あらすじ
巨大な地下の実験場に戻ったDは、エネルギー源の“揺曳炉”の爆破を試みるが、貴族の超科学力を用いた防御装置に阻まれる。間一髪、炉は転移したのだ。恐らくはムマへ――。 Dとミア、そして奇妙な共闘関係にある“にせ”Dは、青い刺客と戦い、神祖の老サイボーグ技術者ギイに問い質し北の地にシューシャを訪ねて、ひたすらムマへの道を辿ろうとした。大いなる悲劇と二人のDの過去を秘めた、宿命の地を求めて。
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Posted by ブクログ
吸血鬼ハンターシリーズ第十作品目。
なんとDの兄弟―というよりもう一人のD―が登場します。
同じとは言えこうも人?柄が違うと、いつものDでさえ想像上の美貌なのに、一層想像し難い真反対ぶりでした。
にせDは「これまで生きた歳月の壮絶さが察せられるわ」とDに向って吐きますが、力は互角。それまでにせDは地上には出ておらず、目覚めていなかったはず。
結果(ネタバレ注意)、左手の差が勝敗を分けたようなラストでしたが、個人的には、左手の使い方も含めて経験の差であるほうが納得できるのです。でなければにせDはどうやってDと同等の経験を得たのか、地下に潜っていてはそれは不可能と考えたい。
神祖がやはりDを選んだのも、にぜDが出来損ないだったからですし・・、しかし二人のDのやりとりは興味深いものでした。