松尾スズキ作品一覧
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3.6演出家、劇作家、俳優、映画監督、小説家とマルチに活躍する松尾スズキ、三年ぶり待望の新作小説。 放送作家見習いの「俺」は、十年間師匠と仰いでいた人物が自殺した日、映画館で偶然出会った女・スミレにいきなり結婚を申し込む。スミレは離婚したばかりだった。 することのない俺とスミレは、酒浸りの日々を送るようになる。 そんな中、俺を捉えて離さないのは、師匠が手首に入れていた矢印形の刺青のことだった――。 次々と地獄の扉が開いていくような男女の転落物語でありながら、どこかに人間存在を見つめる苦い笑いがにじむ松尾ワールドの真骨頂。 (本文より) 今、自分に必要なのは、人生をなめている女だ。 酔っぱらってくれ、俺のそばで。 あと一時間でもいい。一五分でもいい。 いや、今わかった。 俺には俺より酔っ払ってくれている人間が、隣に、必要なのだ。 もう、ずっとそうだったし、きっと今日からもずっと。
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3.7全1巻3,960円 (税込)20人の漫画家、20の「東京」。 【収録作品】(著者あいうえお順) 浅野いにお [TP] 安倍夜郎 [我が心の新宿花園ゴールデン街] 石黒正数 [密林食堂][もしも東京] 石塚真一 [Tokyo Sound] 市川春子 [TOKYO20202 GOURMET/SPOT/HOTEL] 岩本ナオ [海が見える大井町] 太田垣康男 [the next day] 大童澄瞳 [East East] 奥 浩哉 [東京フィレンツェ化計画] 小畑友紀 [願い] 黒田硫黄 [天狗跳梁聖橋下(てんぐのあそぶはひじりばしのした)] 咲坂伊緒 [星の王子さま] 出水ぽすか [ここにいる街] 萩尾望都 [江戸~東京 300年マーチ] 昌原光一 [江戸×東京 ジオラマ合戦] 松井優征 [東京の脅威とギンギンの未来] 松本大洋 [東京の青猫] 望月ミネタロウ [丹下健三の東京計画1960] 山下和美 [世界は変わっても生活は変わらない、という夢] 吉田戦車 [好きな東京] 特別寄稿 角田光代 [私だけの東京] ジェーン・スー [これも東京2021] 鈴木敏夫 [東京物語] 松尾スズキ [出会いたい人に、すべて出会って] 向井 慧(パンサー) [東京] 山崎洋一郎 [新・東京物語] 写真 佐藤健寿
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3.6第142回芥川賞(2009年)候補作。 コメディ映画だけが救いの若きマッサージ師・金子堅三は、客として出会った映画監督・海馬五郎に「弟子入り」することに。はじめての撮影現場は、北九州のさびれたシャッター商店街だった。そこでスタッフやキャストが退屈しのぎにはじめた賭けは、78歳にして初主演の老優・小関泰司のNG回数を当てるというものだった……。 賭けねば、へたれだ。逃げ場はない! 北九州のシャッター商店街が心ない賭博のワンダーランドと化す──。映画撮影に打ち込む人々の心の黒さと気高さを描く爆笑&涙の小説。 解説・ケラリーノ・サンドロヴィッチ
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3.3浮気がばれて、パリへ逃げた。そこに悪夢が待っていた。 もう笑うしかない……松尾スズキ、衝撃の最新小説! 二年間の浮気が、キレイにばれた。別れたくない。二度目の結婚で、孤独な生活はこりごりだ。 妻の黒いヒールスリッパの鼻先に、海馬五郎は土下座するしかなかった……。 無条件降伏として、仕事場の解約と、毎日のセックスを、妻から宣言された。 性に淡白な海馬五郎は、追い詰められて、死すら望むものの、死ねるはずもなく、がんじがらめの日々を過ごしている。 半年ほど息苦しい生活を味わった頃、海馬五郎は、フランスのエドルアール・クレスト賞の受賞を知らされる。 「世界を代表する5人の自由人のための賞……?」 胡散臭いものだが、パリへの旅費と一週間の滞在費を支給してくれるらしい。 飛行機が嫌いで、外国人が怖い海馬五郎も、一週間は妻とのセックスを休めるというので、その誘いにのった。 これが悪夢の旅になったのである。 表題作『もう「はい」としか言えない』の他、海馬五郎の恥ずかしい少年時代をヴィヴィッドに描いた『神様ノイローゼ』をカップリング。 天才・松尾スズキのシュールでエンタテイメント精神にあふれる、まったく新しい小説世界へようこそ! 〈著者プロフィール〉 一九六二年、福岡県出身。 一九八八年に「大人計画」を旗揚げする。主宰として多数の作・演出・出演を務めるほか、エッセイや小説の執筆、映画監督など、その活躍は多岐にわたる。 一九九七年、岸田國士戯曲賞受賞。二〇〇一年、ゴールデン・アロー賞演劇賞受賞。二〇〇六年、小説『クワイエットルームにようこそ』が芥川賞にノミネート。二〇〇八年、映画『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』の脚本で、日本アカデミー賞最優秀脚本賞受賞。二〇一〇年、小説『老人賭博』が芥川賞にノミネート。 二〇一八年、「大人計画」は三十周年を迎えた。
