョス・ホワイトがいるからだ。険しい坂道で事故を起こした彼を車から助け出し、家へと連れ帰った。リンデンとジョスは親子ほども年がちがうのに、とても気が合って、人間嫌いの画家の父も、彼を気に入っている。そんなある夜、生まれてはじめてパーティへ出かけたリンデンは、同じ年頃の男の子たちなど誰一人目に入らず、ジョスのことを愛していると気づいてしまうのだった。月光を浴びて泳ぎながらふと岸を見やると、ジョスが立っている。彼は水の中に入ってきて、裸のリンデンを抱きすくめた。■月の光に照らされ、柳の木の下で結ばれた二人。しかし翌朝リンデンは、父親からジョスが出ていったこと、彼に妻がいることを知らされてしまう。絶望したリンデンは……C・ラム、衝撃の初期傑作品。
  • 魅惑の花嫁
    -
    職を失ったエミリーは、コロラドの町にやってきた。ここでホテルを開いて資金をため、念願の夢を実現させるのだ。開業予定の場所は酒場の二階で、そこの所有者はルーカス・マッキンタイヤという男性だった。彼は遺産相続のために妻を至急見つけなければならない境遇にある。エミリーはルーカスから純粋な取引として便宜結婚を持ちかけられ……。
  • 御曹子とスキャンダル
    3.0
    家業のベーカリーを手伝い、姉たちの相談に乗る。真面目で責任感のあるティナのそんな毎日は、名家の御曹子リードの出現とともに変わり始めた。いくら距離を置こうとしても、リードは引き下がるどころか、女性を魅了してやまぬセクシーなほほえみで誘いをかけてくる。あらがえなくなったティナはついに、彼の胸に飛び込んだ。めくるめく情熱の夜は想像以上にすばらしく、ティナはすべてを忘れて夢中になった。逢瀬の代償がどんなに高くつくか、初めて恋した彼女にわかるはずもなかった…。
  • ボスに囚われて
    -
    避暑地を訪れたケイトは、傲慢な大富豪ケンブリッジに、彼の土地から追い払われたことで腹を立てていた。気分転換に湖でクルーザーに乗ったとき、遊泳中のケンブリッジを不注意にもはねてしまう。恐怖から逃げ出したものの、後日罪悪感に苛まれ、謝る決意をする。ところが向かう途中で彼に出くわし、驚愕した――なんと彼は視力と事故の記憶を失っていた!加害者とは気づかず気さくに話しかけられ、ケイトは正体を明かす機会を逸してしまった。さらに困ったことに、ケンブリッジは彼女のことを気に入り、住み込みの秘書になってほしいと申し出てきた。■“年上の男性との恋物語”――裕福で世慣れていて、罪なほど強引な大人のヒーローの魅力がちりばめられている名作をお届けします。
  • 謎めいたプレイボーイ
    4.0
    世界を股にかけて活躍する、敏腕社長マッカラム――数カ月前に彼の秘書になったマデリンは、不在ばかりの社長の顔を、実はまだ見たことすらない。それでも仕事にやりがいを感じ、忙しく過ごしていたある日、隣の家にカルという男が住みはじめた。長身でハンサムなカルは獅子を思わせる威圧感を漂わせ、初対面から、マデリンが自分を誘惑したがっていると決めつける。「時間の無駄だよ、君はぼくのタイプじゃない」とんだ言いがかりに憤慨し、彼を避けようとするマデリンだが……。
  • 涙の湖
    4.0
    病気の母の療養費を稼ぐため、記者のダナは身分を偽って有名会社社長のエイドリアンに近づき、潜入取材を行った。だが彼女の記事の誤りのせいで、彼の会社は破滅してしまう。3年後、まだ罪悪感を拭えずにいるダナを思わぬ事態が襲う。みごとに会社を建て直したエイドリアンが、宣伝のために記事を書いてほしいとダナを指名してきたのだ。きっと復讐する気だわ! 恐る恐る彼を訪ねたダナは、エイドリアンの本当の目的を聞いて、思わず耳を疑った。「半年間、僕の秘書として働け。償いをしてもらう」
  • 甘い冒険
    -
    地味でおしゃれもメイクもしたことがない、本の虫のレベッカ。研究所に勤める彼女の生活には仕事以外何もなく、この10年間は男性とベッドをともにしたこともない。そんな彼女が、誕生日を機に一大決心をした。生活に変化を求めて、冒険をするのだ。ハンサムな上司のケントが保護者顔で止めるのを押し切って、レベッカは手始めに変身キャンペーンに申し込む。見事に美しくなった彼女を同僚たちが我先にデートに誘うなか、ケントだけはなぜか苦い顔で邪魔ばかりして……。
  • 赤いばらの誓い
    3.0
    「フォード・ハーロウと結婚しろ」有無を言わせぬ父親の命令に、リーナは言葉を失った。父は、最愛の妻を出産時に亡くしたことを恨み、娘を虐げてきた。今度は隣の牧場主フォードとの土地の取り引きを利用して、いよいよ娘を厄介払いするつもりらしい。でも、フォードは誰もが憧れる、裕福でハンサムな男性。彼みたいな人が、私に関心を持つはずもないのに……。そんなリーナの予想は、しかしあっさりと裏切られた。なぜかフォードは彼女との結婚を望み、リーナを戸惑わせたのだ。
  • サルド家の兄妹
    -
    看護師のアンジーは6年ぶりにバヤルター島へ向かっていた。身寄りのない彼女は10代のころ、よく親友に招待されて、この美しい島で休暇を過ごしたものだ。だが、温かく迎えてくれたサルド一家との楽しい思い出は、先週親友からもたらされた知らせで輝きを失った。親友の兄リックが爆弾の破片をあび、視力を失ったのだ!スペイン名家の跡継ぎで、自信にあふれていたリック――ひそかに愛していた彼の苦悩を思うと、アンジーの胸は痛んだ。わたしがそばにいるわ。この想いが報われなくても。
  • こわれかけた愛
    1.7
    “別居中の夫、ニコス・カリソスと1年間ともに暮らすこと”父の遺言状に書かれた一文に、カトリーナは呆然とした。カトリーナが実業家の夫ニコスと別居したのは、結婚直後。彼が愛人を妊娠させたと知り、ショックのあまり家を出たのだ。父は、もし遺言条件をのまないのであれば、一族の会社を、娘ではなくニコスに譲り渡すという。大切な会社を、ニコスに渡すなんてできないわ……。悩んだすえ彼女は、以前暮らしていた屋敷に戻ろうと決めた。待っていたのは、愛憎と官能うずまく駆け引きの日々だった。
  • ウエディング・ナイト
    -
    愛する男性の結婚式を演出すること――これほどつらい試練がほかにあるだろうか?■フィオーナは、引く手あまたのウエディングコーディネーター。ある日、大富豪の未亡人キャスリンから仕事の依頼が舞いこんだ。コーディネートするのは、彼女の一人息子の結婚式。この仕事を成功させれば、名実ともに業界の第一人者になれる。ただ、一つだけ問題があった。キャスリンの一人息子とは、十年前フィオーナとつかのま結婚していた相手、フィリップなのだ。キャスリンは、フィオーナがかつての花嫁とは気づいていないらしい。そうとわかれば、依頼はキャンセルされるだろう。フィオーナは正体を隠してキャスリンの屋敷に出向いた。幸いにも、今や別人のごとく洗練されたフィオーナに、キャスリンは気づかない。ところが、そこへフィリップが……。十年前より魅力的になった彼は、母親が席をはずした隙に言った。「そんな芝居はやめるんだ」フィリップは気づいていた! やはりこの仕事は降りるしかないの?
