あらすじ
少女時代に両親をなくし、伯父宅に引き取られた音禰に、遠縁の玄蔵老人からの遺産、それも百億円相続の話がまい込んできた。しかし、それには見知らぬ謎の男との結婚が条件だという。思いもかけない事態にとまどう音禰の周辺で次々と起きる殺人事件。おびただしい血が流された魔の惨劇の根元は、玄蔵が三人の首を供養するために建てた“三つ首塔”に繋がっていた――。
カバーイラスト/杉本一文
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Posted by ブクログ
読み始めてすぐに「あれ、女王蜂と大体の構図一緒じゃね?」と思うけど読み進めてるうちにそれが大体一緒だ!の確信に変わります!
でも女王蜂よりも横溝先生の書きたかったこと全開!という感じで清々しくて好きです♡面白人間博覧会かな?っていうくらい濃い登場人物に翻弄されながらも全身タイツで頑張る音禰ちゃんが好きです♡
でもよくわからないけど何で音禰パパは音禰ちゃんを陥れようとしたの?他のやつ皆殺しにすればよくない?指紋はどうやって残したの?と様々な疑問が湧いてきますが横溝先生の圧倒的な「俺はこういうのが書きたかったんじゃい!」の前ではそのような瑣末なことを考えるだけ無駄ですね♡
本格的なミステリを所望してる人には向かないけどともかく横溝正史が好き!という人はこれを読まなければいけないと思います!
Posted by ブクログ
誰が犯人か全く分からないまま、主人公の気持ちになってハラハラしていた。面白く読めたし、最後は主人公と良人が結ばれるハッピーエンド?だったので良かった。ただ、なぜ伯父が主人公を女性として愛していたのかがイマイチ分からなかった。美しいの一言だけなのか、長年一緒に暮らしていて、他人だったからか…。もしくは、主人公の母親の姉と結婚していたが、亡くなって、主人公と自分の亡くなった妻を重ねて見ていたのか…。罪に罪を重ねて死んでいき、こんなことをしなければ幸せに暮らしていたのではないかと思わずにはいられない。ただ、人生というのは、そういった自分でも予期しないことから、些細なこと?から大きなことへと良いも、悪いも繋がっていくのかもしれない。今回は主人公と良人が結ばれたから良いものの、少し気持ちはスッキリしないというか、怖さを感じる。
Posted by ブクログ
本書では、金田一耕助はほとんど登場しない。
冒頭と最後に出てきて、最後は全てお見通しであったことは語られるが、どのように推理したのかは語られないので、シリーズの中では推理要素は少なめに感じた。
ヒロインの音禰は、今の時代にも通じるモテ要素を持っていると思った(真似したいくらい)。女としてのプライドはあるが、好きになったら情に熱く、便りなげに見えるのに、しっかり自分を持っていていざとなれば大胆な行動もする。でも、好きな男性の前ではか弱い女である。
音禰の彼も最初はチャラついた男だけど重要人物なんだろうな程度に思っていたが、最初のギャップが激しい!彼もまた情に熱く、ちょっとした折り目にキスを求めるところや後半音禰を励ますところは感動的でさえあった。惚れてまうやろー!と思うくらい。
最後まで生きているかとっても不安になるくらい尊い愛情を見せてもらった。
金田一耕助というより、音禰の冒険譚として、世界に入り込んで一気に読むのがおすすめ。
Posted by ブクログ
良家のお嬢様が莫大な遺産相続争いに巻き込まれ、ひとりの男の手に堕ちていく様が、なんともお耽美
そんな自分に嘆きつつも男に惹かれていくお嬢様といくつもの偽名や肩書を持つなんとも頭の切れる男
むりやり関係を作られたり、会員制の怪しげなパーティに全身タイツで参加させられたりとレディースコミックのようww
金田一耕助が出てこなかったら昼ドラの原作みたいですw
テンポがよく、いろいろな事件が起きるので軽く読めるのがイイ
ラストがちょっと切ないのもまたイイ
2012/11/03
Posted by ブクログ
遺産百億円の相続話が舞い込むが、見知らぬ謎の男性との結婚が条件付きだった。そして次々と発生する殺人事件…クライマックスは、かなりドキドキした。
Posted by ブクログ
序盤から中盤までは、かなり重苦しく、場面によってはちょっとした生理的嫌悪感も抱いてしまうような展開。テンポ良く話が進むので、それに助けられて読み進められたけど、これで展開がもうちょっと遅かったりしたら、途中で投げてたかも。
結局のところは最終章の名前通り、「大団円」としてまとまるけど、そこに至るまでのオチとトリックがちょっとなぁ…という感じ。推理小説でこのオチをやられると、個人的にはちょっと脱力してしまう。
やっぱり推理小説は、クイーンやクリスティみたいに犯人が辿ったルートを作品内にそれとなく忍ばせてくれて、読みながら一緒に推理できる方が面白いかな。ホームズの発想力や「実はこういうことだった」という種明かしのパターンも、嫌いじゃないんだけど。