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4.1「僕、51歳、福岡出身。M子、31歳、茨城出身。東京で出会った」 東京で家族を失った男に、東京でまた家族ができた。 夫は、作家で演出家で俳優の51歳。妻は、31歳の箱入り娘。 東京で出会って、東京で夫婦になった。 ときどきシビアで、ときどきファンタジーで。 東京の夫婦はたくさんいる。そのどれにもドラマがある。 これも一つの東京の夫婦のストーリー。 「大人計画」を主宰し、 作家、俳優として活躍する松尾スズキさん。 2014年に「普通自動車免許を持った一般の女性」 (著者twitterより)と再婚した松尾氏が その結婚生活を綴ったエッセイ「東京の夫婦」 (雑誌GINZAで2015年より連載)が単行本化。 松尾氏ならではの諧謔的で赤裸々な描写に笑いつつ、 ときに本質を鋭く見据えた視点からあぶりだされる 「今の社会に漂う閉塞感や歪み」に共感させられる、 多面的な魅力を持つ作品となりました。 「今までの著作の中で最も文章を練り上げて書いたものの一つ」と著者も認める、 34の「結婚」の像。 「この本には、僕が大好きな松尾さんがたくさん詰まっています」 (帯コメント・星野源)
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-「恋っていうんですか? そういう境地」 経営難の小さな印刷会社を営む若き2代目社長カズシは、 工員のノボルが機械で指を切断して以来、数奇な運命に呑まれていく。 少年時代の封印された記憶がフラッシュバックするなか、 謎多き魔性の女・ミツコと出会い……。 様々な伏線がダイナミックに収斂していく松尾スズキのストーリーと、 繊細かつ妖艶な山本直樹の筆致が融合するコラボレーション。 傑作コミック、待望の新装・新編集版。 【目次】 #1 世界はひとつの舞台、人間は男も女もみな役者。 #2 どんなことでも来るなら来るがいい。どんなに荒れた嵐の日でも時は流れる。 #3 恋とは何?恋とは明日のものではない。今が楽しいのなら今笑えばいい。先のことなど知るものはない。 #4 君を夏の一日にたとえようか。君はさらに美しく、さらに穏やかだ。 #5 前兆など気にするものか。たった一羽の雀が落ちるのにも、神の特別な摂理がある。……覚悟がすべてなのだ。 #6 この世の営みの一切が、なんと浅ましく、忌まわしく、味気なく、無意味なものに思えることか! #7 芝居はしまいまでやらせてくれ。
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4.2野蛮人とは、心がなにものにも縛られていない人のこと。友達は不要。偽善で上等。演劇界のガラパゴス、超人気劇団「大人計画」を生んだ松尾スズキが、この世界でちょっとだけ生きやすくなる方法を考えてみた。「ミニツツブック」の人気連載が新書になりました! 目次 ・あなたの心の中にも野蛮人はいる 正義とは、サディスティックなものである/芸術とは、美しくあってはならない/わたしの中にいる野蛮人/やさしい偽善のすすめ ・偽善だっていいじゃないか 「偽善」とは「善の快感」を自覚していること/親孝行は「親切」と「偽善」を学ぶための勉強/偽善の目的は「自己肯定」と「世界平和」 ・友達なんていらない 「キャラ」という幻想に縛られて/パンチ社会に溶け込めなかった高校時代/仲間がいれば、友達はいらない ・大人だって子供なのだ 大人になれば楽になれると信じていた/「子供ごっこ」へのアンチだった「大人計画」/子供はもはや大人に憧れを抱いていない ・仕事は死ぬまでの暇つぶし 「やがて死ぬ」という負け戦から逃げ続けてきた人類/理不尽な世界で、うつはもはや日常/イヤイヤやるからこそ仕事なのだ ・それでも笑っていたいんだ 服を着る人間の根源的おかしさ/弱いものを食べてしまわないように人は笑う/日陰者に無理やり光を当ててきた「大人計画」/ ・宇宙は見えるところまでしかない 我々は、常に途中までしか見ていない/「わかりあえない」のが人間のデフォルトの状態/かっこいいことは、なんてかっこ悪いのだろう ■松尾スズキ(まつおすずき) 1962年12月15日、福岡県生まれ。88年「大人計画」旗揚げ。作家、演出家、俳優、映画監督、脚本家。
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5.0「わたしの作品を観たり読んだりした人はすぐ感じるでしょうが、もちろんわたしの心の中にも野蛮人はいます。かなり凶暴なほうだと思います。(中略)わたしの作品は、抑圧されたもう一人のわたしの姿です。心の中の野蛮人が巨大化していくのです。だって、心の中では、なにしたっていいんですから」(本文より)。タクシーの運転手さんに文句たれたり、まずいラーメン屋に悪態ついたりできない、やさしいあなた。「正義」や「善」を武器のように使ってしまう、サディスティックなあなた。この世は「清濁併せのむ」ではございませんか。松尾スズキがやさしく説く、「心の中の野蛮人と共に生きる」入門のはじまりです。【読了時間 約16分】
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