  • レディは恋泥棒
    3.0
    いくら親友を助けるためでも、あの男の婚約者のふりをするなんて……。■パリサは脅迫された親友モイアを救うため、ゆすり屋のアパートメントに忍び込んだ。有名な南仏のヌーディストビーチで撮られたモイアの写真を取り戻さなければならない。やっと机の中に写真を見つけて、早くここから逃げだそうと、身をひるがえした瞬間、頑丈な壁のような体にぶつかった。「つかまえたぞ」太い腕で腰に組みつかれ、床へ倒れた。転がった懐中電灯の弱い光で、男の顔がかろうじて見える。ルカ・ディマッジ! なんてこと! 本当に彼なの?十年前、私のファーストキスを奪った相手が友人を脅していたとは。しかも、彼はパリサにとんでもない要求をつきつけてきた。「一緒にイタリアへ来て、二日間だけ僕のフィアンセを演じてほしい。そのあとで写真を返そう。それとも窃盗犯として警察に捕まりたいか?」
  • 愛は惑いののちに パーフェクト・ファミリー IV
    1.0
    「初体験の相手は誰だっていいのよ」それは腹立ちまぎれの言葉だった。■親戚のソールに報われない恋をして自分に嫌気がさしたルイーズは、家を離れ、ブリュッセルでヨーロッパ連合議会の仕事に携わっていた。だが祖父の誕生日パーティを機に久しぶりに帰省した彼女は、双子の妹ケイティから聞かされた話に衝撃を受ける。大学時代の指導教授だったギャレス・シモンズが、ルイーズの上司が一員である委員会の委員長に任命されたというのだ。ソールに夢中で勉強に身の入らなかった学生時代に、ギャレスはただただ口うるさい存在でしかなかった。しかも三年前の夏、家族と訪れたイタリアで偶然にもでくわし、失恋の傷心をいだいていたルイーズは、なかば捨て鉢になって、初めての性的体験を彼と持ってしまう。二度と会いたくない男性と、再会してしまうかもしれないなんて……。
  • 愛の形見を胸に
    4.0
    婚約を一方的に解消したわたしの胸に、今も揺れるのは彼からの指輪。■幼いころに両親を亡くしたセリーンは、祖父母の屋敷で育てられた。祖父ジェラルドは友人とともに土地開発の会社をおこし、その友人の孫息子であるガイを会社の後継者とみなしていた。鋭いビジネス感覚を持ったガイはたちまち社内で頭角を現し、そんなガイを、祖父はお気に入りの孫娘セリーンと婚約させた。セリーンは心からガイのことが好きだった。しかし、ずば抜けて優秀な彼に自分はふさわしくないと思い、婚約を一方的に解消して祖父の家を飛びだしてしまう。そして三年後、自立して生活する彼女のもとに祖父の訃報が届いた。故郷に帰ったセリーンを出迎えたのは、独身を通していたガイだった。二人の仲を裂こうとする悪意ある者の存在も知らぬげに、セリーンの胸元には、今も婚約指輪がチェーンの先で揺れていた。
  • 涙の手紙
    2.0
    楽しく過ごしていた毎日を、一通の手紙が変えてしまった……。■ブライアナは養女だが、愛情深い養父母のもとで幸せに育った。二十一歳になったある日、弁護士事務所から手紙が届く。要領を得ない内容が気になったブライアナは、受付として働いている病院を抜け出して事務所を訪れた。現れたネイサン・ランドリスは、若いのに尊大な冷血人間。しかもはぐらかしてばかりで、何も教えてはくれない。さすが弁護士ね――でも、笑った顔は驚くほど魅力的!役に立てないと言うネイサンにブライアナはいらだつばかり。ここまで来たのに結局何もわからないなんて!いったいどんな用件なの? ネイサンは何を知っているの?ネイサンの父に実の母親のことだと告げられたブライアナは、やがて驚くべき事実を聞かされることになる……。
  • 春の妖精
    4.2
    理想とはかけ離れた女性に一目惚れ。その日から彼の人生はがらりと変わった。■祖父の代から続く銀行を経営するジェームズは、自他ともに認めるエリートビジネスマン。父に遺された格調高い屋敷に住み、従順な使用人に恵まれ、申し分なくエレガントなガールフレンドがいて、何ひとつ不足のない人生だと思っていた――彼女に、小柄で赤い髪のペイシェンス・カービーに出会うまでは。彼女は身寄りのない老人のための下宿屋をしていて、ジェームズが幼いころ駆け落ちして家を出た彼の母が、弱った体でそこに暮らしているという。感情を包み隠さず、ずばりとものを言うペイシェンスは、ジェームズに欠けていた温かさと思いやりに満ちていた。彼は反発しながらも、強く惹かれていった。
  • 月に願いを
    -
    あなたと過ごしたあの夜からわたしの人生は始まった。■ザンナは父の経営する会社で仕事ひと筋の毎日を送っていた。ある日訪れた亡き母の生家で、自動車修理工のジェイクと出会い、名前すら隠したまま情熱的な一夜を共にする。いつもなら気にかけないタイプの男性だったが、魔法をかけられたように、彼の男性的魅力にあらがえなかった。自分らしくない行動をとったと後悔した彼女は翌朝、別れも告げずに彼のもとを去った。だが元の生活には戻れなかった。妊娠してしまったのだ。動揺して再びジェイクを訪ねたが、彼の姿はない。妊娠を知ったザンナの父は冷たく、中絶しないのなら会社をやめて部屋も出ていくよう言い渡した。おなかの子どもを殺すことはできない――彼女は決心した。
  • ふたりのジョアンナ
    3.0
    デイヴィッドは二年も前から、妻と離婚したいと考えていた。妻にしたのは、心に描いていたような純粋な女性ではなく、金持ちの相手を見つけようともくろみ、成功した計算高い女だったのだ。我慢も限界というとき、妻のジョアンナが交通事故に遭う。軽傷ですんだが、彼女は記憶を失っていた。彼が夫だともわからず、驚いたことに、まるで新婚当時そのままの彼女になっている!彼はジョアンナに魅了されそうになる自分を厳しく戒めた。いつまた記憶が戻り、元の冷たい妻になるかしれないのだから。一方ジョアンナは、夫だという男のよそよそしさに戸惑い、傷ついた。彼は明らかに私と一緒に暮らしたがっていない。いったい私たちはどんな夫婦だったのだろう。
  • 幻を見ていた夏
    -
    ベストセラー作家カテリアナ・レディングを目の前にして、ハイメイは言葉を失った。彼女の雇主であるシルバーブロンドのその女性は、かなりの年齢のはずなのに、どきりとするほど美しかった。本の裏表紙の写真から予想していたとはいえ、実際のカテリアナがこれほど魅力的だったとは。ハイメイが作家の秘書という仕事に応募してバミューダ島に来たのは、二十七年前にカテリアナがとった行動の謎を解くためだった。夫と赤ん坊を捨てて出ていった女性の心の秘密は?ところが、ハイメイはすぐに衝撃的な事実に直面した。カテリアナは、亡夫の息子で若く精悍なドミニクと親密な関係らしい。だがハイメイのとまどいをよそに、ドミニクは彼女に近づいてきた。
  • 魅せられた秘書
    4.0
    地味で平凡だから秘書として雇われたのだろうか。■グレイシーは妹の手紙を読んで深いため息をついた。トラブルメーカーのジェニーが、また助けを求めている。今度は、勤め先の社長の甥とドライブ中に事故を起こし、病院に運ばれてしまったらしい。仕方なくニューヨークに出向き、社長のモーガンに会ったところ、グレイシーは容赦ない要求を突きつけられた。妹のかわりに自分の秘書として働き、罪を償えというのだ。なんて冷酷な人! でも彼は私をひどく落ち着かない気分にさせる。強烈な魅力を放つ彼のそばで働いたりしたら、私が払う代償はさらに高くつくことになるかもしれない。グレイシーは大きな不安を覚えたが、妹を見捨てるわけにいかず、理不尽な要求をしぶしぶ受け入れた。
  • あなたなしでは
    -
    出会ったときからわかっていた。好きになってはいけない人だと。■実業家のロブ・ストウは若くして才能を発揮し、いくつもの企業買収に辣腕をふるい、つねに世間の注目を集めてきた。その彼が、二年前の事故をきっかけに人々の前から姿を消した。そして長い入院の後、車椅子での生活が続くロブを支えたのは、人気女優のモリーとその娘のポーシャだった。おかげで彼はリハビリにも耐え、再び自分の足で歩こうとしている。モリーへの気持が恋と呼べるものではないとしても、ロブはモリーの望みどおり、彼女と結婚するつもりでいた。ところがある日、ロブは書斎の窓から外を眺めていて、舗道を歩いてくる女性から目が離せなくなってしまった。ニーヴとの出会い。ロブは一目で彼女のとりこになっていた……。
