あらすじ
獄門島――江戸三百年を通じて流刑の地とされてきたこの島へ金田一耕助が渡ったのは、復員船の中で死んだ戦友、鬼頭千万太に遺言を託されたためであった。『三人の妹たちが殺される……おれの代わりに獄門島へ行ってくれ』瀬戸内海に浮かぶ小島で網元として君臨する鬼頭家を訪れた金田一は、美しいが、どこか尋常でない三姉妹に会った。だが、その後、遺言通り悪夢のような連続殺人事件が! トリックを象徴する芭蕉の俳句。後世の推理作家に多大な影響を与えたミステリーの金字塔!!
カバーイラスト/杉本一文
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Posted by ブクログ
金田一耕助シリーズ2作目(角川文庫の金田一耕助ファイルとしては3作目)
何よりもまず昭和の雰囲気や前作同様和風の不気味さが秀逸です。
(島民の心理的にも)閉鎖的な孤島の描写が物語に緊張感を持たせ、読み進めるごとに
襲われるのか!?どうだ!?とドキドキさせられる(のがまた楽しい)。
犯人を予想しながら読んでいたのですが、しっかり驚かされました...。
昭和の因習恐るべし。
やるせない結末でしたね...心にずっしり来ました。
Posted by ブクログ
私が読み飛ばしてしまっただけかもしれないが、鐘のトリックの清水警官の証言描写(大きさ、小便)と、切られた布の断面が新しかったことの描写がなかったような気がする?加えて、金田一の推理には証拠がなく、和尚の自白が無ければ現代ミステリ的には完全論破解決とは言えない。いずれにしても、当時の時代背景を考えれば多少摩訶不思議な点はあるものの、名作であるので☆5。
Posted by ブクログ
わかるかこんなもん。
芝居の道具とか、発表当時の読者にはなじみだったんだろうか。言われてみればなるほどなぁと頷けるも、全く想定はできなかった。
ミステリとしてももちろん、キャラクターの造形もよい。
Posted by ブクログ
「若い三姉妹が理不尽に命を奪われる連続殺人事件」だが、それと記号的な地名人名以外は呑気で牧歌的な方向に振れていて、映像化作品のおどろおどろしい世界とは良い意味で異質の、瀬戸の夕凪に漂う潮の香りのような素朴な明るさと温かみに魅力を感じる。晴れの国といわれる地域でしかも秋なのにやたら雨が多いのは不自然だったが(台風?)。流刑の囚人と海賊たちの子孫とは思えない陽気で人懐っこい人々、本当に一代の網元の統率力でここまで変わったとは驚きだが 、逆にここまで素直、素朴(でどちらかというと 小心者が多い?)でなければこんな事件にならずに済んだのかも(早苗さんが少々異質で浮いていて、野々宮珠代に連なるしっかり者の怜悧で謎めいた美女)。久保銀蔵さんがなぜ心配したのか拍子抜けするほど、性悪な人がいないというか、フェアプレイのためにわざわざ屏風を持ち出して探偵の部屋に置く実行犯(!)作者はクリスティの「そして誰もいなくなった」を読んで見立て殺人を書いたようだが、その割に見立ての出典登場が遅すぎでは?さらに悪筆で解読に時間かかったし。敵対する本家と分家と言っても犬神家の一族のようなギスギス感はほぼなく、一応分家が敵方設定ながら割に怖がりでビクビクしながらみんなに頼っていた小さな集落の結束力が微笑ましい。分家の主人の終盤の話ぶりを聞くに、地道な人格者でいい人やんか、と思ったが、権現様にたとえられる辺りが忍耐強く待って嵐が去ればきれいな形で島をまとめる、というこの人の意思も無意識的に働いたのかな?という余韻を残す。
Posted by ブクログ
面白いよーーーー
あの一言はそういう意味だったのか!と。
アガサ・クリスティの『親指のうずき』を思い出した。
俳句の見立て殺人とはね。。。
そして、結局一さんは亡くなってたと。
ラストがほんとに良い
Posted by ブクログ
難しい言葉と昔の言葉が多くて少し読みにくかったですが、トリックは面白かったです。
差別的表現が連発されて、それが鍵を握っていると言うのは面白いです。
Posted by ブクログ
戦後の小さな島を舞台にした小説。
犯人の動機は想像が付くが、犯人とその手法が掴みきれないむず痒さが面白い。
各登場人物の奇怪な部分と、連続殺人が起こっている最中とは感じられない雰囲気が不思議だったが納得のラスト。
Posted by ブクログ
『本陣殺人事件』以来のシリーズ長編で嬉しい。戦友の遺言で示唆された不穏な内容を未然に防ぐため、瀬戸内海の離島である「獄門島」を訪れた金田一耕助。しかし彼の努力虚しく、第一の被害者が木に吊るされた状態で発見される。犯人は?そして目撃者が発した「きちがいだが仕方がない」の真意とは…?
次々と発生する見立て殺人、京極夏彦の『鉄鼠の檻』みたいに坊主が犯人だろ〜と思っていたら違った、もっとヤバかった…。地方の閉鎖性故に可能になる事件をベースにした所謂「因習村」ものだが、例えどこであってもこんな殺人は起きんだろ…。そして一連の事件は男性優位な価値観が犯人を殺人に走らせるフェミサイドで、当時はこれが動機として成立し得たのか、と驚いてしまった。個人的には『本陣殺人事件』に続いて動機に納得がいかない作品だった。
それはそれとして「因習村」ものは大好きで消費してしまう。『屍鬼』然り『ゲゲゲの謎』然り『サマータイムレンダ』然り。自分の理解を超えた常識が通用している場で、それ故不可解な出来事が立て続けに発生するのであれば田舎でも村でも離島でなくても良いんだけど、そういった場所にしてしまうのが作者としては説明責任が免除される(「田舎だから」で済む)と思って楽なんだろうなぁ。
Posted by ブクログ
初めての横溝正史作品!
昔の本だからなのか、そういう作風なのか、ちょっと文章が古めかしく読みづらいところもあったけど全体的に楽しく読めた!まあでもそんなにドキドキハラハラとかではないかも...
途中、金田一耕助が島の刑事さんに牢屋に入れられてて爆笑したwwwwwそんなことあるー?!ww