あらすじ
招かれた辺境の村へ向かう途中、Dは繰り返し一人の少女の夢を見た。夢の中で少女はいつも、古びた館で青い光を浴びて踊っている。少女は、Dが向かう村で貴族の口づけを受けて以来、三十年間眠り続けているシヴィルだった。一方村では、すべての村人がDの夢を見、平穏な生活が崩される予感に身を震わせていた。奇怪な夢の交錯を知らず、Dは刺客が待ち受ける村に入った。
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Posted by ブクログ
夢なりし“D”は、前作とは随分と間があいてから読んだのですが、問題なく楽しめました。
そして、やはり美しい言葉と文章がとても心地よかったです。
この作品は、同じ作者が書いた『夢幻舞踏会』という小説に別の形からアプローチしたものだとか。
そちらも読んでみたいですね。
今回気になったのは、少しずつDの性格が柔らかくなってきている気がしたことでしょうか。
今後彼がどう変化していくのかも楽しみになってきました。
夢の村へ!
謎の村で夢世界に誘われ、戦いの果てに村を脱出するまで。
結局村の住人含めて、舞台の全ては眠る少女シヴィルの創造の産物だった? そのシヴィルも結局30年前に死んでいたってオチだし、生き残りはDと外部の女旅商人だけみたいなんで、少しわかりにくい結末でした。しかし今回も黒幕は「奴」か!
Posted by ブクログ
吸血鬼ハンターシリーズ第五作目。
舞台は‘奴’に噛まれた少女の見る夢の中。
夢ゆえの不可思議な現象(誰もがDの夢を見ていた、ナンだけが人より多くDの夢を見たetc)から始まって、読みながらDとともに夢物語へ誘われていく感じが快かったです。
この雰囲気の中でも‘現実的’な魅力を作品として感じたのは、アイ・リンという主婦の描写です。もし自分がアイ・リンだったとして、Dが訪れすべてを理解したら、一体どうしていいのかわからなくなりそうです。
平和な夜の夢にDは招かれたのですが、ここでも「Dは、この世界に生きとし生けるものすべての敵であった」のでした。
その理由、夢の世界に生きる人々と、その夢を見ている少女がどうなったかは、読んでのお楽しみですね^v^