  • 百万分の一の奇跡
    4.0
    夫の浮気の現場を見て、彼女は家を出た。八カ月後……。■結婚して六年、孤児院で育ったアシュレイは、子供を産み、家族をたくさん持つのが夢だった。だが、夢はなかなかかなわず、病院で検査を受けてみると、夫との間に子供を持つのがほとんど不可能だとわかり、愕然とする。それでも夫のコードには変わらぬ愛情を持ち続けていた彼女だったが、ある日、夫の義理の母親と彼との決定的な浮気の現場を見て、家を飛び出してしまう。ところが皮肉なことに、その直後に奇跡ともいえる妊娠を知る。彼女は一人で子供を産む決心をして仕事を見つけ、出産に備えた。八カ月後、アシュレイのもとに一本の電話が入った。コードからだった。すぐに会いたいという。今ごろどういうつもり?すぐに電話を切ってしまったが、病院からだという彼の話が気になった。もし生死にかかわることだったら? 会いに行くべきかもしれない。でも、一目で妊娠しているとわかるわたしを見て、なんと言うだろう。
  • 至急花嫁求む
    -
    いつになったら気づいてくれるの。あなたを見るたび、揺れ動く心に。■ある事情から、バクスターは大至急“花嫁”を求めていた。そして、地下鉄の構内でうってつけの候補者を見つけた。フルートを吹いて小銭をかせいでいるホームレスの娘だ。一万ポンドと引き替えに、偽装結婚をしてくれないか――そんなとっぴな話を持ちかけると、娘はあきれながらも結局承諾した。娘の名前はディー。家出娘だった。しつこく言い寄る義理の父親に耐えかね、家を飛び出したのだ。家には絶対に戻りたくない。かといって路上生活を続けるのもつらい。そんな彼女にとって、バクスターの申し出はありがたいくらいだった。これでもう、食事のことや寝る場所のことを心配しなくていい。それに、バクスターはとてもいい人みたいに見える。だが、このとき、ディーはまだ知らなかった。偽装結婚の相手がバクスターではないことを……。
  • ちょっぴり罪な関係
    3.0
    傷心を癒すための休暇で大嫌いな彼に会うなんて……。■ロンドンの一流銀行に勤めるサスキア・フォードは、一人、トスカーナの別荘で優雅なバスタブに身を沈め、恋人の手ひどい裏切りによって受けた心の傷を癒していた。もう恋になんか落ちるものですか――そう思いながらバスタブから身を起こしたそのとき、バスルームのドアが開き、彼女は凍りついた。戸口に現れたのは、彼女のよく知っている男――幼いころから憧れ、憎んでいた、義理の兄だった。優秀で、魅力的で、常にセクシーな美女に追いかけ回されている血のつながらないその兄は、いつもサスキアの劣等感をかき立てた。いつしかサスキアは、彼をできるだけ避けるようになっていたが、彼のほうも、サスキアとうまくやっていこうとはしなかった。その義兄がなぜここに? よりによってこんな気分の時に。サスキアは不安に震える胸をおさえて彼を見た。
  • 愛が行方不明
    -
    「夫である僕を忘れたのか?」ですって?失われた記憶の中で、私は結婚していた……。■春の訪れとともに、アニーのホテルにも客足が戻ってきた。ここはサンタバーバラ沖に浮かぶ小さな島、アナパムア。両親を飛行機事故でなくして以来、一人でがんばってきたけれど、事故を目のあたりにしたアニーはショックから抜けきれず、その直後の二カ月間の記憶をどうしても取り戻せないでいた。シアトルのホテルに研修に行っていたはずなのだが……。あれから二年、今日は巨大ホテル・チェーンの経営者を迎える予定だ。休暇だというけれど、こんな小さなホテルにどうして?フリン・パーカーは、歓迎の花を差し出すアニーを見て驚愕の表情を浮かべた。「いったいこの二年間、どこへ行ってたんだ? 君は僕の妻なのに」失った記憶の中で、私は結婚していたの?教えて! 私はあなたにどんなふうに愛されていたの?
  • 真実は秘めたまま 億万長者に恋して
    3.5
    ベス・ローレンスは義理の兄マイクにどうしてもと頼まれ、彼の会社のパーティで余興を演じることになった。当日、セクシーな格好でパーティ会場に赴いたベスは、マイクのリードで踊ってみせたが、くるくるまわされたせいで、彼が手を放したとたん、みっともなく床に尻もちをついてしまう。大笑いする男たちのなかに、ひとりだけ笑っていない男性がいた。きわめて魅力的だが、ベスを見る目はひどく冷たい。しかし、次の瞬間彼は表情を一変させ、にこやかに手をさしだした。その男は十年で巨大なビジネス帝国を築いた実業家として評判の、デクスター・ジョルダンニというイタリア人だった。ベスは彼から翌日の食事に誘われ、一週間後には婚約指輪を渡される。あまりに速い展開に驚きながらもベスは舞いあがり、デクスターが自分に近づいた真意など疑いもしなかった。
  • 甘い週末
    4.0
    この週末がどんなにすばらしくても、それは束の間の夢――彼を愛してはいけない。■アビーはタナー・エンタープライズの郵便仕分け室で働いている。職場はいつも社長C・K・タナーの噂で持ちきりだ。冷酷なビジネスマンにして、ハンサムな億万長者のプレイボーイ。女なら誰もがあこがれて当然だ。ただアビーだけは慎重にタナーを避けていた。住む世界が違う相手に、はかない夢など抱かないほうがいいから。実際、この一年半、毎日社長室に郵便物を届けているけれど、話したことはほとんどない。きっと彼は私の名前も知らないだろう。ところがその日、郵便物を受け取ったタナーは、微笑みを浮かべて、こう言ったのだ。「ありがとう、アビー」さらに驚くべきは、そのあと彼の口からこぼれ出た言葉だ!「この週末、僕に同行して、妻役を演じてもらえないだろうか」それは企業買収を有利に運ぶためのビジネスとしての提案だった。
  • 冷たい誤解
    3.0
    父の突然の訃報と軽蔑のまなざし――それが彼との冷戦のはじまりだった。■彼が戸口に立って名乗った瞬間、アナの興奮は一気に頂点に達した。ギャレット・ホールデンといえば、一代で巨万の富を築いた億万長者ということを知らない者はいない。アナは、この血のつながらない兄のことを父ロビンからよく聞いていて、いつか会いたいと思っていた。会えた喜びも束の間、彼の口からこぼれ落ちたのは、ロビンが死んだという知らせだった。しかも葬儀はすでに終わっていた。あまりの衝撃と悲しみに呆然自失している彼女に、義兄は軽蔑の念を込めた視線を向け、言い放った。「ロビンの次は僕をたらし込むつもりか?」アナは悟った――自分が老人の財産を狙った悪女だと思われていることを。
  • せつない嘘 最高のあなた
    4.0
    いつの日か運命の人にめぐりあえる。そう信じて待ち続けてきたけれど……。■カリフォルニア最後のバージン。それがリラについた不名誉なあだ名だった。高校時代は勉強熱心なあまり、浮いていた。大学時代は気軽に男性とつき合えず、デートの相手もいなかった。そして、今は……軍人の父が連れてくる花婿候補に会うたび、風変わりな外見とふるまいのせいで断られつづけている。もう、うんざり。わたしは一人で生きていくわ。そう決心した彼女は見合いを阻止するため、婚約者がいると嘘をつく。だが父は取り合わず、またしても部下の男性を引き合わせた。たくましい体つき、輝く緑の瞳。目をみはるほどハンサムな男性だ。思わず心ときめかすリラに、彼ははっきりと自分の考えを示した。君のお父さんに頼まれたから仕方なく会ってみただけだ。誰とも結婚するつもりはない。まして上官の娘なんてまっぴらだ、と。
  • 終わりなきシナリオ
    -
    憎まれようと、さげすまれようと、俺は自分の子供を手に入れる。■“ヘザー、君のことが忘れられない”。ジョーイ・ファサノは、自分の失言を深く恥じていた。アカデミー賞の授賞式であんなことを言ってしまうとは。自分を捨てた女を未練たらしく忘れられないでいると、全世界に知られてしまったじゃないか。六年前、俺はヘザーに捨てられた。栄えある上院議員のお嬢様。彼女の兄を殺したと責められ、追われるように町を出た。ヘザーも味方にはなってくれなかった―その彼女が今度結婚する。テレビでは彼女と婚約者のことが報道されていた。画面の横のほうに小さな男の子が映った。あの子はいったい誰だ?五歳のころの俺にそっくりだ!別れたとき、ヘザーは俺の子を流産したと言っていた。あれは嘘だったのか?そこまで俺を憎んでいたのか?
  • プライベート・バカンス
    -
    大学でアメリカ文学を教えている36歳のゲイル。離婚をして以来、世捨て人のように娯楽や恋愛からは遠ざかってきたが、友人のすすめで春休みにバカンスに出かけることにした。目的地は大好きなヘミングウェイのゆかりの地、キーウエストだ。そしてブルーグリーンの海が美しい常夏の島で、ゲイルはジェシーに出会う。ジェシーは、滞在先の隣に住む最高にセクシーな男性。ゲイルはたちまちジェシーに惹かれ、彼とめくるめく官能のひとときを楽しむようになった。隠されたジェシーの正体にゲイルが気づくのは、まだ先のことだった。
  • 恋と冒険とカウボーイ
    -
    自分を変えたくて、洗練された女を装って夏の発掘調査隊に参加した、本当はさえない教師のクリスティ。個性豊かなヒロインが恋の季節に見つけた永遠の愛とは……?
  • かなわぬ初恋
    4.0
    両親を相次いで亡くし、孤児になったティシュは、裕福なカリー家の養女となり、何不自由なく育った。中でも長男のラッセルとは兄と妹のように仲良しだった――そう、一年前に帰省した夏のあの日までは。ラッセルは、一糸まとわぬ姿でいたティシュに歩み寄ると、彼女をあばずれだとののしりながら乱暴な口づけをした。傷ついたティシュは、すぐに荷物をまとめてカリー家を去り、二度と帰郷しないとかたく心に誓った。だが一年後、ラッセルは突然迎えに来た。
  • 誘惑のゆくえ 年上と恋に落ち
    3.0
    シリは憂鬱だった。辣腕弁護士ホークの独占取材のため、彼と二人でパナマへ向かうことになったのだ。父の共同経営者であるホークは、いまだにシリを子供扱いし、軽蔑する。新聞記者として優秀だから今回の同行も命じられたのに、「子守などしたくない」と言われる始末だ。悩んだ末に、シリは行くのをやめる決心をした。ところがそれを聞いたとたん、ホークは手のひらを返したようにシリに優しくなり、ときおり熱い視線さえ向けながら同行を迫った。
  • あなたとウエディング
    -
    ドディーは妹の結婚式の花嫁付添人を頼まれ、パニックになった。 妹は有名な美人女優――かたやドディーはぽっちゃり体型。 これまでも妹と比べられてみじめな思いをしてきたのに、 晴れの席でさらし者になるなんて耐えられない……。 すぐさま高級スポーツクラブで働く親友に泣きついたところ、 紹介されたのは驚くほどハンサムなブラッド。 魅力的な彼に、体の曲線をなでるように見つめられ、 ドディーはどぎまぎしてしまう。 彼につきっきりで指導されるなんて、どうしたらいいの!?
  • 一夜の魔法 富豪一族の宿命 XIV
    -
    カイラの人生の目標――それは会社で昇進することだ。私生活は皆無に等しかったが、少しも苦にならなかった。あとは上司のギャレットさえ私の実力を認めてくれたら……。ある日、出張先で突然の猛吹雪に見舞われたカイラは、ギャレットと二人、小さなキャビンで一夜を明かすことになる。
  • 王位をかけた恋
    -
    ロンドンの小さなカフェで働くドティは、店に現れた場違いなほど洗練された客に強引に招待され、エルリア王国へ向かう機中にいた。そこで明かされた彼の正体はプリンス・ランドルフ。出生時の手続きの不備から王位継承権を剥奪されたばかりの“元”王子だ。唖然とするドティに彼は告げた。「きみはプリンセス・ドロテア、エルリアの王位継承者だ。国を救うためにきみが女王になるんだ」驚きながらも、彼のやさしい微笑みに胸がときめき……。
  • 御曹子を誘惑! 聖夜はあなたと
    -
    彼を誘惑して秘密を聞き出す。 甘い任務がスタートした。 長年匿名で慈善行為をしている、ダルトン・デパートのサンタクロースの正体を暴くため、記者のクラウディアは妖精(エルフ)として雇われた。このスクープをものにできれば、大手新聞社で正採用される可能性が高くなる。心を躍らせるクラウディアの前に邪魔者が現れた。デパートの社長トーマスが、ことあるごとに彼女の行動を監視し、つけ回すのだ。これではサンタクロースにも近づけない。窮地に陥ったクラウディアは、ある決意をした。
  • 秘密に満ちた恋
    3.7
    クロエは暗闇の中に抜け出し、月桂樹の生け垣に向かって走った。家では兄と姉の合同婚約披露パーティがにぎやかに続いている。思わず鳴咽がもれ、涙があとからあとからわいてきた。「どうしました?」突然、生け垣の向こうで男性の声がした。彼はあれこれたずね、クロエの涙の理由を容赦なく言い当てた―今日婚約した男性をひそかに愛しているのですね、と。しばらくのち、化粧を直して再びパーティーに現れたクロエに、母が嬉々として一人の男性を紹介した。著名な法廷弁護士らしい。「ピアズ・オードリーです」彼の声を聞いて、クロエの心は沈んだ。この声、間違いなくさっきの人だ。ピアズは彼女をダンスに誘った。「嘆きの女神さん、君は実に僕の興味を引く…」。
  • ガラスの家
    3.5
    夫の亡骸とともに、リリーは茫然とデインの到着を待っていた。もうすぐ彼がここに来る。私を軽蔑している彼が……。デインの弟と極秘の取り決めを交わし、偽装結婚してから、そうとは知らないデインに罵声を浴びせられつづけてきた。家名を汚す雌狐! 清楚な仮面に隠れて浮気を楽しむ悪女!いわれなき汚名に耐えた結婚生活は、今、幕を閉じた。夫を亡くして、もうデインの憎悪に対処するすべもない。やがて顔をこわばらせたデインが、リリーの前に現れた。彼は知らない。私の体が無垢なことも、この胸に秘めた思いも。
  • 砂漠よりも熱く
    4.0
    地質調査員として働くジェニファーは、モデル並の美貌が災いして内面を見てもらえず、27歳にして男性とまともに付き合った経験がない。そんな彼女がひそかに心惹かれているのが、同じ会社に勤める保安責任者のハンター。だが、彼のジェニファーへの態度はいつも冷たく、憎まれてでもいるのかと疑いたくなるほどだ。そのハンターと二人で極秘調査を行うため、一週間、昼も夜もともに砂漠で過ごすことになり……。
  • 恋はすぐそばに
    3.3
    秘書のモーリーンの働く会社がプロジェクトに失敗した。状況からして、ライバル会社による買収を望む内部の者が妨害工作をたくらんだ疑いが強い。そんなとき、モーリーンの自宅のとなりに男性が越してきた。同じ会社の新顔、ジェイク・エドワーズだ。オフィスでばったり会ったときから惹かれるものを感じていたが、ジェイクの行動にはどこか謎めいたところがあった。もしかすると、例の妨害工作にからんでいるのかもしれない……。恋心と疑念のあいだをさまよいながら、モーリーンは彼のようすを探ってみることにした。
  • 聞かせて愛を
    3.0
    姉夫婦が亡くなり、遺された甥を育てている21歳のハリエット。 恋に遊びに夢中な同年代の友人たちをよそ目に、 つつましく暮らしていたが、嵐は突然やってきた。 姉の夫の兄アレックスが、甥の養育権を求めてきたのだ! ギリシアの富豪名家だという彼の一族は、 生前、姉のことを嫁と認めもしなかったのに……身勝手すぎる。 そして憤慨する彼女のもとに、ついに当のアレックスが現れた。 黒髪に浅黒い肌、荒々しくもゴージャスな風貌―― 反発を覚えつつ、ハリエットはなぜかざわめく心に戸惑った。
  • 花嫁には秘密
    -
    ウエディング・プランナーのゲイルは、 何人もの花嫁を幸せへと導きながらも、自分の恋には消極的だ。 そんなある日、担当することになった老富豪の結婚式で、 ゲイルは、花婿の長男で敏腕企業家のアレクサンダーに出会う。 彼は父親の再婚に反対で、花嫁は金目当てと難癖をつける始末。 怒って反論するゲイルとのあいだには、火花が散った。 だが、迎えた披露宴――二人でダンスを踊る最中、 不意にアレクサンダーがゲイルの耳元にささやいた。 それは、あまりに傲慢で気まぐれな、愛人契約の提案だった。
  • 置き去りの天使
    3.0
    華やかな双子の妹の影に隠れて育ったジェミニ。 1年ほど前、その妹に恋人を奪われた彼女は、 同じく裏切られた妹の婚約者ニックと、衝動的に結婚した。 以来ベッドをともにせず、良きパートナーを演じてきたが、 いつしかジェミニは彼を愛するようになってしまう。 でもニックにとってわたしは、妹の身代わりにすぎない……。 彼を求める勇気もなく、踏み出せずにいたある日、 ジェミニは家の入り口で赤ちゃんを見つけ、目を疑った。 妹がいつのまにか子供を産み、赤ちゃんを置いていったのだ!
  • 愛が始まる日
    3.0
    看護のすえに祖母が亡くなり、ジェインは途方に暮れていた。 屋敷は見舞いにも来なかった従兄が相続するうえ、 祖母が残した犬1匹と猫2匹を連れて、 数日中に出ていくようにと言い渡されたのだ。 看護師の勤め先が見つかれば糊口を凌げるが、 以前働いていた病院では空きがなく、行くあてもない。 目の前が真っ暗になったとき、祖母を生前診てくれたヴァン・ダー・ヴォーレンホヴ教授が弔問に訪れた。 ジェインは気がつくと、彼の胸に顔をうずめて泣いていた……。
  • 花を咲かせて
    -
    ルー・リヴシィ、25歳。花やハーブを育てながら、 飼い犬とふたりきりで田園地帯の古いコテージに住んでいる。 隠居した老婦人のような暮らしと思われても、かまわない。 恋人も夫もいらない、男性は苦しみのもとになるだけだから。 彼らが女性に言い寄る裏には、いつも何か、別の理由があるのよ。 5年前、若すぎた結婚に大失敗してすべてを失ってから、 ルーは、もう決して男性に心を開くまい、と決めていた。 隣に越してきたばかりのニール・サクストンも同じ。 「きみの土地を売ってくれ」いきなり強引に迫ってきたかと思うと、 ほかにも欲しいものがあるかのような目で、ルーをじっと見つめたのだ。
  • 落札された夜
    4.3
    結婚を夢見ていた彼女を裏切った男。その彼が、ふいにデートの相手として現れた。■ファッションショーの舞台を下りた花形モデルのリーナは、最後の仕事をするためにロールスロイスに乗りこんだ。チャリティオークションで彼女とのデートを落札した男性と、ディナーを共にする。それでリーナ・ローレンスと縁を切れる。明日からは本名のケイティ・メルデントンに戻り、念願の陶磁器デザイナーとして再出発をするのだ。だがデートの相手を見て、彼女は息をのんだ。ジェイク・グラントン。二年前に別れたきり、二度と会いたくないと思っていた男だ。かつてはジェイクを愛し、愛されていると確信していたけれど、それも、継母と彼が愛人関係にあるとわかったときまでだった。ジェイクは、なぜ大金を使ってまでわたしとの時間を手に入れたの?
  • 無邪気な誘惑 年上と恋に落ち
    4.0
    思いがけない熱い口づけが、彼女を切ない片想いへ導いた。■財産目当てで言い寄る男たちにうんざりして、名家の令嬢マーリンは父と賭をした。一カ月間身元に気づかれることなく働けたら、もう結婚はしなくてもいいというものだ。作家の住み込みアシスタントとしての仕事も見つかり、マーリンは張り切って働き始めた。雇い主とも気が合い、楽しい毎日だったが、一つだけ問題があった。雇い主の息子キャメロンだ。彼はマーリンを貧乏で品のない女だと軽蔑し、ことあるごとに首にすると脅すのだ。笑顔でかわしながらも、マーリンは内心怒りに燃えていた。だが、ある日の出来事が二人の関係を大きく変えた。
  • 一人にさせないで
    -
    本当は、彼を忘れてはいなかった。逃れようとしてきた過去に、彼女はおびえた。■ピッパは幸せだった。一週間後には、私は花嫁になる。孤児だった彼女にとって、温かい家庭こそがずっと夢見てきたものだ。婚約者のトムとなら、平凡だけど穏やかな家庭を築けるに違いない。そんなある夜、ピッパとトムが乗っていた車が接触事故を起こし、相手の男の顔を見てピッパは息をのんだ――ランダルだ。ランダルは、四年前、ピッパが勤めていた会社の社長だった。男らしい横顔、力強いグレーの瞳に、ピッパは夢中になった。二人はふとしたことからキスをしたが、ピッパは、それをきっかけにして彼の前から姿を消した。彼には帰るべき家がある。自分だけを愛してくれる人がほしかった。「僕はもう結婚していないよ」再びピッパの前に現れたランダルの言葉に彼女は体が震えた。心の奥にしまっていた苦い思いが、頭をもたげた。
  • 妻には不向き?
    3.0
    初恋以来十年間思いつづけてきた男性が、子供の心を踏みつけにする女性と結婚する!■馬が大好きなエリンは、アメリカ代表として、オリンピックの馬術競技で銀メダルをとったこともある。そんな彼女がすべてをなげうってオーストラリアにやってきたのは、ひとり暮らしの祖父を助けて農場を切り盛りするためだ。祖父の家めざしてトラックを運転していたエリンは、道の真ん中を歩いている二人の子供に気づいてブレーキを踏んだ。話を聞くと、その男の子と女の子は双子で、最近両親を亡くし、叔父さんのマイク・マクタビッシュと一緒に暮らしているという。マイクは十年前にエリンが初めて恋に落ちた相手だ。十四のときの初恋は、エリンのなかでいまだに色あせていない。だが子供たちがこれから叔母さんになる女性からひどい仕打ちを受け、家出をしてきたと聞いて、エリンは黙っていられなくなった。
  • 領主の口づけ
    -
    この人はわたしの母を悪女だと言う。でも、わたしのことはどう思うの?■テッサ・デイビスは、五歳のときに家を出た母から連絡を受け、二十年ぶりの再会を夢見てフランスの片田舎にやってきた。だが訪ねた家に母の姿はなく、書き置きだけが残されていた。〈借金取りから逃げなければならなくなったの。この家をあなたにプレゼントするから、あとはよろしくね〉家まで案内してくれたギイという魅力的な男性は、この村の新しい領主だそうだから、何か事情を知っているかも。そう思ったテッサは彼に会いに行った。ところがギイの口から語られたのは、とんでもない母の悪評だった。ギイ自身もひどくテッサの母を嫌っている様子で、理由を聞いたテッサは自分の耳が信じられなかった。母はギイの父の愛人で、彼の家庭を崩壊させてしまったのだと……。
  • 二人のセレモニー
    -
    彼はわたしを軽蔑している。そんな人と一緒に暮らせるだろうか。■女優の卵であるレッドは、オーストラリア訛を直すため、発声法の専門家ミセス・フェリシア・セントオービンの門を叩いた。レッスンが開始してひと月ほどたったある日、階段から落ちて動けない状態のフェリシアを、レッドは偶然発見する。足首を骨折したフェリシアは、レッドに身の回りの世話を頼むが、フェリシアの息子ライナスは、正規の看護婦を雇うべきだと猛反対。レッドは最初彼のことをフェリシアの若い恋人だと勘違いしていて、息子とわかったときは、なんだか嬉しかった。だがやり手のプロデューサーである彼は、レッドが女優とわかると、売り込みのために自分や母親を利用しようとしていると決めつけ、住み込むことになったレッドにことさら冷たい態度をとる。しかも母親が心配だと、自分もフェリシアの家に引っ越してきた……。
  • 心の灯りが消えても
    3.0
    二年前に僕が味わった苦しみを、君にも体験させたい……。■最愛の人、ハドソンにプロポーズされたその夜、マリアンはやむにやまれぬ事情で彼の前から姿を消し、名字もマックブライドからハーディングに変えた。二年後の今も心は痛むけれど有名写真家の助手として頑張っている。撮影のため訪れたモロッコのタンジェで、彼女はハドソン・ド・サンスらしき人を見かけた。まさか。きっと人違いよ。彼は、弁護士としてニューヨークで活躍しているはずだもの。でも、背後から聞こえたこの低い声――やっぱりハドソンだわ!だがハドソンの表情に二年前の優しさと愛情はかけらもなく、マリアンは強引に連れ出されてしまう。いったい何をするつもり? 恐怖がこみ上げてきた……。
  • 砂漠に降りた天使
    3.0
    取材に協力するというのは実は罠で、私をハーレムに入れるつもりじゃないの?■アンバーがアラビアの小さな首長国にやってきたのは、休暇をかねて、母が書く小説の取材をするためだった。ところが現地に着いてみると、インタビューは半分がキャンセルされ、彼女は途方に暮れてしまう。そんなアンバーのもとに、一通の封書が届けられた。首長のシーク・ゾルタンが会いたいという。うまくいけば取材の後押しをしてくれるかもしれない。アンバーは期待に胸を躍らせて宮殿に向かった。シーク・ゾルタンの謎めいたまなざしにアンバーは不安を覚えたが、公文書室の資料までみせてくれると言われて感激し、ホテルから宮殿に移ってこないかという申し出にも同意した。それがまさか、案内された豪華な部屋に閉じ込められるとは……。
  • 仕組まれた誘惑
    4.0
    仕組まれた誘惑は熱いキスで始まった。彼女の人生はその日を境に激変していく。■ベルは、昼食をとったレストランで長身の精悍な男とぶつかり、目と目が合ったとたん、いきなりキスされてしまった。わたしには婚約者がいるのに……。体を貫く熱いうずきにベルは狼狽した。その晩、婚約者の家で開かれたパーティーでベルはあの長身の男アンドルー・ストームに再び出会う。アンドルーとしばらく話していると、ベルはなぜか急に体がふらつき始め、彼に支えられて自分にあてがわれた部屋に戻った。翌朝、目覚めた彼女の隣にいたのは、裸のアンドルーだ。わたしは婚約者ではない男性にバージンを捧げてしまった!衝撃を受けたベルは婚約を解消し、心の安らぎを求めてローマに飛んだが、アンドルーは彼女の前にまた現れ、熱いキスを浴びせかけた。危険な予感を抱きながらも、ベルはなすすべもなく彼の誘惑に屈していた。
  • あなたの腕で眠らせて
    -
    「君はいい友達だ」その言葉がリズを打ちのめした。■病院のボランティアに応募してきたジョーを見て、リズは思った。きっと下心があるんだわ。目当ては看護婦ね。子供のころ、リズの家庭は父親の浮気のために崩壊寸前だった。父親はハンサムなプレイボーイ。そう、この人のように。だから決して心を許してはいけない。リズは冷ややかな態度をとり続けるが、ジョーは思いのほかまじめにボランティアに取り組んでいる。どうやら誠実で信頼できる人柄らしいと、リズは友達になることを約束した。しかし二人のいい関係は長くは続かなかった。いつしかリズの胸には別の感情が芽生えたというのに、ジョーはかたくなに永遠の愛を否定して……。
  • 伝説の指輪
    -
    まったく、ばかばかしい。指輪が未来の王妃を決めるなんて!■地中海に浮かぶサンモンティコ王国。その宮殿では、リシャール皇太子の三十歳の誕生日を祝う盛大な舞踏会が催されていた。じつは、その舞踏会は皇太子のお妃選びをかねていた。王室に代々伝わる指輪をはめて抜けなくなった女性と皇太子は愛し合うようになるという伝説があるからだ。そんな女性が現れたら、一週間以内に結婚しなければならない。冗談じゃない! たとえ両親がそうして結ばれていようと、皇太子は指輪の魔法などまったく信じていなかった。ところが、伝説どおり、ひとりの女性から指輪が抜けなくなる。その女性は、平凡な結婚を望んでいるクリスティーナ。二人はなんとかして指輪をはずそうと奮闘するが……。
  • ギリシアの恋
    -
    この光あふれるギリシアの島で、もう一度、自分の人生を生きてみたい。■元看護婦のデメルサは、住み慣れたイギリスを離れ、太陽の光が降りそそぐギリシアの島にやってきた。ここのリゾートに新しくクリニックが開設されることになり、その責任者の職に応募したのだ。悲しい思い出にとらわれた生活から抜け出し、新しい土地で一からやり直そうと心に決めて。幸い、アパートメントの家主ニックは、町の病院に勤める医師で、困ったことがあれば相談にのってくれるという。オリーブ色の肌、彫りの深い顔立ち――エキゾチックな魅力をたたえたギリシア人だ。この六年間、死んだも同然だった心がときめくのを感じ、デメルサはかすかな希望を抱く。彼には美しい恋人がいるとも知らずに。
  • 二十四時間そばにいて
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    彼はわたしを守ってくれる。でも、夫のふりまでしないといけないの?■「あなたが心配になるのも当然だった」ローマンの言葉にブリットの声は震えだした。「つまり、わたしの身に危険が迫っているということ?」悪質な嫌がらせの手紙が届くようになって一カ月、ブリットは心底怯えていた。結婚したと嘘の知らせを送ったことも、相手の気持を逆撫でしたらしい。最後に来た手紙は、彼女の死をほのめかすものだった。警察に相談したが、手紙ぐらいでは動いてくれそうにない。ブリットは、私立探偵のローマンに助けを求めた。長年の勘で、ローマンにはブリットに迫る危険がすぐにわかった。これは単なるいたずらの域を超えている……。ローマンの頭には、そのとき、ある計画がまとまりつつあった。「あなたの夫のふりをしようと思うんです。いつもそばで守れるように」彼の思わぬ提案に、ただ怯えるばかりだったブリットは……。
  • メールオーダー・マザー
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    彼の望みは妻、それとも母親?私はこんな結婚がしたかったの?■“双子の幼児の母親となる妻を求む。当方、牧場主……”そのとっぴな新聞広告を見て、ジェーンは心を動かされた。売れっ子のモデルとして華やかな世界に生きてきたが、彼女は最近、すべてに喜びを見いだせなくなっていた。ずっとキャンペーンモデルをしてきた化粧品の広告の仕事から、突然はずされたことも原因だった。この一年間は、つらいことばかりが続いた。五年続いた結婚が破れたことも悲しかったが、いちばんショックだったのは、不妊症と診断されたことだった。子供が大好きなジェーンは、優しい夫と子供たちのいる温かい家庭が何よりも好みだったのに。広告は私にとって天の恵みかもしれない。これが転機になるかも……。ジェーンは衝動的に、広告に応募する手紙を書いていた。
  • 幸せへの扉
    -
    結婚は家を破産から守るため。何度もそう言い聞かせたはずだった……。■キャサリンは父親を破産から救うために、形だけの結婚に応じた。相手はジョーダン・ジェイムズ。有能な建設会社の社長だった。あれから一年、別居同然の夫は世界中を飛び回る忙しい生活で、彼女はともにパーティに出席するだけの偽りの妻の役を演じてきた。ところが、今度は兄が賭事で多額の借金を作ってしまった。またも救いの手をさしのべるジョーダンが出した条件に、キャサリンは茫然とした――実際に夫婦として暮らし、子供を作ること。彼女の脳裏に忘れたくても忘れられない、あの夜のことが浮かぶ。結婚式の夜、ジョーダンに抱きすくめられたときのことだ。夫が手を離さなければ、わたしはあのまま身を任せていたかもしれない。あれはわたしの中に流れる奔放な母の血のせい……。母はさまざまな男と情事を重ねたあげく、家族を捨てて出ていった。一度欲望に溺れれば、わたしも母と同じ道をたどってしまう……。キャサリンは心とは裏腹の、そんな自分が怖かった。
  • 仮面の妖精
    -
    大地に根を張るたくましいあなた。わたしにも生きる力を分けてほしい。■牧場主J・Dの離婚した妻から牧場の三分の一の権利を買い取り、パートナーとしてヘイズ牧場にやってきたゾーイ。ハリウッドの有名俳優である養父母のもとで愛情のない家庭に育ち、ずっと自分と血のつながった家族を捜していたゾーイは、ついにこの牧場に本当の家族がいると突き止めたのだ。正体を明かさず近づき、みんなから愛されるかどうか確かめたい。牧場の権利を彼女から一刻も早く買い戻したいJ・Dは、ゾーイに冷たくして追い払おうと考えるが、華やかな都会の女性とは思えない完璧なカウガールぶりや、千ワットの笑顔の裏側に隠された寂しさに否応なく惹かれていく。ハリウッドという虚飾の世界に失望していたゾーイは、J・Dのような大地に根ざした男性にずっとあこがれていた。
  • 花嫁は嘘つき
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    一つの嘘から始まった関係だけれど、あなたを思う気持は本物なの!■近く結婚する妹のビーに頼まれ、ローラは渋々タスマニアにやってきた。婚約者の叔父が新居を買ってくれるというのに、ビーはスピード違反を犯して裁判所に出頭しなければならなくなったのだ。まだ会っていない叔父の心証を悪くしたくないという妹になりすまし、ローラがその家を見に行くことになった――叔父は来ないから見破られる心配はない、というビーの言葉を信じて。ところが、当の叔父がそこに現れて鉢合わせしてしまった。横暴きわまりないと聞いていたジェームズ・フレーザーが、まさかこんなにセクシーな男性だったなんて!それに、甥の“婚約者”を見る熱いまなざし! ローラは呆然とするあまり、妹の代理で来たということを言いそびれてしまった。ジェームズは、だまされていたと知ったら激怒するタイプだ。結婚式はどんどん近づいてくる。いつ真実を打ち明けたらいいの?
  • 愛をください
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    「さよなら、ぼくのジョージア」ジョージアが最後に見たのは、彼の後ろ姿だった。■ジョージアは子供に囲まれ、愛にあふれた結婚生活を送りたかった。だが、彼女が恋したウィリアムは新聞社の海外特派員。真実を見定め、世界に伝える刺激的な人生が気に入っている。二人の生き方も、求めるものも、あまりに違っていた。しかも、ウィリアムは出会ったときから、自分は結婚向きの男ではないと、正直に告げていた。それなのにジョージアはウィリアムと愛しあった。彼を愛していたから。だが愛が深ければ別れなくてはならない。愛を返してもらえないなら、苦しむだけだ。「ああ、ぼくがどんなに後悔してるか、伝える言葉があれば……」「わたしだって……いいえ、後悔なんかしていない。心配しないで」
  • ドクターのプロポーズ 愛と裏切りのコネリー家 V
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    彼の目的を知ってさえいれば、愛したりはしなかったのに。■私は地味で冴えない女。モーラはよくわかっていた。真剣に交際していたはずの恋人にあっさり捨てられ、モーラはますますその事実を痛感させられた。だから、同じ病院に勤める医者ダグラスにプロポーズされたとき、唖然として言葉が出なかったのだ。ダグラスは評判の小児科医で、おまけに罪深いほど魅力的な男性だ。女なら誰でも憧れるような彼が、なぜ私に結婚してくれと?だがダグラスの話を聞いて、モーラは納得がいった。彼は愛の永続性など信じず、友情こそが結婚に必要だと考えている。よき仕事仲間であるモーラは最適だというわけだ。悲しみを抱えつつも、モーラはイエスと答えていた―― いつか彼が自分を愛してくれるかもしれないと、はかない望みを抱きながら。
  • プリンスの憂鬱
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    ヨーロッパの王室に一大スキャンダルが!王位をおびやかすもう一人のプリンスが登場?■このハンサムでたくましい男性が名門フォン・オーストランド家の血を引くプリンスなのね。家系調査員のエリーは、胸を高鳴らせてその男性ダンの説得を始めた。エリーの使命は、エルビア前国王の隠し子である彼を秘密裡に現国王ジェイコブの元へ連れていくこと。けれど、スキャンダルはすでにマスコミに漏れつつある。パパラッチから王室を守るために、一刻も早く送り届けなければ。半信半疑の彼を連れ帰って国王との交渉に立ち会ううち、エリーは女性の扱いに慣れたダンに急速に心を奪われていく。だがついに二人が一線を越えそうになった瞬間、彼は動きを止めた。「僕たちはただの友達でいようじゃないか」私が単なる平民だから? それとも女としての魅力がないから?
  • 王子様にキスを
    3.0
    自分を蛙だと思い込んでいる王子様は、王女様の差し出す愛にも気づかず……。■「グレッグ・ストーナーがひどい交通事故に遭ったんだ」その日、仕事から帰ってきたレイチェルは隣人からニュースを聞き、急いで病院へと向かった。顎を骨折したグレッグは包帯で顔を覆われ、体も全身、ギプスとチューブだらけだった。グレッグは、夫の裏切りと離婚で落ち込んでいた彼女を励まし世話を焼いてくれた、本当にいい友人だ。今度は私が彼を励まし、世話をする番だ――そう思ったレイチェルはそれから一カ月、病院に通いつめた。そしてやがて、グレッグに友情以上のものを感じるようになった。優しいけれど大柄でちょっと風変わりな彼に、欲望を感じるなんて。レイチェルは自分の感情に戸惑ったが、顔の包帯を外した彼の姿を見て、さらに戸惑った……。
  • 願いごとは秘密に
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    心を奪われたすみれ色の瞳を忘れるなんてできるわけがない。■「私はチャーリー・スミスよ」「僕の名はデンヴァー・スミス」政府の諜報部員という仕事柄、思わず偽名を名乗ったデンヴァー。彼は目の前の美しい女性を見つめながら、心の中で叫んでいた。チャーリー・スミスだって? 違う!彼女は、シャーライン・チャンドラーじゃないか。数年前、妹の卒業式でたった一度目が合ったきりの彼女。あれ以来、ずっと心に焼きついているすみれ色の瞳を、僕が絶対に見間違えるはずはない。信じられない。今や彼女はすっかり大人の女性に成長して、手を伸ばせばたやすく抱き締められる場所にいる。これは何かの罠なのか?でなければ上流階級のお嬢様のシャーラインが、なぜこんな田舎町に隠れ住んでいるんだ!
  • 楽園のかなたに
    4.0
    二人だけの楽園。でも、その先には……■レクシーは父親の代理で、財界の天才児と称されるマイルズ・レイトンに会うことになった。場所は彼が所有する豪華なヨット。クルーズに出ている間に、大切な不動産取り引きをまとめなければならない。マイルズは、噂どおり冷酷で傲慢な男だった。ハンサムで魅力的だけれど、仕事以外ではかかわりたくない相手。感情がなく、女性を心から愛せない人――そんな印象を抱いた。だがその夜、ヨットが爆発事故に見舞われ、すべてが変わった。幸運にも海に投げ出されたレクシーは、無人島に流れ着いた。そして、マイルズも! 彼は頭に傷を負い、記憶を失っていた。記憶喪失が性格を変えたのか、新しい彼は穏やかで心やさしく、情熱的にレクシーを求めた。常夏の楽園で、アダムとイブのような暮らしもすばらしいだろう。でも、彼の記憶が戻ったら? 二人が救助されたら?傷つくことを恐れ、レクシーは拒絶しようとするが……。
  • シークとの取り引き
    3.7
    金持ちで傲慢、夜ごと会う女性の違うプレイボーイ。今度のクライアント、シーク・アリ・エル・エトラは、フェイスのもっとも嫌いなタイプの男性だった。だが小さなコンピューター・コンサルト会社を軌道に乗せるには、アリの企業からの依頼を受けないわけにはいかない。しぶしぶ働き始めたフェイスだったが、アリの端整な容貌と見事な肉体に魅せられ、しだいに憧れを抱きはじめる。そんななか、アリが魅力的な笑みを浮かべ、ある危険な取り引きを持ちかけてきた。
  • 熱いレッスン
    4.0
    テキサスの牧場で家政婦をしている叔母からの電話に、マリアンは心を揺さぶられた。油田王でもある雇主が病にかかり、余命僅かな彼は回顧録を書く手伝いを必要としているというのだ。私で役に立つのなら──マリアンはすぐさまテキサスへ発った。空港で彼女を迎えたのは、長身で男らしいセクシーな男性だった。彼が叔母の雇主ウォード・ジェソップだと名乗るや、マリアンは愕然とした。こんなに若いのに不治の病だなんて……。ところがウォードはなぜかマリアンを男性不信だと決めつけて、病人とは思えぬ熱心さでいきなり誘惑をはじめた。
  • 心、とけあうとき
    4.0
    ペリドットのように輝く淡いグリーンの瞳。傾けたグラス越しに、ゆっくりとささやく深い声……。バーで友人に紹介された男、ジーンにアリソンは魅了されずにはいられなかった。噂によると彼は女性関係が派手で、荒れた生活を送っているらしい。彼は悪い人じゃない。ただ、心に傷があるだけ。その痛みは、わたしだってよく知っている。アリソンは人一倍道徳心が強く、男性経験もなかったが彼の気をひこうと、遊び慣れた女を装った。映画、ロデオ見物と、ふたりはデートを重ねる。そして、三回目のデートで、ついに……。
  • 一夜の後悔
    2.0
    フランセスカが秘書として仕える社長オリバー・ケンプは、 恵まれない環境から一代で地位と財産を築いた野心家だった。 そのせいか、横柄で威圧的で……でもぞくっとするほどハンサム。 フランセスカの裕福な父親に見込まれて頭角を現した彼は、 いつもフランセスカを甘やかされた子ども扱いしたけれど、 彼女はいつしかオリバーを愛していた。 ある夜、一度だけ情熱が交差する。 だがそのあとに待っていたのは、冷たい男の拒絶だった。 “ぼくはなんの約束もできない、これは体だけの関係だ”と。 そんな情事の代償は、思いがけない妊娠だった。 ■追い打ちをかけるように、オリバーの元婚約者の身代わりに抱かれ たと知って、フランセスカは絶望の淵へつき落とされてしまいます。 伝えられない想いが切ない、C・ウィリアムズのめくるめく愛の迷宮。
  • めざすはシンデレラ
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    ■私が妻としてふさわしいと、絶対に証明してみせる。■田舎町の食堂(ダイナー)で働きながら夜学に通うジョリーンは、ハンサムな億万長者、カール・ランドンにプロポーズされた。小さなころからおとぎばなしのような結婚を夢見てきた。まさに絶好のチャンスなのに、なぜか婚約に踏みきれない。ためらう彼女に、カールは彼の実家にしばらく滞在するよう勧める。ジョリーンは誘いを受けたが、迎えには来たのはカールではなく、ランドン一族のはみ出し者と悪評高い、彼の弟ジェイクだった。カールとはあまりに違う、危険な雰囲気を持つ男性。「君のような女が、あんな男と一緒になってどうするんだ?」彼の言葉にジョリーンは怒りを隠せなかった。私のような田舎娘は、カールに釣り合わないと言いたいのね。負けるものですか! 彼女はこぶしを握りしめた。
  • あの日に帰りたい
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    ■愛ゆえの嘘が招いた、運命のいたずら。初めて会ったあの日には、もう帰れない。■リーバは売れっ子のトップモデル。エリオット・ソーソン三世という結婚相手として申し分ない男性に求婚もされていた。でも、断ろう。彼を愛してはいないのだから。リーバは信じていた、いつか運命のひとが現れると。そして、そのひとは現れた。撮影で訪れたカリブで出会った男性――ハンター・ジェイミソン。二人はたちまち恋に落ちる。しかしリーバには、誰にも明かせない秘密があった。母の重い病――その手術のために、どうしても必要なお金。彼女はハンターと別れ、裕福なエリオットと婚約する道を選ぶ。その先に、どんな嵐が待ち受けているかも知らず……。まさか、嘘までついて、憎しみをあおって別れたハンターが、エリオットのいとこ――ソーソン一族の一員だったなんて!やがて再会したハンターの瞳は、激しい憎悪に燃えていた。ハンター、わたしに何をするつもりなの?
  • 雪降る町の恋
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    ■私のホテルを奪おうとする人が、運命の人であるはずがない。■エリッサは三人姉妹の長女。小さなホテルを経営している。ある晩、彼女は見知らぬ男にあとをつけられ、“愛の館”に逃げこんだ。そして館で夜を明かし、朝になってホテルへ戻る途中、アレックスにでくわした。満月、誕生日、その翌朝の男性との出会い……。“愛の館”の伝説の条件はすべて満たしている。でも、妹二人が館の伝説どおりに結婚したからといって、私がアレックスと結婚するなんてありえない。彼は館の持ち主で、私の大切なホテルも自分のものだと主張している。おまけに、館をクラブハウスにして、近くにリゾート地を造り、ホテルは壊してゴルフ場にするから、すぐに立ちのけという。よくもそんなばかげたことを! ホテルは私の夢で、人生そのものなのに。絶対に許せない。最後まで闘うわ。彼女は今年がホテルで迎える最後のクリスマスにならないよう祈った。■未婚の女性が“愛の館”で誕生日の夜を過ごすと、次の日最初に出会う男性が運命の相手となる……。クリスマスから新年へと、急展開するエリッサの恋の行方にご注目ください。
  • 五分で恋に落ちて
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    ■人を愛するのに、時も場所も関係ない。顔を合わせた瞬間、恋に落ちることもある。■ダニエルとの出会いは、互いの車が衝突したときだった。彼は五分で恋に落ちたと言ってくれたが、リーには男性のそういう言葉をうのみにできない過去があった。十六歳のとき、スコットランドの小さな町に駆け落ちして結婚した。その町では、十代でも親の承諾なしに結婚できるのだ。だが、その結婚は破綻し、それ以来、男性不信に陥ってしまった。男性の言葉を信じて裏切られるのはもうたくさん。ダニエルは女性の見方を売り物にしているコラムニストでありながら、自分の娘がリーの弟と恋人同士になったのを知ったとき、世の父親と変わらない態度で認めようとしなかった。若い二人はかつてのリーのように、北の町に駆け落ちしてしまった。リーは複雑な思いを抱いたままダニエルと一緒にあとを追ったが、それは彼女が、愛する気持を再び取り戻す旅でもあった。
  • 悪女になれたら
    4.0
    ■まったく、こんなに腹の立つ男はいないわ!でも、私を叱ってくれたのは彼だけ……。■フランセスカは甘やかされて育った資産家の一人娘。父親が買収した牧場の視察を終えたところで、あいにく洪水にあい、やむなく小さな航空会社の飛行機を利用することにした。そこで出会った航空会社の経営者レイフは、無意識のうちに高慢な態度をとっていたフランセスカを一喝した。「まるで使いものになりそうもないお嬢様が、えらそうに!」その一言が彼女を激怒させた。だったら、使いものになるところを見せてやろうじゃないの! たまたまレイフが娘の家庭教師を探していると知ったフランセスカは、名前を偽ってまんまとレイフの留守中に彼の家に入りこんだ。 仕返しをしてやりたいのはやまやまだけれど、それ以上に、なにもできないわがままなお嬢様だなんて彼に思われていたくない。自分から男の人に合わせる気持になったのは生まれて初めてだわ。
  • 恋を演じて
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    ■見た瞬間から彼を惹きつけた女性は、披露宴を台無しにするつもりらしかった。■ブリスベーンの名家マッキノン邸で開かれた結婚披露宴に、見慣れない美しい女性がひとり交じりこんでいた。招待客のリストには彼女は入っていなかったはず。不審に思った花嫁の従兄アッシュは、彼女に声をかけた。クリスティと名乗ったその女性は、どうやら新郎の元恋人らしい。アッシュは愛する従妹のことを思いやり、とっさにクリスティを自分の友人だとみんなに紹介する。一方のクリスティは、富豪として有名なアッシュにつかまってあわてていた。自分とつき合っていたにもかかわらず、その裏で金持ちの女相続人に求婚したジョシュを震えあがらせようと、披露宴会場に押しかけてきたのだが……。
  • 偽りの思い出
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    ■愛がなければ、強くなんかなれない。■ものごころがついたころ、もうローラに母はいなかった。「おまえを捨てて男と逃げたんだよ」義理の叔母にそう言われ、母の罪をローラがあがないつづけるような毎日だった。ゆきずりの男と一夜を共にしたのも寂しさからだが、男はローラを捨て、あとには妊娠という現実が残される。非難され、虐げられ、びくびくしているうち、ローラは自分の気持ちさえわからなくなっていた。母のおびえは息子にも伝わり、まるで弱虫のひと組の親子が息をひそめるように暮らす日々――愛するもの同士が一緒にいながら、二人は幸せではなかった。そんな彼らの生活に、二人とは正反対の男が飛び込んできた。自由で自信にあふれた男、カシアン。だが彼の登場は、ローラに新たな悲しみをもたらすことになった。
  • あのキスをもう一度
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    ■初めて恋した相手が、よりにもよって仕事のライバルだなんて!■ジョージアは亡き祖父の会社を継ぎ、仕事に夢中の毎日だ。恋人もいない彼女を、周囲は“シベリア”とさえ呼んでいるが、厳しかった祖父はいつも言っていた――男はみんなジョージアの財産が目当てだ、と。ある日ジョージアは、彼女にずっと結婚を迫っていた男にクルーザーに軟禁されそうになり、やっとの思いで脱出した。幸運にも、偶然通りかかった豪華クルーザーに救助してもらった彼女は、船の持ち主のジェイクに胸が高鳴るのを感じた。こんな気持ちは初めて……。だが見るからにプレイボーイのジェイクにキスをされると、関係が進むのが怖くなり、ジョージアは再び海に飛び込んだ。数日後、何者かが彼女の会社の株を買い占めているという噂が耳に入る。その当事者と目される人物は――ジェイクだった!

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